聞き込み開始!

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聞き込み開始!

 ざわざわと人が舞台近くに集まってきた。最後にドリーンが入ってきて座長へ頷いた。全員揃ったようだ。
 集まったのは男が3人、女がドリーンを含めて2人の合計5人だ。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:座員 
 忙しい中すまないが、ダーナ達がいなくなった件を調べてくれる冒険者の方々に、いなくなった時の事など質問があるそうだから、答えてくれないか?

 座長は彼らの顔を見渡して言った。そしてイスカ達の方へ振り返った。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:座員 
 左からジャック、ブルズ、マイキー、その隣がマチルダ、そしてドリーンだ。質問は自由にやっていてくれ。

 ジャック、ブルズは適度に筋肉が発達した腕を組み、こちらを見ている。
マイキーは細身で割と甘いマスクの持ち主で、ユリにこっそりウィンク等を飛ばしている。隣で マチルダは横目でそれを見ながら肩をすくめている。見たところドリーン以外はみな人間のようだ。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:グレイグ 
 それじゃ後は頼んだよ。ちょっと自分の部屋へ戻って金を取ってくるよ。 

 そういうと座長は舞台裏へ消えていった。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ To:パーティ 
 みんな明日の用意があるのでなるべく手短にお願いしたいのだが。 

 まとめ役のグレイグがパーティを促して言った。
 ルタードは紙を受け取ると、そこに描かれた5つの顔とその名前をひととおり確認し、イスカに手渡した。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:座員たち
手短にですな? 承知いたしましたぞ。あ、わしはルタードと申しまする。ご覧の通りの冒険者ですが、ことによると、みなさんと一緒にここでしばらく働かせていただくことになるやも知れませぬ(微笑)。どうぞよろしく。

では、さっそくお話をうかがいたいのじゃが……、まずドリーンどの、彼ら5人がいなくなったのに最初に気づいたのはお嬢さんということを座長からお聞きしたんじゃが、そのときの状況をできるだけ詳しく、思い出せる限りで教えて
いただけますかの? どんな些細なことでもかまいませぬ。

あと、グレイグどのを含めてみなさんにお聞きしますが、座長のアンブローズどのはどのようなお人でらっしゃいますかな? そう、性格ですとか、サーカスの座長としての器量ですとか、過去の噂ですとか……。あるいはおっしゃり
にくいこともあるかも知れませんが、決して口外いたしませんので、忌憚なくお話しいただけると助かります。

 バティがイスカから似顔絵を受け取り穴があくほどしげしげと見ている。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャン=バッティスタ To:イスカ
ふ〜ん、5人分も覚えるとなると、ちょっと面倒だなぁ…
でも、なんとかなるかぁ…
ふむふむ…うーん……はぁ…ふーん…ははぁ……

よしっ、決めた!!
イスカ、俺様はダーナを探すことにするか。他は夫婦だったり野郎どもだしなぁ… でも、この娘もまだまだ16才かぁ…ちょっと守備範囲じゃねぇな。がきんちょじゃねぇか(笑)
ってことで、一通り今夜の聞き込みが終わったら、ちょっと出かけてくるよ。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:バティ
え? ちょっと出かけるって、どこへ? 心当たりでも? 私たちはついていかなくていいのかな?
(バティがシーフだということはうすうす感づいているが、ギルドの仕組みをよく知らないイスカには、彼の行動が 理解できなかったらしい)
なんにせよ、好きなようにやってください。頼りにしてますから。

 ルタードの質問に答える為にドリーンが一歩前に出た。

■街外れのテント小屋
☆From:ドリーン To:ルタード
 みんながいないのに気が付いたのは昨日の朝です。食事が出来たので部屋まで呼びに行った時にいなかったんです。 そういえば前の日の夜の夕食時にもいなかったような気がします。

 エルヴィラさん達は飲みに行ってると時々そのままご飯を食べてきちゃうので、その時はまたそうしているんだろうと思ってたんですけど・・・。 声をかけても反応が無いので中に入ったら居なかったんです。
あ、鍵は一応ついてますけど、普段あんまり掛けないんですよ。
 貴重品はそんなに持ってないですし、みんなの部屋があるところの入り口に鍵があるから、気にしてないですね。それでもダーナ姉さんはちゃんと掛ける方だっ たので、座長からマスターキーを借りて開けましたけど。

