ドゥードルボイス
■ビビデ To:ALL
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あったよ〜!
これだよ〜!
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たったったっと元気な駆け足でビビデが戻ってくる。
両手にはかなりの古さを感じさせる、ボロボロの石版を抱えていた。
大きさは、ビビデの胴体ほど。
かなりの分厚さだが、ビビデは軽そうに持っていた。
■ビビデ To:ALL>石版
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あのね、これ、すっごいんだ!
話しかけると、答えてくれるんだよ!
もしも〜し?
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■石版 To:ビビデ
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はぁい。僕は草原の大賢者ドゥードルドゥー!
聞きたい項目をリクエストしてね!
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■ゾフィー To:つぶやき
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何かと思えは、鳥頭の戯言ですか。
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■シグナス To:ALL
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……若干イラッと来なくも無いな。
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ビビデの声に応えたかのように、石版からやや年老いた感のある、しかしテンションの高い声が聞こえてきた。
同時に、石版の表面に、なにやら水溜まりのような雲のような、はたまた、地図のような――そんなふにゃふにゃした線画が描き出される。
■ディニ To:ひとりごと
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さすが、落ちた都市近く。変なものがたくさんあるわねぇ
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■リコリス To:石版、ALL
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にゃ〜、にゃん♪
(うっわぁ〜、おもしろ〜い♪)
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■ビビデ To:ALL
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んとね、こーやって、いろいろおしゃべりしてたら、
せんねんけんじゃのきをたすけて〜とか、
たねいっぱいのじょおうさまが〜、とか、
そんなふうに言われたんだっ!
だから、アイネばあちゃんに手紙で聞いたの、せんねんけんじゃのきってなぁに? って。
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■アイネリカ To:ALL
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まー、私もさっぱりだったんですけどねー(=∀=)/"
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明らかに、考えるのが途中で飽きたと言う顔。
■ リコリス To:石版
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にゃにゃんにゃにゃ?
(これって猫の言葉もわかるの?)
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リコリスが石版に語りかけるも、反応はない。
■ ソプル To:リコリス>石版
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んにゃ〜?
(東方語)猫のことば、わかるにゃん?
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■石版 To:ソプル
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(ぶぶーっ)記録されてない質問だよ!
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「ハズレ」を連想させるアラートが鳴り、石版の表面には「該当無し」の文字が浮かび上がった。
■リコリス To:石版
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うにゃ〜。
(な〜んだ、つまんない。)
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リコリスは石版から離れた場所に移動して、しっぽを丸めた。
■シグナス To:リコリス
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安心しろ、俺もお前等が何言ってるか解らん。とりあえず魔法で翻訳出来ん類は諦めれ。
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■リコリス To:シグナス
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にゃ〜。
(はぁい。)
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リコリスは3本の尻尾をびったんびったんと振った。
■ シグナス
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……段々人間諦めてってねえか不安になるな……
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■シーロン To:ALL
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ははは、みんな興味無いみたいだな。
ビビデ、俺に一晩貸してもらえるか?
個人的に聞いてみたいことがあるんでね。
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■ビビデ To:つぶやき>シーロン>ALL
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つまんなーい。ぼーけんしゃなら、いろいろ知ってると思ったのにな〜。
ん? うん、いいよ〜。
もういいんだよね?
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■ドライ To:ビビデ
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冒険者だからといって万能というわけでもない。
それぞれが自分にできることをやっているだけだ。
見せてくれ。
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頷くビビデから石版を受け取り、少し思案する。
■ ドライ To:石版
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……オロチグサはどこから現れる?
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■石版 To:ドライ
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「ジョオウ」が毎年、種を植える場所さ!
緻密な調査を繰り返した結果、全部で3カ所あることに気付いた!
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ふにゃふにゃした線画の真ん中に、「+……現在地」という表示が現れる。
そして、「+」のマークを取り巻くように、光る点が3 カ所現れて点滅を始める。
光る点はそれぞれ、「+」から見て下、右、上に位置していた。
■シグナス To:石版
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三箇所か……今も増えてねえとも限らんか?
あー、今ってかそっち視点で将来的に?
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■ 石版 To:シグナス
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「ジョオウ」がアクセスできるのはこの3カ所だけ。
だから増えないし減りもしないよ!
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リコリスの耳がピクっと動いた。
■シグナス To:石版
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ん?なんか理由でもあんのかい?その三箇所しか無理って。
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■石版 To:シグナス
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「ジョオウ」が種を植え付けるための触手が伸びてるのが、この3カ所だけだからさ。
その格好のまま、地中に埋まっちゃったから。
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■ドライ To:石版、ALL
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なるほど。表層を刈りつくしてもまた出て来るわけだ。
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■ゾフィー To:アイネリカ
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ところで、明日からの作業についてなんですけれども。
割り当て区域とか、量とか、時間とか、具体的な内容の説明は明日行われるということになりまして?
