【オラン・銀の網亭】 |
■おかみ To:6、7番テーブル周りのお客様たち>リュナ |
椅子はどうぞ、動かして! ごめんなさいね、今、ちょっと離せなくて。 リュナ、今のお給仕が終わったら6番にもう一度メニューを届けてちょうだい。 追加の確認もお願いね。 |
■リュナ To:おかみ |
ん、またうさうさタルト売り込んでくる。 |
エプロンの裾を揺らしながらトコトコと6番テーブルへ。
■リュナ To:6番テーブルの面々 |
メニュー。 追加注文もあれば聞く。 さっきの注文は、「暴魔騎士」が持って来るから少し待つといい。 |
「うさうさタルト」のところに「期間限定」「残りあと1」と、かわいらしいウサギのペンキ画とともに書き加えられていた。
■インガ To:リュナ>メナス&集まってきたひとたち |
わー、竜騎士なひとも来てくれるんですかー! あの、わたしたちだけ食べるのも悪いんで、みなさんのぶんも何か頼みますよ? メナスちゃん、だったよね? 好きなものある? |
メナスの顔を覗き込むようにしながら、リュナから受け取ったメニューを差し出す。
■メナス To:インガ、ALL |
あり、がとう、ござい、ます。 でも、すこし……はなし、したら、かえります。 |
メナスは「ねことうさぎのシュークリーム」のところで僅かに目を留めたものの、固さのある微笑みをうかべつつ、ぺこりと頭を下げた。
■リキュオス To:メナス |
ま、せっかく来たんやから、甘いもんくらいええやろ。 この、「三段栗どら焼き」ってやつか? |
■メナス To:リキュオス |
あの、え、えと……。 |
それは「ねことうさぎのシュークリーム」の隣だ。
■ウーラ To:リュナ>シリル |
じゃあ、注文お願い。 「ねことうさぎのシュークリーム」と「三段栗どら焼き」。 ああ、今回の注文の請求は、こっちの魔法使いっぽいお兄さんに。 シリルさんもほら、今得だから選んで選んで。 |
■リキュオス To:ウーラ |
Σ( ̄Д ̄;; |
■シリル To:ウーラ>リキュオス |
よ〜しじゃあ、メニューのこっから→ここまで、ぜ〜んぶ2皿ずつ行っちゃおうっと〜♪ いや〜悪いっすね〜♪ |
■リキュオス To:カラレナ |
おい、どうなっとるんや、この旦那!? |
■カラレナ To:リキュオス |
旦那じゃないですっっ! |
■シリル To:カラレナ |
あ、今日はそーゆーきぶん? わかったわよ〜ん♪うふふっ♪ 帰ったらゴハンにする? オフロにする? それとも……ア・タ・タ? |
■カラレナ To:シリル |
なんで私が旦那役になってるんですかっっ!(T_T) |
■リュナ To:ALL |
ん、少し待つといい。 |
やりとりを面白そうに眺めていたリュナはこくんと頷くと、メニューをスクワイヤにくわえさせてカウンターに戻る。
■リュナ To:おやじ、おかみ、ウーサー |
…(一語一句違わず正確に注文を伝え) デザート、大量だからあとで一緒に持って行こう。 頑張れうさぎ。 |
■ウーサー To:リュナ |
ああ、わかったぜ……ほらよっ、次も出来たぜ! |
リュナはフル回転中の背中に向かってVサインを送ると、先に上がったランチをテーブルへ運んで行った。
その時、銀の網亭の扉が開き、ひとりのドワーフが入ってきた。
女性。人間で言うなら、ハタチ前後の年であろうか。
艶やかな赤い髪を三つ編みにして高く結い上げている。
皮の胴着とズボンという簡素ないでたちの割に、大きなトランクをふたつ、抱えているのが、ランチタイムの店内からひどく浮いていた。
きょろきょろと店内を見回し、カウンターの混雑に目をやると。
赤毛のドワーフは、混雑を回避するかのように店内を迂回しはじめる。
そしてふたつの直方体をひとに当てないよう四苦八苦しながら、6番テーブルの側を、通り抜けようとしたその時。
■赤毛のドワーフ To:テーブルのひとたち |
ちょっとごめんなさい。 通るだけ……うはっ?! |
なんの前触れもなく、トランクのひとつが大きく口を開いた。
きちんと仕分けされた袋が幾つか転がり出す。
続いて、床に広がったのは、テーブルにいる何名かには見覚えのある色、紫の羽織ものであった。
それも、全く同じ色のものが数枚。
さらには、ターバンと思わしき布まで何枚か舞い散っていく。
■カラレナ To:赤毛のドワーフ |
あっ、大丈夫ですか? |
■赤毛のドワーフ To:テーブルのひとたち |
すみませんっ! 直ぐに片付けます、あ、触らないで、ええ大丈夫ですっ!! |
トランクふたつをどすんと床に置くと。
その場にしゃがみ込んだドワーフは、大急ぎで紫の布をかき集めていく
■リキュオス To:赤毛のドワーフ |
ちょちょ、いきなりなんやねん!?Σ( ̄Д ̄;; |
床に散らばった布と一緒に、身につけていた紫の長衣を回収されそうになるリキュオス。
■赤毛のドワーフ To:つけ耳男 |
なんやねんってなんですかっ! どさくさに紛れて、身につけないでくださいっ!! |
そう言っている間にも、リキュオスの紫衣装は、ドワーフの腕力にぎゅうぎゅうと引っ張られていく。
■リキュオス To:赤毛のドワーフ |
いやいや、その解釈はおかしい。この長衣は自前や。 |
■赤毛のドワーフ To:リキュオス |
自前って……だったら、仕立て屋の名前教えてくださいっ! |
ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう。
紫の布がリキュオスの喉首を締め上げる!
