#183 舞台の時間?!

番外編:そして伝説へ?!

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【オラン・銀の網亭】

■カラレナ To:ALL
私、そろそろ行かなくっちゃ。
乗り合い馬車に遅れちゃうので…。
リキュオスさんのぶん以外は、私が奢りますねっ。

ぱたぱたとカウンターへ。
■カラレナ To:おやじ、おかみ
おやじさん、おかみさん、
お世話になりました。(深々〜とお辞儀)
冒険者は辞めませんけど、このお店は卒業して、もっと広い世界を見てこようと思います。
えと…また、懐かしくなったら、遊びに来ますね。

リキュオスのぶん以外(笑)の金額をカウンターに置いて、あらためて"オランでの両親"であったふたりへ、感謝の笑みを浮かべた。
■おやじ To:カラレナ
そうか、行って来い。
今のカラレナに相応しい、大きな居場所を見つけてこい。

■おかみ To:カラレナ
身体に気をつけて。
オランに寄ったときは、顔を見せてちょうだいね。
この店はいつも、みんなの為に開いているから。
あなたの為にもね、カラレナ。

深く頷くおやじの隣で、にっこり笑顔を浮かべるおかみ。
■カラレナ To:おやじ、おかみ
ありがとうございます…。
頑張りますね。

そこへ、カラレナが席を立ったのを見たウーサーも、厨房から出てきて眉をしかめるような表情をつくりーー照れくさそうに首を揉みながら、ぶっきらぼうな口調で別れを告げてきた。
■ウーサー To:カラレナ
おう、行くのか嬢ちゃん……まあ、アレだ。オメェは実力のワリに、控えめすぎんだからよ。気合入れていけよ?
ああ、それとだ。モテねぇからって、自棄になるんじゃあねえぞ?

■カラレナ To:ウーサー
なっ、何ですかそれ〜。
モテなくたっていいもん……カザークさんがいれば(ぶつぶつ)

……はっ!
い、いけない、もう行きますねっ!

赤い顔を隠すかのようにパタパタと扉へ駆け寄り、最後に店内のみんなへ手を振りつつ、ばんっと勢いよく扉を押し開ける。
■外にいた人 To:扉をばんっと押し開けた人
注意散漫っ!!

突然押し開けられた扉を、ばんっと受け止めて激突を防いだ、扉の外にいた誰かが、大きく叱責を飛ばしてきた。
カラレナには、聞き覚えのある声だ。
■カラレナ To:ゾフィー
あっ…ゾフィーさん!
よかった〜!

旅行用の荷物を振り落としながらぱっとドアの裏側へ回ると、紫に包まれた、自分より背の低いその体をがばっと抱きしめる。
■そこにいたひと(ゾフィー) To:
ふがっ、モゴ……モゴ…○■◎▽■×○!!

手にした墨杖をばしばし床につきたてながら、意味不明な言葉を喚き散らすものの。
紫の長衣をまとったドワーフは、そんなカラレナを突き放そうとはしなかった。
■カラレナ To:ゾフィー
あっ、あのお魚どうでした?
お肌すべすべになりました?(^^)

■ゾフィー To:カラレナ
すべすべどころか……。
しかしよくまぁ、ホンモノをみつけましたこと。
46年ぶりの大発見よ。

■カラレナ To:ゾフィー
わあ、そんなにスゴイモノだったんですか〜。
ピエロさんに感謝しなきゃ。

■リキュオス To:ゾフィー
おう、婆さん。バカンス行くんやって?

■ゾフィー To:リキュオス
バカンスで済めば幸いでござぁますわ。
なんでしたら、一緒においでになられます?
交通費ぐらいは持ちましてよ。

いつものごとく投げかけられる鋼色の視線。
だが、いつになく目尻が下がってみえる。
■リキュオス To:ゾフィー
お? なんやなんや。
前に言うてた娘にでも会いに行くのか?

