Contents
一方、お部屋探索隊の方はドリーンに案内され舞台の奥から居住スペースの方へ移動する。
ミュンがテントから離れると同時に舞台上空をフラフラとたゆたっていたウィスプが静かに消えた。
背後でウィスプが消えた気配にミュンの耳がぴくりと反応し、中空に向かって精霊語で小さくありがとうと、つぶやいた。
■テント小屋(居住区) |
☆From:ミュン To:ドリーン |
それではよろしくお願いいたします。ドリーンさん。案内だけでなく、いなくなった5人の持ち物でなくなっているものが無いかも確認していただけますか?あ、あとなにか普段と違うようなこと、例えば、普段は散らかしているのに今日に限って整理されているとか、そんなようなことがあったなら言ってください。 |
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
はい。わかりました。ここがジェービスさん達の部屋です。 |
最初に案内された部屋はエルヴィラ夫妻の部屋である。部屋の中は割と整理されて物がおかれている。 目に付くものといえば、化粧台と衣装ケース、ベッドくらいである。
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
えっと、あ、ここに普段は綺麗なポーチが置いてあるんです。 |
化粧台の上を指差す。台の上には瓶や小物が置いてあるが、確かに四角く何かが置いてあった形にスペースが空いている。
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
ねぇさんが綺麗好きだから、いつもこんな感じに片付いてますね。えっと、他に何か無くなってるかなぁ・・・。 (ぐるりと部屋を見廻す) |
(部屋に入ってなにか気が付くところがあるかどうか判定しましたが、ダイスはミュンが3、ヴィクターが7で、特に気が付くところはありませんでした。)
ミュンはそっと部屋の精霊の様子を探ったが、特に違和感は感じなかった。
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ミュン To:ドリーン |
ここに居られた方の衣服や他の身の回りのものとかは全てそろってますか? また、お金とかは? |
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
服ですか?えっと・・・(衣装ケースの中やあたりをぐるっとチェックする) ん〜〜普段着てる服が何枚か無いような気がします。お金は普段持ってる分以外はどこにあるかわからないです。 あ、これ・・・。 |
ドリーンは化粧台の引き出しの中から、小箱を取り出した。
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
これはエルヴィラねぇさんのアクセサリー入れだわ。 少なくとも舞台でつけてた事のあるものは全部あるみたい。 |
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
・・あっ、この部屋を調べに来たんだね!ミュン兄ちゃん。(どうやら、ようや
く気付いたようだ。) それじゃ、オレも調べてみよう〜!(そう言って、スタッフを構えると目を瞑っ て精神を集中させる。まるで魔法を使って調べているように) ・・ん〜〜・・あそこだぁっ!(と見当を付けたところを調べるが当然ながら何 もない)・・ありゃ? |
首をかしげるヴィクターの様子にドリーンはにっこり微笑んだ。
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
まだ修行中なんですね。そろそろ次の部屋に行きますか? |
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ヴィクター To:ドリーン&ミュン |
う・うん!そう、修行中なんだ。あははは・・・(と、恥ずかしそうに笑っている) そろそろ次の部屋に行きますか? オレは勝手に着いてきただけだから、そう言うのはミュン兄ちゃんに任せるよ と・ところで、ドリーンさんは何でサーカスに入ろうと思ったの? |
と、話題をドリーンにふってなんとか失敗を誤魔化そうとする(笑)
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ドリーン To:ヴィクター |