 みんなの部屋は別に荒らされた様子も無かったし、特別変わった様子も無かったです。元々何があるかわからないので、無くなったものがあるかどうかはわかり ませんが、エルヴィラさんのお化粧ポーチがいつもの場所には無かったような気がしますね。きれいな刺繍をしてあるご自慢のポーチなので覚えています。

私が気が付いたのはそれくらいです。

 ぺこりとお辞儀をすると再び座員の方へ戻った。初めは緊張していた座員達もドリーンが話す様子をみて緊張がほぐれてきたらしく、ぽつぽつと話し始めた。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャック 
 座長についてかい?そうだな、割合まじめな方じゃないのか。

 ジャックがみなの顔を見廻して言う。

■街外れのテント小屋
☆From:ブルズ 
 酒もほどほどだしな。あまり女関係で派手な噂もないし。

 引き締まった腕を組み、目をつむったまま答える。

■街外れのテント小屋
☆From:マイキー 
 ちょっとばかしケチだけどな。まぁ、支払いが滞るって事はないし悪くないんじゃないか。前借りさせてくれないのが困りもんだけどな。

 マイキーの言葉にマチルダが呆れたように続けた。

■街外れのテント小屋
☆From:マチルダ To:マイキー
 あんたに前借りさせたら、全部前借りで使っちまうじゃないか。
 あたいみたいな新入りにも分け隔てなくきちんとお給料払ってくれるいい人だよ。

■街外れのテント小屋
☆From:ドリーン 
 私が綱渡りをやりたいと無理を言って一座に入れてもらった時も笑わずまじめに話を聞いてくれました。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ 
 少し心配性で小心者だが、その分堅実とも言えるな。小さな一座を切り盛りしていくにはそのくらいで丁度いいのだろう。

■街外れのテント小屋
☆From:マイキー 
 でも給料安いのはもうちょっとなんとかして欲しいな。

■街外れのテント小屋
☆From:マチルダ 
 ダーナさんは足りないってよく文句言ってたね。

 人事みたいに言ってんじゃねぇよ、とマイキーに小突かれた。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャック 
 過去については俺等はよくわかんねぇな。俺とブルズは5年前にここに来たから、それ以前の事は知らねぇし。

 なぁ?とブルズの方を見た。ブルズはうんうんとうなづき返す。過去の話・・・という事で座員の視線はグレイグに集まる。
 この場にいる一番の古株の彼の意見が求められた。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ 
 私は彼が独立する前の一座から一緒に居たが、特に過去に噂になるような事は無かったと思うが。あまりぱっとしない男だと思っていたらコツコツと金を溜 めて独立する器量の持ち主だったので驚いたくらいかな。

■街外れのテント小屋
☆From:マイキー 
 そうそう、あの泥鰌髭はやめた方がいいと思うな。

 口元の髭をひっぱる仕草をしながらマイキーがおどけて言った。低い渋めの声でブルズが続ける。

■街外れのテント小屋
☆From:ブルズ 
 丸顔で童顔だから髭生やす事にしたんだろ。貫禄つけるつもりでさ。

■街外れのテント小屋
☆From:マチルダ 
 それは今、関係ない話だろう?

 グレイグ以外の座員がくすくす笑う。良く見ればグレイグも喉の辺りが震えている。こほん、と咳払いをしてパーティの方に向き直った。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ 
 こんなもので良いかな?

 前金を取りに行っていた座長が戻ってきた。なごやかに事が進んでいる様子に満足したのか、うなづきながら髭をひっぱる。その仕草をみてまた座員達の肩が震える。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 
 なにかわかりましたかな?あ、そうそう、これが前金だ。誰に渡せば良いかな?・・・そこのハーフエルフの方がリーダーですか。
 それでは確かに600Gお渡ししましたよ。先程の契約書に前金について支払い済みと書き加えておきましょう。

 座長は契約書をイスカから受け取ると、前金について記入後、再度イスカに手渡す。
 イスカは契約書をもう一度目でざっと確認すると背負い袋の奥に丁寧にしまいこんだ。

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:座長&座員
先程、5人の方の持ち物で日用品などが無くなっていたと言ってみえましたが、具体的に何が無くなっていたんですか?

