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SW-PBM Scenario#169
帰ろう、風休みの草原へ

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知識のとびら



  賢者の学院・図書館

リコリスとゾフィーは、勝手知ったる道を通り抜け、賢者の学院へとやってきた。
まだ午後も早い時間のせいか、外を歩き回る学生の姿は少ない。
今日も何かの使命を背負う、冒険者の姿がちらほら見えるのみだ。
■リコリス To:ゾフィー
今日はあんまり人いないね〜。
図書館も空いてるのかなぁ?

■ゾフィー To:リコリス
利用者が少ない時間帯なのかしらね。
職員配置が薄くなっていなければよいのですが……。
ま、それでも混雑しているよりはましでしょうけれども。

■リコリス To:ゾフィー
そうだね。手の空いてる職員さんいるといいね〜。

さほど混み合っていない入口を抜けて、まっすぐ図書館へと向かう。
館内の利用者数も、まばらのようだ。
秋の涼やかな空気の中、熱心に本を探す人々──。
■カウンター下の声
はうぅっ、ないっ、ないですぅ〜〜〜
あぅ、あぅっ(ゴン☆)……い、いたいですぅ……。

いつもなら司書が座っているはずの、「貸し出し返却カウンター」の下から、何やら必死そうな声と、何かがぶつかった鈍い音。頭を押さえながらむっくりと顔を出したのは、司書の制服を身にまとった少女。
胸には「リーヴル・シレノス:研修中」と書かれた名札がついている。
■リーヴル To:ゾフィー&リコリス
はぅっ、い、いらっしゃいませ〜。
な、何かお困りですかぁ〜?

涙目のまま、精一杯の司書スマイル。
■リコリス To:リーヴル
今、すごい音が……。大丈夫?
あ、リコね、空を飛ぶような生き物について調べたいんだけど、図鑑とかある?
できれば可愛いのがいいんだけど。

■リーヴル To:リコリス
はぅっ、ご心配ありがとうございます〜(>_<)

えっとお、棲息地は、どのあたりでしょうか〜?
あと、凶暴ないきものですか〜? それとも〜、人間を襲わないタイプでしょうか〜?

■リコリス To:リーヴル
えっと……棲んでるところは、ん〜山とか草原とか?
町とか海とかにはいないと思う。
あと、うん、人間を襲わないか、人に慣れることもある種類、かな。

■リーヴル To:リコリス
やま、そうげん〜、ですね〜(めもめも)
人間に対して、ふれんどりーな〜(めもめも)

■ゾフィー To:リーヴル
わたくしは別件で、調査を手伝っていただきたいと思ってまいりましたが……。
……専門分野に強い司書の方のご紹介をお願いできまして?

■リーヴル To:ゾフィー
あぅあぅ、この時間帯は、私しかいないんですぅ……
まだ見習いですけど〜、せいいっぱいがんばらせていただきます〜。

ぐっ、と両手で握りこぶし。

そんなリーヴルを、下から上まで鋼色の視線で見やったゾフィーは、手にしたステッキを床に小さくとんと打ち付けた。
■ゾフィー To:リーヴル
ふむ、ではお手並み拝見といきましょうか。
一刻をかけてどれだけできるかみせて頂戴。
調査項目は「パオルゥ草原」についてです。
優先順位が高いのは歴史や、伝承……現在生活者の主体が遊牧民なので、あまり資料は多くないかもしれませんけれども。
同時に、草原の生態とその変化、できれば180年以上遡りたいところね。
余裕があれば、その地に生活している各種族のおおよその数や、分布図、生活習慣、地方的な風習などにも手を伸ばしたいところです。
次に、この草原における食物連鎖、具体的に申しますと……

このままゾフィーをほっておくと、どこまで項目が積み上げられていくのかわからない。
■リコリス To:ゾフィー>リーヴル
フィーさん、そんなにいっぺんに言ったら覚えられないよ〜。
なにかに書いて渡してあげたほうがいいんじゃない?
ね?

