職人は何でも知っている?
細工師ギルド |
図書館でのあらかたの調べ物を終えたふたりは、本日最後の調査場所であろう細工師ギルドへと足を運んだ。
ギルドの中からはとん、てん、かん、と鎚の音が響き、店の中は商品を見に来た客で、すこしごったがえっていた。
■職人 To:ポム&クロス |
お?買物かい?それとも、注文かい? |
中の様子をうかがっていたふたりに、一人の職人が声をかけた。
まだ若い職人で、ただいま勉強中の札が見えるとか見えないとか‥‥‥
■クロス To:ポム |
ちょうどいい、この人に聞いてみよう。 |
■ポム To:職人 |
こんにちは♪買い物や注文はまた今度♪ 忙しいところ、ごめんだけど、聞きたい事があるんだ< ちょっといいかな? |
■クロス To:職人 |
そんなに手間はとらせないから。 |
■職人 To:ポム&クロス |
ん?聞きたい事かい?おいらで判ることなら答えるけど、おいらにわからねぇ事だったら答えられねぇなぁ(^-^; それでよければ、いいぜ。 |
■ポム To:職人 |
ありがと♪お兄さん♪ ブルートパーズって言う宝石(いし)があるだろ? それについて何か知ってるかな? |
■職人 To:ポム |
お、ブルートパーズかい。 あれは良い石だよね。質にしても、値段にしても。 なかなか採れない希少な石だから‥‥そうやすやすとはお目にかかれないけど、でも、おいらは好きな石だな。 産地はエストン山脈。大陸でも、あんまり採れない石らしいからね‥‥エレミアのほうに流れたりもするけど、採れたときは、オランにも来るぜ。 え?見たことがあるかだって? ‥‥ (小声で) おいら、ここに来てそんな日が経ってないから‥‥1回2回しか見たことねぇんだ(^-^;;;; でっでも、良い石にゃ違いないよ。 |
■クロス To:職人 |
ふぅん…じゃ、あんまり大きなものはないんだ? 水晶みたいには。 |
■職人 To:クロス |
水晶並にとはいかなくとも、透明度は高いよ。 ただ、水晶並の大きさで出ただなんて‥‥聞いたことないな。 |
■ポム To:職人 |
なぁなぁ エルトン山脈のどの辺で宝石が取れるんだ? |
■職人 To:ポム |
う〜ん‥‥確か‥‥山の方でとれる‥‥しか聞かないなぁ。 でもな、エストン山脈にはおっかな〜〜い動物がいて、そいつが採掘の邪魔するとかって親方が言っていたな。 そのことも、採れにくい原因の一つとか、じゃないとか‥‥‥ |
■ポム To:職人&クロス |
おっかない動物?おおかみか?(笑) ブルートパーズの守り神だったりしてな♪ |
■職人 To:ポム |
ああ。「なんとかおおかみ」ってぇこわ〜〜い守り神がいるらしいぜ。 |
■ポム To:職人 |
エストン山脈辺りに宝石を出荷してる村とか町なんかあるかなぁ? |
■職人 To:ポム |
村とか町単位じゃなくて、採掘人が取ってきて‥‥それを店で買うって感じだっけっかな? 基本的に平均して採れるモンじゃないから、ブルートパーズ自体を特産品とかにしてる村とかはなかったハズだぜ。 |
■クロス To:職人 |
なるほど、何か他の鉱石とかと一緒に、たまに出る、って感じなんだね。 |
■職人 To:クロス |
そうだね。 |
■ポム To:職人 |
うにに、オランからエストン山脈って遠いかな?(^^; ここから行くルートにある村とか書いてある地図とか欲しいんだけど… |
瞳うるるん☆で、目が「欲しいぞ、欲しいぞ〜〜」と訴えているらしぃ。
■職人 To:ポム |
あぁ、ハイマンの兄貴がたま〜にエストン山脈に採りにいったりしてるから‥‥もしかしたら、地図の写しをもらえるかもしれないな。 かけあってみるかい? |
■クロス To:ポム |
…おねがいしてみようか? |
■ポム To:クロス&職人 |
うん♪お願いするぞ♪ ええっと、ハイマンの兄貴とかけあいたいんだけど お話が終わったら呼んでもらえると嬉しいな(^^) |