 ユリが質問を続ける。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:ユリ
 無くなったもの?ああ、ドリーンがそんなことを言っていたな。ポーチがどうとか・・・。

■街外れのテント小屋
☆From:ドリーン To:ユリ
 具体的に・・ですか?普段何があるかを知っている訳ではないので気が付いたのはさっき言った化粧ポーチくらいです。

 他には部屋に入ったものはいないらしく、答えは無い。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:ドリーン
エルヴィラどのとやらは、そのご自慢の化粧ポーチを、表を出歩くときにもいつも肌身離さず持っておったんですかな?

■街外れのテント小屋
☆From:ドリーン To:ルタード
 いいえ、普段は持って歩かず部屋に置いていたと思います。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:ALL
ふうむ、ということは、少なくともエルヴィラどのは自らの意志でここを抜け出したと いうことかのう。なぜってほれ、ただの外出中に何かの事件に巻き込まれたなどという ことなら、ポーチは当然部屋に残されたままになるはずじゃろ? それがなくなってい るということは、「大切な自慢のお化粧ポーチだから、一緒に持ってかなきゃいけない わ(と、また身振り付きで。怖いからやめろって――笑)」ってことじゃよ、たぶん。 もしこの推測が正しければ、もうここに戻るつもりのない彼らは、一刻も早くオランを 離れようとするじゃろう。……間に合うかのう。

 ルタードの秘儀!?かわいいポーズ(笑)にヴィクターが腹をかかえて笑った。

■街外れのテント小屋
☆From:ヴィクター To:ルタード
あっはっはっはっ、ルタードのおっちゃん。なんか変!面白い〜
これなら、いつ舞台に出ても平気だね!

 ドリーンが目をまんまるにしてルタードを見つめた。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャン=バッティスタ To:ルタード
ぎゃはははっ!!
けっ、化粧ポーチじゃねぇだろっ!!(爆)あんたのイメージが俺様の中でどんど ん 音を立てて崩れて行くぜ…
だいたい化粧うんぬんの前にその髭を何とかしないと女装はできねぇわ(笑)
えっ、女装癖はないって(笑)
しかし、殺人級のボケだなぁ…あー、横っ腹がいてぇ… あまりのショックで折角覚えてた捜索人の顔がみんな化粧したルタードになっちまった…

■街外れのテント小屋
☆From:座長 
 わ、私に不満があって出ていったと言うのか。何が不満だったんだ。

 座長がぶつぶつと呟く。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ 
 まぁ、多少、不満があってもやめようとまではしないと思うがの。だいたいやめて生活していける程、金をもっていないだろう。

■街外れのテント小屋
☆From:ミュン To:ALL
すみません。そろそろ5人が普段寝起きしてたところを確認しに行きたいのですがよろしいでしょうか?
個人の持ち物でなくなっているものがなくなっていないか確認してきます。あと、部屋が片付いているかどうかも確認してきますね。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:ミュン
ああ。どんな小さな手がかりでもいいから、なにか見つけてきてくれると嬉しいな。じゃあ、よろしく。

■街外れのテント小屋
☆From:ヴィクター To:ALL
・・むぅむむむむぅ・・(と、質問する事を考えていたが思い付かないようだ(^_^;)) ・・ん!?おっとっと、それじゃ俺も行ってくるね〜! (そう皆に言って、ミュンの後を追いかけていった。)

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:ミュン&ヴィクター
二人とも頑張ってね。
(そう言うと優しく微笑んで二人を見送る。)

■街外れのテント小屋
☆From:ミュン To:アンブローズ・バンブラ
すみません。アンブローズ・バンブラさん。先ほど言っていた普段寝起きしてたと ころに案内していただけないでしょうか?できれば、その時に、いなくなった5人の荷物 がなくなっていないか確認してほしいのですが。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:ミュン
 おお、そうだった。部屋へはドリーンに案内させよう。どなたが行かれるのでしたかな?

