#178 星から降る夢

☆ 朝食と歓談と ☆

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【「別館」西翼個室】

個室の片方に運び込まれた石のワゴン。
四隅に畳まれていた支柱を広げ、左右のスレートを外して天板に固定すると、即席のテーブルが出来上がる。
中から出てきたのは、ほかほかと湯気を立ち上らせる、クレープ状になった焼き物の山。
幾層にも重ねられた金茶色の薄焼きの上からは、たっぷりとシロップがかけられ、甘い香りが漂ってくる。
続いて、もうひとつ、重ねられたお焼きの山が出てきた。
こちらには、皮がはち切れんばかりに膨らんだソーセージが何本も挟み込まれ、香ばしさとコクとを感じさせる、焦がしの入ったブラウンソースが染み込ませてあった。
わずかに散らされた香草が、緑と紅の彩りを添える。
大きなポットには、苦味のある焦げ茶色の液体ーーコーヒーを連想させるが、豆とは異なる香りのーーが満たされ、砂糖やミルクと思わしき壺も添えられていた。
■ウーサー To:
おほっ! こいつぁ、なかなかのモンじゃねえか? イイねイイねぇ?
このワゴンも中々、面白ぇなあ……?

■カラレナ To:
わあ、いい香り〜。
朝からすごい豪華です…。

■オスカール To:ALL
・・・・ああ。
玉子が無いから、量だけ見たら夕食と勘違いしそうだ。

オスカールの朝食の基準は、量ではなく玉子料理があるか無いかのみ!
■ドレイク(仮) To:ALL
すげー。
おいらのとこなんて、おやきが3枚づつしか入ってなかったよ〜。

■マリーエ To:ドレイク
それはそうでしょ。
こちらは、大切なお客さまなの。
わたしたちとは、扱いが違ってあたりまえなのよ。

■ドレイク(仮) To:ALL
うわぁ、これなーに?
こんなの初めてみる!
きれいだなぁ。

少年が取り上げたのは、丸いオレンジだった。
オランで出回っているものよりやや小ぶりでいびつながら、薄暗い地下に鮮やかな橙色をもたらしている。
■マリーエ To:ドレイク
ほら、それは置きなさい。
失礼しますよ。

■ドレイク(仮) To:マリーエ
えー、だって、かあさん、朝ごはん食べたら来ていいって言ったじゃん。

上目遣いに母親を見上げたドレイク少年は、くるりと冒険者達に向き直り、きらきらとした視線で見上げて来た。
■ドレイク(仮) To:冒険者達
おいら、じゃましないからさ。
ちょっとだけ、こっちにいてもいーい?
だってあっちの部屋、なーんにもないんだもん!

■カラレナ To:ドレイク>ALL
ずっと同じ部屋じゃ、退屈しちゃうよね。
構わないですよね?

■ウーサー To:カラレナ
ああ、勿論だぜ? ていうかまあ、オレ様が誘ったようなモンだしよ?

■カラレナ To:ドレイク
まだお腹すいてる?
良かったらいっしょに食べませんか?(^^)

言いながら、小皿にドレイクのぶんのお焼きを乗せ、さらに別の皿にオレンジを切り分けてあげる。
■ドレイク(仮) To:カラレナ>マリーエ
やったー!!ありがとう…ございます。

かあさんは?

マリーエはにっこり微笑んだあと、大丈夫とでもいうように、少年の肩に手を乗せた。
■マリーエ To:ドレイク>冒険者達
よかったね。
かあさんは、部屋に戻っているから、お仕事が始まったら帰ってらっしゃい。

朝から失礼いたします。
ご迷惑でしたら、すぐに返してやってくださいね。
わたしたち、「別館」入り口からこちらと反対側に行った右手8番目の部屋におりますから。

冒険者達に向き直り、改めて深々と頭を下げると。
マリーエは部屋を出て行く。
■カラレナ To:ALL
今日はどう動きましょうか?
眠りに落ちたもうひとつの地区も、まだ調べてませんけど…私、ミムンくんが眠る直前まで何を見ていたのかが、気になってるんですよね…。

ジューシィな肉汁を堪能しつつ、ガツガツとおやきを齧っていたウーサーは、焦げ茶色の飲み物をカップに注ぎ、とりあえずは何も加えずに一口呷ってみた。
液体の味と香りを確かめながら飲み込んでから、カラレナに意見を返す。
■ウーサー To:カラレナ、ALL
とりあえずはもうひとつの地区、もいいが、ミムンが倒れた場所ってのをもう一回、見ておきてえ――コイツも連れて、な?

