【『銀の網』亭・個室】 |
山から降りて来る乾いた風が、枯葉を巻き込んで石畳の通りを駆け抜ける。
温みを含む潮風は、海へと押し戻され、路地に交わされる鳴き声の主も、海鳥たちから猫たちへ移り変わっていた。
そんなある日の昼下がり。
おなじみ『銀の網』亭の個室では、5人の冒険者たちが顔を合わせていた。
店に出入りする中でも経験を積んだ者たちである。
互いが2枚並べて張り出すという奇妙な形の依頼書に興味を示していた顔ぶれであるということは、すぐにわかった。
■オスカール To:リキュオス |
よお兄ちゃん、あんたベテランだね。 俺はオスカール、ちょっとは戦える大工だ。 俺はこの依頼受けるつもりだが、あんたもこの依頼受けるのかい? もしそうなら頼もしいな。 これ飲むかい? |
オスカールはピッチャーに入ったエールを、リキュオスに手渡した。
■リキュオス To:オスカール |
おっと、悪いねおっさん。 随分とガタイがええと思ったら大工さんか。 シーフのリキュオスや、よろしく。 |
そう言って、握手を求めるように右手を差し出す。
オスカールも、気さくに右手を出して握手に応じた。
■リキュオス To:オスカール |
俺はこっちの護衛の依頼を受けるつもりや。おっさんは? |
■オスカール To:リキュオス |
ああ、俺も受けるつもりだ、よろしくな。 |
■リキュオス To:オスカール |
おう、よろしくよろしく。 |
■オスカール To:ウーサー |
おっ、若さん今回は俳優でもやるのかい? 英雄役ならガチでやれるだろうから、合格間違いなしだな。・・・って、俺と一緒で護衛の方かい? |
■ウーサー To:オスカール |
旦那もこの依頼、興味あるかい? オレ様もちょいとこう、固い依頼が取りたくってね……とはいえ役者の護衛となると、ちょいとこの御面相じゃあ、難しいかもしれねぇかと思っててなぁ……? まあ、その点オスカールの旦那なら、大道具に紛れて護衛に入るってえ手も使えるだろうから、問題無さそうだよなあ? |
早くも2杯目の杯の中身——ドワーフの里のものほどでは無いが、昼から呑むには十二分な程度には強い蒸留酒——を茶のように呷ると、ウーサーはオスカールたちに獰猛な笑顔を向ける。
■ウーサー To:オスカール、ALL |
おっと、言っとくがオレ様は勿論、護衛のほうに応募さ。演劇てなぁ観るのは好きだが、演(や)るほうなんざぁ想像もつきゃしねぇっての。 オレ様が悪の黒騎士なんざ演(や)った日にゃあ、心臓の弱いジジイ程度、5秒でポックリ逝かせる自信があるぜ? それにしても、だ。護衛が必要な演劇たぁ、よっぽど過激な脚本(ほん)に仕立てたのかねぇ? |
■オスカール To:ウーサー |
若さんも過激なこったな、まぁ・・・いつもどおりで何よりだ。 それと、脚本の方はノンフィクション仕立てのヤバい内容かもな。 |
■リキュオス To:ウーサー |
お、スイーツ職人の人。 一緒に仕事するのは初めてやけど、ほんまにでっかいなぁ…。 |
50cmほどもある身長差に肩をすくめながら、ウーサーを見上げる。
依頼前とあって防具こそジャケット代わりのソフトレザーのみだが、ウーサーは銀の大剣を二振りも背負い、大振りな小剣と鞘付きの鉄刀とを左右それぞれの腰に一振りずつ佩いているという、体躯に見合った如何にもな重装備っぷりだった。
■ウーサー To:リキュオス |
おいおい、職人は止めてくれよな? ありゃあまあ、ガキの頃に仕込まれちまったのを依頼の合間のメシの種にしてる、みてぇなモンだ。 そういやあ、依頼で組むのは初めてだったっけっか? 宜しく頼むぜ。まあお互い、依頼人のお眼鏡に適えばだがな? |
■クローエ To:ウーサー、リキュオス |
なんだか凸凹な感じねえ。でも、なんだか息が合いそうな雰囲気かしら? わしは、カラレナさんとオスカールさんとは以前一緒にお仕事したことがあったのだけど、お知り合いなの? わしは、そこのカラレナさんには及ばないけれど、精霊使いが本業なのよ。 |
■カラレナ To:クローエ |
クローエさんお久しぶりです(*^^*) お元気そうで嬉しいです〜。 |
クローエの細い身体をぎゅっと抱きしめる。
■クローエ To:カラレナ |
あらあら、カラレナさんも元気でよかったわ。 |