私がサーカスに入った訳ですか?・・・笑わないですか? 私、ダーナさんみたいな綱渡りの名手になりたいんです。初めてサーカスをみた時、とてもどきどきして あんな風に軽々とロープの上を歩けたらどんなにか素敵だろうって思ったの。 でも周りの人はみんな笑ったわ。ドワーフが何を言うんだって。座長だけが笑わずに私の話をまじめに聞いてくれて・・・。 それで今、ダーナさんの元で見習いをさせてもらってるんです。 |
そういって瞳をきらきらさせる。2人の会話を聞いているのかいないのか、ミュンが部屋をチェックし終わって2人に声を掛けた。
■テント小屋(エルヴィラ夫妻の部屋) |
☆From:ミュン To:ドリーン&ヴィクター |
そうですね。次に行きましょう。 |
■テント小屋(居住区) |
☆From:ドリーン To:ヴィクター |
ロビンさんのお部屋が隣なので、次はそっちへいきましょう。 |
■テント小屋(居住区) |
☆From:ヴィクター To:ドリーン |
うん、それじゃ次に行こう!(そして隣の部屋へ移動途中に) さっきのことだけど、全然おかしくないよっ!夢は追いかけていれば必ずつかめるものなんだから。だから、オレも頑張ってるんだ!自分の夢を実現するために 生きるんだっ!そう決めたんだ。だから、ドリーンさんの夢も絶対に叶うよ! (そう言って、ニッと笑いかけた) |
■テント小屋(居住区) |
☆From:ドリーン To:ヴィクター |
ありがとう(^^) |
ドリーンは隣の部屋の扉を開けて2人を中へと案内した。部屋の中はカラフルな色彩の服や舞台用の小道具にあふれ、雑然としている。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ミュン To:ドリーン&ヴィクター |
ではドリーンさん。先程と同じようにお願いいたします。ヴィクターさんも”魔力探知”をお願いしますね。 |
(再び部屋に入ってなにか気が付くところがあるかどうか判定しました。ミュンのダイス目は2。特に気になる場所は無いようです。)
ミュンは再びさりげなく部屋の精霊の様子を探ったが、やはり違和感は感じなかった。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
ん?良いよ!さっきのだね?任せといてっ!!
(さっき失敗したばかり(ソーサラー技能を持ってないのだから当たり前だが(苦笑))だというのに、張り切って先程と同じように魔術師の真似をする)
・・ん・・んんぅ〜・・っと、あそこかなぁ? |
(ヴィクターの部屋チェックのダイス目は11!なにげに指したその場所には・・・・)
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン&ヴィクター |
はい。何か違った様子が無いか・・とお金と服でしたよね。
えっと・・・(部屋の中をぐるっとチェックする。物にあふれていてどこから手を付けてよいか逡巡する。) お洋服・・・はえっと、どれがそうかしら。普段来ている服は、ここにある分かな。そんなに無くなってはいないような気がするけど確信は無いですね。 これまでロビンさんのお部屋にはお邪魔していないので普段と様子が違うかどうかちょっとわからないです。 (ヴィクターの様子をみて)え?あそこに何かが?ちょっと待ってくださいね。 |
ドリーンはヴィクターの示す場所に近寄りごそごそ衣装の山をかきわける。すると服の間から、一枚のメモが出てきた。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ドリーン To:ヴィクター |
これ、何かしら。何か書いてある・・・。 10:00 幸福の銀貨亭で・・・、一昨日の日付も書いてあるわ。あなたが言ってるのってこれの事かな? |
ドリーンはメモを近くに居るミュンに手渡した。
■街外れのテント小屋 |
☆From:ヴィクター To:ドリーン |
・・う・うん・・多分・・それ・・(と、ちょっと虚ろな顔で答える。そしてしばらくして) ・・・・・オレすっごぉーい!!ホントに見つけちゃった!これなら、本物の魔術師に慣れる日も近いよな、きっと♪ |
ヴィクターは上機嫌で肩の上のリッキーに満面の笑みで話しかけた。リッキーは素知らぬ顔をして肩から下り、部屋の中を興味深げに見廻している。
メモの発見に気を良くしてヴィクターは鼻歌まじりに手近な衣装の山を漁る。その中からキラキラな舞台衣装らしきものが見つかった。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ドリーン&ミュン |