■リキュオス |
ぐおおっ!!? |
■カラレナ To:赤毛のドワーフ |
あの、それ以上締めると死んじゃいますよ〜。 |
と言いつつ見てるだけ(ぉ
■カラレナ To:赤毛のドワーフ |
あれ? この間、劇場でお会いした…えっと、BOX席に座ってらしたかたですよね? |
■赤毛のドワーフ To:カラレナ |
ああ、この前舞台に立っていらっしゃった方ですね。 すみませんが、お連れの方にお伝えいただけませんか? それ、女物ですよって。 |
■カラレナ To:赤毛のドワーフ |
あの、これが彼の趣味みたいなんです…。 |
誤解されそうな言い回し。
■赤毛のドワーフ To:カラレナ |
あーあ、なるほど。 こちらは今流行りの「女子会」ってやつですね。 |
締め上げていた手を緩めると。
リキュオスの衣装を、じっくりと見直したドワーフは、続いて6番テーブルを囲む顔ぶれを見回し、意味深に頷く。
■リキュオス To:赤毛のドワーフ |
「うふふ、そうなんですの。良かったらお姉さまも一緒にどうですか?」 …ってなんでやー!!ヽ(`д´)ノ |
■カラレナ To:赤毛のドワーフ |
えっと…私、ゾフィーさんのお仕事仲間のカラレナっていいます。(ぺこり) ゾフィーさんは、ご一緒ではないんですか? …旅立つ前に、ご挨拶したかったんですけど…。 |
■赤毛のドワーフ(ザラ) To:カラレナ |
ご丁寧に、わたしはザラと申します。 ゾフィーさまは、港に行かれてます。 こちらに荷物を運んでおけと言われてますので、そのうち取りにみえるのではないでしょうか。 |
ザラと名乗ったドワーフは、カラレナの挨拶に手を止めて、丁寧に言葉を返してきた。
■シリル |
港……? |
■リキュオス To:赤毛のドワーフ、ALL |
お、なんや。婆さんの知り合いか? ずいぶんとでっかい荷物やけど、夜逃げでもするのか? なんや仕事でしくじったのかなー。 |
■ザラ To:リキュオス |
ああ、なるほど。 なんで急に荷造りさせられたのかと思ったら、そういうことだったんですか。 |
そそくさと衣装を畳み、トランクに収めながら、ザラは深く頷いた。
■カラレナ To:リキュオス&ザラ |
ま、また怒られそうなことを…。 きっとバカンスですよ〜。 あっ、良かったらゾフィーさんを待つ間、ご一緒にいかがですか? |
また空いている椅子を持って来てすすめる。
■ザラ To:カラレナ |
バカンスですか。 ここで十分に息抜きしているでしょうに、これ以上なにをなさりに行くのでしょうね? ありがとうございます、それでは失礼します。 |
一同に丁寧に頭を下げながら、勧められた椅子に腰を降ろすザラ。
背筋をまっすぐに伸ばした几帳面な腰の掛け方だ。
■シリル |
…………。 |
■カラレナ To:シリル |
? シリルさん? 具合でも悪いの…? |
シリルの顔の前で手を左右に振る。
■シリル To:カラレナ |
んにゅ? あ〜いやいや、カラレナんにはこの布の色、合わないかな〜なんて? やっぱりオレンジとかピンクとか、そーゆーやわらか〜い系がいいかな〜? |
■カラレナ To:シリル |
え、そうですか? ん…それじゃ、オランに戻ってきたら、またお洋服のお買い物に付き合ってくださいね。 約束ですよ(^^) |
す、と小指を差し出す。
シリルはにっこりと、片手を差し伸べてきて、
■シリル To:カラレナ |
ん、わかった♪ じゃあ予約〜♪ |
ついっとカラレナの手をひっぱると、その小指を軽くついばむような、あまく優しいくちづけを。
■カラレナ To:シリル |
Σ(///) |
■シリル To:カラレナ |
か〜わいいウェディングドレス、選びに行こうねっ♪ |
■カラレナ To:シリル |
な、な▼◎□☆△…… |
■ウーサー To:カラレナ |
じょ、嬢ちゃん……いくらモテないからって……その、なんだ……。 あ、あんまり焦らなくても、な……? オメェもよ、老けにくいんだしよ……? |