ばあちゃんも、ひ孫にするようにカラレナの頭を優しくなでたり。
■ウーサー To:クローエ |
おう、カラレナの嬢ちゃんともオスカールの旦那とも、依頼で組んだことがあるのさ。 オレ様はウーサー・ザンバード、見てのとおりの重剣士さ。斬った張ったの他にゃあこれといった特技も無いが、荒事だったらちょいと頼りになるぜ? |
■リキュオス To:クローエ |
知り合いっちゅうか、ウサやんは厨房でちょこちょこ見かけるねん。ぱてしぇー、っていうんやっけ? ねえちゃんはエルフか? 名前は? |
■クローエ To、ウーサー、リキュオス |
なるほどねえ。それは頼もしいわ。 ね、ねえちゃん…? うふふ、そんなふうに呼ばれたのは150年ぶりくらいかしらねえ。 わしの名前は、クローエというのよ。よろしくね? |
フードをかぶっているので表情は読みにくいけれど、まんざらでもないんじゃないかな、って感じ。
■リキュオス To:ウーサー、ALL |
んー、「ドレッダールの竜退治」ね。聞いたこと、ある? そんな名前のドワーフの勇者がすっげえ昔いたとか聞いたことはあるけど。 |
■オスカール To:リキュオス、ALL |
すまん、こないだチラシで見た程度だ。 |
■ウーサー To:リキュオス、ALL |
オレ様も、そのタイトルの芝居をウィンターシアターって館でこんど上演するってえ張り紙なら見たがな? 「ドレッダール」ってえ名前のドワーフも、前にちょいと耳にしたことはあるが……ドワーフの英雄だってハナシだったんだが、竜退治したか如何かってなぁ聞いてなかったと思うんだがなぁ……? |
■カラレナ To:ALL |
ドレッダールって、いろんな時代に登場してますよね。 もしかして、英雄名として名前を受け継いでいたんでしょうか? |
おとがいに手をあてる。
■ウーサー To:カラレナ、ALL |
名前を受け継がれる、ねぇ……? オレ様もいずれはそんなふうになれるように、肖りたいモンだぜ! |
■カラレナ To:ALL |
そういえばフォーシーズンズ…は…、「獅子王」が有名なとこでしたっけ…。 最近は古典をやらないんですよね〜。 「ウンディーネ」、観てみたかったなあ。 |
ちょっとほわんとした顔になる。
■オスカール To:カラレナ |
おや、カナさん? カナさんもこの依頼受けるのかい、もしそうなら頼もしいね。・・・もしかして女優の方かい? |
■カラレナ To:オスカール |
えっ、女優なんて無理ですよ〜。私、田舎者ですし…。 美人じゃないしスタイルも悪いし(ぶつぶつ) でも、どちらも訳ありみたいですから、事情をおやじさんに聞いてから決めようと思ってるんですけど…。 オスカールさんは俳優さんで応募ですか? |
■オスカール To:カラレナ |
いやいや、俺では大道具係くらいが関の山、護衛の方さ。 カナさんこそ、随分謙遜してんだな。世の中、ボン、キュッ、ボーンばかりが良いスタイルとは限らんぞ。 |
■カラレナ To:オスカール |
な、なんですかそれ〜。 わ、私だってふつうに… |
なんか赤くなって小さく腕組み(しながらさりげなく胸を隠す)
■リキュオス To:カラレナ |
いやけど、しばらく見ないうちに、随分とお洒落になったんとちゃうか? ひょっとしてあれか? 恋でもした? |
■カラレナ To:リキュオス |
え、あ、あぅ。(///) えっと、あのその…そんナことより、リキュオスさんもお元気そうデ何よりです〜。 |
西方訛りが混じるほど動揺。
■オスカール To:クローエ |
やあ、クローエさんお久しぶり! 今回はこの護衛やるのかい? もしそうなら百人力だな。 盾が必要ならいつでも声かけてくれ、並み(波)居る敵はがっちり食い止めるぜ・・・想定外だと決壊するけどな。 ・・・・っと、ひょっとして女優の方だったかい? |
■クローエ To:オスカール |
まあ、いやですよう? 女優だなんて…あと200歳若ければねえ。 それにしても、ちょっと見ない間にずいぶんと冒険者らしくなったのねえ。 大工さんにもどれなくなっちゃうわよう? |
■オスカール To:クローエ |
全くだ、マジで遠ざかってる気がする。 なんつうか、昔の民兵だったときの勘が戻ってきちまったみたいでな。 年甲斐も無く、いわゆる初期装備ってのを買っちまった。・・・・って、いまどきブロードソード買うやつなんかいないか。 |