・・ねぇねぇ、オレ達もこういう服着るの? |
リッキーはそのキラキラがとても気に入ったらしく、きらびやかな衣装を見つめてはしゃいでいる。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ドリーン To:ヴィクター |
ふふ。ロビンさんの衣装がぴったり入りそうね。着てみる?舞台衣装なら着ても大丈夫だと思うけど・・・。 他の人も誰かしらの衣装を借りれば着れるんじゃないかしら。サイズがあわなければ直せるだろうし。 |
キラキラを身体にあてて寸法を測る。ちょっと丈が短いようだが、無理なく入るサイズのようだ。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ドリーン |
そっかそっかぁ〜。うん、それじゃ後で着てみるね♪ |
ミュンはドリーンから手渡されたメモを見ながらつぶやく。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ミュン To:ヴィクター |
なるほど。一昨日の10:00とゆうとアンブローズさんが最後に見た前後ですね。。。ありがとうございます。 |
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
う・うん・・えへへへへ(”ありがとうございます”と言われて凄く照れている) |
ぐるりと部屋を見廻してミュンが2人に声を掛ける。
■テント小屋(ロビンの部屋) |
☆From:ミュン To:ヴィクター&ドリーン |
だいたい調べられたみたいですね。そろそろ次に行きましょうか。 |
■テント小屋 |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
うん、それじゃ行こう! |
足取りも軽く、上機嫌に歩き出す。
次の部屋はロビンの弟のニコラスの部屋だ。
■テント小屋 |
☆From:ドリーン To:ヴィクター&ミュン |
ここが、ニコラスさんの部屋です。ロビンさんの弟さんなんですけど、お二人ってあんまり似てないんですよ。 |
そう言いながらドリーンはロビンの隣の部屋へと2人を招き入れた。
ロビンの部屋とはうってかわってあまり物の無い部屋だ。身体を鍛える為の道具が置いてある他は最低限の衣装と生活道具が置いてある。
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ミュン To:ヴィクター&ドリーン |
ヴィクターさん、ドリーンさん、また同じようにお願いしますね。 |
(ミュンの部屋チェックの判定・・・ダイス目は6。気を引くものは特に無いようです。)
ミュンは再度、あたりの精霊の様子を探る。しかし通常働いている精霊以外の活動は感じられなかった。
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
任せといてっ!(自信満々で再び魔法もどきの勘探索を始める) |
(ヴィクターの部屋チェックのダイス目も6。今回は魔法の成果は期待できないようですね(^^))
3度目ともなれば慣れてきたのか、ドリーンはミュンの希望のチェックをてきぱきと実行する。
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン&ヴィクター |
お金は・・・あら?こんな処にお財布が・・・。危ないわ、こんな風に見えるところに置いては・・・。 服は・・舞台衣装も普段着もあるわ。あら?同じような服が何枚もあるみたい。というか同じ様な服しかないっていうか・・・。 そういえばニコラスさんっていっつも白いシャツとズボンだったような気がします。 何枚か無くなっているかとかはちょっとわからないです。 |
物があまりないのでチェックはすぐに終わったようだ。
ドリーンは財布をパッと見てわからないように、側にあった服を上からかけると2人の方に向き直った。
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ミュン |
財布・・・ですか。ニコラスという方の財布なんですね? |
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン&ドリーン |
出掛けるのに財布忘れるなんて、そのニコラスって人はそそっかしいんだね。で