■リーヴル To:ゾフィー&リコリス
はぅぅ、だ、大丈夫ですぅ〜〜。
め、めもめも、めも〜(>_<;

ゾフィーの注文を必死に羊皮紙に書き留めようとするが、羽根ペンがもたもたと動くのみで、まったく追いついていない。
「ぱおるぅそうげん」「歴史」「伝承」「生」……そこでペン先が止まり、うろうろと空を迷う。
■ゾフィー To:リーヴル
ナマじゃなくて、セイタイですよ、「生態」。
あと、その「変遷」、急がなくて結構ですから……きちんと書けまして?
要点を絞って記録するということは、おできのようですから、後はがんばって速度をあげることね。

こつこつと石突きを動かしかけた手を止め、左手で杖を何度か握り直したゾフィーは、声を抑えるようにつとめつつ言葉を紡ぐ。
■リーヴル To:ゾフィー
は、はい〜。すーぱーみらくる司書☆を目指して、がんばります〜〜o(>_<)o

羽根ペンをわたわたと仕舞い、カウンターから出てくる。
■リーヴル To:ゾフィー&リコリス
え、えと〜、ぱおるぅ草原のことでしたら、Dの4649の棚がよろしいかと思いますぅ〜。
たぶん〜。
あと〜、空飛ぶフレンドリィさんの図鑑は〜、Fの5050の棚が、くさいです〜。
さっそく、一緒に探しましょう〜♪

リーヴルにてけてけと案内され、見上げるほどに高い本棚の前まで歩いてきた3人。
きっちり整理整頓されていたが、「貸し出し中」を示す板もところどころに入っている。
■リーヴル To:ゾフィー&リコリス
貸し出し中じゃなければ〜、いいんですけどぉ〜。

そう言ってうんしょと脚立を3台、本棚の前に並べた。
■ゾフィー To:リーヴル
これだけの量があっても、並びの法則がわかりやすくなっているのは流石ね。
では、わたくしは主分類をみていきますから、あなた、小分類をカバーしていただけます?
これらの件に関して……200年より昔の資料がないかしら?

杖を右腕に架けると、意外にもしなやかな身のこなしで脚立によじ登るゾフィー。
流れるような視線で背表紙を読みとりながら、重い書籍を引き抜き軽々と腕の中に抱え込んでいく。
■リーヴル To:ゾフィー
はい〜、おまかせください〜。
あ、そちらの〜、そこの右側のほうが、よりふるい文献が並んでいた、と思いますですぅ〜。

本に触れることが楽しいのか、生き生きと下段の右側から吟味していくリーヴル。
■ゾフィー To:リーヴル
なるほど右側ね、助かりますわ。
ああそうそう、俗称である「風休み草原」の名前でも調べてくださいませね。

■リーヴル To:ゾフィー
はい〜、了解です〜♪

■リコリス To:ALL>パオ&パティ
リコが探してるのはこっちの棚ね。
脚立かぁ〜。危ないかもしれないから、ちょっと降りててね。

少し離れたところにしゃがみ込んで杖を床に置くと、肩の上のパティも下におろす。
パオが入ったパティかばんも、そっと床においた。
そして、F5050の棚の前に脚立を動かすとゆっくりとよじ登り、書物の題名をなぞるように探していく。
■リーヴル To:リコリス
あ、たしか他よりも〜、サイズの小さな図鑑があったと思いますぅ〜。
そうそう、そこの、一段上のほうですぅ〜♪

■リコリス To:リーヴル
一段? この辺かなぁ?

リーヴルに言われたあたりの本を見ていく。
そしてサイズの小さいもの、とその辺の本を選んで持つ。。
■パオ
くるる〜

外界の変化に気付いたのか、よじよじ、とかばんからにじり出てくる。ふたの隙間から頭をにゅっと覗かせると、パティと目が合った。
■パティ To:パオ
σ(・。・≡*)\?

■パオ To:ぱてぃ
Σ きゅ、きゅきゅっ〜

あわててかばんの中に退避するパオ。しっぽだけがかばんの口からはみ出して見えていた。
■リコリス To:パオ
あ、パオ大丈夫?

リコリスは慌てて、だがパオを驚かさないようにゆっくりとした動作でパオに近づく。
そして、安心させるようにかばんの上からそっと手を添えた。
■パオ To:りこりす
きゅっ、きゅっ〜

「ぷぅ」というかわいらしい音がして、リコリスの周囲(正確にはかばんの周囲だが)がほのかな臭いを帯び始めた。
■リーヴル To:リコリス
……あれ〜? 今の〜。

そう言って顔を赤らめながら、無邪気にリコリスを見る。
■リコリス To:リーヴル>パオ
ご、ごめんなさい。
おどろかしてごめんね。

かばんをゆっくりと持ち上げ、パオの大好きな穴の状態に近づける。
■パオ
きゅ、きゅっ。

■リコリス To:ゾフィー、リーヴル
あの、ちょっと外に出てくるね、すぐ戻るから。

これ以上ここに匂いがこもらないように、一旦外に出る。
中庭か何処か人気の無い所で、かばんの換気をするつもりだ。
■リーヴル To:リコリス
はい〜、いってらっしゃいです〜。

にこにこと。特に気にしていないようだ。
■ゾフィー To:リコリス
毎度毎度出ていくようでは大変よ、なにか手だてをお考えになったほうがよろしいのではありませんこと。
とりあえず、戻ってくるまで野兎は預かりましょうか?