そしてウーサーは、骨太だが長い親指で、ドレイク少年をぐいっと指差した。
■ドレイク(仮) To:ウーサー&ALL
うわぁ、おいらも?!マジで?!
あー、でも、おいらここから出ちゃいけないんだ。。。

ウーサーの言葉に勢いよく立ち上がりかけたドレイク少年だったが、しょんぼりとまた腰を下ろした。
■マリィ To:ドレイク(仮)&ALL
わたし達から頼んでみましょうか。
そしたら何とかなるかもしれないわよ?

■ドレイク(仮) To:マリィ&ALL
ほんと?!
やっぱ冒険者ってすげー、なんでもできるんだ〜!!
おいら、かあさんに話してくる!!!

お焼きの残りを口内に押し込み、右手の指についたシロップを舐めながら立ち上がった少年。
勢いよく飛び出しかけたものの、あわてて身体を翻し、左手で自分用に切り分けられたオレンジをすくいあげた。
■ドレイク(仮) To:マリィ、カラレナ&ALL
あー、そうそう後でさ、姉ちゃんやみんなにに教えてあげるよ。
おいらたちのヒミツノシロ。
すっげえぶきとか、まほうとか、いっぱいかくれているんだぜー。

■カラレナ To:ドレイク
え? まほう…?

■ウーサー To:ドレイク(仮)
おいおい、ちょっと待てボウズ!

照れ隠しなのか、そう口にすると、ドレイク少年は改めて廊下に飛び出していく。
それを大声で呼び止めたウーサーは、剥かずに手元に置いておいたオレンジを、やわらかく放って寄越した。
■ウーサー To:ドレイク(仮)
母ちゃんに、持って行ってやんな。
それと、できるだけ汚れてもいい服と、底の厚い靴で来いよな?

■ドレイク(仮) To:ウーサー
ありがとう!兄ちゃん!!
ここに来たときの服でいいよねっ、カガミトウバンの。
後でそのまんまシロに入れるしさ。

受け取ったオレンジを右手で抱え、にっこり笑ったドレイク少年。
切れ端を持ったままの左手をぶんぶん振ると、来た方向へと駆け戻っていった。
■ウーサー To:ドレイク(仮)
あんまり慌てんなよ、こけて怪我したら置いていくぞ〜。

■オスカール To:ALL
秘密の城か・・・、色々集めてそうだな。

オスカールは微笑ましく思いながら、ドレイク(仮)を見送った。
■マリィ To:ALL
では、食事を終わらせたら依頼主に交渉してみましょう。
多分、昨日の部屋に居られますよね。

■ウーサー To:マリィ、ALL
ああ、そうだな……まあ、オレ様たちが代わりに監視してやるって言やあ、なんとかなるんじゃあねえかな?
こんな事ぁ言いたくはねぇが……次になんらかの「症状」が現れるとしたら、あのボウズである確率が高ぇんじゃあねえかって、オレ様は考えてるしよ。

ドワーフの母子の前では決して見せないように意識していた渋面で、ウーサーは重苦しい溜息まじりの意見を吐き出した。
■カラレナ To:ウーサー
そうですよね、ミムンくんと一緒にいた…。
私たちも、ほんの少しだけ一緒にいましたけど…。

朝食と相談とが進み、ワゴンの中身もほぼ空になった頃。
礼儀正しく、個室の扉を叩く音がした。
■エイベル To:室内のひと
おはようございます。
エイベルです。
失礼して宜しいでしょうか?
お耳にいれておきたい事態が発生いたしまして。

■カラレナ To:エイベル
あ、はい。どうぞ。

素早く扉を開ける。

開いた扉の向こうで、きびきびと会釈を行うと。
落ち着いた足取りで室内に足を踏み入れた守護長は、一瞬外の様子を伺ってから、素早く扉を閉めた。
■エイベル To:冒険者達
要約いたしますと、ふたつです。
ひとつめは、昨晩、深夜から未明にかけて。
第16地区にいたと思われるアイゼクセン閣下の手の者が、眠りに落ちた模様です。

■ウーサー To:エイベル、ALL
感染したっていうか、やられた、ってカンジじゃねえか……発見されたときの状況は、なんか聞けてるかい?

