はじまりの場所
「草原までの護衛、ついでに草原の大掃除!」
そんな、草の匂いが漂ってきそうな依頼書に興味を持ち、集まった冒険者たち。
ちょうどお昼どきにさしかかり、混雑してきた店内を避けて、おかみの案内で2階の個室へと移動してきた。
■おかみ To:ALL
|
今日もいい天気ねぇ、ずっと秋晴れが続くといいんだけど(^^
そうそう、みんなが希望していた「アイネリカ」さんからの依頼ね、あとでうちの人から説明があると思うから。
それまでは、腹ごしらえやお茶でもして待っていてちょうだいね。
注文があるなら、今聞いて行くわよ?
|
おかみは部屋の板窓から覗く、どこまでも高い青空を見やってから、冒険者たちへと向き直った。
■リコリス To:おかみ
|
あ、じゃあもちも……ううん、今日は違うのにしよっ。
おかみさん、オススメの新作ブレンドティーとかない?
あったらそれと、それに合う焼き菓子とフルーツのセットも。
|
■おかみ To:リコリス
|
そうねぇ、それなら……「ほっこりまろやか茶」はどうかしら?
黄金色のさわやかな味に、ちょっぴりフルーツを加えて、甘みを出してあるの。秋にぴったりよ(^^
ミラルゴ産のお菓子がよく合うから、一緒に持ってくるわね。
|
■リコリス To:おかみ
|
おいしそ〜っ。
せっかくだからポットでお願いっ♪
|
■ゾフィー To:おかみ
|
あら、ミラルゴ産のお菓子とは珍しいですわね。
お茶もですけれど、そちらも楽しみですわ。
|
手にした銀の扇を軽く動かしながら、一瞬ちらりと甘い香りのする大男に目を向けたものの。
ゾフィーはおほほ、と声に出したのみでそれ以上注文に追加はしなかった。
■ドライ To:おかみ
|
俺はコーヒーのおかわり。
せっかくだから、そのお菓子とやらに合うようなブレンドを頼むよ。
|
■おかみ To:ドライ
|
そうね、ちょっと苦みが強いのが合うかしら。
期待して待っててね。
|
■シグナス To:おかみ
|
あぁ、それじゃあ俺も、基本メニューは大抵知ってるし季節物でなんか適当に頼みます。
|
■おかみ To:シグナス
|
じゃあ、旬の果物を使ったデザートで何か見繕ってみるわね。
|
■ウーサー To:おかみ、ALL
|
おいおい、こちとらぁ依頼前だぜ? もうちょい、気ぃの引き締まるモノも頂きたいトコロじゃあ無ぇのかい?
せめてミントとか、ジンジャーとかの茶ぁとかよ?
|
ゾフィーの視線に気づいていたのか、いなかったのか。
ウーサーは何時もの豪放な嗤いを浮かべながら、おかみに注文を出した。
■シグナス To:ウーサー
|
いや、なんか解りそうで微妙にわかんねぇよ!?
|
■ウーサー To:ALL
|
まあまあ、そのへんはおかみとおやじのノリってヤツでよ?
んじゃあオレ様は、とりあえず強いのを一杯……いや仕事前だしな、一瓶くれ。なんか珍しいのがありゃあ、お願いするぜ?
|
ウーサーの一瓶に反応して、ウーサーを見つめる。
■ディニ TO:ウーサー
|
あなたも酒好き? 一緒に飲も
|
■ウーサー To:ディニ
|
おぅ、アンタもかい? じゃあ同じの頼むか?
|
■ディニ TO:おかみ
|
あたしも、同じの、もう一瓶!
|
■おかみ To:ディニ&ウーサー
|
びん? ひとびん? ……本当にいいのね?(にこにこ
|
■シグナス To:ウーサー、ディニ
|
おいおい、昼間っから瓶で飲むモンでもなかろーに、グラス位にしとけよ。
|
■ウーサー To:シグナス
|
な〜に、ちょいと効きすぎな位のほうが、落ち着いてハナシが聴けるってモンさ! 大は少をかねるって言うだろ?
|
■ゾフィー To:シグナス
|
おかみさんによると、依頼の説明はおやじさんがなさるという話でしたから。
すぐに動くことになった場合でも、通常通りの対応ができると本人達が考えているの ならよろしいんじゃございません?
