天使の歌声 |
オランの中心街の一画にある豪奢で、かつ落ち着いた雰囲気の建物。
派手な宣伝文句もなく、ただ入り口のドアに”天使の歌声”とだけ書かれていた。
だが、扉は固く閉められており、普段ならいるであろう黒服達の姿も見えなかった。
その人気のない入り口を横目に裏手の方に真っ直ぐ回った怪しげな二人(笑)
たまたま店への出勤途上だったのだろう男性が、二人に気がついたのか見咎めたのか、ともかくも声をかけてきた。
■ 黒服の男性 To:ガイ、クラウディア |
何かご用ですか? |
■ガイ To:黒服の男性 |
俺は、ガイってもんだが、エルドリックさんかユリアさんは、いるかい? 約束はしてねぇが”ガイ”って言ってもらえれば、わかるぜ。 |
■クラウディア To:黒服の男 |
あたしはクラウディア、忙しいところすまないね。 |
■ 黒服の男性 To:ガイ&クラウディア |
エルドリックにユリアですか? 今日は二人とも店の方には来ないと思いますが・・・・。 失礼ですが二人とはどのようなご関係で? |
ガイは、ふと考える。・・・そんなにたいした頭ではないのだが(笑)
■ガイ(心の中) |
こりゃ、依頼の件は言わねぇほうがいいな・・・。適当に言っておくか・・・。 |
■ガイ To:黒服の男性 |
たんなる知り合いさ。 ユリアの声が心配でな・・具合を聞きにきたんだが・・。 ・・それじゃ、どこに行けば会えるか、あんたしらねぇか? |
■黒服の男性 To:ガイ |
さあ? 私には分かりかねますね。 |
ちょいと不審な目でガイとクラウディアを見始めます。
その黒服の視線を見て、まずいと判断したクラウディアが、足りない頭(笑)を絞る。
いや、二人で大した頭でないとか足りない頭といわれてもねぇ(^^;;
■クラウディア To:(胸中) |
(う〜ん、どうしたものかねぇ……問題はこの黒服さんが、どこまで事情を知っているかなんだよねぇ…………そういえば、この前聞いたワームズ卿の話に………だけど、さすがに店の名前までは……ま、いいか) |
■クラウディア To:黒服の男性 |
いやね、あたしも吟遊詩人の端くれでね。もちろんユリアさんにはまったく、およびもつかないんだけど……。 今回の件で、ユリアさんの役に立ちたいと思っている者だよ。 |
■黒服の男性 To:クラウディア |
はあ?ユリアさんのお役? |
男は訳が分からないという感じです。
そんな男に対しクラウディアはさりげなく、小声で歌を口ずさむ
■クラウディア To:黒服の男性 |
♪満ちぬ月 ,三日月 見上げるあなたは,弦張れぬ狩人 願いを託すは 雲間にきらめく銀の網〜♪ ……って言ったら、事情がわかるかね? |
■黒服の男性 To:クラウディア |
なんだ、新手の売り込みか? まったくユリアさんとエルドリックさんの名前なんかだすからてっきり知り合いだと思ったじゃないか・・・。 悪いね、残念だがドワーフはうちでは雇わないんだよ。 |
男はやれやれと言った風にため息を付くとそう言って店の中へと戻っていこうとします。
が、ガイは、立ち去ろうとする黒服の男性を呼び止める。
■ガイ To:黒服の男性 |
おい、待ちな!誰が、売り込みだといった!なめんじゃねぇぜ。 ・・・まあ、いいさ・・あんたが後で叱られるだけだからな・・・・。 一応、今の件はエルドリックにも伝えておくから、あんたの名前だけは聞いておこうか?・・・。 |
すかさず相手にそう言い放つガイ。だがこの言葉が逆に男の癇に障ったようだ。
■ 黒服の男 To:ガイ&クラウディア |
売り込みでなければ君らはいったいなんなんだ? お役に立ちたいだの、ユリアさんの声が心配だのと、君らの話は私にはさっぱりわからない。 彼女は風邪で体調崩してしばらく休んでるんだし、エルドリックさんも彼女につきっきりなんだ。 知り合いならそれくらい知ってるだろう?ならわざわざここにくる必要はないんじゃないかな? |
男はそう言って店の中に入っていきます。
扉を閉める間際に一瞬だけガイ達の方を見ます。
■ 黒服の男 To:ガイ&クラウディア |
私の名前はイーゼルだ。伝えたければ好きにするがいい。 |
そう言って荒々しく扉を閉めます。
■クラウディア To:ガイ |
やれやれ……、ちょっと考えすぎちまったみたいだね、ごめんよ。 (なかなか、物話みたいな展開にはならないってことさね……) どうやら、ユリアさんが歌えないってことは、ここの連中、少なくとも、あの黒服レベルの連中は知らないらしいね。 ここにいても、あまり情報は得られなさそうだけど……どうするね、リーダー? |
■ガイ To:クラウディア |
な〜に・・ここの連中が”ユリアが歌えないことを知らない”って分かったことだけでも収穫さ(笑) じゃあ、いったん宿に戻るとするか、ディア! |
GMの冷たい仕打ちにもなんのその、二人は軽い足取りで銀の網亭へと戻っていきました。
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