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SW-PBM Scenario#169
帰ろう、風休みの草原へ

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プロローグ



  自由人達の街道


家へ帰ろう
家へ帰ろう

あの草原へ
夕日を映す赤い河の向こうへ
流れゆく雲を追って
蹄の音も軽快に
リュート掻き鳴らして

帰ろう、草原駆ける家族のもとへ!

最後の別れを済ませ、わずか3人となった旅芸人一座「アイネリカ」は、職人の街・エレミアを出発。
うそのように晴れ渡る青空の下、「自由人達の街道」をひたすら東へと馬車を進めた。
■赤毛の女の子 To:眠たげな男性
何なのよ、アンタ。
この感動的な別れに、涙ひとつ流さないなんてっ!

かぽ、かぽと揺れる馬車の上で仁王立ちになりながら、自分よりもずいぶん年上の男性に向かって大声で怒鳴り散らす女の子。
その声は舞台女優のように、よく通る。
■眠たげな男性 To:赤毛の女の子
…………ふわぁ……。
終わりは始まり、別れは出会いの始まりってな……。
まぁそーカッカしなさんな、ますますパオに嫌われんぞ。

■つぶらな瞳のいきもの To:赤毛の女の子
くるるぅ〜

男性の首元に巻き付いていた小動物が、つぶらな瞳で女の子を見上げる。
■眠たげな男性 To:赤毛の女の子
「アイネリカ」の終わりは、座長の新しい船…出……さ……ZZzzzz....。

■赤毛の女の子 To:眠たげな男性
寝やがった! てめー、このー! 起きろ〜〜〜!

赤毛の三つ編みを振り乱しながら、男性の襟首を掴んでガクガクと振り回す。
■赤毛の女の子 To:座長
このバカおやじっ!
あーんもぉ……ねー、座長〜!
あたし……あたしね、もうすぐこの一座が終わるだなんて……考えただけでも胸が張り裂けそうなの!

女の子は、もう一台の馬車に座る人影──人間の子どものような背格好だ──に呼びかけた。

「座長」と呼ばれた人物は、のんびりと女の子のほうへ振り返ると、鮮やかな色彩を放つローブの奥でにんまりと笑う。
■座長 To:赤毛の女の子
そんなことより、おみやげは何がいいか考えておいてねー。
やっぱり、草原では手に入らないものがいいと思うんだー。
かつ、楽しくて珍しくて保存がきくもの。うん、それが一番だよね〜♪

■赤毛の女の子 To:座長
ん……もぉ……。
い、いいけどさ。あたしはここが、家族なのに……

■座長 To:赤毛の女の子
あとさ、冒険者を雇って、護衛もよろしくー。
この時期に帰るなら、草原、大掃除しなきゃいけないし。
♪帰ろう 帰ろう 故郷へ〜〜〜♪

座長は上機嫌で歌い出しながら、馬のお尻をぴしぱし叩いた。
■赤毛の女の子 To:座長
うっ……あの話って、うそじゃなかったの……?
あ、あたしはヤダからね!
オランの冒険者に、ぜーんぶ押し付けてやるんだからっ!

■眠たげな男性 To:赤毛の女の子
……お〜い、どうでもいいが御者台を空けるな……よ……Zzzzzz...

■赤毛の女の子 To:ALL
うるさい、バカおやじっ!

地団駄を踏みならし、乱暴に御者台に戻る女の子。
そして2台の馬車はまっすぐ、まっすぐ東へと向かう。

冒険者の夢と希望がつまった大都市、オランへ……。


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SW-PBM Scenario#169
帰ろう、風休みの草原へ

GM:ともまり