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■アイネリカ To:ゾフィー
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カンタン明瞭ですからー、今話しちゃいますよ♪
ここから南に水場。
ここから東にカブト岩。
ここから北にパォルゥたちの大ファミリー。
その3ヶ所が、現在発見されている発生ポイント、なのです〜。そこをすべて刈り上げておけば、もう発生することは無いはず、ですからー♪
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■ゾフィー To:アイネリカ
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先の話によると、集落からも人手が出るということでしたわね。
合同作業になるのかしら、それともわれわれだけで一つのポイントを引き受ける形になりますの?
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■アイネリカ To:ゾフィー
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んー、今日の感じだと、ヒメオロチグサがもーっとたくさん発生している可能性もありますからー、集落から人を出すのはちょっとためらっちゃいますね〜(+_+)
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■ゾフィー To:アイネリカ>ALL
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ふんっ、おおかたそんなことだろうと思ったわ。
オロチグサが沢山の養分を得ることで巨大化するならば、「パォルゥたちの大ファミリー」がある北の地点を先に処置すべきかしら。
「水場」にも生き物は集まりそうですし、南の安全確保を優先にするという手もございますけれども。
あと、「カブト岩」にはなにがあるのかしらね。
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■ アイネリカ To:ゾフィー
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兜の形をした、おっきな岩なのです!
草原にぽつーんと佇んでいるのです〜。
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■ディニ To:アイネリカ
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その3箇所での風向きわかる?
いつもは、こうだ・・・というくらいでいいから。
それと、水場にはどんな生き物が集まってくるの?
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■アイネリカ To:ディニ
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ん〜、「風休みの草原」っていうくらいですからー、ほとんど風は吹かないのですよー。
風向きも定まらないくらいの、そよ風程度ですねー。
水場では、トリさんや、イタチみたいな小動物さんたちをたまに見かけましたねぇ(・∀・)
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■ドライ To:ALL
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まあ命の危険が危なそうなところから潰すべきか。
そちらに向かいたそうなネコもいることだしな。
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今もって猫のままのリコリスに視線を向ける。
■ リコリス To:ドライ、ALL
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にゃん ♪
(もちろん♪)
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大きく頷いた。
■シーロン To:ALL
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俺もそっちの草刈りに参加したいな。
コイツの家族がいるかもしれないんでね。
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甘えた声を出すパオを、シーロンはゆっくりと撫でた。
■ ドライ To:アイネリカ
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カブト岩の方はどういった小動物が?
どうにも他の二つはクサの餌場のようだが?
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■アイネリカ To:ドライ
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そうげんネズミとか穴フクロウとかですねー。
どちらも、数は多くないので、オロチグサもそんなにいないとは思うのですが〜。
あと、岩陰には幻と言われた珍味「カワグツムカデ」がたっくさんいますよ〜♪
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■ティンリエ To:アイネリカ
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げっ。ムカデを食べるの!? 悪趣味〜。
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黄金色のスープをぐいっと飲み干しながら。
■ ゾフィー To:ドライ、リコリス&ALL
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つまり、片端からしらみつぶしに雑魚を相手にしていくおつもりかしら。
……そうね、妥当かもしれませんわ、「草刈り」の方法としては。
それが伝統というならば、則るというのも筋かもしれませんし。
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そう言いながら、ゾフィーは閉じたままの銀の扇を右手の平に軽く打ち付けた。
■ゾフィー To:ALL
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とはいえ相手が「蜂の群」であった場合、末端相手に消耗させられるのは、正直わたくしの好みではございませんの。
ま、“みんな仲良く”などとのたまった鳥頭が、現実とやらをどこまで把握できたのかは、はなはだ疑問ではございますけれども。
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小さく鼻を鳴らすとゾフィーは首を廻し、鋼色の視線だけを斜めに石版に投げかける。
■ゾフィー To:石版
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そこの石、現在地点周辺を拡大おし。
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「+」を中心にぐわっとズームする画像演出が入る。
光る点が石版の隅をはみ出て表示されなくなった。
■ゾフィー To:石版
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できるのね、ではそのままゆっくりと右に地図を動かしなさい。
光る点を過ぎたら止まって、現在地点まで戻る。
表示されている地図上に、「堕ちた都市に関して」、「オロチグサの繁茂に関して」、「ドゥードルドゥーの研究に関して」、関わりのある場所があるなら、それぞれ先の点と異なる印で表示なさい。
往復してなにも変化がないようなら、同じ動きを上と下にも行って頂戴。
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石版は言われた通りの動きを示す。
すると、右の光る点が現れたところで、「▽」の印がそれとぴったり重なって表示された。
■ゾフィー To:石版
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おや、ひとつだけですか……。
▽は先の3つのうち、いずれを示しますの?