もオレもよく忘れ物するから人のことは言えないか? |
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ドリーン To:ヴィクター |
確かにニコラスさんのかと言われるとちょっと自信がないですけど・・・。あ、でもそうだわ。ロビンさんが去年、お誕生日の時に買ってあげたやつだからそうです。 |
もう一度部屋を見廻して少し考えた後、ドリーンの方へ向き直った。
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ミュン To:ヴィクター&ドリーン |
それでは、最後の方、えーっと、ダーナさんでしたね。その方の部屋に行きましょう。 |
■テント小屋(ニコラスの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
ほぉーい、行こう行こう! |
ドリーンは2人をダーナの部屋の前に案内した。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ドリーン To:ヴィクター |
昨日、鍵を開けてからそのままだから・・・ |
そういってドアを引くと抵抗なく開いた。部屋の中は女の子らしい装飾品が飾ってある。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ミュン To:ヴィクター&ドリーン |
ではお願します。 |
(ミュンの部屋チェックの判定・・・ダイス目はいままでで最高の10。棚に並んだぬいぐるみが気になる・・・)
部屋に入ってすぐに、いつものように精霊の様子をみる。しかしここも異常はない。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
ほい!宝探し宝探し〜♪(と、今までと同じように勘を頼りに探します) |
(ヴィクターの部屋チェックのダイス目はまたしても6。目星をつけたところには何もみつからない)
ドリーンは丁寧に物を動かしながらチェックする。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
ざっとみたところお金は見当たらないみたいです。舞台衣装は全部残ってるみたい・・・。
他には・・・お出掛け用の服が何枚か無いかな。・・・あちらに何か? |
ミュンの視線をたどり棚の上のぬいぐるみを見る。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
あら、一番お気に入りのくまのぬいぐるみがいない。抱えて寝ると良く眠れるって言ってたんですよ。 |
リッキーはヴィクターの肩から身を乗り出して自分に似たサルのぬいぐるみに興味を示している。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ミュン To:ドリーン |
ぬいぐるみ・・・ああ、人形の動物版ですね。 |
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
そうです。子供の頃から持っているそうで、一番古いお友達なんだそうですよ。 |
ミュンはふむふむとぬいぐるみと部屋の内部を見廻して二人に声を掛ける。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ミュン To:ヴィクター&ドリーン |
ふう、だいたい見終わりましたね。そろそろ、みんなの所へ戻りましょうか。 |
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
うん、いいよぉ〜!そうしよっか (調査にも飽きてきたのか、てくてく部屋を出ていこうとしている) |
ヴィクターの後について部屋を出ようとしたドリーンを呼び止める。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ミュン To:ドリーン |
あ、そうだ、ちょっと確認しておきたいことが2つ程有るのですが。聞いてよろしいですか? |
うなずくドリーンに、ミュンは先程手に入れたメモを取り出して見せた。
(これからミュンのことをコロンボと呼ぼう(笑))
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ミュン To:ドリーン |
さきほどのロビンさんの部屋にあったメモですが、誰が書いたか字に心当たりは無いでしょうか? |