先の見通しが立てられないような輩でしたら、置いていけばいいだけのことですし。
|
■ドライ To:ゾフィー
|
おっと、手厳しいことだね。確かに動けなくなるのは論外だがな。
まあ、飲めないストレスのほうが悪く影響することもあるし、景気付けに一杯ってのも悪くないか。
俺も久しぶりに頼んでみるかね。
|
■シグナス To:ALL
|
……姐さん挟むのも色々とおかしい気もするんだが。種族的に。まあ良いか、あんま飲み過ぎんようになー。
|
■リコリス To:ウーサー、ディニ
|
二人ともお酒強いんだ〜。
ってお酒だけ? 何か一緒に食べないの?
|
■ウーサー To:リコリス>おかみ
|
あ、そういやぁそうか。
じゃあ、そうだなぁ……あ、そうだ。ケバブって言ったっけか? あの串で焼く、肉重ねて塊にしたヤツ。
アレをこう、フォークだけでも食えるくらいの大きさに切って、持ってきてくれよ。とはいえ、さっき軽くつまんだばっかだしなぁ……ちょいと軽めに、一串ぶんだけでいいぜ?
|
■リコリス To:ウーサー
|
一串分? ってあれ? 焼くときに使う串のまま全部?
ウーさん、それ軽めなの?
|
■ゾフィー To:リコリス&ALL
|
おっしゃりたいのはドネルケバブのことではないかと思いますけれどね。
あの頼み方では、出てくるのはシシケバブひと串だったりしませんかしら。
|
■シグナス To:ALL>おかみ
|
あー、そー言うでかいのは店でしか頼めん類だからなあ。俺も頼んどこ。
|
■ディニ To:おかみ
|
あたしは要らない。おさけだけ。
|
■ドライ To:おかみ
|
こっちはエールと、普通サイズの串肉追加で。
|
■おかみ To:ALL
|
うふふ、相変わらずみんな元気があって嬉しいわ(^^
じゃあ、ちょっと待っててね。
|
景気のいい注文を受け、おかみはほくほく顔で出て行った。
■リコリス To:ALL
|
飲み物待っている間に自己紹介しちゃおっか?
リコはリコリス・スプレンケリーっていうの。リコって呼んでね。
ラーダの神官で魔法使いだよ。
疲れやすいから大きい魔法は少ししか使えないけど。
援護魔法とか、治癒の魔法とかなら結構かけられるようになったんだよ。
あとは護身の為に剣もおにいちゃんに教えてもらってるの。
あ、あとね、この子は使い魔のパティ。
|
魔法使いの杖を持ち、ラーダの聖印を胸元にかけた猫耳白ローブの少女は肩掛けかばんのなかから黒うさぎを抱き上げた。
パティは新しい仲間を興味深そうに見ている。
■パティ To:アイゼン
|
Σ~~~~(=゜∇゜=|||)~~~~
|
■ゾフィー To:パティ
|
あらあら、怖がってしまったのかしら。
おいで?
|
めずらしく口元を緩めてみせたゾフィーは、視線をパティにあわせると右手を差し出した。ゾフィーは近づいてきた黒いウサギをそっと抱き上げると、そのまま膝の上に座らせゆっくりと耳の後ろをなではじめる。
■ゾフィー To:パティ
|
さてさて、なんとかとウサギは使いようとも申しますし……。
|
■ウーサー To:ALL
|
じゃあオレ様も改めて、な。
ウーサー・ザンバード。ウーサーでいいぜ。
斬った張ったしか能の無ぇ、生ファイターの重剣士さ。
剣術の修行って趣味と実益を兼ねて冒険者やってるが、今じゃあそれなりの遣い手にはなれたつもりでな。
まあ、突破役としても壁役としても、どっちでもこなせる装備は準備してあるからよ? 戦闘じゃあ、期待してくれていいぜ?
