アザーン港・酒保 |
副官に案内されて酒保に入る冒険者達。
酒保とは言え、半分酒場みたいな物で有る。
まだ時間が早いのか人は殆ど居ない。
暇そうにしている髭面の中年男性がカウンターの向こうに座っている。
副官を見つけ、中年男性は話しかけてきた。
■中年男性 To:ビィ |
おや、ビィ。 そちらの一行はキャプテンの客人かい? |
■ザラ To:中年男性>ビィ |
はじめまして、ミッちゃんです! こちらはどなたでしょうか、マム? |
カウンターの向こうに元気よく挨拶をすると、その勢いのまま副長に向きなおって問いかけるザラ。
■ビィ(副官) To:ザラ、中年男性(酒保長) |
こちらは酒保長のタルカスさん。冒険者の宿で言うところの、マスターです。 おやじさん、こちらオランの冒険者の皆さんです。海賊討伐の援軍に来ていただきました。 あとからロバート様もいらっしゃいますが、先に料理とお酒を人数分、お願いします。 |
■ダーニャ To:タルカス |
こっちがウーサーで、ギン。ぼくがダーニャです。しばらく世話になります。 |
残りのメンツを紹介して、ぺこりとお辞儀。
■ギン To:タルカス |
よろしくね、マスター(○'ー'○)ノ |
カウンターに身を乗り出して酒保長の髭をわしゃわしゃ。
■タルカス To:ギン |
おいおい、よしとくれ。 これでも嫁は居るんだぜ? |
からかうようにタルカスは言った。
■ダーニャ |
(お、オトナの対応!? それにしても、ギン…おそろしい子…) |
ぎょっとした表情でその様子を見守るダーニャ。
■ザラ To:冒険者たち&ビィ |
キャプテンは後からくるとおっしゃっておられましたが。 ここで、作戦会議でも開かれるおつもりでしょうか? |
生真面目な顔に戻ると、ザラは全員を見回して小首をかしげた。
■ビィ(副官) To:ザラ |
はい、ご明察です。ここならば部外者もおりませんし、船上並には安心です。 とは言っても半分は歓迎会のようなものですから、揺れない床でのお食事で存分に鋭気を養ってください。 |
■ザラ To:ビィ |
まだ何もしていないのに、歓迎会と言われると恐縮ですが、ありがとうございます、マム。 キャプテンにも、感謝を。 それではマム、食事が出てくる間に、計画の大筋だけでも説明していただけませんか? キャプテンがみえたら、直ぐに本題に入れるでしょうし。 今ならみんな素面です。 |
■ダーニャ To:ザラ>ビィ |
確かにお酒入っちゃう前のほうがいいヨね、きっと。 |
冒険者達の会話を聞いたタルカスは一行に声を掛ける。
■タルカス To:ALL |
なんでえ、冒険者ってのは意外と真面目なんだな! それじゃ、先に茶と茶菓子でも出そうかい。 |
■ダーニャ(独り言) |
合理的と言って欲しいところかなあ。 |
肴の料理に取り掛かろうとしたタルカスだったが、先にティーポットと人数分のティーカップ、そして糧食用の大きなビスケットを人数分用意して一行のテーブルに持って来た。
■タルカス To:ALL |
生憎と気の利いた茶菓子が無くてな。 今からスコーンを焼くってのも時間が掛かるし、糧食用のビスケットで勘弁してくれ。 あ、味は無いからこのジャムを付けて食いな。 |
最後にストロベリージャムの入った小ぶりの壺を置いていく。
■ギン To:ALL |
わあ、おいしそう(* ̄¬ ̄) |
■ザラ To:タルカス |
おおっ、豪勢です! ごちそうさまです、マスター。 ビスケットがすぐに出てくるということは、マスターも、船乗り経験は長かったりされるのですか? |
■タルカス To:ザラ |
ん、ああ、陸に上がる前はキャプテンの船で主計長をやってたよ。 幸いうちらの航路は寄る港も多いから、虫食いのビスケットってなあ滅多に無かったけどな。 今、キャプテンの船は若いのに任せてる。 |
■ザラ To:タルカス |
やっぱり!流石ですね。 サーの管理なら、ビスケットも安心していただけます。 |
分厚い糧食ビスケットをとりあげると、あえて打ちつける動作をせずに、そのまま自分の皿に置いてみせるザラ。
彼女は憧憬の眼差しをタルカスに向け、話を続けた。
■ザラ To:タルカス |
サー、経験からみて、今回のキャプテンの任務はどんな塩梅ですか? あ、もちろん主観でかまいません。 お前ら余裕でラム煽ってろ、って感じなんでしょうか。 |
■タルカス To:ザラ |
おいおい、俺は爵位持ちじゃねえよ。サーは止めてくれ。 それは兎も角だ、 「油断は禁物だが、そこまで焦る程じゃねえ」 ってとこかな。 船は倍居るし、少なくとも海戦じゃあキャプテンの腕は確かだ。 アクシデントでも無い限り負けはしめえや。 |
■ザラ To:タルカス |