■クロス To:ポム |
忙しそうなトコ悪いけど、頼めるかな。 |
■職人 To:ポム |
あぁ、居たら聞いてみるよ(^^)。 |
■クロス To:ポム |
ありがとう(^^)。 えーと、あとは… |
■ポム To:職人 |
そうだ、ブルートパーズを像にするって結構あるのかな? |
■職人 To:ポム |
ブルートパーズを像にするだって? そんな‥‥もったいない‥‥‥ もともとそんなに量採れるもんじゃないからね。 像に加工するってのは、おいらは聞かないな。 |
■ポム To:職人 |
あんまり取れないんじゃ細工するのはよほどの事なんだろうな… ブルートパーズで狼の像を作った話しは聞いた事ある? |
■職人 To:ポム |
何それ?今初めて聞いたよ。 そんなのが、オランで売っているのかい? それとも、職人都市エレミアの商品? |
若い職人は、きょとんとしている。
■クロス To:職人 |
じゃ、有るとすれば、結構値が張るんだ? |
■職人 To:クロス |
ああ。あるとしたら‥‥ほんと、幾らぐらいになるのかな‥‥わかんないや。 |
ポムはむむむっと考えて、ちらりとクロスを覗き見る。
もう‥‥とりあえず、いいかな?ってな顔でクロスもポムを見る。
■職人 To:ポム |
他になにかあるかい? |
ポムはむむむっと考えて、ちらりとクロスを覗き見る。
■ポム To:職人 |
ないや、ありがとう…ええっと(^^; あたしはポムって言うんだ♪ お兄さんは? |
■バール To:ポム&クロス |
あ、俺?バールっていうんだ。 よろしくな、ポム。 |
と、油まみれの手を差し出します。
差し出された手を、にこっとしながら握り返す。
■クロス To:バール |
僕はクローリス。よろしく、バール。 |
とクロスも握手あくしゅ。
■ポム To:バール |
親切にありがとうバール。 ハイマンの兄貴をお願いしちゃうぜ♪(^^)/ |
ポムの意見にうなずくクロス。
■バール To:ポム&クロス |
あぁ、ちょっとまっててな‥‥呼んで来るよ。 |
と、バールは奥の工房のほうへと入って行った。
10分‥‥20分あまりすぎた頃か。
なかなか帰ってこなかったバールが、ぽりぽりと頭をかきながら戻ってきた。
■クロス To:ポム |
あ、帰ってきた |
■バール To:ポム&クロス |
う〜ん‥‥すまない。ハイマンの兄貴、また旅に出かけちまったらしいんだ‥‥ 昨日までは居たとおもったんだけど‥‥‥ごめんな。 で、他の連中に地図の事きいたら‥‥‥たはは(^-^;;;; |
どうやら、飯の種教えれるか!と、ちょいと怒鳴られてきたらしい。
■バール To:ポム&クロス |
あんまり役にたてなかったみたいだね‥‥‥ごめん(^-^;;; |
と、バールはぽりぽりと頭をかいている。
そんなバールの手をぺちぺち叩きながら、
■ポム To:バール |
それは残念だけど気にすんな(^^) |
■クロス To:バール |
まあ考えてみたら、そうそう部外者には教えられないよな。 仕方ないさ。時間、割いてくれてありがとう。 |
クロスもちょっと、苦笑気味。
■バール To:ポム |
う〜〜〜〜ん‥‥‥ホント、下っ端は辛いぜ(^-^; |
と、苦笑い。
■クロス To:バール |
それじゃ僕らはこれで…行こうか、ポム。 |
■ポム To:バール |
またなバール♪次に来る時は作った細工(ヤツ)見せてよ |
■バール To:ポム |
あぁ、絶対だぜ♪ ‥‥‥あ、ちょっとまてよ。 |
と、慌てて服で手の油を拭い、ズボンのポケットから何やら小さいものを取り出してポムにぽぉ〜〜んと投げる。
■バール To:ポム |
試作品だけど取っときな! オランでも有数の細工師になるバールさんの習作だぜ♪ |
にこっと笑うバール。
ポムの手には、小さな木彫りの人形があった。