#149 月夜に吠える

11-1a 銀の網亭・夕刻

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銀の網亭
今日も銀の網亭は、沢山の冒険者達で賑わっている。
アールとメイシアスは、空いていたテーブルを占拠して、一息ついた。
それに気付いたおやじが近づいてきて言った。
■おやじ To:ALL
おお、お前さん達。
今回はご苦労だったな。さっき衛視隊からお礼の使者が来てたよ。
これから祝杯だろう。さあ、注文は何にする?
それとも、お仲間がそろってからにするか?

■アール To:おやじ
こういうときは、「とりあえずエールを一杯」ってヤツだね(笑)こっちにはミルク。あとは枝豆を一皿つまませておくれ。

■メイシアス To:おやじ
むむむ、自分で注文しますよ。
え〜と…おやじさん、「とりあえずミルクを一杯」です(笑)

のんびりとした雰囲気で待っていると、半刻と待たずに、神殿から他の面々が到着した。
■ウリディケ To:おやじ
ただいま帰りました〜♪
おやじさん、「とりあえずりんごジュース水割り」で。

■エルステッド To:おやじ
では私はいつものワインを。
…木の実で、何か適当なものもよろしく。

■アール To:ALL
みんな、おかえり。
「どうだったか?」はもう聞かないから、ぱーっといこうじゃないか。

皆の顔を確認すると、人数分のエールと食事を親父に注文しようとする。
今回は宴会ということで、やたらと重たい料理を注文に挙げている。
■エルステッド To:アール
……もう少し、軽く摘めるものもあると助かるのだが…

もともと小食なせいか、あまり重い料理は得意ではないらしい。
ウリディケに至っては、「宴会用の御馳走」だから残す気満々のようだ。
■ノーブ To:アール
エールじゃなくて酒以外の飲み物を注文してくれんかのぅ?

ドワーフ族にしては珍しく禁酒にしているらしい。
ちょっと面食らって、あわてておやじに声をかける。
ウリディケも、ノーブの台詞を聞いて、少しほっとしているような顔をしている。
お酒には思うところがあるようだが、宴会でお酒を断るには勇気が足りなかったようだ。
■アール To:おやじ
おやじさーん、エール無し無し。飲み物は個別に頼むとするよ。
あと、軽いつまみもお願いしますね。
えーっと、もうおまかせで。

■おやじ To:アール&ALL
あいよ、了解だ。
少し時間が掛かるから、待ってろよ〜。

そう言って、おやじは厨房に戻っていった。
それから暫くして……。
■??? To:ALL
おまたせ、注文の品だよ。

アールの声に合わしたかのようにテーブルへ注文の品々が並んでいく。
なぜか料理を持ってきたのは姿を見せていなかったカロンだった。
■ウリディケ To:カロン
ありがと…う?……え?……えぇ〜。
カロンさん、『銀の網』亭の店員さんだったんですか?全然知りませんでした。
冒険の斡旋ではお世話になってます、これからも宜しくお願い致します。

ウリディケは、深々と頭を下げた。
■カロン To:ウリディケ
ははっ、違うよ。
今回ここで皆が集まったときに仕事手伝ってる人がいたから見習ってね、これからもお世話になるだろうし少し手伝ってただけだよ。
いい仕事があればすぐ受けれるし(笑

ウリディケに返事を返したあと、おやじさんにみんながそろった事を告げ仕事から抜けさせてもらうと席へと腰を下ろした。
■カロン To:ALL
そういえばギルドから情報料がもらえたからさ、分配の時に分けてくれ。

カロンは背負い袋から革袋を取り出すとテーブルの上へ乗せる。
その中には、6人で割りきれる『宴会するには充分な量』の銀貨が入っていた。
■ウリディケ To:カロン
カロンさん、お疲れ様です。
皆で割りきれるのは、頂いた方からの御配慮でしょうね。
早速、分けましょう。

テーブルに詰め所で貰ってきた『今回の報酬』を出すと、カロンから受け取った銀貨も含めて6等分した。
それぞれの席の前に、銀貨がカジノのチップのように積まれていく。
■ニアリース To:ALL
あら、もう始めていたんですね。
ほら、ファラハさんもこちらへどうぞ。

