【楽屋1】 |
■リキュオス To:ALL |
銀の鋼亭で暇してるヤツが居てたら、もぎりくらいは押し付けてもよさそうやけどな? |
■ウーサー To:リキュオス>リー、ベッツ |
あ。いやうーん、あー。デキレバ、宿の連中には知らせたくネーナー???(焦) そ、そりゃあ兎も角として、だ。1幕で行くんなら、やっぱ決戦シーンというか、敵の居城に乗り込んだところからってカンジになんのか?それとも、姫が攫われて敵の居城までたどり着いて、続きはまた次回!ってすんのか? |
■リー To:ウーサー&ALL |
お前さんたちが観客だとして、どうすれば盛り上がると思うね? |
■ドレッダール To:リー>冒険者たち |
そりゃあ、決まっとろう! 姫が攫われて、敵の城に乗り込んで、決戦!! 始めと終わりがない物語は、物語ではない!!! お主らもそう思うじゃろう? |
■リー To:ドレッダール>冒険者たち |
いやだから、あんたは黙っててください。 わしは、実際に演じる連中の考えが知りたいんだ。 すまんな、続けてくれ。 |
■リキュオス To:リー |
ま、だいたい御大の言うとおりでええと思うけど。 ウサやんが言うみたいに、次回へ続くってやるのは選択肢としてありなん? |
■リー To:モドキ |
尋ねるまでもなかろう? 観客が、それで盛り上がるならアリ、金返せと暴動が起きるならナシ、そう言うことだ。 |
■リキュオス To:リー、ALL |
とりあえず先に舞台に立つ人数を決めてから、内容詰めていったらどうやろか。 |
■リー To:モドキ&ALL |
冒険者諸君とベッツ、ここにいる6人は決まりだ。 さもなければ、なんのために給料を払うんだ? それ以外、いますぐ連れてこられない増援は、当てにしないほうがよかろう。 |
■リキュオス To:リー、ALL |
けど全員で舞台に立つとなると裏方まで手が回らんのと違うか? |
言いながらパーティメンバーに視線をやる。
■リー To:モドキ&ALL |
6人全員が、常にイタに出ずっぱりというわけでもあるまい? 裏で必要な作業は、竜のカラクリと、あと、なんだ? |
リーは、リキュオスの動きを真似るかのように、視線を全員に投げかけた。
■リキュオス To:リー |
小道具の出し入れとか、天窓の開け閉めとか。 もぎりをやるヤツは公演中も入り口やろし。 |
■リー To:モドキ&ALL |
出し入れに問題となりそうな小道具はなんだ? それぐらいは出番のない奴でなんとかできる範疇だと思うが。 天窓は夜は締め切りだから、今日に関しては問題はない。 開演予定時刻になったら、入口の扉は締め切る。 モギリは舞台に戻れ。 遅れてきた客の対処は、わしがなんとかしよう。 他には? |
■ウーサー To:リー&ALL>ドレッダール |
ん〜、どんなシーンを演るのかってのが固まってねえから、必要な道具ってののイメージがつかめねぇ! せっかくだから竜は出してえが、そうなるとただ竜と戦うだけ、ってカンジなんだろうしなぁ……? なあ半透明の旦那、「姫を攫いに来る計画を事前に掴んでいた勇者と仲間たちが、偽の姫の近くに潜んで竜を迎え撃つ」とかじゃあ、やっぱちと卑怯っぽくて駄目かい? |
■ドレッダール To:ウーサー |
なにが駄目なんじゃ? 阿呆なトカゲは、コテンパンにしてやればいい。 |
■リキュオス To:ウーサー |
偽の姫て。…それ、配役増えてへん? |
■カラレナ To:リキュオス、ウーサー |
ん〜、仲間のだれかが偽の姫に扮すればいいんじゃないでしょうか? 例えば、魔法使いのリキュオスさんとか。 紫色のベールで顔を隠せば、お客さんも騙せちゃうかもしれないですね〜。 |
にこにこと。
■リキュオス To:カラレナ |
ナチュラルに無茶振り!?Σ( ̄Д ̄;; |
■リキュオス To:リー、ALL |
いや、というか本番中は出ずっぱりじゃないかもしれへんけど、全員で舞台立つとなると練習だけで精一杯で、掃除とかカラクリ作りとか手ぇ回らんで? |
■リー To:モドキ&ALL |
ホンを覚えるヒマさえないのに、練習もなかろう。 ソデとイタとの出入り道、幕の上げ下げ、明かりの付け方、説明出来てそれくらいではないかな。 |
■リキュオス To:リー |
まぢで? さすがに話の流れくらいは、場面ごとにひと通り確認しておきたいところやけど…。 |
■リー To:モドキ&ALL |
むろん、時間がとれれば、そこまでやりたいがな。 いいか、暗いからこそなおさら、掃除は大切だ。 いくら舞台がよかろうと、客にとっては、一張羅に汚れがついたり、ひどいトイレを使わせられたりすれば、そちらの記憶が全てを台無しにしてくれるでな。 せめてそれぐらいは、きちんとして客を迎えたい。 |
■ウーサー To:リー |
まあ確かに、中の掃除だの見栄えだのは大事ってなあ理解るが……劇のほうは基本アドリブ、ってことかよ……? |
■カラレナ To:ウーサー&ALL |
確かに脚本覚える暇もないですし、それしかないのかも…。 |
■リキュオス To:ALL |
うへぇ。こいつぁ、えらいことになってきた。 |