■エイベル To:ウーサー&ALL
交代要員が発見したようだという話のみです。
お気づきとは思いますが、守備隊と連中とは…その、立場上かなり遠い位置にあるものでして。

編み込んだ髭をやや引っ張る仕草で、僅かに感情をに吐き出したものの、守護長は落ち着いた口調で話を続けた。
■エイベル To:冒険者達
ふたつめ、昨日遭遇したドレイクと名乗る少年が、尋問されるようです。
わたしも話を聞いて急いで駆けつけましたが、一歩遅く。
すでにこちら別館の東翼には、入ることができなくなっておりました。

■ウーサー To:エイベル
――クソッ! そりゃあそうか、オレ様が思いつくような事だったら当然、此処の連中だって考えるわなあ!!

怒りを顕にテーブルを叩くと、ウーサーはバネ仕掛けのように立ち上がり、詰め寄るようにエイベルの傍らまで駆け寄った。
■ウーサー To:エイベル
居るのは、東翼って所か!? すぐ戻るからちょっと待ってろ、案内しやがれ!!

そして返答も待たず、宛がわれた自室に大剣と大盾、モールを取りに行くべく走り出す。
■エイベル To:ウーサー>ALL
あ……いや、案内するもなにも……。

そこの分岐路から向こう側が東翼となります。
すでに障壁が降ろされ、こちらからは物理的に入れない形になっております。

ウーサーを見送る形になったエイベルは、あらためて他の3名に向き直った。
■マリィ To:ウーサー>エイベル
あらら、ウーサーさんたら……。

その尋問とやらには、わたし達も同席させて貰う様に進言できますか?
わたし達もこの事件の解決を依頼されている以上、その権利がございますよね?

■エイベル To:マリィ&ALL
昨晩の会話の流れからして……わたしやフォーシール殿から話を持って行くと、たらい回しをくらいかねません。
話を通せたとしても、ご存知の通りドワーフは頑固ですから。
やりとりをしているだけでかなりの時間がかかる、そのことは先方も計算済みかと思われます。
バルバラ様から命令を出してもらえれば早いのでしょうが、現在こことは離れた地区で大きな…会議をなさっておいでです。
本日、近場の第一行政区までお越しになれるのは、おそらく夕方ではないかと。

他になにか、上手い手段をお考えですか?
でしたら是非ご提案願いたいところです。

真摯な視線をマリーラナにぴたりと向け、小さく頭を下げるエイベル。
■カラレナ To:エイベル
尋問するのは誰ですか?
アイデクセンさんが直接?

■エイベル To:カラレナ&ALL
わたしに話を持ってこられたのはフォーシール殿です。
したがいまして、おそらくおっしゃるとおりではないかと推察できます。
少なくとも、同席はなさるおつもりでしょう。

■マリィ To:エイベル
そうですね……わたし達が居なければ、どうやって精霊や魔法絡みの確認をするのです?
それを強く言えば同席位はさせて貰える筈だと思います。

■エイベル To:マリィ
なるほど。
しかし状況は、今、申し上げましたとおりでして。
問題なのは物理的にその言葉をどうやって先方に届けるかという部分なのですよ。
抗議がくるのは承知で、その内容以前に異議の言葉そのものを耳にする時間をできるだけ遅らせようとするのが、連中の常套手段ですから。

■オスカール To:エイベル
・・・・そうして、権限を越えて自分の思い通りにしようと言うのか。
仕方ないことだが、しょーがねーなぁ。

■エイベル To:オスカール
まったくです。
権限を超えるということに関しても、これまでのところは灰色の域で収められてしまっておりまして。

■マリィ To:エイベル
やれやれ、何処の世界でも権力者と言うものは変わらないものですね。

■オスカール To:マリィ
だな。
人間の社会も、他所の事 言えたモンじゃねえな。

■エイベル To:ALL
フォーシール殿と言えば、これも先ほど教えられた話ですが。
睡眠者が発見された日の前日には、常にドレイクと…ミムンの2少年が「鏡当番」をやっていることがわかったそうです。
フォーシール殿がおっしゃるには、それが少年が尋問される理由のひとつではなかろうかと。

■カラレナ To:エイベル
前日…。

■エイベル To:ALL
先ほどウーサー殿も、なにか思いつかれたようにおっしゃっておいででしたが。
みなさんも、気づかれたことや気になることなどおありですか?
連中が答えを組み立ててしまうより先に、真実を見つけられれば…!
あ、いや、そう思ってこちらにまいった次第です。

■カラレナ To:エイベル
あの、ここだけの話にしてくださいね。
ミムンくんとドレイクくんは、フォーシールさんが言ってたような…子どもたちだけの「ひみつの城」を持っているみたいです。
それが、たぶん隠し通路というか、今は使われていない場所にあって…子どもたちだけが知っているんだと思います。
さっき、そこへ案内してくれるって…「すっげえぶきとか、まほうとか」がいっぱい隠れてるから、って。
そう言っていた矢先だったんです。