見ると、ニアリースが手土産持参でファラハと連れ立ってやって来ていた。
ファラハも布に巻いたワインのボトルらしき物を持っている。
■ウリディケ To:ファラハ、ニアリース
いらして頂けたんですか、色々お話したいので、ゆっくりしていってくださいね。

■ファラハ To:ALL
これは、我が家にあった少し上等なワインです。
せっかくの打ち上げなので、少し良い物をお持ちしました。
皆さんで召し上がってくださいな。

そう言うと、二人は手土産の品々をテーブルに置いて、空いている席に座った。
エルステッドの耳がピクリと反応した。どうやらお土産のワインに興味があるようだ。
そして、また冒険者達のテーブルに近づく二人の女性が。
■カトリー To:ALL
あらら、これは賑やかだねぇ。

■ミレイア To:ALL
結局お邪魔することになりました。
丁度今日の仕事も終わりましたので。

これ、屋台で買ってきましたので皆さんでどうぞ。

さらに、カトリーとミレイアの二人もやって来ていた。
ミレイアは、布袋に入れた果物を沢山抱えている。
■カロン To:ミレイア
いらっしゃい、二人とも好きなところに座ってください。
果物の方は俺が配りますよ。

カロンは果物の布袋を受け取りつつカトリーとミレイアに席へと進めた。皆へと配りテーブルへと下ろした。
いつ動いたのか、カロンが果物を配り始めるよりも早く、カトリーの横にアールがいる。
■ウリディケ To:ALL
どうやら集まったようですので、取り敢えず乾杯しましょう。
「乾杯〜♪」

■アール To:カトリー>ウリディケ>ALL
乾杯〜♪

■カロン To:ALL
乾杯〜♯

■メイシアス To:ALL
かんぱ〜いで〜す♪

高らかに掲げられたグラスからはミルクがこぼれそうになっている。
もし、口をつけてなかったら近くの人や料理が大変な事になっていただろう。

其々にグラスを交わし、談笑しながら料理やお酒に手をつけ始める。
■ミレイア To:ウリディケ>見知らぬグラスランナー
それと……、あなたに用事があるという人がいたので連れてきました。
この方ですよ。

■見知らぬグラスランナー To:ウリディケ
お姉ちゃん、ハイ。

その見知らぬグラスランナーは、手紙を渡すと足早に立ち去っていった。

あからさまに盗賊ギルドっぽかったので特に追いかける気にもなれず、ウリディケは受け取った手紙を読む事にした。

手紙はアビィ先輩の署名で、特別な内容などなく、まるで結婚式の招待状並である。
しかしウリディケにとって、その手紙は重い意味を持っていた。
……『召還状』だ。
■ウリディケ To:ALL
皆さん、次はご一緒できそうにありません。
義理を……立てに行かねばならなくなりました。

神妙そうな、申し訳無さそうな表情に、背後から声が返る。
■??? To:ウリディケ
そうか…そりゃ仕方ないね。
生きてれば、また会えるから…まあ、そういう事だよね。

振り返ると、料理で山盛りの取り皿を押し付けられ困惑しているカトリーを前に、やたらと笑顔のアールが…こっちを向く。
■アール To:ウリディケ
「仲良しごっこ」でもないんだし、その程度の話をするのにウリディケにしては珍しい、そんな顔して…どうしたの?

■ウリディケ To:アール
まだ分かりませんが、敵が見つかったようです。
一旦『まとめ役』を引き受けたというのに、無責任な感じがして申し訳無いです。

カロンは深刻そうなウリディケの様子をなんとなく感じて声をかけた。
■カロン To:ウリディケ
どんな問題かは知らないけど、もし人手がいるなら声をかけてくれよ。

■アール To:ウリディケ
そういうこと。はした金でなんでも請け負うよ。(笑)
あと『まとめ役』って、PTを組んでなくても、関係なくはないだろ。PTじゃないときは「ト・モ・ダ・チ」ってことで。な。

口元を歪めながら、また自分の話に戻っていった。
■アール To:カトリー
さあ、さあ、ミレイアもいるし帰りの心配はいらないから、どんどんいこう〜。
お酒で色づいた顔もいいなぁ、まったく惚れ直すよ。

自分もグラスを空けながら、どんどん注いでいく。
■カトリー To:アール
ふふふ、あたしを酔わせようってのかい?
あたしはそれなりに強いよ?