こちらのマリーンでは目上にサー呼びはしないのですね。 それは失礼しました、ミスター・タルカス。 では、その海戦であらかた決着がつくよう願うとします。 他になにか、ご助言いただけることがありましたらお願いします。 |
■タルカス To:ザラ |
うん、今日は食って、休め! 後は本番でびびらねえこったな。 |
■ザラ To:タルカス |
イェッサー!! |
■ギン To:ALL |
今夜はみんなで楽しく呑もう(●´ω`●)ノ |
■ダーニャ To:タルカス、ザラ |
そうですね、しっかりやらせてもらいます。 …ところでミッちゃん、ビスケットって船乗りとなにか深い関係があるの? |
ダーニャは、出されたビスケットにジャムを薄く塗って少しずつかじりながら聞いていたが、話に一区切り付いたときに何気なくそんなことを傍らの仲間に尋ねた。なんだか自分の知らない常識があるような雰囲気だったので気になったらしい。
■ザラ To:ダーニャ |
ビスケットって言ったら、フナメシの主体ですよ。 あの広さに詰め込むんです、壮烈な労働を続ける大のオトナを人数分維持する糧食をね。 これよりもっと固くぎっしりと詰めて、痛まないように何度も焼いて。 それでもムシが付くから食べる時、叩いて追い出すんですけど…追い出しきれない分が実は貴重な栄養源になってるってシロモノですよ。 |
さらっと口にしながら、ビスケットを取り上げたザラは、ぱかっと割った切り口にたっぷりとジャムを塗り込むと。
話題の品をこともなげにボリボリと噛み砕きながら、ダーニャに向かってにっこりと笑った。
■ウ―サー To:ダーニャ |
ま、陸(オカ)と違って水も糧食も持ってった分しか自由にならねぇしな。 塩漬け肉を海水で煮る、なんてぇのもザラだって話だぜ? |
こちらも何の躊躇いもなくビスケットを噛みくだしながら、物足りなさに眉を顰めつつ呟く。
■ウ―サー To:タルカス |
う〜ん……残念ながら、不真面目なのも交じっててなぁ? オレ様は、酒と肴も希望させてもらっていいかい? |
■タルカス To:ウ―サー |
あいよ。ラムしかねえが、構わんな? 肴は……そうさなあ、フィッシュ&チップスくれえだな、すぐに出せるのは。 ちょいと待ってくれ。 |
そう言うとタルカスは調理を始めた。
何かを揚げる音が聞こえる。
暫くして揚げる音は終わり、美味そうな匂いが漂ってくる。
タルカスは皿と酒瓶を持って冒険者の近くにやって来た。
■タルカス To:ALL>ウーサー |
ほれ、港で上がった魚で作ったフィッシュ&チップスだ。 このビネガーをかけて食え。 そしてこれは、キャプテン秘蔵のラムだ。 味わって飲めよ? |
タルカスはウーサーに木のジョッキを差し出す。
かなりの量だ。
■ギン To:ウーサー |
ウサやん、うちも味見する(○'ー'○)ノ |
■ビィ To:ALL |
では、一部はロバート様から聞き及んでいるかと思いますが作戦の大筋の所を。 ・ロバート隊の船は4隻 ・海賊のアジト近くの海域にて一隻を囮として先行させアジトから出てきた海賊を包囲する ・包囲できたらそのまま接舷して切り込む 囮役は積み荷を減らして、速度を稼げるようにします。 |
■ザラ To:ビィ&ALL |
なるほど、ちょっと待ってくださいね。 空のコップが味方の船で、お茶が入っているのがが海賊船と……囮には砂糖をいれておきますね。 |
ザラはテーブルの真ん中に、ティーカップをならべ、ビィが説明した布陣を形作った。
■ザラ To:ビィ |
キャプテンから、これまでのところ海賊船は2隻確認されていると伺っておりましたが、マム。 その情報に変わりはないですか? |
■ビィ To:ザラ |
変わり有りません。 拿捕された船はありませんし、簡単に建造出来るものでもありませんからね。 |
■ザラ To:ビィ |
ありがとうございます、マム。 つまり、余剰戦力の疑念を抱くような相手ではない、そういうことですね。 |
■ギン To:ビィ、ALL |
うちらは囮の船に乗り込むのがええかな?? |
■ザラ To:ギン、ビィ、ALL |
相手に突っ込むのか、相手をひっばりまわすのか、その辺りは囮の操船によっても違ってきませんか? そもそも、海賊相手の海戦で、冒険者にどんな役割をお求めか、によっても、わたしたちの居るべき場所は違ってくると思うんです。 |
羊皮紙とペンをを取り出したザラは、教えを請う者の目線で、ビィを見上げる。
■ダーニャ To:ALL |
切り込みがあるなら、やっぱそれがぼく等に期待されてるんでしょ? 逆に操船とかだと足手まといになるだろうし。 |
■ザラ To:ダーニャ&ALL |
そうそう、ダーニャさんの言うとおり切り込みだとすれば。 囮船を軽くするって話が出てましたよね。 囮が逃げ主体の船になるなら、切り込み組はむしろ伏船にいることを期待されることもあるのではと考えたりもします。 |