両腕で抱えていた本の山を、杖を架けたままの右手だけでひょいと支えると、ゾフィーはすたすたとリコリスに近づいた。
いつもはきっちり結ばれている口がやや開いているところからみると、鼻腔への空気の出入りは止めているようだ。
■リコリス To:ゾフィー
ありがと〜、よろしくね。

パティはリコリスの声にあわせるように、ゾフィーの足元に近づいた。
■パティ To:ゾフィー
/(*'o')\

膝を折り、空いていた左手でパティをすくい上げたゾフィーは、そのまま無造作に黒兎を小脇に抱え、リーヴルを振り返った。
■ゾフィー To:リーヴル
これとそれ、よく見つけてくださいましたわね、ありがとうございます。
これだけの書物があるというのに、なかなかの記憶力をお持ちですこと。
良い仕事にお就きになられましたのね。

……では、資料を一緒にそこの卓まで運んで頂戴。
これだけあれば、なにかひっかかってくれるでしょう。

■リーヴル To:ゾフィー
はぅ〜、そんなぁ〜♪
私なんて、ドジばっかりで〜、褒められたのなんて、はじめてですぅ〜(^-^*)

嬉しそうに、今なら木にも登れるといった勢いでいそいそと本を積み上げる。
──しばらく後。
テーブルの上に、山のように積み上げられた本の中から、それぞれめぼしいものを見つけることができた。
ゾフィーは『風休み探求のススメ』という、小旅行ガイド本のような薄めで大判の本。
オランからのルートが書いてあり、間違いなく東の方向にあるのがわかる。
リコリスのほうは、『ふしぎな空のともだち〜山・草原編〜』という小さな図鑑。
一見して子どもにもわかりやすいような、詳細なイラスト付きのかわいらしい本だ。
■リコリス To:ゾフィー
あ、これいいかも。
えっと……すかい…そまりん?
あ、このすかいそまりんって珍しいかも♪

リコリスは楽しそうに図鑑を1ページずつめくっていく。
■ゾフィー To:リコリス
すかいそまりん?ああ、マフラーみたいな尾が3本ある生き物でしたっけ。
草原妖精にとってあの尾は、格好のおもちゃになるんじゃないかしら。
で、見た目巨大な猫なそれは、何を食べますの?
変身するのはあなたの勝手ですけれど、パオルゥ達とも上手くやって頂戴ね。

手元にある本の頁をすばやくめくり、書かれた内容を目で追いながら、リコリスのささやきに器用に応えてみせるゾフィー。
■リコリス To:ゾフィー
あ、そっか。怖がっちゃうかも。
じゃあ、有名なペガサスぐらいのほうがいいかなぁ?

■ゾフィー To:リコリス
うっかり地面を走って、ひづめを巣穴にとられでずっこけないようにね。
足を折ってまでして笑いを取りたいというのなら、止めはいたしませんが。

■リコリス To:ゾフィー
ん〜、難しいかなぁ?

■ゾフィー To:リコリス
さあね、わたくしは、天馬の歩調も魔猫の好みも存じませんから。

■リーヴル To:リコリス&ゾフィー
スカイソマリンは〜、たしか〜、お魚しか食べないですぅ〜。
海のお魚じゃなくって〜、えと、淡水魚です〜。

■リコリス To:リーヴル>ゾフィー、
ありがと〜。
そういえば、ペガサスは幻獣だから、変身できないや。
じゃあ、すかいそまりんの方でいいかな?
でもいきなり現地でするよりはちょっと練習しておいた方がいいよね。
フィーさん、手伝ってくれる?