そう言って、杯を重ねて行くカトリー。
横では、ミレイアが心配そうに姉を見ている。

その反対側では、ニアリースが凄いペースでワインを空けている。
しかし、全く酔った様子が無いのが恐ろしいところだ……。
対照的に、ファラハは優雅にグラスを傾けている。
こちらもあまり酔った様子は見られない。
その隣りでは、ウリディケが「水割り」「ロック(?)」「ちゃんぽん(!……カクテル?)」など、次々と生産していく。そのキャバクラ嬢(!)なみの手腕は、酒豪達のペースを加速させる原因になってるようだ。
■カロン To:ミレイア&カトリー>ALL
持ってきてもらった果物剥いたから食べてくださいね。
みんなもお酒ばっかじゃなくこっちもどうぞ。

カロンは果物の皮をむきつつ皿に盛り付け皆へと進めている。
飲み物はピッチャーで頼んでいた果物ジュースをちょくちょく飲むつもりでいたが、ソフトドリンクも次々作られて来るので、飲み物には困りそうに無い。

そんな中、お酒を飲めないノーブは、一人静かに黙々と食事を胃に取り込んでいき、みんなの酒宴の馬鹿騒ぎをよそにぼそっと呟いていた。
■ノーブ To:ALL
人生、羽目を外すと碌な事ない。酒は身を滅ぼす。精神と心に効く魔法の薬じゃ。

■エルステッド To:ノーブ
酒は百薬の長。もっとも、とり過ぎが毒となるのは薬と同様だがな。
ドワーフはエールを産湯代わりに使うと聞いていたが。酒を飲まぬドワーフはこれで二人目だな。

昔組んだ、探偵気取りのドワーフが脳裏に浮かぶ。
■ノーブ To:エルステッド
ほぅ儂と同じ酒が飲めないドワーフがいるとは一度その方に会ってみたいのぅ。
儂も昔は産湯代わりに飲んでいたのじゃ。
禁酒は修行と神へのと誓いと自戒の為なのじゃ。

■カロン To:ノーブ
まあ、ウリディケさんとニアリースさんいるから悪酔いしても大丈夫だとは思うけどね(汗

そういいながらカロンは果物ジュースのみ飲んでいるようだ。
■ウリディケ To:ALL、ニアリース
ところで、皆さんはこれからどうされるのですか?
差し支えなければ、教えて下さい。

■メイシアス To:ウリディケ>ミレイア
はい、オランの裏道散策したいです!
それと…ミレイアさん達に色々ご教授願いたいです。
えと…今度、おいしいお店とか…眺めのいい穴場とか…教えてほしいです///

■ミレイア To:メイシアス
それじゃあ、ギルドのお仕事を色々手伝ってみない?
私達も一緒に出来るようにして貰うから。
そしたら、仕事の途中とか、終わってから色々教えてあげられると思うわ。

ミレイアは、微笑みながらメイシアスにそう提案した。
■メイシアス To:ミレイア
本当ですか?! くぅ〜っ、すっごく嬉しいですよ///
ぜひです!今後ともよろしくお願いします!!

そしてアールだが……。
■アール To:カトリー>ウリディケ
リーダーったらあんなこと言ってるよ。野暮だねぇ。
いいところに行くに決まってるのにねぇ。

顔色はあまり変わってはいないが、いくらか飲んで結構酔ってはいるようだ。
もっとも、最初から同じような調子ではあったので、その態度で酔っていると判断するのは難しいかもしれない…
それを受けて、ウリディケもクスりと笑う。
■アール To:ウリディケ
おおっと、っていうのは冗談さ。
ま、メイシアスといっしょだよ。カトリーにこっちでの流儀を聞こうって思ってね。
しばらくはそっち方面にやっかいになるつもりだよ。

どさくさまぎれにカトリーの肩に手をまわし、引き寄せようとするが…
すばやくつままれて、にっこりとたしなめられる。
■カロン To:ALL
俺もメイシアスさんとアールさんと一緒かな。
ここの店に通いながらギルドから仕事があれば請け負う予定、あとは修行でもしてるかな?今回の仕事でまだまだだと思ったしね。(それか叔父さんが帰ってきたら特訓でもしてもらうかな・・・。)
あと、明日辺り店屋を回って装備品を揃えるつもり。