■街外れのテント小屋
☆From:ミュン To:アンブローズ・バンブラ
あ、僕です。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:ミュン
 おや?あなただけ・・・・ああ、彼もだね。

 後ろでヴィクターが自己主張をするのが目に入る。リッキーも肩の上で飛び跳ねている。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:ドリーン
 ドリーン、ちょっと来ておくれ。

 ミュンと座長が話している後ろで、座員たちの声をひそめた話し声が聞こえる。

■街外れのテント小屋
☆From:マチルダ To:他の座員
 でもさ、やっぱりダーナさんがもらってたお金ってキャリアの割には安いかなって思うんだ。座長ががっくりしている今、言う事じゃないかもしれないけどさ、前に彼女に聞いた時はあたいがもらっているのとたいして変わらなかったみたいだし。 あたいなんてまだほんの2〜3年しかやってないからさ、見習いに毛が生えたようなもんだけど、ダーナさんなんてもう10年もやってるじゃん。

■街外れのテント小屋
☆From:ドリス To:マチルダ
 そういやあねさん(エルヴィラ)達もよくこぼしてたな。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャック To:ドリス
 俺はそんなに不満じゃないがなぁ。寝るところと食べ物が保証されてるんだし。贅沢はできないけど、程々って感じじゃないか。

■街外れのテント小屋
☆From:マチルダ To:ジャック
 だってプライドってもんがあるだろう?あたい達と一緒じゃ、あたいがダーナさんだったら面白くないと思うよ。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:座員たち
今までの話を聞いていても、彼らが自分の意志で出ていったのか、それとも事件に巻き込まれたのかは、まだわからないね。 しかし出て行く理由といっても、給料に不満があったことくらいしか考えられないし・・
そうだ、皆さんにちょっと聞いてみたいんだけど、五人が消息を絶つ前、なにかいつもと違う、変わった言動などを していたりはしなかっただろうか?
たとえば悩み事があるような顔をしていたとか、荷物をまとめていたとか、給料をあげてほしがっていたとか。

■街外れのテント小屋
☆From:マイキー To:イスカ
 マチルダがさっき言ってたけどいなくなったベテラン勢はキャリアの割りにはかなり安かったんじゃないかな。彼女がいうには結構ぼやいてたらしいし。

■街外れのテント小屋
☆From:ブルズ To:イスカ
 そういえば、ロビンが最近、口数が少なかったような気がするな。恋の悩みかい?ってからかった覚えがあるぜ。

 ルタードは先程ヴィクターやバティに大笑いされてきょとんとしている。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:ヴィクター&ジャン=バッティスタ&座員たち
ん? わし、何かおかしなことでも言いましたかのう? ひょっとして、ドワーフなまりが妙 な具合に聞こえたとか? ……まあ、いいですわい。

そんなことより、こうなったら少しでも早く彼らの足取りをつかまないといけませんぞ。それ には情報があまりに不足ですなあ。そうじゃのう……、みなさんがた、5人がこのオランで立 ち寄りそうな場所に心当たりはございませぬか? 座長どののお話では、オランでの公演は初 めてではないとの由、例えば、彼らが行きつけにしていた酒場や飲食店などはありませんでし たかな? あるいは、5人のうちどなたかの知り合いの家がこの街にあるですとか。

■街外れのテント小屋
☆From:マチルダ To:ルタード
 行きつけの店かどうかわかんないけど、前にオランに来た時に、ねぇさん達に連れていってもらったなぁ・・・・。 え〜と、名前はなんてったっけ・・・。そう、幸福の銀貨亭だ。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:バティ
「幸福の銀貨亭」か、初耳だな。 もしかしたら手がかりになるかもしれないね。 どんなお店で、どこにあるか、バティさんは知ってる?

■街外れのテント小屋
☆From:ジャン=バッティスタ To:イスカ
「幸福の銀貨亭」かぁ…う〜ん、どっかで聞いたことがあるような、ないような…

 (バティの記憶術の判定は10。ぎりぎり知っていました。)
 ピーン!思い出したらしく顔をあげた。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャン=バッティスタ To:イスカ
そ〜いやぁ、チャ・ザ神殿のそばにそんな名前の店もあったような気がするぜ。 金もうけの神様んとこの近くに「銀貨」亭なんて名前だから覚えてるくらいなもんだけどな。

それとも「幸福の銅貨亭」だったかなぁ〜。

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:座長&座員
他にはどんな所がありますか?
例えば、皆さんがオシャレして出かける所とか、エルヴィラさんは特にですけど。
そうそう、お化粧直しする必要のある所とか。
私だったら、デートかな、好きな人と一緒にとか言って。きゃっ。そんなこと言わせないで。