そのとき、黙ってやりとりを聞いていたベッツが、小さく手を挙げながら口をはさんだ。
■ベッツ To:ウーサー&ALL |
みなさんは、普段の通りに振舞ってください、僕が合わせますから。 それから、そろそろ客席やロビー、いろいろな設備の掃除を始めませんか? もう全員で動かないと、真っ暗になる前に終わらないような気が……。 |
■ウーサー To:ベッツ&ALL |
おう、それもそうか。 とりあえずオレ様は、入り口周りでもやっとくかい?舞台裏みてぇにこまごました狭い所じゃあつっかえちまいかねねえし、ご婦人用の部屋は嬢ちゃんたちに任せたほうがいいんだろうしな。 おっと、オスカールの旦那には掃除よりも、舞台装置を仕上げといてもらわなきゃならねえけどな? |
■カラレナ To:ALL |
じゃあ私は急いでデザイン画をあげますね。 |
ランタンに明かりをともしてから、羊皮紙とペンを取りだす。
■リキュオス To:ドレッダール、リー |
そういや御大は公演中どこに? |
リキュオスの問いかけに、ドワーフふたりが同時に口を開いた。
■リー To:モドキ&ALL |
この剣なら、念のためわしが預かっておく。 上演中は袖に待機しておいて必要になれば、ベッツなり、他の誰かになり渡すとしよう。 それでよいか? |
■ドレッダール To:ALL |
大丈夫じゃ、必要となればいつでも駆けつけてやろうぞ。 |
■リキュオス To:リー、ALL |
それでも構わんけど、代表は遅れてきた客の対応をするんやろ? 護衛対象が分散してるとやりづらいし、いっそ最初から眼鏡くんが持っとったらどうやろか。 |
■カラレナ To:リキュオス、ベッツ、ALL |
私も、そのほうがいいと思います。 竜を倒せる伝説の剣を、ドレッダールさんは持っているっていうことですよね。 |
■リー To:ドレッダール |
連中はああ言っとるが、あんた客席に姿を見せんでいられるか? どんな麗しの姫がいようが、不倶戴天の仇がいようが、だ。 |
じろりと向けられたリーの視線をものともせず。
ドレッダールは、大仰に胸をたたいてみせた。
■ドレッダール To:リー |
大丈夫、わしを信用しろ。 お前さんを破産させるつもりはない。 |
■リー To:ドレッダール>モドキ、カラレナ、ALL |
あんたはそう言うだろうがな……。 お前さんたちもだ、万が一の際に上手く場を切り抜けられるか? |
■リキュオス To:リー |
代表が持ち歩くよりは安全と思うけど。 ……ん? ひょっとして万が一ちゅうのは、うっかり御大が姿見せちゃった場合のことか?? |
■リー To:モドキ |
もちろんだ、他になにがある? |
■リキュオス To:リー、ドレッダール |
護衛の仕事で「万が一」言うたら、御大や眼鏡くんの安全が脅かされるような事態〜〜具体的には冬怪人の襲撃とか、やな。 正直、「うっかり出てきちゃった」とかまではフォローできひん。 ま、御大が大丈夫て言うてるんやし大丈夫やろ。 |
■リー To:つぶやき |
……いるかどうかもわからん「怪人」の襲撃より、半透明の姿を見た客席の反応の方が恐ろしいのは、わしだけか? それこそ、襲撃だとて正当化されそうだ……。 |
老ドワーフは、ため息と同時にぶつぶつと言葉を重ねたが、それ以上反対はしなかった。
■カラレナ To:リー&ドレッダール |
万全を期するなら、剣は最初から最後まで舞台上には出さないほうがいいと思いますけど…。 私が舞台袖でずっと持ってましょうか? |
■ベッツ To:カラレナ |
あのー、でもそうするとカラレナさんはずっとイタに立てないんじゃ……。 いや、僕には無理に立てと言うつもりはありませんが。 そうすると、さっき応援してくれたお嬢さん達ががっかりするんじゃないかなぁ、って思っちゃって…。 |
テーブルの上に残された、ホットドックの包み紙を指しながら。
おそるおそると言うように口を挟むベッツ。
■カラレナ To:ベッツ>ドレッダール |
そうですけど…。 あまりリーさんを不安にさせるのもどうかと思って…。 何とかガマンしてくださいね。 |
頼み込むようにドレッダールにむかって両手を合わせる。
■ドレッダール To:カラレナ |
まかせなさい。 だてに長生きはしとらんでな。 はっはっは。 |
両手を腰に当てたドレッダールは、胸を大きく剃らせながら笑い声を上げる。
■カラレナ To:リー |
そういえば、客席の照明はどういうふうにコントロールするんですか? |
■リー Toカラレナ>ベッツ |
舞台の下手袖に仕掛けがあってな。 油壺とランタンの繋がりを断つことができる。 一度火をつけてしまえば、おおよそ10分の1時ほどの時間差で明かりの大きさを調節できる。 客席側には全部で30のランタンがあるが、だいたい5つほどてまとまって調節する形になる。 これはイタの明かりも同じだ。 最も今日は、イタの側はほぼつけっ放しでやるしか無さそうだがな。 ベッツ、掃除の後で操作方法を教えてやれ。 |
■カラレナ To:リー、ベッツ |
舞台から操作できるんですね。 よろしくお願いします。 |