■クローエ To:オスカール |
良いんじゃないかしら。基本は何事も大切だっていうわよう? |
■ウーサー To:クローエ、オスカール |
ああ、戦士にゃあ善い獲物だと思うぜ? 頑強だし、取り回しもし易いし、腰に佩いても悪目立ちしねぇ。 まあもっとも、オレ様みてぇな重剣士の剣術にゃあちょいと不向きだが……な? |
■おかみ To:ALL |
お待たせしちゃってごめんなさい。 ちょっと厄介な料理の注文が入ってね。 うちのひとはいま、かまどから手が離せないのよ。 |
扉を叩く音とともに顔を出したおかみは、注文を書きつける小さな石板を構えつつ、いつもの笑顔を浮かべる。
■おかみ To:ALL |
まずは注文をききましょう。 飲み物と軽食の範疇ならお代は気にせずどうぞ。 待たせたおわびに、と言いたいところだけれど。 これは依頼主であるリーさんからのサービスよ。 わさわさ足を運んでいただくのに、劇場ではたいしたおもてなしもできませんから、と言っていたわ。 |
■クローエ To:ALL |
あら、意外に太っ腹ねえ。 |
■オスカール To:おかみ |
なるほどな。 ・・・・・で、宴会するつもりは無えが、酒は飲み物の範疇に入るのかい? |
■おかみ To:オスカール>ALL |
あら、もちろんよ。 どのお酒にしましょう? みんなもね。 料理には手がまわりきらないかもしれないけれど、飲み物はどんどん出せるわよ。 うちとしては、注文が多いほうがありがたいのよね。 |
■ウーサー To:おかみ |
よっし、じゃあまずは強めのエールでも貰っちまうかな? ピッチャーで3つくらいありゃあ足りるだろ、たぶん。 料理はっと……さっき厨房でローストビーフを見たが、アレ貰っちまっていいかい? 切るなんて面倒なこたぁこっちで遣るからよ、塊で持ってきてくんな! サイドに揚げ物も欲しいな、鱈……は下拵えが面倒だろうから、カエルでもロブスターでも子蛸でもいいからよ、こう水のモノでちょいと一皿。 あとはマッシュポテトに、ああ、あのソースは何ていったっけっか? ほらブラウンのこってりしたヤツ。アイツをこう、ぐるりとかけ回しておいてくれ。 パンとかパスタはいらねぇぜ? 軽くつまみてぇだけだからな! あとは腹具合で足すかもしれねぇけど、まあこんくらいにしとくかな? あ、言ってくれりゃあ酒も料理も取りに行くからよ、声かけてくれよな? |
■おかみ To:ウーサー |
目ざといわね。 あいにくだけど、あのローストビーフは先約があってね。 トリでよければ丸焼きを2羽、用意できるわ。 グレイビーをかけたマッシュポテトと、揚げシュリンプを大皿でつけましょう。 エールは、プリシス産のブラックエールでいいかしら、ピッチャーで3つね。取りに来てくれるなら、助かるわ。 戻ってから、500数える位たったら、来てもらっても構わないわよ。 |
■ウーサー To:おかみ |
ありゃあ……ありゃあとびきりの出来だと踏んだんだけどな、残念だぜ。じゃあ丸焼きを2羽でOKだが、味付けは濃い目で……奢りだってんなら折角だ、黒胡椒をたっぷりと効かせちまってくれよな! おっと、マッシュポテトはもちろん、超大盛りで頼むぜ? |
おかみは、ウーサーの注文に頷きながら、手にした石板に指を走らせる。
たくさんの注文が嬉しそうだ。
■おかみ To:ALL |
ほかのみんなも、ウーサーにおされてちゃだめよ。 飲み物は黒エールだけでいいのかしら? |
■オスカール To:おかみ |
まさか俺の故郷の酒とは・・・懐かしいな。 久しぶりに飲ませてもらうよ。 |
■リキュオス To:オスカール |
お、さっき民兵とか言うてたけど、出身はプリシスか? |
■オスカール To:リキュオス |
おお、生まれも育ちもプリシスだ。 民兵っつうか、昔 徴兵されてて、城壁の修理や見張りとかやらされてた時期があったのさ。 故郷が占領されたときに、どういう訳かオランに身を寄せたのがきっかけで今でも居ついちゃってるって訳さ。 こっちで何とか開業したいんだが、恥ずかしい話つい入会金を使っちまって、なかなか本業に戻れねぇ・・・。 |
■おかみ To:オスカール&ALL |
北のエールは、まろみがあって最近人気なのよ。 荷運びには定評のある商人から仕入れたから、味にも満足してもらえると思うわ。 |