 ユリはイスカの方をちらっと見ると顔を赤くして小さく悲鳴をあげて目をそらす。
もちろん、イスカと二人切りで歩いている光景を浮かべてのこと。
いや〜んと、はじらった勢いで思わず隣にいるルタードを突き飛ばした(笑)。
突然の事に回避できずルタードは思わずこけてコロコロコロ・・は無いにしてもよろけてバティに止められた。

 ルタードは体勢を立て直し、座員たちの方へ向き直った。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:座員たち
おおそうじゃ、ついお聞きするのを忘れておったが、今この街にはみなさんがたの一座以外に、興行しているサーカス団はあるのですかな?  何を隠そう、わしはオランに来て間もないんで、そのあたりのことにとんと疎いんですわ。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ To:ルタード
今、オランに興行に来ているのはうちだけじゃよ。なるべくうまく調節しておるんじゃ。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:グレイグ
なるほど。ということは、ほかの一座に鞍替えしたということはさしあたり考えなくてもよい ということになりますかな。

ところで、どうにも腹が空いてたまらんわい。考えてみれば、この昼間はなんだかやたらと忙 しくて、食事をとっておらなんだなあ。夕食は遠慮なくここでごちそうになることにしよう。 買い出しに出かけたとかいう2人、早く戻ってこんかのう。

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:ルタード&バティー
あれ?二人で何やってるんですか?
(自分で突き飛ばしておいて、気が付いてないです。(^^;)
えぇ!!ウソ!?バ、バティさんと大神官様ってそんな関係だったんですか?(あ、あの〜(^^;)
(顔を真っ赤にして、さも、驚いたように目をぱちくりさせている。)
バティさんがそんな趣味の持ち主だなんて。(ツツツゥ〜。)

 すすっとユリの側にマイキーが寄って来る。

■街外れのテント小屋
☆From:マイキー To:ユリ
 ねぇさんはきっちり化粧してるタイプだから、部屋以外はいっつも化粧してたんじゃねぇかな。あんたなんて化粧しなくても十分綺麗だから関係ないだろうけどさ。(ウィンク☆)
 まぁ、しいてあげれるとすれば酒場とか出掛ける時は念入りに化粧してたかな。
 それよりさ、どうだい?今度、俺とデートしないかい?

 そうマイキーに耳打ちされ、ユリは恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になった。
 何か言おうとするが、声にはならず、口をパクパクさるのが精一杯。ついには、うつむいてしまった。

 質問は途切れ、やや長い沈黙が訪れた。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:マイキー
おやおや、そんな調子のいいことを言ってうちのパーティの看板娘を誘惑しようったって、そうはいかないよ。 (笑いながら)ねえユリ、こんなお兄さんについていかないようにね。

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ
[ ...........イスカ様。「君を連れて行かせたりはしない。」って言ってくれないの?
やっぱり、イスカ様にとって私はただの同じパーティーの仲間の一人でしかないのね。
あの時、声をかけてくれたのは単なる気まぐれ。マイキーさんのように遊び半分だったのね。 ]

あれ?可笑しいな。どうしたんだろう、涙が勝手に........。
(あふれ出た涙は頬をぬらす。)

 (ユ、ユリ・・・?(^^;;;)

 いきなり泣き出したユリに驚くイスカ。あわてて側に近寄る。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:ユリ
どうしたの、なぜ泣くの?
[ユリのまわりにいつのまにか、悲しみを司るバンシーたちが見える。私、何か悪いことでも言ったかな。]
ほら、これを使いなさい(と、ハンカチを差し出す)。
(乙女心の機微を理解できないイスカでした)

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:イスカ
イスカ様のドンカン!!
イスカ様なんか、イスカ様なんか、大っ嫌い!!
(真珠の様な涙を散らして、駆け出して行く。)
タッタッタッ。ポテッ。
(あ、こけてる。(^^;)
ふ、ふえ〜〜〜ん。

 マイキーはしゃがんでしりもちついて泣いているユリの顔を覗き込む。

■街外れのテント小屋
☆From:マイキー To:ユリ
 泣く程に俺とデートするのが嫌なのかぃ?うそうそ。ごめんな。
 あんたすっげえ、純情なタイプだったのな。傷ついたならあやまるよ。でも綺麗だっていったのは本当の気持ちだったんだぜ?
 な?機嫌を直してくれよ。