メモを受け取ってしげしげと眺める。ひとしきり考えた後で返しながら答えた。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
無いですね。見たことないと思います。 |
ふむ。とうなづき続けて2つめの質問を繰り出す。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ミュン To:ドリーン |
2つめの確認したいことは、いなくなった5人についての事です。 (小声で)消えた5人は誰かに怨まれているとか妬まれていることってありませんでしたでしょうか? (通常の声で)貴方から聞いたと言うことは誰にも言いませんので、誰に遠慮することなく答えて欲しいのです。特に、このことはいなくなった5人 の生命にも関わることかもしれないので正直に答えて欲しいのです。 ここにいるのは僕たちだけですし、他のサーカスのメンバーも一同に会してますので立ち聞きされる恐れもありません。 ヴィクターさんも誰にも言わない事を約束してもらえますよね。 |
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
大丈夫任せといて!こうみえてもオレ、結構口は堅いんだよっ! (と、にっこり笑って答える) |
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
怨みですか?そんな事は無いと思います。一座のみんな本当に仲が良くて家族みたいなんですよ。 みんなお給料が安いって良く文句言ってるけど・・・。実際安いんですけどね。でも無駄遣いしなければここでご飯も食べれるし・・・ |
そこで言葉を切り、くるっとあたりを見廻して少し声をひそめる。
■テント小屋(ダーナの部屋) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
ここだけのお話しですけど・・・座長さんには口止めされてるからみんなには言っちゃ駄目ですよ? 座長さん、みんなのお給料減らした分、一人一人貯めてるんです。いつか自分のところから独立したいとか言う時の為に。あとはお嫁に行く時に少しでも良いものを買ったりできるように。 私、その話をグレイグさんと話しているのを聞いちゃったんです。みんなには言っちゃだめなんですって。 言ったらマイキーさんとかまたせっせと前借りして使っちゃうでしょう?(笑)だから私も内緒にしてるんです。 ご質問とお部屋の方よかったら皆さんのところへ戻りましょうか。 |
■街外れのテント小屋 |
☆From:ヴィクター To:ドリーン |
へぇ〜・・座長さんっていい人なんだね! オレの父さんももっと理解してくれても良いのになぁ |
テントを出発したバティはギルドへ向かう前に、先程切ってしまった愛用のストラトの弦を買いに店へ向かった。
■楽器屋 |
☆From:ジャン=バッティスタ To:店のおやじ |
バティ: よぉ、ちょっと邪魔すんぜ。こいつに見合った弦を探してんだけどよ、何かお勧めのはねぇか? おやじ: ほう、若けえくせにいっぱしのモンもってるじゃねぇか。しかもハデに弦を切っちまいやがって。ギターが泣くぞ。 バティ: そんなこと言ったってなぁ、俺様のソウル溢れるプレイに耐えれるだけの弦がなかなかねぇんだよ。だからこうして店を探してるんじゃねぇか。俺 だって弦が切れる時に聞こえるこいつの悲鳴なんて聞きたかねぇんだ・・・ (と言いながら残った弦で「ストラト」を軽く鳴らす) おやじ: ほう、くちばしのまだ黄色い青二才が言ってくれるじゃねぇか。 まっ、お前の言ってることもあながち嘘って訳でもなさそうだな。そんなもんはギターを見ればわかるってものさ。こちとら、それで飯を食ってきてるんだからな。 まっ、良いだろう。ちょっとそいつを貸してみな。 (そういっておやじは「ストラト」をいとおしそうに眺めた後、店の奥へと消えていく。しばらくして・・・) おやじ: 待たせたな、若けえの。奥でいろいろ見せてもらったが、まだまだ甘ぇなぁ。でもよ、お前の気持ちはこいつからよーっく伝わってきたぜ。こいつ を持っていけ。お代はちっと張るけどよ、お前の未来における期待料ってことで50Gにまけておいてやる。 バティ: 50だとぉ。普通の弦の5倍じゃねぇか!なんだってそんなにふっかけやがる!! おやじ: まぁ、そういきり立たずにモノを見てみろや。お前ならそれが何だかわかると踏んだんだがな? バティ: ・・・。こいつは・・・幻の「銀鯨」の弦じゃねぇか!!しかも6弦全部取り替えてある!!これを本当に50でいいのかよ。 (かるくチューニングを兼ねてつま弾いてみる) うおおお、すげえぜ。これなら絶対ぇ俺のソウルに答えてくれる!!おやじ、サンキューな。絶対ぇ、こいつで新しい音楽を創り出してやるぜ。そん時にゃ一番にお やじに聞かせてやる!! おやじ: へへっ。ガキがよく言うぜ。まっ、あんまし期待しないで待っててやるよ。 |