■ゾフィー To:リコリス
現地に着くまでに3日かかるのでしょう?
その間に、皆で手はずを整えたらどうかしら。
わたくし個人としても温血動物に慣れておりませんので、どこまで手伝えるかわかりませんし。

■リコリス To:ゾフィー
うん、じゃあ移動中から変身してみる。
慣れておいた方がいいよね〜。
よろしくね、フィーさん。

鼻を鳴らして応じたゾフィーだったが、手元の本から目を上げ、頁を開いたままリコリスの手元に押しやった。
■ゾフィー To:リコリス
こちらの本ですけれど、厚さの割に蘊蓄閑話が充実しているようですよ。
堕ちた都市にまつわる噂やら、女王種の存在を臭わせる説やら……
……説をとなえたのは 、御存知です?一昔前の○印賢者。
こだわっていた草原がここのことだったとは、調べてみるものね。
となると、彼の本を探してみる価値はあるかしら。

■リコリス To:ゾフィー
ふぅ〜ん、なんか面白そうだね〜。

ゾフィーは顔を上げ、ふたたびリーヴルを呼び止めた。
■ゾフィー To:リーヴル
シレノス司書、あなたの腕をみこんで伺います。
『涙宿る場所〜みんな仲良く〜』という題名の書籍はどちらにありますかしら?
パダの遺跡「レックス」と、パオルゥ草原の関わりに関してまとめた内容の。
グラスランナーの賢者ドゥードルドゥーによって著された本のようですわ。

■リーヴル To:ゾフィー
シレノス司書……('-'*).+*

その甘美な響きにしばしうっとりモード。
■ゾフィー To:リーヴル
ちょっと、ちょっと、しっかりして頂戴、司書

■リーヴル To:ゾフィー
はっ。
あ、えと〜、“にわとり頭の”ドゥードルドゥーですね〜。
それでしたら〜、Pの2810あたりだったと思いますぅ〜。
一緒に〜、探しましょうか〜?

■ゾフィー To:リーヴル
ええ、お願いしますわ。
わたくしは賢者ドゥードルドゥーの研究そのものについても調べたいところですし。
1冊に集中して探していただけると助かります。
みつけてくださいましたら、あなたの優秀さについて「利用者の声」として一筆書いて投書させていただくつもりよ。

■リーヴル To:ゾフィー
優秀司書…….+。('-'*).+*。+

再びうっとりモード。
■リコリス To:ゾフィー
ねぇ、フィーさん。ドゥードルドゥーって誰?
グラスランナーで賢者ってどんな人なの?

■ゾフィー To:リコリス
300年〜200年前の時代のひとで、確かミラルゴ出身の男性ね。
冒険者と組んでパダの遺跡を解析していたということですから、以前お会いしたシュタイン教授と似たような形で冒険者とかかわっていたのかもしれませんわ。
なにがあったか知りませんが、ある日突然草原に心を奪われ、晩年は遊牧民に混じって草原で暮らしながら調査を続けた、遊牧民たちとは仲良くやっていたとわたくしの記憶ではそんな話だったはずよ。
グラスランナーで賢者を名乗るくらいですから、変人扱いなら良い方で、彼の説を信じる者は当時ほとんどいなかったとか。
まあ、当然と言えば当然でしょうけれどもね。
ほら、この本にも「オロチグサ」が枯れ果てないのは、どこかに種を蓄えた「母」たる存在があるからだと説いたとあります。
というわけでね、せっかく図書館にいるのですから調べてみようかと思いまして。

ただし、期待も含みもございませんわよ。
瓢箪から駒というのも面倒ですが、藪をつついて蛇というのは、やっかいきわまりない話ですからね。

最後の部分は、リーヴルに聞こえないよう声をおとしてささやくゾフィー。
■リコリス To:ゾフィー
そんな人がいたんだ〜。
リコも一緒に調べる?

■ゾフィー To:リコリス
せっかく知識の宝物庫におりますのに、あなた、ほかにすることはないの?
皆で鳥頭にかかるのもどうかとも思いますけれど……なにをすべきかは、あなたの判断力にまかせるわ。

■リコリス To:ゾフィー>パティ
ん〜、じゃあそっちはフィーさんに任せてリコは先に買い物に行って来る。
また後でね〜。
パティ、行くよ〜。

リコリスは来た時と同じようにパティを肩に乗せると、出してきた本を書棚に戻して、市場に買い物に行くために出て行った。
■リーヴル To:リコリス>ゾフィー
いってらっしゃいですぅ〜。
さて、それじゃあ〜、探しに行きましょう〜♪

Pの2810の棚へとてけてけ移動し、今度は身を屈めながら下段の棚を丹念に調べ始める。
■リーヴル To:ゾフィー
この辺に集まっていたはずなんですけど〜。
あれ〜? 『涙宿る場所〜略〜』は〜、貸し出し中みたいです〜。

本のタイトルと「貸し出し中」の文字が書かれた板をぴっと指差しながら、ゾフィーを振り返る。
■ゾフィー To:リーヴル
貸し出しィ?!……えー、こほん、まさか。
この時代、一体全体誰が○印ドゥーの著作なんぞを読みたがるのです?