冒険者達が打ち合わせを始めようかとしたその時、ロバートが酒保に現れた。
■タルカス To:ロバート |
おやキャプテン、以外と早かったですな。 |
■ロバート To:タルカス>ビィ |
ああ、明日には出るからな。 皆の休養を優先させたよ。 さて……副官殿。 客人達に何処まで話したかな? |
■ウーサー To:ロバート |
オレ様たちが乗り込むのは囮船か、斬り込み隊かってのを確認させて頂いてたところさ。斬り込み隊、であってるよな? ところでボス。船に乗り込むのは、今から何時間後ってことになりそうだい? |
■ロバート To:ウーサー |
うーん、俺は斬り込み隊に入れようかと思ってたが。 勿論、有用な提案なら考えるよ。 船には明日の朝一で乗り込んで貰う。 今が昼だから、ある程度酔い潰れても何とかなるだろ? |
■ギン To:ロバート |
さすがおじさま、わかってるぅ(●´ω`●) |
■ザラ To:ロバート |
サー。囮船も、最終的には旋回して白兵戦に参加する予定なんでしょうか? |
■ロバート To:ザラ |
そうなんだが、結構後の方になりそうだ。 囮船は後詰め要員と思って貰った方が良いかな。 |
■ザラ To:ロバート&ALL |
となると、それまでは海賊2隻に対して、こちらが3隻という形になるのでしょうか。 つまり、後詰が参戦するまでは、実質2対1と1対1での接舷が想定されます。 それなら私たちは、1対1の立場になる船に乗るべきかと考えますが、どうでしょうか? |
ティーカップをいくつか動かし、簡単に陣形を示して見せながら、ザラは全員に問いかける。
■ロバート To:ザラ |
そうだな。勿論1対1の船は敵旗艦へ突撃だ。 ……お前さん、前から思っていたが海は長いのか? 妙に海の作法に詳しいし。 |
■ザラ To:ロバート |
イエス、サー!( ̄^ ̄)ゞ 船首像を手掛けて十数年になります。 これまでも、色々な船に乗り組みさせていただきました。 この度、オカの仕事も経験すべく、冒険者にジョブチェンジいたしましたが、やっぱり海は血が騒ぎます。 |
海軍式の敬礼の後、実に楽しそうな表情で、ザラはキャプテンを見上げた。
■ザラ To:ロバート |
あの、それから。 船にカタパルトがありましたよね。 あれは、対人攻撃用ですか? それとも、対艦用なのでしょうか? そもそも、何を発射するのです? |
■ロバート To:ザラ |
カタパルトじゃなくてバリスタな。 対艦用ではあるんだが、何時もは火矢を敵船の帆に射掛ける用に使っている。 何せ、巻き上げが大変だからな。 それに、幾ら弩とは言え船体を貫ける威力は無いし。 船に無尽蔵に荷物が積めるなら、投石器を詰みたいぜ。 基本遠距離戦は戦闘要員の弓が頼りだよ。 |
■ザラ To:ロバート |
となると、あの器械で飛ばせるのは矢のみということでしょうか? 敵船に届かせるとしたら、どの位の重さまで括り付けられますかね。 |
■ロバート To:ザラ |
相手との距離によるが、まあいいとこ1〜2kgまでじゃないかな? さっきも言った様に、基本弩だから矢以外を飛ばす様には出来てないね。 やっぱり……セオリー通り、船腹に衝角で突撃してからの斬り込みがメインになるだろうな。 |
■ザラ To:ロバート |
つまり、海賊船よりもこちらの船足には圧倒的な自信かあると。 先ほど、バリスタから火矢を射かけて帆を焼くとおっしゃっておられましたよね。 素人考えで申し訳ありませんが、サー。 バリスタの矢を使って油なり酒なりをばら撒いた後、魔法で着火出来れば、より確実ではないでしょうか? |
■ギン To:ザラ |
ミッちゃん、過激Σ( ̄Д ̄;; |
■ロバート To:ザラ |
その為のお前さん方だよ。 オランまで遠出した理由のひとつだし。 期待しているぜ! |
■ザラ To:ロバート |
ありがとうございます!! ついては、それに伴う材料の搭載はお願いできますか? 具体的には、燃焼を図る為の酒もしくは油、ということですが。 |
■ロバート To:ザラ |
ふむ、まあ手配しようか。 タルカス! 燃料用の油はどれくらい在庫がある? |
■タルカス To:ロバート |
確か今手元に有るのは、酒樽二つ分くらいですぜキャプテン。 |
■ロバート To:タルカス>ザラ&ALL |
じゃあ積み込みの指示を出しておいてくれ。 っと……これ以外にも何かあるか? 今手元にある物なら何とか持って行けるぜ? |
■ザラ To:ロバート、タルカス |
感謝いたします、サー!ミスター!! 同時に、矢に油を載せるための袋も手配できそうでしたらお願いします。 短時間で足止めできて、囮船の戦線復帰が早められるとよいのですが。 |
■タルカス To:ザラ |
オーケー、ありったけの革袋を用意しておくぜ。 勝つためには段取りが大事だしな。 任せておけ! |