■ニアリース To:ALL
わたしはまだ暫くオランに居ると思います。
学院で研究をしつつ、神殿にも顔をだすと言った所でしょうか。

■ファラハ To:ALL
もちろん私は、衛視隊職務に邁進するつもりです。
……まあ、家の事もあるので、いつまで続けられるか分かりませんが。

■ウリディケ To:ALL
皆さん、今後の事はしっかり見通しができてるみたいですね。

■ノーブ To:ウリディケ
儂は特に冒険の予定はないのじゃが、ようやく新しいアイデアがでたので、新しい武器開発作成に取り掛かると思うのじゃ。あと神殿に篭って信仰を深めブラキ神に愛されるようにするのじゃ。

■ウリディケ To:ノーブ
なるほど……、がんばってね。

一瞬、ウリディケに嫌な予感がよぎった。
それは、ある意味外れ…ある意味当たった…といえるが、それはまた別の話だ。
■ノーブ To:ファラハ
ところであの暗黒神官の取調べの結果はどうなったのじゃろうか?
狼になる薬を使ってどう企んでいるのが気になるのじゃ。
宜しければその辺の事を教えてもらえんかのぅ?

■ファラハ To:ノーブ>ALL
まだ取り調べの最中ですが……。
まず、暗黒神官というだけで処罰の対象です。
薬については、単なる実験だったと言う事ですが。
使えるなら使ってみようとしていた所だったみたいです。

未然に災いを防げたことは、皆さんに感謝しないといけませんね。

■ノーブ To:ファラハ
なぬっ!?暗黒神官は薬の中身を全然理解していないとな?なんとも間抜けな神官じゃな(苦笑)
行き当たりばったり無計画と言うかその場の思いつきで人に迷惑かける暗黒神官じゃのぅ。
案外、名も無き凶気の神の神官に向いているかもしれん(笑)

■アール (独り言)
やれやれ。野暮なのがあっちにもいたか。
もう少しTPOってのをわきまえてもらわないと、楽しい酒がまずくなるよ。
飲んでなくてもあんなに大声じゃ、店中に聞こえてるじゃないか。

エルステッドに指で<ノーブの口を塞ぐように>ゼスチュアを送る。
もともとノーブの語る内容に眉をひそめていたエルステッド。
さてどう動いたものか……
■エルステッド To:ノーブ
……ここは密室でもなければ、情報が漏れぬように細工された酒場でもないぞ。
受けた依頼についてそう軽々しく語るとは……真っ当な冒険者として、いささか子供じみてはおらぬか?
……もっとも、己の無能さをさらけ出し、まだ未熟者であると主張する意図を込めての発言ならば……まさしくその意図どおりとも取れるがな。
…個人個人楽しいの基準はあれど、その内容で楽しく会話するのは……それも種族の特性か?

やはり最後にチクリと嫌味。
■カロン To:ノーブ
それに詰め所でアールさんに注意されてたとこでしょ、今後は気をつけておいてね。

■ノーブ To:カロン>アール>エルステッド
軽はずみな発言してすみませんじゃ…以後発言には気をつけますじゃ。

ペコリと頭を下げる、あいかわらずの潔い態度と、その隣でひとりニコニコしているメイシアスとの対比にそれぞれがつい苦笑してしまうのだった。


宴会も一段落ついたようで、テーブルの上にはそれぞれの飲食を満喫した跡が散乱していた。
テーブルの周囲には盛り上がりを過ぎた面々が、逆に静まり返っている…と、いっても半数は酒を飲んでいないので、死屍累々…とかではなく、黙々と、ちびちびと、残った食事と飲物を消費している状態であった。

参考までに、一番アルコールを消費したと思われるニアリースは全く普通通りで、次に飲んだであろうファラハも全く酔ったと思われる様子が見られない。
カトリーもそれなりに飲んでいたが、飲み過ぎたらしく途中で眠り込んでしまった。
ミレイアは、そんな姉を「あらあら……」と介抱していた。
彼女は、あまりアルコールには口を付けていない。
そんな横でアールはニコニコしている…が、酔って意識は朦朧としているようだ。
■ファラハ To:ALL
……さて、私はこの辺で失礼します。
まだ、色々と手続きが残っていましてね。
今回は本当に助かりました。
あなた達のこれからの冒険が、良い物でありますよう。
それでは。