■リキュオス To:おかみ |
あ…おかみさん。俺、ホットチョコレート…。 |
■おかみ To:リキュオス |
リキュオスは、ホットチョコレート…と。 黒と白と緑と赤と黄色と、どれがいいかしら。 |
片目をつむってみせながら、軽やかに問いかけるおかみ。
■リキュオス To:おかみ |
みどり!?Σ( ̄Д ̄;; みどりなんてあるんや? |
■おかみ To:リキュオス>ALL |
じゃ、緑をひとつ、ね。 はい、次の注文をどうぞ。 |
■クローエ To:おかみ、ALL |
わしはいつも暖めたワインだけど、今日は黒エールに付き合ってでみようかしら♪ 食べ物はウーサーさんが頼んだ分で十分かしらねえ。 |
■おかみ To:クローエ&ALL |
では、黒エールはピッチャー4つね。 軽めに追加するなら、サラダはいかが? トマトとアボカドのマリネ、ソイソース風などどうかしら。 食卓の彩りもきれいになるわよ。 |
■ウーサー To:おかみ |
おいおい、オレ様は皆でいろいろと楽しみてぇだろうと思って、控えめにしか頼んでねぇぜ? じゃあおかみ、すまねぇがソーセージを大皿3つ分くれぇで、適当に何種類か見繕ってくれねぇか? あ、ブーダンノワールがあったら、1つは是非ともアレにしてくれよな!! |
■クローエ To:ウーサー |
ひかえめ…!? |
■カラレナ To:ウーサー |
ま、まだ追加するんですか〜。 もう聞いてるだけでお腹いっぱいです…(@@) |
■おかみ To:ウーサー |
ソーセージ山盛りを3皿。 ブーダンノワールをチョイスするなら、こちらも黒、白、赤といきましょうか。 |
■オスカール To:おかみ |
穀物も摂らないとな。 サンドイッチ、適当にはさんで2皿付けてくれ。 |
■おかみ To:オスカール |
サンドウィッチ2皿。 トマトとアボカドは、マリネではなくこちらに使いましょうか。 ビネガーとオニオンを効かせて。 物足りないひとは、ソーセージやチキンを挟むといいわ。 |
■カラレナ To:おかみ |
私も野菜中心のサンドイッチと、何か甘いものを… 秋らしいデザート、何かありますか? あ、飲みものは紅茶でお願いします。 |
■おかみ To:カラレナ |
ならばサンドウィッチの量は、少し多めにしておくわね。 デザート、流石に今の時期になると、 秋物は大半が旬を過ぎてしまっているのよね。 ……ああそうそう、栗があったわ! モンブランはどう? 出来上がりにちょっと時間をもらうけど、メレンゲベースの軽めのものでよければ食後には間に合わられるわ。 それから紅茶ね、添えるのはミルクと、レモンと、ジンジャーと、どれがいいかしら? |
■カラレナ To:おかみ |
わあ、モンブランおいしそう〜。 ぜひお願いします。 紅茶はミルクでお願いしますね。 |
あらかじめ、下準備ができていたのだろう。
皆が降りていく頃には、カウンターにはところせましとばかりに、大皿が用意されていた。
ぱりぱりの皮に、粗挽きの黒胡椒がたっぷりとまぶされたローストチキン、二皿。
それぞれ積み上げられたマッシュポテトが城壁のように周囲を固め、たっぷりとかけまわされた肉汁のソースが香ばしい湯気を立ち上らせている。
深い藍色の鉢から溢れんばかりの赤い身をさらしているのは、頭ごと揚げられた小エビたち。
殻の隙間から漏れて来る潮の香りが、朝取りの新鮮さを伝えてくれる。
黒、白、そして赤。身を膨らませたソーセージの大皿が三枚。
それぞれ、皿の中心のくぼみには、鮮烈な黄色を光らせるマスタード、深みのある赤をもつクランベリー、明るい緑が鮮やかなバジル、といったとりどりのソースが満たされていた。
軽く炙られて香ばしさを増したバゲットに、厚切りのトマトとアボカドを挟み込んだ長めのサブが2本。
パンの間からのぞく紫玉葱が、彩りと味とを引き立てる役目を果たしているようだ。
さらに、芳醇なボディにきめの細かな泡を持つ、重みのある黒エールがたっぷりと入れられた水差しが、4つ。
眺め渡すと、なかなかの「軽食」ぶりである。
■オスカール To:ALL |
結構頼んじまった・・・かな? |
■カラレナ To:オスカール |
どう見ても軽食じゃないですよね…。 |
■ウーサー To:カラレナ |