店を出ると愛しげにストラトをなでると、背中の定位置へ戻して、次はギルドを目指す。
指定の酒場で用の向きを伝え、訪問の許可をもらうと、部屋へと案内された。部屋には以前会った事のある顔が待っていた。
■盗賊ギルド |
☆From:ジャン=バッティスタ To:「暴風の」ミスティ |
よう、姐さん。また来ちまったぜ。この前は助かった(のかな?(笑))ぜ。まぁ、姐さんもうちのミルマ相手にぼろい商売したみたいだしな。 今日はさ、別件で来たんだ。面倒なことは抜きにして単刀直入にいくぜ?聞きたいことは次の3点だ。 まず、最近街の北西で目立った誘拐事件や殺人事件があるかってことだ。それも個人を目当てにしているようなしょぼいやつじゃなくて、5,6人のグループでも襲えるくらいのじけんだ。 それから、うーんと、はっきり言おう。今街に来ているサーカス「アンブローズ一座」について最近の動きを教えて欲しい。この街に来てからだけでもかまわねぇ。人を探しているんでね。姐さんも耳に入れてるんだろう?例の行方不明者の捜索依頼ってやつだ。あれに一口のっているんでね。 取り敢えず飯でも食ってくるから調べておいてくれよ。これからしばらくは「幸福の銀貨亭」で飯を食ってると思う。飯を食い終わったら帰りにまたここに寄るからな。 そうそう、最近はその「アンブローズ一座」で寝泊まりすることになったから、またなんかあったらつないでくれ。頼むぜ、姐さん。 |
■盗賊ギルド |
☆From:ミスティ To:バティ |
おや、ひさしぶりだねぇ。挨拶くらい面倒がらなくたっていいじゃないか。あの元気なおチビちゃんは元気かい? ま、いいか。お互い商売優先でいこうかね。 殺人や誘拐の事件ねぇ。そんな物騒な話は最近はあたしの耳に入る限りは無いと思うけど。ああ、あの髭の座長のとこの件、あんたんとこ受けたのか。最近の動きって、そーさねー、ここ数日は座長がえらい顔して飛び回ってたみたいだね。 時間もらえるならもうちょっと調べてみるから、帰りに寄っておくれ。 あ、ちゃんと情報料は持ってるんだろうね?ここまで聞いておいて払えないは無しだよ? |
ミスティねえさんの声に軽く手をあげて返事をすると、バティは酒場へ向かった。
ルタードは酒場で合流する約束をバティと交わした後、一人分かれてサーカス内を歩いていると、向うから座員達の部屋をチェックしに行った2人がやって来た。
■テント小屋(外) |
☆From:ルタード To:ヴィクター&ミュン |
おっ、いたいた。お二方、何か目新しいことはあったかな? |
ヴィクターがルタードのところへ駆け寄る。
■テント小屋(外) |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
あっ!ルタードのおっちゃん!?どうしたの?みんなは? (と、驚いている。そして) うんとね、なんか変な紙とか見つけたけど、詳しいことはミュン兄ちゃんに聞いて |
後ろからミュンが静かに近づいてきた。ドリーンが後ろから顔を覗かせてにっこり微笑む。
■テント小屋(外) |
☆From:ミュン To:ルタード |
僕たちはちょうど調べものを終わってそちらに戻ろうとしてたところですよ。 目新しいかどうかはわからないですが、いくつか見つけたことがあります。 |
ふむ、と先を促すルタードにミュンが続ける。
■テント小屋(外) |
☆From:ミュン To:ルタード |
こちらのほうですが、女性用の普段着や外出着が数着なくなっていただけで、 ほとんどの身の回りのものや持ち物は残っていました。アクセサリー類や ニコラスという方の財布なんかも残っていましたね。 反対になくなって いたものは、化粧ポーチと、大切にしていたと言うぬいぐるみのうち 毎晩抱いて寝ていたというものだけだそうです。 |
ポケットをごそごそして小さな白いメモを取り出した。
■テント小屋(外) |
☆From:ミュン To:ルタード |
それと。。。これはヴィクターさんに見つけてもらったのですが、このようなメモが。。。 一昨日の日付のメモです。10:00に「幸福の銀貨亭」だそうですよ。 |