 といってポケットを探りイスカに負けじとハンカチを出したが、かなりくたびれたハンカチだったので慌ててしまい直し、照れ笑いをした。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:ユリ&マイキー
[おやおやこの男、意外といい奴じゃないか。うーん、微笑ましい光景だなあ]
(イスカはにこにこと眺めている)

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:マイキー
(マイキーに顔を覗き込まれて、一瞬、びくっとする。そして...。)
ドキッ。
[あ、あんな事言うから、なにか変に意識しちゃうじゃないの。ドキッ。ドキッ。]
(急に真顔で話し出すマイキーの話を聞いてたちまち顔を赤くする。耳たぶまで真っ赤っか(^^))
[ちょ、ちょっとぉ〜。何てこと言うのよ。でも、奇麗なんて言われたの初めてだなぁ....。
クスッ。
(くたびれたハンカチを慌ててしまう姿を見て微笑する。)

■街外れのテント小屋
☆From:マイキー To:ユリ
 そうそう。あんた笑ってた方がずっと良いよ。

☆From:ユリ To:マイキー
 ちょっ。か、からかわないでください。あせあせ。
(立ち上がり、土を払い落とした後、ベルトポーチからハンカチを取り出し涙を拭おうと...。)
 あっ。
(ベルトポーチから滑り出したハーモニカが落ちちゃう。)
 またやちゃった。

かがんで落ちたハーモニカを拾おうとして伸ばした手が、同じく拾おうとしたマイキーのものに触れる。
 びっくりして硬直するユリ。意外な事にマイキーも石化している。
 気を取り直してハーモニカを取りシャツの裾でよごれをとるとユリの手に持たせると、耳の端を赤くしながらユリの側から離れて座員達のところへ戻っていった。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード 
むう。

(と言ったきり、黙りこくっている。何か考えごとをしているのか、あるいは空腹のあまりものも言えなくなってしまったのか?――笑)

 だんだん座員達もそわそわしだす。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ To:パーティ
もう質問が無いようなら、そろそろみんなを仕事に戻してやりたいのじゃが・・・。

 入り口の布が上がり、人が入ってきた。外はかなり暗くなってきている。
 最初に会った猛獣使いのネリーが買い物から戻ってきたようだ。

■街外れのテント小屋
☆From:ネリー 
 帰ってきたらキャシーしか外に居ないからどうしたのかと思ったわよ。いったい何の集まり?
 今日、ミーティングあるなんて聞いてないわよ。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:ネリー
ああ、あなたは猛獣使いの。さっきはご案内ありがとう。 でも私たちは芸を披露するのが目的で来たのではなく、人探しのために座長さんに雇われたんだ。 それで、今皆さんを集めて話をうかがっていたところなんだけど、あなたも何か知っていることがあったら聞かせてほしい。 ダーナさんはじめ五人がいなくなる前に、何か変わったことなどはなかっただろうか?

■街外れのテント小屋
☆From:ネリー To:イスカ
 あら、そうだったの?てっきりサルとかいたから芸人候補だと思ってたわ。
・・・・・そういえば一昨日の夜、うちの子達がなんかちょっと騒いでいたから様子を見に行ったけど、特に変わったことはなかったけど・・・

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:ネリー
動物たちが騒いでいた?
ちょっと待って、動物たちは座員に対してでも、吠えかかったりするものなの? もしかすると見なれない相手を見つけたり、あるいは気配を察知したりしたせいで騒いでいたんじゃないかな?

■街外れのテント小屋
☆From:ネリー To:イスカ
 いいえ、吠えたりはしてなかったわよ。ただ寝てるはずの時間なのになんか起きてごそごそしてたから様子を見に行っただけ。
 見慣れない相手?一座以外の人が寄ってきたらそれは吠えるでしょうね。

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:ネリー
(ごそごそ?ねぇ。ひょっとすると、ひょっとするとかも。)
あ、あの。ネリーさん。(目が恐いのでちょっと脅えている。(^^;)
もしかしてその子達、翌朝の食欲あまり無かったんじゃないですか?

