オラン港・屋台街 |
オラン港側の広場に屋台街がある。
そこは船から降ろした物を扱っている市場みたいな物だ。
冒険者達は店員が失踪した屋台へと向かう。
そこは40位の男が店番をしていた。
■男 To:ALL |
いらっしゃい。今日は良い林檎が入ってるよ? |
■ウルス To:男 |
ほう、美味そうですな、では一盛り… …と。その前に、少々お時間ちょうだいして話を伺いたいんですが、よろしいですかな。 |
■エル To:独り言 |
一盛り……って、いったいいくつ乗っているんでしょうか……。 |
■男 To:ウルス |
ん、何かな? そろそろこっちも店を閉めようと思っていた所だ。 時間はあるよ。 |
■ウルス To:男 |
それはありがたい。…あ、おいらはウルス、こちらはエルと申します。 実は我々は、先日行方不明になった方を探しておりまして。 こちらでも売り子の娘さんがいなくなったとうかがったので… そのときの状況を伺いたいと思いまして。 |
■男 To:ウルス |
ああ……エミーの話か……。 何時も屋台は任せてたんだ。時々様子を見に来ては居たがな。 あの日も普通に働いて居たと思う。 昼過ぎに様子を見に行ったら、もう屋台はもぬけの殻だった。 隣の屋台の話じゃ、 「御飯にしてくる」 と言って路地裏に消えてからそれっきりらしい。 勿論探し回ったさ。でも見つからなかった。 消えた路地ってのは、ほれ、そこの狭い路地だよ。 確かに人通りは少ないがな……。 |
心なしか、男の表情がどんどん曇っていく。
■ウルス To:男 |
お昼を食べに…それじゃあ、直前まで全くいつも通りだったんですな。 で、この路地へ…ですか。 エミーさんのお宅までは、どのくらいありますかね。 |
ウルスは声に同情を込めながら、路地をのぞき込んでみる。
■エル To:男 |
お昼を食べに、路地裏に……ですか。その路地の先に、食堂か何かでも? どこに通じている道になるんでしょうね? まさか、行き止まりって事はないと思いますが……。 |
であるならば、連れ去った犯人が路地から出てくるところを誰かしらが目撃しているはずだ。
もっとも、「まともな移動手段を用いたなら」という条件付ではあるが。
■男 To:エル |
ああ、そこから行くとエミーの家への近道なんだ。 行き止まりとかじゃなくて、普通の狭い路地なだけだよ。 でも、狭いから人通りが多い訳でも無いんだよな……。 目撃者でも居ればよかったんだけど……。 |
■エル To:男 |
ふむ……。 ちなみにエミーさんは一人暮らしだったのですか? お宅のほうを調べたりなどはしたのでしょうか。 |
■男 To:エル |
両親祖母と同居だよ。 家族も、戻って来てないと言っている。 家族が嘘をつくとは思えないので……な。 |
■ウルス To:男 |
この辺の細い路地って、大きな通りをつなぐだけじゃなく、裏路地通しも繋がったりしてますか?人通りは少ないって言っても、結構便利に行ったり来たりしとられる方もそれなりにいたりしませんか? |
…表通りに目撃者がいなければ、裏通りを伝って移動した可能性もある。
■男 To:ウルス |
そうだね。 細かい路地まで入れると、地図を描くのも面倒になる位入り組んでる。 そっちの方まで衛視隊は調べて居たけれど、結局見つからなかったんだ。 |
■ウルス To:男 |
エミーさんのお宅はどちらなんでしょう。 いつも通っとられる路地は…? |
■男 To:ウルス |
下町の外れの方なんだ。 大きい道だけでも帰られるけれど、その日の気分で道を変えてたからなあ……。 |
■ウルス To:男 |
ふうむ…これは、「たまたま」目撃者のないときに、細い路地裏で難に出会ってしまった…のでも、ないような。 この辺りでは、見かねない者が露店をぶらついたりするのは…珍しくもないんでしょうが。 …この辺のお店に、不自然な買い物客がいたなんて話は出てないですかね? |