メモを受け取ってゆっくり眺めた後、丁寧にミュンに返す。
■テント小屋(外) |
☆From:ルタード To:ヴィクター&ミュン |
なるほど。しかし、大切なぬいぐるみがなくなっているというのは気になるけども、財布や装
身具が置き去りということは、最初の想像とは違って、何かの事件に巻き込まれたということ
も考えられるのう。いや、わしはてっきり5人が自分から出ていったとばかり思い込んでたも
んじゃから、彼らをおびき出す策を、ない知恵絞っていろいろ考えとったんじゃけどな。
さて、となると、さっそく動き出すのが賢明かな。ああそう、聞き込みのほうは一応お開きに
なって、座員のみなさんはそれぞれの仕事に戻ったみたいじゃ。イスカどのとユリどのは、向
こうで待っとるはずじゃぞ。バティどのとわし? わしらは、その例の「幸福の銀貨亭」とや
らに、食事を兼ねて聞き込みに行くことになったんじゃけども。 |
ヴィクターの耳がぴくっと立った。
■街外れのテント小屋 |
☆From:ヴィクター To:ミュン |
えっ!?おでかけするの?いいなぁ、いいなぁ!!オレもお腹減ったし一緒に行ってもいい? (すると、ヴィクターのとがり耳をリッキーが引っ張る) 痛い痛い痛いぃぃ!!な、なんだよぉ・・あっ、わかってるよ。お前も一緒だよなっ! |
リッキーは満足したのか、ヴィクターの肩の上で長い尻尾を揺ら揺らさせている。
■テント小屋(外) |
☆From:ミュン To:ルタード |
そうですか。では僕はイスカさん達に部屋を調べた結果を知らせてきます。 何かあったり、又「幸福の銀貨亭」から別の所に移動するようなことがあれば使いをよこしてくださいね。こちらも状況によっては移動しますが、その時は伝言を残していきますので。 |
後ろで控えていたドリーンにミュンが声を掛ける。
■テント小屋(外) |
☆From:ミュン To:ドリーン |
あ、ドリーンさん。今までありがとうございました。もう自由にしていただいて結構ですよ。 |
■テント小屋(外) |
☆From:ドリーン To:ミュン |
テントまでは一度戻りますから、一緒に行きましょう。 |
■テント小屋(外) |
☆From:ミュン To:ルタード&ヴィクター |
それぞれの部屋での詳しい事は、行く途中でヴィクターさんから聞いてくださいね。 それでは、気をつけて。 |
ヴィクターが元気に手を振りながら出発した。
■テント小屋(外) |
☆From:ルタード To:ミュン&ヴィクター |
了解じゃ。あ、言い忘れとったが、お二人がこちらに来てからわしらが続けた聞き込みでは、いなくなった5人が「幸福の銀貨亭」になじみがあったということ以外に、めぼしい情報はな
かったはずじゃ。
それではヴィクターどの、いざ参ろうかの。バティどのの話では、「幸福の銀貨亭」は、チャ・ザ神殿のそばにあるとのことじゃ。 |
■テント小屋(外) |
☆From:ヴィクター To:ルタード |
参ろう参ろう!マーファ神殿の近くじゃなくて良かった♪ |
ヴィクターは確執のある父の事を思い出しながら言った。
■テント小屋(外) |
☆From:ヴィクター To:ルタード |
ところでさ、一つ聞きたいことがあったんだけど、聞いても言い? (と歩きながら話しかけて返事も聞かずに話し出す) ルタードのおっちゃんみたいなドワーフの人と草原の妖精族の人とかは魔法が使 えないでしょ?それってさぁ、やっぱり背が低いからなのかなぁ?オレもどっち かって言うと背が低い方でしょ?だからさ、そうだとしたら困るしどうしよう? |
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ルタード To:ヴィクター |
魔法とは、古代語魔法のことじゃな? うーむ、背の高さはあまり関係ないような気がわしに
はするんじゃがのう。ヴィクターどのよりよほど背の低い女性(にょしょう)でも、魔術師と
して活躍している人は大勢おるじゃろう? むしろ単に、わしらドワーフやグラスランナー
は、頭の出来の都合で、上位古代語とやらいう言葉をどうしても自由に扱えんことになってい
るというだけじゃなかろうかな。それと、ヴィクターどの、わしの見る限りそなたはまだまだ
育ち盛りのようじゃから、よく食べてよく寝れば、まだまだ背は伸びると思うがの。わしはこ
れでせいいっぱいじゃけども。
そういえば、わしらの集団にはもしかして、古代語魔法を操れる者がおらんのではないかな?