そのとき丁度、特大のトレイに料理とスイーツの数々を乗せてやってきたウーサーが冷や汗を垂らしつつ、おそるおそる声をかけてきた。
ちなみにサービスのつもりか、首にはあのウサミミをひっかけてきていたりする。
■カラレナ To:ウーサー |
ごっ、誤解です〜〜! お友だちと買い物に行くって、普通じゃないですか〜〜(T_T) |
■ウーサー To:カラレナ |
あ、いやな? まー嬢ちゃんがそーゆーのがイイってんなら別に、な? でもその、なんつうかその……リュナとかみてぇなのだとオマエとキャラ被るだろ? だからあーゆーのは避けたほうがイイと思うんだけどなぁ……如何なのよそのへん? |
様子を窺うようにぎこちなく微笑みつつ、ウーサーは皿を並べていった。
が、ミタラシダンゴが来ていないーーカラレナのランチのデザート分だけでなく、追加でアリスが頼んだぶんの一皿も含めて、だ。
■カラレナ To:ウーサー |
もうっ、何を言っているのかわから……あれ? あの、ミタラシダンゴだけ、後ですか? |
■ウーサー To:カラレナ |
おう、例のダンゴだな……ちょいと待ってなよ? |
ウーサーはにやつきながら踵を返し、厨房の奥へと姿を消した。
そして暫くすると、今度は小山のような一皿ーーなにやら飴色と茶色と白と、ところどころに桜色や抹茶色が蜜柑色なども入り混じったモノーーを抱えて戻り、リュナに運んできてもらったキャスター付きのサイドテーブルに、ごどん!とその大皿を載せる。
■ウーサー To:カラレナ |
ほらよ、待たせたな——オレ様特製「ミタラシダンゴの贅沢山脈」だ!! |
「山脈」の名に恥じぬよう、皿の上には積み重ねられたミタラシダンゴの山がいくつも並べられている。
だが実は、それぞれの山ごとにかけてある餡が変えてあったり、中にさまざまな種類の餡子を仕込んでいたり、ダンゴの生地に練り込みを施していたり、ダンゴ自体を軽く炙ってあったりと、ウーサーが調べまわった「ミタラシダンゴ」のさまざまなバリエーションがほぼ網羅してあるのだった。
(ちなみに中央でひときわうずたかくその威容を示している「山」は、ふだん「銀の網」亭で出している、スタンダードな「ミタラシダンゴ」である)
■アリス To: |
こ、これが、ミタラシダンゴ……。 |
■インガ To: |
いったい何人分あるのかしら……。 |
■ウーラ To: |
こんなスペシャルメニューが、隠れているとは。 冒険者の店、あなどりがたしっ! |
■カラレナ To:ウーサー |
……す、すごい……。 |
■ウーサー To:カラレナ |
奢りだからな、好きなだけ食い溜めしてきやがれっ! あ、食いきれない分は持ってけるようにしてやっから、無理して詰め込むんじゃねえぞ!? |
■カラレナ To:ウーサー |
あ、ありがとうございます〜。 とっても嬉しいです。 夢みたい……。 |
目の前の非現実的な光景に目を丸くしながらも、嬉しさでいっぱいの笑顔を見せる。
■カラレナ To:リキュオス、シリル、アリス、インガ、ウーラ、メナス、ザラ |
み、みなさん、手伝ってくださいね〜。 好きなだけ食べちゃうと、太っちゃうから(>_<) |
■アリス To:カラレナ |
やったーっ!!もちのロン! それに、この中にはワタシの頼んだ分もあるはずなんだからねーっ。 あ、でもその前に、うさうさタルト食べちゃおっv |
■インガ To:カラレナ>ALL |
あの…嬉しいです、いただきます(^-^) でも、ランチと他のデザートも、残すのは申し訳ないっていうか。 この店って、残り物は包んでもらえるんでしょうか? |
三人娘のうちインガだけは、「贅沢山脈」の迫力に圧倒されてしまったようだ。
■ウーラ To:インガ>シリル |
それは、食べ残しか出てから考えればいいって! ここに8人いて、ランチが4つに、デザートが7つとミタラシスペシャルでしょ、足りると思うよ? あ、シリルさんは、自分のの注文した分は、責任持って平らげてくださいねっ。 |