親愛なる団員諸君 驚いたかね?私はまだ健在だ。 心より親愛の情を込めてこの手紙を送らせて頂く。 このたび、50年余り留守にした冬劇場に戻ることを決意した。 今回も、豪華絢爛な衣装、哀切なる旋律、謎に満ちた物語を諸君のために用意している。 私は、公演をいつもの席、すなわち5番のボックス席で拝見させて頂く。 従ってその席は常に私のために空けておかれたい。 この命令に背いた場合、想像を絶する災いが起こるであろう。 私もまた、今回の公演を心待ちにしている。 では諸君、ごきげんよう! 冬劇場の怪人より