|
自慢の「商売道具」のひとつ、黒いプレート・アーマーのぶ厚い装甲に覆われた胸板に太い親指を突きたて、筋骨隆々の巨漢はニヤリと嗤ってみせた。
彼は両手剣とバスタード・ソードを二振りずつ携え、ラージ・シールド2枚やモール、ロングボウといった剛毅な獲物の数々が、バックパックに「予備の武装」として括りつけられている。
なにげない風を保ちつつ、視線をそれらの装備に向けたゾフィー右眉が、急にぴくりと動いた。
■リコリス To:ALL
|
ウーさんはね〜、うさぎなパティパティ……じゃない、えっと、パティシエでもあるんだよ〜。
ネコちゃんシュークリームとか作ってくれるの♪
|
プレートメイルに刻印された両耳をぴんと立てたうさぎを指の先で撫でながら補足する。
すぐ脇に来たリコリスに、無言で裏拳をかますウーサー。
■リコリス To:ウーサー
|
★)゜ο゜)ノ アゥ!!
|
ウーサーの拳は、見事にリコリスの頬に当たった。
■ウーサー To:リコリス以外のALL
|
……いや、コレはアレだ。まぁ気にするな。ガキに付き合っただけ、みてぇモンだ。
|
■リコリス To:ウーサー
|
ウーさん、ひどい o(゜^ ゜)○
今日はうさ耳ないんだから、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに〜。
|
■シグナス To:ウーサー
|
そうだぜウーサー。よぉぉぉぉぉぉぉっく似合ってるぜぇぇぇぇぇぇぇ?
|
■ドライ To:ウーサー
|
ああ、子供が喜んで寄って来そうだな。
|
ぷくく、とコーヒーカップの陰に笑いを隠す。
■ゾフィー To:パティ
|
……おっと、人間達のいいまわしだとあれはハサミだったかしら、少なくともコブシでは無かったはずよね、確か。
|
■ディニ To:ALL
|
あたしは、ディニ。ディニ・ユランが本名。芸名はヴィクセン。
ディニでもヴィクセンでも好きなほうで呼んで。見てのとおり、踊り子。
で、ちょっと歌って、ヴェーナーを崇め、手先が器用。
初めての冒険者仕事。今までは鞭しか使ったことないけど、この仕事のために、レイピア注文した。
|
そういいながら、両手を頭の上で組み、くるりと回る。
■リコリス To:ディニ
|
o('▽')o うわぁ〜、キレイ〜♪
ディーさんすごい〜♪
|
■ウーサー To:ディニ
|
へぇ……中々に善い得物、選んだじゃねえか? いいねぇ。女も華も、棘のあるくらいが丁度いいってモンさなぁ?
|
■ドライ To:ディニ
|
さすがはオランの武器工。いい仕事してるねぇ。
うまくアタリをつかんだようだな。おめでとさん。
(ま、いい武器を生かすも殺すも使い手次第だがね)
|
■ゾフィー To:パティ
|
……踊るなんとかに見るなんちゃら……ま、どれもこれも使いようってところかしらね。
|
■シグナス To:ALL
|
さあて、今更って面子も多いが、俺はシグナス。シグナス・ラグスだ。
出来る事なら何でも出来るが、出来ない事はあんまり出来ん。ま、本業は魔術師と思っといてくれ。
最近色々と頭打ちっつか流石に器用貧乏に祟り目と言うか、まああんまり腕は上がってねえけど何とかならあね。
|
■ゾフィー To:パティ
|
そして生じる千日手……と。
|
■ドライ To:ALL
|
器用貧乏ってことなら、今の俺もそんな感じだな。
ドライだ。
まあ護衛任務ってことなら、盾くらいには役に立つつもりだ。
|
■ゾフィー To:パティ
|
矢より矢避け。自覚している分長持ちするかしら。
|
■シグナス To:ゾフィー
|
ちなみに姐さん、自己紹介苦手なら勝手に紹介しとくぜ。リコが
|
■リコリス To:シグナス、ゾフィー
|
Σ(;゜□゜) え? リコ?