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墨色をしたステッキの石づきが、コツコツと足下にあてられている。
■ 石版 To:ゾフィー
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「ドゥードルドゥーの研究」は、「オロチグサの繁茂に関する」ことで、それは「堕ちた都市」に関係しているから、全部なのさ!
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■ゾフィー To:石版
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なるほど。
で、印が重なった地点には、ランドマークとしてなにかございまして?
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■石版 To:ゾフィー
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カブト岩。埋もれた遺跡への、唯一の玄関。
でも入口は開かない!
鍵になる「歌」が必要なんだ。
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■ゾフィー To:石版
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「歌」が鍵ね。
どんな歌なのです?
そして歌をどうすれば入口は開くのです?
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■ 石版 To:ゾフィー
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「帰郷の歌」ってところまでは、調べがついたんだ。
その歌の「後半部分」の歌詞の中に、入口の開きかたが示されてる。
でも、その肝心な「後半部分」が見つけられなかった!
とあるグラスランナーの部族に伝わる歌だったから、僕は長年、彼らといっしょに暮らしながら、後半を知っている者が帰省してくるのを待っていたのだけれど。
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■ティンリエ To:ALL>アイネリカ
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「帰郷の歌」って……。
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ティンリエは、まだ鍋をかっ込んでるアイネリカの顔を見る。
■アイネリカ To:ティンリエ>ALL
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む?
……♪帰ろう、帰ろう故郷へ〜♪ の歌のコトですかねー?
後半があるんですかー。初耳ですよー?(きょとん)
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■ゾフィー To:石版
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「帰郷の歌」で、あなたにわかっている歌詞はどこまでです?
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■石版 To:ゾフィー
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え〜。僕が歌うの〜? 照れるなぁ〜。
えー、こほん。
♪
家へ帰ろう
家へ帰ろう
あの草原へ
夕日を映す赤い河の向こうへ
流れゆく雲を追って
蹄の音も軽快に
リュート掻き鳴らして
帰ろう、草原駆ける家族のもとへ!
♪
……はい、ここまで。
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■ティンリエ To:ALL
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ふ〜〜ん。あたしが座長から教わったのと同じよね?
あたしが歌うときは、テキトーにアドリブでアレンジ効かせたりするけど。
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■アイネリカ To:ティンリエ&ALL
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ですねー。
私がちっちゃい頃に、ばあちゃんから教わった歌なのですよー(=∀=)
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右眉を大きく動かしたゾフィーは、ぐるりと全員の顔をみまわした。
その視線が少年の所で止まる。
■ゾフィー To:ビビデ
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ビビデさん、あなたはこのうたをきいたことがありますか?
ちがうかし……ことばでうたったひとはいないかしら。
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■ビビデ To:ゾフィー
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あるよ! おかあさんが歌ってくれたよ〜。
おばあちゃんの、おじいちゃんの、そのまたおじいちゃんの、えっと……ずーっと昔から伝わってるんだって。
ことばは、よく覚えてないや。
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■バビデ To:ゾフィー
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バビデも、うたえる〜♪うちへ、かえお〜♪
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■ゾフィー To:石版
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では、上と下、二つの光る点についても、同じことをやりなさい。
印が重なる場合には、目印の指摘も忘れずに。
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同じように画面が動いていくと、やはり先程と同じように、示されていた2つの光る点それぞれと重なる形で、「▽」のマークが表示された。
■ゾフィー To:石版
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そうそう、なかなか見ごたえのある変化ね。
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■石版 To:ゾフィー
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でも、入口があるのはカブト岩だけ。
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■ゾフィー To:石版
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ほう、ではあとの二つはなんなのです?
出口ということかしら。
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■石版 To:ゾフィー
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単純に、「ジョオウ」の触手が伸びている場所さ。
地上からは「シースルー」でもなきゃ、見えやしない。
つまり地中から、地上に向かって触手を伸ばして、種を植え付けてる。
普通、種って地上で蒔くけど、「ジョオウ」は埋もれた遺跡ごと地中にいるから、そうなるのさ。
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■ゾフィー To:石版
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オロチグサの触手は本来6本。
「ジョオウ」のあと3本の腕はどうなっているの?
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■石版 To:ゾフィー
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種を植え付ける能力を得たのは、3本だけなんだ。
残りの3本は、従来どおり「攻撃用」さ。
つまり、自分を守るためと、侵入者への攻撃用。
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■ゾフィー To:石版
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なるほど、入口の謎が解けなかったあなたは、その情報を何処で入手したのです?
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■石版 To:ゾフィー
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僕の知識は、ぜ〜んぶ、パダで得たものさ!
図書館やら「レックス」やら、冒険者やら……バラバラになってた情報をかき集めてまとめて、こういう結論にたどり着いたんだ。
なにしろまとめておかないと、“鳥頭”な僕は、す〜ぐ忘れちゃうからね!
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