■リーヴル To:ゾフィー
あ〜、そう言えばこの間〜、「広めよう・本の輪」っていう図書館同士の交流イベントがあったんですけど〜。
イーンウェンっていう港町の移動図書館に〜、貸し出してたような気がします〜。

ぐるりと目を廻す形で天井をあおぐゾフィー。
■ゾフィー To:つぶやき>リーヴル
よりによって、イーンウェンの移動図書館ですか……。
……ということは、子どもが興味を持って読むような内容である可能性が高いと見たわ。

それは、長期の貸し出しになるということかしらね。
返却待ちの登録というのは、こちらでは受け付けておりまして?

■リーヴル To:ゾフィー
はい〜、可能ですぅ〜。
あとで、予約リストに〜、入れておきますね〜。
戻ってくるまで、気長にお待ちくださいです〜(>_<

■ゾフィー To:リーヴル
ではゾフィー・フランベルクの名で予約をいれておいて頂戴。
さしあたっては、ドゥードルドゥーの研究や、彼自身に関する資料に切りかえて棚を調べてみることにいたしましょう。

──しばらく後。
何がしかの手がかりを求めてあらゆる本を探しまわったが……結局、できたのは「ドゥ」にかすりもしない本たちの山だった。
■リーヴル To:ゾフィー
はぅぅ。お役に立てず、すみませんです〜(>_<;

■ゾフィー To:リーヴル
……………。
………。
……努力は認めるわ。
でも、結果を伴わなければ、意味はございませんのよ。
貸し出しは運とはいえ、それ以外の資料が皆無ということもありませんでしょう。

そうは言っても、こちらの調査は想定していたより先には進めましたし。
ばk……ぃぇ、連れの娘も希望にあった書物を見いだせたようです。
形容詞、強調なしで「司書」という評価でいかがかしら、シレノス司書?

■リーヴル To:ゾフィー
シレノス司書……… *・゜(n'-')n.・*:
こんな私が〜、お役に立てたなんて〜〜〜。

三たびドリーミングモード。
そんなリーヴルの目の前で、ゾフィーは大きな音をたてて銀の扇を閉じて見せた。
■ゾフィー To:リーヴル
だから、強調は今回はなし、と言っているでしょう。
いつまでも夢を見ていないで、理想に近づくにはなにが足りないのか、頭を冷やした後にでもゆっくりとお考えなさいな。

懐中に銀の扇をおさめ、代わりに羊皮紙と孔雀羽根のペンとを取りだしたゾフィーは、内容を リーヴルから隠すことなくさらさらと文章をしたためだした。

リーヴル・シレノスという「司書」が研修生とは感じさせぬ能力で、調査の助力をしてくれたこと。
日頃から、このレベルの仕事を成すなら「研修」の2文字が取れる日は直近だと思ったこと。
彼女を採用したじんぶつの目も評価した上で、閑散期であってもオランの図書館は噂されるに違わぬレベルを保っていると感心したということ。

手紙の末尾にその部分だけドワーフ語でゾフィー・フォン・バイエルンと署名を入れると、彼女はインクが乾くのを待ち、くるりと丸めて封をした。
■ゾフィー To:リーヴル
さて、こちらの図書館には「目安箱」のようなものの用意はございますの?
なければ、あなたの昇格に影響力のありそうな方にでも、この手紙を届けてくださいませな。

■リーヴル To:ゾフィー
あ、ありがとうございます〜 +.(>_<。
私を推薦してくれた〜、尊敬する先輩に〜、渡しておきます〜!

うやうやしく押し頂いた。
■ゾフィー To:リーヴル
あなたの報酬ですから、どう使おうとあなた次第よ。
とはいえ書いた者として、次に来たときにはそれを後悔させない結果を期待しますから、そのつもりで精進なさい。

そっけないながら、どこかゆとりを感じさせる口調を残し、すたすたと歩み去るゾフィーであった。


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GM:ともまり