#149 月夜に吠える

10-2a 盗賊ギルド

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盗賊ギルド
衛視隊詰め所を出たアールにカロンそしてウリデイケとメイシアスの4人は、盗賊ギルドへやって来た。
詰め所を出るときノーブが、
「巨大なブーメランは作れないか?」
とか
「斧と鎖を繋げてフレイルアックスに出来ないか?」
などと衛視達と技術的な話をしていたのが少し気になったが、
話に巻き込まれないよう……敢えて無視する事にした。
これは事実上、ノーブのお守をエルステッドに押しつけてきたことと同義であった。

昨日も受付には昨日居た女性二人が今日もカウンターに座っている。
黒髪の方を見ると、アールが滑りこむように隣に移動する。
■アール To:カトリー>ミレイア
約束通り会いにきたよ、カトリー。
昨日は用件だけでろくに話もできずに寂しかったさ。
ミレイアも、僕はふたりのお美しい顔を拝見できて幸せだよ♪。

言いながらカトリーの手を取ると、さすりながら目をあわせる。

カロン達はその様子を後方から眺めながら
「アールさんってこんな人だったのか……?」
と認識を改めつつ久方ぶりに来たギルド内を見渡している。
■アール To:カトリー
例の事件だけど、終ってしまったのでその報告にきたのだけど…。

■カトリー To:アール
よしとくれよ兄さん。
あたしは飲み屋のお姉ちゃんじゃ無いからさ、そう言ったのは遠慮しておくよ。

つれなく言うと、アールの手をふりほどいた。
■カトリー To:アール&ALL
それで……、昨日言ってた事件をあんた達が解決したって訳かい。
どれ、詳しく聞かせて貰おうじゃないか。

カトリーは興味津々で話を聞こうとしている。
それにのってアールが身振り手振りを交えながら、熱心に話し始める。
■アール To:カトリー
では、先日ここに来たあとからの話といこう…

…という風で、相手のアジトまで潜入して一網打尽というわけさ。

ワーウルフ(アンナ)と、暗黒神官一味との立ち回り以外に派手な表現をはさむ部分がなかったが、ソロンに付いて行動したときの自分とPLの様子でうまく話しに引き込めたようで、カトリーはそれなりに満足そうな表情でいる。
■アール To:カトリー
結局、元凶は暗黒神官一味で、古代魔術師の遺した薬がその原因だったというわけさ。
残念ながら他にめぼしいものはなかったから、ギルドへの報告としてはあまり美味しい話とは言えないがね。
しいていえば「地下下水への抜け道」ぐらい…だね。実用性は少ないけど情報としてはそれなりに意味があるんじゃないかな。

■カロン To:ALL
あとは、もしかするとアジトの近辺に似たような所があるかもね。
見つかれば何かしら残っている可能性もあるだろうし。

■ウリディケ To:カロン>ミレイア、カトリー
そうかも……

挨拶が遅れたわね、私はウリディケ・フェニール。
後はこれくらいかしら?

そう言うと、ミレイアに一枚の羊皮紙が渡された。
そこには、何時の間に聞き出したのだろう、暗黒神官とソロンを含む手下4人の名が記されていた。
■ウリディケ To:ミレイア>ALL
お気に召したかしら♪

では、後のことは任せますので、私は一足先に神殿に行ってるわ。

そう言うと、ウリディケは部屋を後にした。
■ミレイア To:カトリー
あらら……行って仕舞われました。
姉さん、この情報は上に上げておいた方が良いわね。

■カトリー To:ミレイア>ALL
うん……そうだな。
お兄さん方、情報提供感謝するよ。
そして、これは少ないが情報料だ。
今晩の宴会の足しにでもしてくんな。

カトリーはそう言うと、革袋を差し出した。
中にはガメル銀貨が詰まっているようだ。
アールは受け取ってすぐカロンに手渡す。
真剣な目つきで
■アール To:カロン
集まる時間には間に合うようにするから。

すぐさま振り返ってまたカトリーにからむ。
■アール To:カトリー
ねぇカトリー「飲み屋の姉ちゃん」だなんて思っていないからさぁ。
そうだ、食事にでも行こう。空いてる日を教えてくれないか?
それで………
だから……