■男 To:ウルス |
そうだねえ、うちは果物専門だから気付かなかったけど、余所だと何かあるかもしれない。 兄さん達、ちょっと待てるかい? ちょっと周りに聞いてくるから。 |
■ウルス To:男 |
それは有り難いですな。お願いします。 我々はお待ちしてますんで。 |
■エル To:ALL |
では、そこのリンゴでもいただいて、かじりながら待ちますか。 |
値札の金額を置き、自分とウルスの分を手に取る。
■ウルス To:ALL>独り言 |
はいな。では、いただきます。 …うーむ。 港湾地区でのふたつの失踪事件を、同一犯がよく使うような路地を利用して起こしたと仮定すると…。 現場はあの地区のあの辺りになりますかね<。BR>で、そこから人目に付かないように移動できる範囲内に…。 |
ウルスがぶつぶつ言いながら、林檎をかじる事しばし。暫くして店主が戻ってきた。
■男 To:ALL |
待たせたね。 パン屋とかで聞いてみたんだが、何日かに一度、見慣れない男が結構な人数分の量を纏め買いしに来たらしい。 ほら、大体地元の人間なら顔が分かるじゃないか。 でも見知らぬ顔だったらしい。 まあ、場所柄、稀にあんた達みたいに知らない顔が来ることもあるが、纏め買いはしないだろ? だから記憶に残っていたらしいんだ。 |
■ウルス To:男 |
ほう、なんと…それは耳寄りな。 若い男ですかね? …風体なんかは分かりませんか? |
■男 To:ウルス |
若い……と言えば若いそうな。特徴も目立ったところは無かったらしい。 只、今のところ同じ人間が続けて来たのではないそうだよ。 毎回、顔が違っていたらしい。 |
■ウルス To:男>エル |
毎回顔が違う!? …うーむ。 こりゃあ、もしかすると相手は想像以上に大がかりな組織かもしれませんな…。 結局、全員共通の事項で目立っている辺りが間抜けっちゃあ間抜けですが。 手分けして少しずつ買えば目立たないでしょうに。…あるいは、陽動ですかね? |
■エル To:ウルス |
むしろ共通の事項で目立っている事に気づいていないあたり、変装して顔を覚えられないようにという点ばかりを気にしていた……という可能性もあります。 |
■ウルス To:エル |
ふむ。たしかに、そっちの方がありそうな話ですな。 |
■男 To:ALL |
何か役に立ったかい? 俺達も自分の生活があるから、店を休む訳にもいかないんだが……。 どうか、エミーを見つけてやってくれ。 この辺の屋台連中が可愛がってたんだ。 何か新しく分かった事があったら兄さん達に教えるから。 |
■エル To:男 |
今の時点ではなんとも言えませんが。 もしご協力を頼む事ができましたら、ぜひともお願いします。 |
■男 To:ALL |
ああ。頼んだぜ、兄さん達。 |
■ウルス To:男 |
全力を尽くします。ええと……。 …すみません、ご主人。そういえばお名前をうかがっておりませんでしたっけ。 |
■男(果物屋のアンリ) To:ALL |
この辺じゃ、「果物屋のアンリ」で通ってるよ。 頼んだぜ。 |
ウルス To:エルとにかく、匂いますなぁ…。
その男がいつ来るか予測できないのが痛いですな。
尾行できるのであれば、張り番するのも手ではありますがね。
■エル To:ウルス |
もう一度、確実に来るという保証もありませんしね……。 何よりも、尾行するならゾフィーさんなりホトさんなりに頼まなければ、僕たちではどうしようもありません(汗) |
■ウルス To:エル |
…ですわな。ひとまず、集合場所に向かいますかね。頭の黒い街のネズミのことは、その道のプロに相談するのが一番ですな。 |