■ニアリース To:ALL
わたしも明日は早いので、これで失礼しますわ。
美味しい食事とお酒でした。
また、お暇があれば神殿にお越し下さいね。

そう言って、ファラハとニアリースは店を出て行った。

彼女らが出て行ったのを見計らって、アールがウリディケの隣に移動する。
なにか耳打ちして、それを受けてウリディケがなにやら呟くと、アールの顔から酔いを示す赤みがみるみる治まっていく…。
■アール To:ウリディケ
ありがとう。すっきりしたよ。
お酒もいいけど、しらふも悪くないね。

いままでの態度がなんだったのか…というほど、さっぱりとした表情で席に戻る。
■アール To:ミレイア
お酒も十分堪能したし、ミレイアさん送っていきますよ。
カトリーは私がおぶっていくから道案内を頼みます。
あ、これだけお願いしますね。

そういうと、メイジスタッフを手渡しカトリーをおぶって出口へむかった。
■アール To:ALL
じゃあ、そうゆうことでお先に。楽しい冒険でしたよ、またここで依頼を受ける時にご一緒できるといいですね。
なにか用があれば伝言版にでも残しておいてくださいね。

アール達が帰路につくのを見送ったあとにふとカロンは疑問をウリディケに投げかける。
■カロン To:ウリディケ
そういえば、カトリーさんにも解毒してあげればよかったんじゃw;

■ウリディケ To:カロン
それこそ野暮よ、たまにはお酒に溺れたいときもあるでしょ

……私にはありませんが。

■カロン To:ウリディケ
そんなのものかな?
まあ、明日の仕事に差し支えなければいいけど(汗

こうしてアールを見送った冒険者達は、宴の片付けを終えるとそれぞれの帰る場所へと戻っていった。

ウリディケは『銀の網』亭特別メニューを味わった白馬ナナイに乗ってラーダ神殿へと。
ノーブはこれから作る「新兵器」の完成を祈願すべくブラキ神殿に篭りに。
メイシアスは今日の寝床を求めて当てもなくふらふらと。
カロンは残った果物を家族への土産にして実家への帰路につく。


そして、皆が去った後に1人の冒険者が銀の網亭に顔を出した…。
■マイクロフト To:(独り言)
さあみなさん、頼りになる助っ人が戻ってきましたよ〜。

勢いよく扉を開けたが、そこにはテーブルを片付けるマスターがいるだけだった…
きょろきょろ見回して、あれ?と首をかしげる。
■マイクロフト To:(独り言)
…………
やれやれ、急いで片付けてきたのにもう解決したあととは…。
今回は結局最後までいいとこなしですね……。

自嘲なのか愚痴なのか呟くと、出口で立ち止まる。
■マイクロフト To:(独り言)
老兵は去るのみ…ですか。って、誰が老兵ですか!
(ため息)
だれもツッコむ人がいないのも寂しいですね……。

と、とぼとぼとどこかへ去っていった。

その後……、

しばらくの間、アールとメイシアスが連れ立って行動しているのが目撃された。知っている人なら、それが盗賊ギルドの付近であると分かっただろう。ときどきカロンも混じえて、何かギルドのお使いをしているようだ。
カロンは伯父に盗賊としての師事を受けながら、ギルドにちょくちょく顔を出して、時間があるときは銀の網亭を手伝っている。そしてアールはあいかわらずカトリーにご執心のようだった…

ノーブはある工房を借りて、衛視隊詰め所で構想を練った「新兵器」チェインアックスを、遂に完成させることになり、

ウリディケは、盗賊ギルドの隠れ工房で試みられた「甲冑の装甲強化」に失敗し、タパン村の家宝であったプレートメイルを原型も止めず崩壊させる結果になっていたが………、
それはまた別の冒険談。
伝説への1ページ目はこれにて記し終えた、2ページ目にはいかなる冒険が記されるのだろう?
今はまだ、神のみぞ知る。

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GM:teshima