なにか約束でも取り付けないと帰りそうにないようだ…
■カトリー To:アール
うーん、誘ってくれるのは嬉しいんだけどさぁ……。

革袋を受け取ったカロンは、その様子を見て仕方ないなと思いながらミレイアへと声をかける。
■カロン To:ミレイア
すみませんね、仕事中はしっかりしてたんだけどw;
挨拶が遅れたけど俺はカロン・ラウリ、ここのギルドに所属してるけど会うのは初めてかな、今後ともよろしく。

■ミレイア To:カロン
たぶん、そうだと思います。
わたしたちもずっとカウンターに付いている訳ではありませんからね。
カロンさん、どうぞ宜しく。

そう言って、ミレイアはカロンに微笑み返した。
そして、困っているカトリーを苦笑して見ながら、彼女にこう言った。
■ミレイア To:カトリー
姉さん、せっかくのお誘いなんだから行ってくれば良いじゃない。
ここはわたしが番をしているから、大丈夫よ。

ミレイアからの願ってもない話に、目を輝かせる…と共に、熱を上げすぎていた自分に気付き、逆に冷静さを取り戻した。
恥ずかしい気持ちを表情に出さないように取り繕う。
■アール To:ミレイア>カトリー
いやミレイアさん、約束はさせていただきますが、こんななりのままですぐに誘えるほど私も恥知らずではありません。
普通の身なりで、仕事の空いた時間にまた来ます。

カトリー、すまなかった。つい我を忘れてしまったようだ。
改めて、次の休みにでも食事に誘うから、さっきの恥ずかしい行為は許してくれないか。

■カトリー To:アール
ははは、兄さん……いやアール。アンタは面白いなぁ。
許すも何も、奢って貰う方だから礼を言うのはこっちの方さ。
期待して待っているとするよ。

■アール To:カトリー
ああ、ありがとう。明日にでも出直すとするよ。
まだ、ここらで落ち着けるねぐらを探して、いろいろ稼ぐつもりだしな。
どこかに間借りでもしないと…そうじゃないと、ゆっくり仕事も聞きにこれないし…。

■カトリー To:アール
あんたは「銀の網」亭の冒険者だろ?
あの店は信頼できるし、あたしらも世話になったし。
あそこを根城にするのは悪くないと思うよ?
まあ、頑張って稼いで良い店に連れて行って頂戴な。
のんびり待つことにするよ。

余裕のある態度に両手を挙げて「降参だ」というような素振りで答える。
一段落ついたのを見計らうと、カロンが遠慮がちに声をかけた。
■カロン To:ミレイア&カトリー
それじゃあ、俺はこれで・・・神殿の方が気になってきたし。
あ、もしアジト近辺を調べることがあったら声かけてくださいね。

そう声をかけると早足で部屋から立ち去っていく。
■ミレイア To:カロン
はい。またお越し下さいませ。

■アール To:カロン
おい、待てよ。俺も…

と、横の扉の前でうろうろしているメイシアスに気付く。
扉の作りや装飾の有無、罠などを気に…してるかは怪しいが扉の奥に興味があるらしい。
頭に手を置くとビクゥっと体が飛跳ねる様がダイレクトに伝わってくる…
どうやらかなり集中してたらしい。
振り返り、受付2人の視線に気付くと慌てて自己紹介を始めた。
■メイシアス To:???
はぅわッ!えあぁっと、すみません!まだ、何も触ってないですよ!?
はぅッ!え、えぇっと…メイシアス・メイズです!よろしくお願いします〜
……にゅ〜。ウ、ウリディケさ〜ん、どこですか〜?

よっぽどビックリしたのかやや涙目の上、顔が赤くなっている(苦笑)
ちなみに救いを求めようとしたウリディケの姿は…当然ながら、ない。
カロンとアールを交互に見つめる顔は不安そうである。

今から大勢で行ってもすることはないだろうと判断したアールが、カロンの後ろ姿に、「先に酒場に向かう」旨の声をかけ、2人は銀の網亭に向かうことにした。

最後まで受付を振り返り、名残惜しに手を振るアールの背をメイシアスが真っ赤な顔でぐいぐい押しながら去っていく…

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GM:teshima