えっと……。
|
困ったようにゾフィーとシグナスを交互に見る。
■ゾフィー To:リコリス
|
そうね、かつてのシグナスさんの紹介よりはまともになりそうですし。
お手並みを拝見させていただくとしましょうか。
|
膝の上にいたパティをそうっと床の上に放すと、ゾフィーはどこか挑むような視線を小柄な少女に向けた。
迷うことなく言い切った。
■ゾフィー To:リコリス
|
お、乙女ってね……あなた……。
|
■リコリス To:ゾフィー
|
え? だって、乙女な恋愛とか教えてくれたし。
|
正確には「自分で経験せよ」だった気もしないではない。
■ゾフィー To:リコリス
|
………。
ちょっとお伺いしても宜しくて。
わたくしはあなたに過去の恋愛話をいたした覚えはございませんけれども。
まさか、噂になっているとかいうオチではございませんわよね。
|
口調は丁寧だが、若干低めの声がゾフィーの口から漏れ始めた。
■リコリス To:ゾフィー
|
過去の恋愛話ってなあに? (o゜ー゜o)??
フィーさんがリコに教えてくれたんだよ。
誰かさんの「周りにいるひとたちは、それがわかってまわりにいる」って。
フィーさんはリコにはわからない彼女たちの乙女心、わかってるんだもん。すごいよね。
|
■ゾフィー To:リコリス
|
ええっと、わたくしはそれを「乙女心」と表現した覚えはございませんが……。
|
訝しげに眉を顰めながら、小首をかしげるゾフィー。
■リコリス To:ゾフィー
|
え? 違うの?
「恋する乙女心」っていう言葉があるから、リコ、同じものだと思ってた。
|
■ゾフィー To:リコリス
|
そうね……あなた、必要条件と十分条件とに関して調べてごらんなさい。
そうすれば、わたくしの申しあげたいことも少しは理解してもらえると思うわ。
|
■リコリス To:ゾフィー
|
「ひつようじょうけん」と「じゅうぶんじょうけん」ね。
うん、今度調べてみる。
|
■リコリス To:ALL
|
あ、冒険者としてもすごいんだよ。賢者としてとか、剣士としてとか。
でもね、そういったことじゃなくて、人としてすごいな〜、見習いたいな〜ってとこが一杯あるの。
|
■ゾフィー To:リコリス
|
えー、こほん、会話には順序というものもございましてね。
それを間違えると、意図とは違う解釈をされることもありましてよ。
例えば、今の話も「後付」「フォロー」と受け取るひとがでるかもしれませんでしょう。
お気をつけくださいませ。
|
■リコリス To:ゾフィー
|
うん、わかった。気をつけるね。
|
■ウーサー To:ディニ、ドライ
|
おいお前ら、気をつけろ。あの婆さん、当たりがキツいうちは「まだマシ」だぜ。
妙に慇懃無礼になりはじめりしたら、要注意だ。巻き込まれたくなきゃケツ捲って逃げとけ、いいな?
|
■ドライ To:ウーサー
|
「うん、わかった。気をつけるね」ってとこか。
まあ忠告は忠告として、ありがたく受け取っとくよ。
|
澄ました顔でカップを傾ける。
■シグナス To:リコリス>ALL
|
あっはっは、ナイス紹介だぜリコ。 まー慣れりゃ姐さんなりの付き合い方って思えらあな。
|
■ゾフィー To:シグナス
|
おっほっほ、ナイスなご紹介を誘導いただきましたこと、忘 れ ま せ ん わ。
ついでにひとつ伺ってもよろしくて?
最近のば……ぃぇ、わかものは、やっぱり「乙女心」と言い表しますの?
あなたを取り巻く花々が抱いているであろう思いについて、ですけれども。
|
シグナスにやんわりと問いかけるゾフィーの左手は、よく見るとなぜか袋手になっていた。
■シグナス To:ゾフィー
|
いや、だって姐さんしょっちゅスルーすっからさあ?
と言うかうん、まあ……事態は既に俺の手の届かない所に到達してる模様なのよぜ……。
|
|