■ゾフィー To:リキュオス
それではバカンスにならなくてよ。
ま、通りかかれば、消息位は尋ねるやもしれませんが。
どうやらその程度の距離感が、今は主流のようですし。

店内に投げかけた視線が、6番テーブルの辺りで留まり。
すぐに逸らされた。
■リキュオス To:ゾフィー
はっはっはっ、近くまで来たら出来の悪い「息子」にも会いに来てくれや(笑)

下品な笑い声を上げるなんちゃってエルフ。
■ゾフィー To:つぶやき?
ふんっ、そこを目指すならもう少し奮起していただきませんと。
「出来が悪い」段階で、わたくし以前の問題となりますでしょうし。

■カラレナ To:ゾフィー
私、しばらくドレックノールのほうへ旅に出ることになったんです。
それで、このお店は卒業して、もっと広い世界を学んでこようと思って。
…ゾフィーさんにもお世話になりました。
色々教えてくださったこと、忘れません。

いつものように、深々〜とお辞儀。
その拍子に、腰から提げた曲刀から、しゃらりと海の音がした。
■ゾフィー To:カラレナ
最後のそれは、お互い様ね。
礼にはおよびません。
わたくし、ガルガライスに向かう交易船を押さえましたの、あの船、まだ部屋は空いてございましてよ。

■カラレナ To:ゾフィー
ガルガライス…近いですね(^^)
のんびり陸から行こうと思ってましたけど、どうしようかな…

■ゾフィー To:カラレナ
まっすぐ目的地というわけではないわ、交易船ですから。
エレミアやロマールにも1週間ずつ寄港するそうよ。
海路にしては、のんびりなのかしら。

そっけない口調でそこまでいうと、ゾフィーは一度言葉を切る。
ひと呼吸おいた後、今度はささやき声で返してきた。
■ゾフィー To:カラレナ
野暮な話ですが、ちゃんと式は挙げたのでしょうね?!

どうやら、新婚旅行と思い込んでいるような口ぶりだ。
■カラレナ To:ゾフィー
え??
式…式って……
…………。
ちっ…違います!
ゾフィーさんまでそんな……私とシリルさんはそんなんじゃ〜!(T_T)

ついさっきのトラウマを掘り起こされたらしい。
■ゾフィー To:つぶやき
シリルさん……?!

ゾフィーの両眉が同時にはね上がった。
■ゾフィー To:カラレナ
あなた、自棄になっては駄目よ。
に振られたからって、まさか?!
しかも公言してのけるなんて馬鹿娘以上の胆力だわ。

■カラレナ To:ゾフィー
………………え?
あ、あの。(・□・;)

ぐるりと目を回すようにして天井を仰ぐと。
銀の扇を片手に、つかつかと6番テーブルへと歩み寄るゾフィー。
■カラレナ To:ゾフィー
まっ、まっ、待って〜〜〜!
ごか(べち)

一瞬固まったせいで動きがこんがらがり、歩み去るゾフィーの服の裾を掴もうとして空気をつかみ……そのまま床に顔面から豪快にすっ転んだ。
■カラレナ To:
。。。\(@▽@) ノ。。。

へんじがない ただのしかばねのようだ。
しかも くさりはじめている。
■???? To:カラレナ
あっーー大丈夫ですか、カラレナさん!

■カラレナ To:
(えっーー?)

ひさしぶりに聞くーーけれど、とても聞きたかった声が、喧騒をすりぬけて耳に届いた。
顔を上げた先には、素早くこちらに走り寄って屈みこみ、こちらを覗きこんできた端整な顔立ちがーー
■カザーク To:カラレナ
む、顔全体が真っ赤に……
大丈夫ですか? 手をお貸ししても、よろしいでしょうか?

黒いリングメイルを纏い、細身の大剣を背負う、屈強そうな体躯の東方系の男。
騎士のような厳格さを滲ませる、その男ーーカザークは、何故か真新しい旅行用のマントを羽織り、これまた真新しいバックパックを背負っていた。
使い込まれた鎧や大剣、ブーツといった諸々のものをのぞけば、まるで「今日旅立つことを決めて、旅行用の装備品だけをひとおり、店のおやじに勧められるままに買い揃えた、元剣士の冒険者見習い」であるかのような出で立ちになってしまっている。
■カラレナ To:カザーク
……か、カザークさん。
あ、あのあのっ……
だ、大丈夫………………
(/ _ ; )

転んだところを見られた気恥ずかしさと、いま一番会いたかった顔に会えた嬉しさで、思わず涙ぐむ。
■カザーク To:カラレナ
いや、本当に大丈夫でありますか? む……?

カザークはカラレナの装いや、席の近くに置かれた荷物に気がついたようだった。
■カザーク To:カラレナ
カラレナさん……何処かへ出られるご様子ですが、依頼でありますか?

■カラレナ To:カザーク
あっ、いえあの…。
ドレックノールのほうへ、旅に…。
あんにゃろ…あっ、えと、兄に会いに行くんです。
冒険者になるように仕向け…じゃないっ、きっかけをくれたひとなので…色々、報告したいことがあるから…。

そこでふと、カザークの目を見つめ、すぐに赤くなって目を逸らす。
■カラレナ To:カザーク
ギルドには、出発前に寄ろうと思っていたんです…けど…
あ…あの、カザークさんも、どこかへ……?