不都合が出てこないとよいがのう。 |
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ヴィクター To:ルタード |
にょしょう?難しい言葉だね・・・・女の人の事かな?確かにそーだよね・・女
の人はオレよりも背が低いかも知れない・・うん、そっかよく食べてよく寝るん
だね!それじゃ頑張って食べて寝よう!それでぐ〜んって背が伸びると良いな♪
そっかぁ、いないのかなぁ。教えて欲しいのになぁ。困るよね |
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ルタード To:ヴィクター |
しかし、ヴィクターどの、本気で古代語魔法を修めたいと望んどるのじゃったら、そのへんの
魔術師に半端に教わるのではなくて、きちんとここ(と、そのそばを通り過ぎながら、三角塔
を指差す)で学ぶのが確実で早道じゃと、わしは思うんじゃがのう。かたちから入るのが必要
ということも、この世の中には少なからずあるでな。……おっと、これはよけいなお世話
じゃったわい。すまんの。 |
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ヴィクター To:ルタード |
・・ううん。そんなことないよ。よけいなお世話なんかじゃないよ。オレも、い
つかは絶対にそうするつもりだよ。でも・・今はまだダメなんだ。父さんに見つ
かって家に連れ戻されちゃう気がするんだ。 (そこでいったん言葉を切って空を見上げる) ・・・・それに・・・それにね、オレやっぱり父さんに認めて貰いたいんだ。オ レの夢をさ・・そうじゃないといけない気がするんだ。でも・・だからさ、もう 1人でも平気なんだって父さんに見せてやりたいんだ。それで父さんが認めてく れたら、魔術師ギルドに入ろうと思うんだ。でもやっぱりその時のためにも少し は勉強しておきたいし、それで魔術師の人がいたら教えて貰えたらいいなって思 うんだ。なんか矛盾してて変だよね、自分でもまだ良く分からないんだけど (と、照れくさそうに笑っている) |
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ルタード To:ヴィクター |
お父上と考えがぶつかっておるのじゃな。 わしは代々部族の神殿をあずかってきた家に生まれたんじゃが、自分が将来その家を継ぐ可能 性が――兄者がおるとはいえ――それなりにあって、そのために修行を積まねばならんという 境遇を、何の疑いもなく受け入れてきたからのう。今の自分のありように不満があるわけでは ないし、むしろ自信や誇りさえ持っとるけども、もしかすると、豊かにあったのかも知れない わし自身の可能性を、みすみす放棄してきたのかもなあ。 |
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ヴィクター To:ルタード |
ふぅん・・そっかぁ。ルタードのおっちゃんにも色々とあったんだね でもさ、可能性って言うのは無くならないと思うんだ。自分で諦めない限り さ・・そりゃあ大変になることはあるだろうけど・・だからおっちゃんだってや ろうと思えば何だって出来るよ。そう言えば、おっちゃんの夢って何なの? |
話込んでいるうちにそろそろ川を越えて古代王国の酒場亭が見えてきた。幸福の銀貨亭ももうすぐだ。
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ルタード To:ヴィクター |
夢……とな? 「夢」というのは、正直あまり意識したことはないのう。というのも、わしら
ブラキ神さまに仕える神官というのは、ヴィクターどのもおそらくご存じとは思うが、ブラキ
神さまの「日々鎚打つ者、自らをも鍛う」という精神、つまり日頃の努力の積み重ねこそが大
切で、それによって世の中のほとんどのことは実現できるという考え方をしとるから。言い換
えると、努力だけではとうてい達成できそうにない、あまりに途方もない目標だけを「夢」と
みなしとるわけで、またそういう「夢」に支配されるのを戒められとるんじゃ。 例えばわしは、神官のはしくれとして、ブラキ神さまのお考えをよりはっきりと理解し、また そのお力をよりうまくお借りできるようになりたいとか、あるいは武具職人としての腕をさら に磨きたいとか、思っとる。けども、そうしたことというのは、いわば本人の努力次第で相当 程度達成できる「目標」に過ぎんわけで、「夢」とはとらえんのじゃよ。お分かりかな?
さて、と、おそらくこのへんではないかと思うんじゃが(と、暮色の迫る辺りを見回し、やが
て一軒の店を指差す)。……お、あの店ではないかの? 看板にも「幸福の銀貨亭」とある
し。ヴィクターどの、入りますぞ。 |
■幸福の銀貨亭へ |
☆From:ヴィクター To:ルタード |
・・う゛ぁ゛・・難しくてよくわからないぃ・・ (頭を抱えて呻く) ・・「目標」「夢」・・・・うむむ・・ん?着いたの・・うん、入ろう!ご飯ご飯〜 |
2人は看板を確認し合うと、明るい茶色の扉を押し開け、酒場の中へと入っていった。
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