そうか? あ、それともアレかよ。「Dieえっと」ってヤツかい嬢ちゃん? まったくお前さんもリュナもレィシィも、女ってなぁ妙に気にしすぎじゃあねえのか? |
バクバクとローストチキンを丸のまま齧りつきつつ、ウーサーは腕の筋肉をもりもりさせながら気軽な口調で言った。
■カラレナ To:ウーサー |
だって…太ったらおしゃれできなくなっちゃうし(ぶつぶつ)って、じゃなくて、普通のひとはひとりでこんなに食べません〜。 ウーサーさんにとっては軽食なんですね…。 ? リュナさん、レィシィさんって、ウーサーさんのお友だちですか? |
■ウーサー To:カラレナ |
あ、ああその……リュナはまあ、アレだ……アレっぽいナニ、だよぜ? まあ、そりゃあ別に気にしなくていいんだぜ、うん……(ふう)。 |
■カラレナ To:ウーサー |
アレッポイナニ…。?? |
めんどくさそうに(見えるようなフリで)目元を掌で押さえて、ウーサーはごにょごにょと呟いた。
手を離して気持ちを切り替えるように、かなり大げさに両手を広げて嘆息してみせる。
■ウーサー To:カラレナ |
それから、レィシィってなぁこう、なんていうか……。 嬢ちゃんなら「居る」のが判るだろ? 「このあたり」に。 |
ウーサーがそこに感じているのは、今は不機嫌そうに腕を組んで睨みつけてきている(ように、ウーサーには「感じ」られているような気がする)気配のような「もの」だった。
当然ながら不可視のそれを、自分のうしろの漠然とした位置をを親指で指すことで示してみせる。
■カラレナ To:ウーサー |
あっ、バルキリーですね〜。 |
■ウーサー To:カラレナ |
前に遣りあってからこっち、日増しに「居る」感じが強くなってきてる気がしてなぁ? ま、死神に寄り付かれるってえのも英雄のサガってヤツだし、最近わりと諦めはじめてきたけどな! |
■カラレナ To:ウーサー>レィシィ |
ウーサーさん、強くて猛々しいから、バルキリーも居心地がいいんですね(^-^) (精霊語)レィシィ、今回の冒険もよろしくね |
不機嫌そう?な戦乙女に、手を降った。
■おかみ To:ALL>リキュオス |
運んでくれてありがとう、助かるわ。 紅茶とデザートは、あとでうちの人にとどけさせるから、もう少し待ってね。 ああ、これがリキュオスのグリーンホットチョコレートよ。 |
しろめの大きめなマグが、リキュオスの目の前に置かれた。
どろっとした淡い緑色の液体の上に、刻んだナッツの欠片が浮かんでいる。
たっぷりの砂糖が持つ甘さの裏で、カカオとミルクと共に、すっきりとしたミントの香りが漂ってきた。
■リキュオス To:おかみ |
おわ、ほんまに緑色しとる。 |
興味深そうにマグの中身を眺めてから、口をつけてみるリキュオス。
■リキュオス To:おかみ |
うは、なんや不思議な味がするー。これ、チョコレートやのに口残りがむっちゃ爽やか(〜x〜) |
そう言って棒のように目を細める。
■おかみ To:リキュオス |
気に入ってくれたなら、嬉しいわ。 今度はほかのフレーバーも試してみてね。 |
■ウーサー To:リキュオス |
なんなら東方風のフレーバーも試してみるかい? 綺麗な緑を出してやるぜ? |
ニヤニヤしながらも、口調だけは親切めかして言ってみる。
■カラレナ To:ウーサー |
東方フレーバーですか〜、いいですね〜。 |
「東方」に反応した者が約一名。
■ウーサー To:カラレナ |
ん、色は鮮やかに乗るんだがこう、風味が熱に弱くてな……とはいえ別拵えでクリームを用意してだな? こう……上手く逝くようにできっからよ! ま、機会があったら試させてやるぜ〜? |
とある乙女に試作品を飲ませたときのリアクションを思い出し、思わず大きな笑みがこぼれてみたりする。
■クローエ To:ウーサー |
ぱてしぇー、だったかしら。そういうのお得意なの? なんだか楽しそうねえ… |
ちょっとうらやましげ。
■ウーサー To:クローエ |
まあ得意っちゃあ得意……かな? 確かに気がノってるときゃあ楽しいがよ、ありゃあ商売で毎日遣るモンじゃあねえよ……モンスターぶった斬ってるほうが、なんぼもラクだぜ? |
ちょっと気恥ずかしくなったのを、一気に呷った黒エールと軽口で押し流してみたりする。