真新しい旅装を見、少し不安げに尋ねる。
■カザーク To:カラレナ
あ、いや、それが……。

カザークの顔にカラレナが初めて見る種類の、なんとも頼りなげな表情が浮かんだ。
■カザーク To:カラレナ
実は、さきほど突然、お嬢…ベルカナン様から、今日でお前は首だ、と……。
理由はよく、わからないのですが…お嬢曰く「いい加減見てて疲れた」とか……?

■カラレナ To:カザーク
ええっ……??

そして彼は、捨てられた仔犬のようなまなざしで茫様と、呟くように事情を話しはじめた。
■カザーク To:カラレナ
それからこのマントと、バックパック──かなりの額の宝石類と、だいたい2人分くらいの遠征用具が一式入っていたのですが──を渡されまして……。
「オランに居続けさせるのは問題があるから、暫くこの国を離れて、ほとぼりを冷ましてこい。そのあとでならヒラ冒険者としてオランのギルドに戻ろうと、何処に住もうと好きにしろ」とだけ言われ、リカザークの奴に部屋から押し出されたのでありますが……斯様なことは初めてで、自分は一体全体、如何したらよいのやら……。

ですが、その…押し出されぎわに、お嬢が。
「それから、銀の網に行ってカラレナに会ったら、『餞別だから好きなように使ってくれ、って言ってたって伝えておいてね』と言っておられたのですが……。
カラレナさんは何か、特殊な密命でも受けておられたのでありますか……?

■カラレナ To:カザーク
えと……
それって……それってあの……。

胸がいっぱいになり、両手の手のひらに顔をうずめる。
■カラレナ To:カザーク
カザークさん、お願いがあるんです。
私、ドレックノールにひとりで行くのは初めてで……本当は少しだけ不安なんです。
もし、カザークさんの旅に、あてがないのなら、……一緒に……行ってもらえませんか?

懇願するような視線でそう告げたあと、もう一度カザークの瞳をまっすぐ見つめ直して言葉を続ける。
■カラレナ To:カザーク
そして…その後で、もし…カザークさんが自分のために旅立つようなことになったら、その時は……。
私を連れて行ってほしいんです。

■カザーク To:カラレナ>ひとりごと?
えっ……あ。
お嬢、恨むでありますぞ……ありますが、しかし……。

カラレナの言葉に表情から不安の陰が消えたカザークは、大きく頷きかけ……なにかに合点が行ったのであろうか、目を白黒させながら真っ赤になった。
しかし大きく頷くと、カラレナに手を差し伸べながら、真っ赤なままで真剣な表情になり、呟くように問いかけてきた。
■カザーク To:カラレナ
ドレッククノールどころか、あの辺りの街々でしたら、よく知っております。同行しましょう……いえ、貴女に、同行させてください。
そして叶うならば、此度の貴女のその旅が……終わったあとも。貴女がこの私を、その……「いい加減見てて疲れ」てしまう、そのときまで……。
傍にいることを、許していただけるでしょうか?

■カラレナ To:カザーク
はっ…はい……。

差し出された手のひらに、自らの手のひらをそっと乗せると、カラレナはまた、今度は嬉しさで涙目になりながら、小さく頷いた。
■カラレナ To:カザーク
カザークさんのことを、見疲れることなんてきっと一生、ないです(///
あっ、そうだ…

何かを思い出したかのように、足元に放り出していた荷物に目をやり、そっと結び目を解いて、丁寧に封がされた手紙を取り出す。
■カラレナ To:カザーク
これ…もし、ギルドで会えなかったときのために、お手紙を書いたんです…旅立つ理由と、あと…その…い、色々。
い、今言ったことと、ほとんど一緒だから、読まなくてもいいですよっ。(///

旅立ちの報告だけにしては、やけに分厚い封筒。
恥ずかしさでいっぱいになりながらも、おそるおそるカザークへと差し出した。
■カラレナ To:カザーク
あの……カザークさんは、「海」見たことあります?
オランの港からずっと先の……。
私は、まだ無いんです。
西方行きの船があるらしいので、それに乗って…船旅もいいかなって。

「紫の脅威」が6番テーブルに向かったことも忘れて、底抜けに幸せそうな笑顔をカザークに向けているカラレナ。
■ゾフィー To:6番テーブルの面々
ごめんあそばせ。
どなたかシリルさんとおっしゃる方をご存知かしら?