 ユリがおずおずとネリーに話し掛ける。

■街外れのテント小屋
☆From:ネリー To:ユリ
食欲?普通だったと思うわ。

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:ネリー
 そ、そうなの。
(何やら考え事をしてから、しかしあまり納得が行かなかった様子で。)
 どうも、ありがとうございました。(ペコリ)

 イスカの後ろで無言のまま考え込んでいるルタードにバティが近寄ってきて話し掛けた。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャン=バッティスタ To:ルタード
なぁ、ルタードよぉ、そろそろ腹へらねぇか?
もう聞き込みも終わりそうだし、団員もそろそろ自分の仕事したいみたいだし、今日のところは解散したらどうかい?
そんでよう、俺様は今からギルドに出向いたりするわけで、今晩の食事は「幸福の銀貨亭」とやらに寄ってみよっかな、なーんて思ってる訳だ 。
大体さぁ、ああいう宿屋兼酒場ってのは朝行くより夜行った方が面白そうじゃねぇか。

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:ジャン=バッティスタ&イスカ
腹? そりゃ、もうペコペコですわい。見て下され、この通り、ペッタンコになってしまっとります(といって突きだしたのは、もちろん見事な太鼓腹である……)。

確かにもう質問もあらかた出つくしたようじゃし、そろそろお開きにするべき頃合いかも知れませんな。いかがですかな、イスカどの、わしもバティどのの意見に賛成ですが。

あ、バティどの、それとですな、わしも「幸福の銀貨亭」とやらを訪ねてみたいと思っとるんですが、よろしければご一緒しませんかな?  バティどのは「ギルド」にご用がおありのようじゃし、わしもミュンどのたちが新しい話を仕入れたかどうかを確かめたり、座長どのやみなさんの意見を聞いてみたいことがあったりするので、そう、「日が沈む時分に現地で待ち合わ せ」ということではどうかと思うんですがの。バティどののおっしゃる通り、そこで夕食も、ということで……あっ! ただで目一杯食事のできる好機が……。

■街外れのテント小屋
☆From:イスカ To:バティ&ルタード
なるほど、ではいってらっしゃい。
私たちは「幸福の銀貨亭」でのふたりの聞き込みの結果を待って、明日の計画を立てることにしよう。 なるべく起きて待っているようにするけど、朝になっても帰って来ない場合は何かあったとみなして探しに行くからね。 ふたりとも、飲みすぎないようにくれぐれも気をつけて。
さて、それでは私たちはそろそろお開きにしようか。
(座員たちに)皆さん、いろいろとありがとう、参考になったよ。あとは私たちに任せて下さい。
ところで部屋を見に行った人たちは、まだ帰ってこないのかな?そろそろ私もお腹が空いたな・・。

■街外れのテント小屋
☆From:グレイグ To:イスカ
 それじゃみんなを仕事に戻そう。

 グレイグが座員達に向かって解散を伝える。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:座員達
 みんな忙しいところ、すまなかったな。
明日は公演初日だ。とにかく開演するつもりで準備を進めておいてくれ。頼んだぞ。

■街外れのテント小屋
☆From:ジャン=バッティスタ To:All
さてと聞き込みも終わったことだしそろそろ次の用事を済ませることにすっか。
ルタードとは店で落ち合うことにして・・・ところでちゃんとたどり着けるのか?チャ・ザ神殿のそばだからな。
んじゃ、ってことでちっくらいってくらぁ

■街外れのテント小屋
☆From:ルタード To:ジャン=バッティスタ
チャ・ザ神殿のそばですな? 大丈夫、こう見えてもわし、方向感覚はなかなかのものなの じゃよ。

それではわしも、聞き込みの二人のところに寄ってから、出かけるとするかの。

 座員達はぞろぞろと入り口へ向かう。一緒にバティとルタードも幸福の銀貨亭へ聞き込みに出発した。

 どこからともなく良い匂いが漂ってくる。

■街外れのテント小屋
☆From:座長 To:イスカ達
 お、食事の支度もそろそろ出来るようだ。
 みなさん・・、おっと、まだお仲間が戻ってきていないか。戻り次第、食事にしましょう。

■街外れのテント小屋
☆From:ユリ To:オラン雑技団(イスカ様しか居ないってば(^^;)
(ず〜と、考え事をしていたらしい。)
 ねぇ。皆さんって、あれ?ルタードさんとバティさんは?
 え?幸福の銀貨亭に行っちゃったんですか?
 ふみぃ。荷物持ったまま行かなくても良いと思うんだけどな。

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