■リキュオス To:ゾフィー
ん? カラレナのフィアンセなら、そこに…あれ?
さっきまでそこの席でチーズケーキ頬張っとったんやけど…。

リキュオスの言葉に、ゾフィーの右眉がぐいっと動く。
ふと気付くとシリルは、「ううっ、危険が危ない……?!」とか呟きながら、テーブルの下に潜り込んでいた。
■アリス To:
きゃーvvv
フィアンセだったり、旦那だったりぃ。
お話の世界みたい〜、すっごーい、ステキ〜〜o(^▽^)o

■ウーラ To:アリス>シリル
アリス、いっつも思うけど、そのテンションでよく疲れないね。

あ、シ リ ルさぁーん?
大丈夫ですよ〜。
誰だか知らないけど、このドワーフのひと、冗談わかってくれそうなふいんき(ryですしぃ。

パイナップルの切れ端が刺さったままのフォークを置くと。
テーブルの下を覗き込むようにして、声をかけるウーラ。
■シリル To:ウーラ
ええ〜〜〜っとその〜〜〜っ、あーゆーオバサマはニガテなんだにゃ〜〜〜〜?

■ゾフィー To:シリル
あら、そう?
ではここから失礼いたしますわね。

これまで、カラレナがお世話になりました。
せっかちでそそっかしい娘でございましたが、図書館などでいろいろご援助いただきましたようで、御礼申し上げます。

それから、こちらに掛けている赤毛の娘はザラ。
本人の希望もあり、しばらくオランで修行させることにいたしました。
図書館とは縁の無さそうな娘ですが、冒険者となればそうも言ってはおれんでしょう。
時には目を配っていただけますと幸いですわ。

また、こちらにもうひとり。
わたくしが後見することになりましたメナスと申す娘がおります。
学業が進めば、本とは無縁ではおられますまい。
わたくし、この娘には、まっすぐ育って欲しいと望んでおります。
あなたの出来る範囲で見守ってやっていただけると嬉しいです。

立ったままで、ごめんあそばせ。
どうしてもお伝えしたかったものですから。

そこまで言うと、ステッキを脇にたばさみ。
ゾフィーはザラが横に置いていたトランクに手を伸ばす。
■ザラ To:ゾフィー
ゾフィー様、それは私が。

■ゾフィー To:ザラ
いえ、結構よ。
あなたは自分の道をお行きなさい。

■シリル To:ゾフィー?
うええっと〜、メナスちゃんのことはボクもキョーミあったから、知り合いに見といてもらっときますです〜。
あと、赤毛ちゃんもその知り合いに、ひとこと頼んどくね〜?

テーブルの下からおそるおそる、もそもそと這い出しながら、シリルはひとりごとのように呟いた。
■リキュオス To:シリル
ノーマルな知り合いやろな?
メナスは俺の大切な妹や。カラレナみたいな嗜好に目覚めたりしたらかなわんで。

■シリル To:リキュオス
本気の恋愛に、ノーマルもアヴノーマルもないっ!!(キリッ)

■ゾフィー To:つぶやき
なるほど、KYとかいう言葉の用い方が少し理解できた気がいたしますわ。

■ゾフィー To:メナス
旅に出てまいります、依頼よりも長い期間ね。
この店の主の目はかなり確かですから、出入りする面々は何かあった時の寄りどころにはなるでしょう。
店内では、目と耳と頭はもちろんのこと、心を働かせておきなさい。
そうすれば、新しく見えてくるモノもございましょう。

■メナス To:ゾフィー
め、と…み、み…、あ、たま……。こ、こ、ろ……?
い、まは……まだ、わか、ら、ない、けれど……いし、き、して…やって、みます。ぞふぃー、おばさ、ま。

メナスはふかぶかと頷くと、ゾフィーを安心させようとしてか、まだ引きつりが抜けきらない唇を、「笑み」のかたちに吊り上げてみせた。
■ゾフィー To:メナス
ならば結構、再会を楽しみにさせて貰います。

小さな笑みを見据える鋼色の瞳。ひと呼吸置いた後、ゾフィーは僅かに腰を屈め、メナスの双眸を同時に覗き込んだ。
励ますような頷きの後、紫に包まれた腕が、少女の身体をぎゅっと抱きしめる。
■ゾフィー To:
いずれあなたも超えてゆく。
その時まで、わたくしは見守り続けましょう。


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