心配そうにひとつため息をついたあと、改めてエイベルに向き直る。
■カラレナ To:エイベル
まだ、確信は持てませんけど…鏡当番のときに、ふたりがお城で「何か」をした可能性は高いです。もちろん、悪意なく…。

■エイベル To:カラレナ&ALL
……。
だとすれば、「尋問」の意味は少し変わってくるかもしれません。

ちらりと視線を背後に送ったエイベルは、さらに声をひそめて先を続けた。
■エイベル To:カラレナ&ALL
ここだけの話、とおっしゃいましたね。
ではこちらも、これから申し上げることは、ヤマの外では決して口外なさらないようお願いします。
トカゲ閣下は……いや、閣下だけではなく、ほかにも何人かおられますが。
常に新しい「鉱脈」を探しておいでです。
数十年前に大きな事故が起きて以降、このヤマでは表向き「鉱脈」を探すことは禁じられました。
ですが、「偶然」みつかることはあるのです。
我々の生活区域にそれが残っていたということは、俄かには信じ難いことですが。
もし、そうだとすれば「すっげえぶきやまほう」は全て言葉通りの意味である可能性が出てきます。

そこで一旦言葉を切り、エイベルは再び冒険者達を見回した。
■エイベル To:ALL
もし、そうだとすれば……。
閣下は成果の見極めがつくまで、自分の身の回りの人間以外、決して近づけようとはしないかもしれません。

■オスカール To:エイベル
・・・資源は権力ってか。
まあ仕方ないんだろうな、あんた達のやり方に文句を付けるつもりは無いよ。

スキットルに口をつけながら、仕方なさげに言った。
オスカールの「あんた達」という言葉に、エイベルは小さく身じろぎをし、口をまっすぐ引き結んだ。
■カラレナ To:エイベル
そのために、あんな小さい子を尋問するなんて…。
ミムンくんとの秘密を守ろうとして、辛い思いをしちゃうかもしれない…。
尋問されること、ドレイクくんのお母さんはご存じなんですか?

■エイベル To:カラレナ
母親も東翼にいるはずです。
事情をどこまで知っているのか、また、知らされるかはわかりませんが。

■ウーサー To:エイベル、ALL
よう、待たせたな――じゃあ、征くとすっか。

戻ってくるなり、ウーサーは首と肩をゴキゴキと鳴らしながら、エイベルに獰猛な笑みを見せつけた。
■ウーサー To:エイベル
入ることができねぇって言ってたが、遮ってるモンの素材は石か? それとも鉄か?
どっちにしろコイツでなら何とかなるだろうし、魔法のブツだってんなら一応こっちの剣は、魔力かかってるぜ?

刃の武器の類ばかりでなく、盾も含めた弓矢以外の全ての武装を持ってきたウーサーは、互い違いに背負ったモールと魔法の大剣の柄を示してみせる。
エイベルから「入ることができない」と聞いた瞬間、それが「物理的な理由」であること――バリケードや、出入り口を守る衛兵の類の――しか連想していなかったウーサーとしては、或る意味当然の行動ではあったが。
■エイベル To:ウーサー&ALL
石です。
障壁そのものには、魔力はないはずです。

あの……失礼ですが、仮に破壊できたとして、その後どうなさるおつもりですか?

半歩後ろに引いた足をさりげなくもどしながら、あくまで静かな口調で応えるエイベル。
■ウーサー To:エイベル
そりゃあ、決まってんだろ? オレ様たちの「調査」の、邪魔をしやがろうってんだ。
あのボウズを取り返す。イヤだってんなら……まあ、抗議はするかねぇ?
それでも聞かなきゃ、実力行使だ。

こちらも口調は静かだが、悪鬼そのものの眼差しで返すウーサー。
■マリィ To:ウーサー
冷静になってください!
ここで強行してもドワーフさん達への心証が悪くなるばかりですよ。
冒険者など、この程度だって。

■ウーサー To:マリィ
おいおい、オレ様は冷静だっての……これ以上ないってくらい、クールに考えてるんだぜ?
アイツは……いや。あのガキはこれといった手がかりが掴めてねぇオレ様たちにとって、貴重な情報源に成り得る存在だ。そうだろ?
ソイツを横から、勝手に持ってかれたんだ。だから――ブチ壊してでも、取り返す。

ウーサーは仲間たちやエイベルの目を気にして言葉を止め、出入り口に向けて踵を返すことで表情を隠した。
自分を見上げるドワーフの少年のまなざしが記憶の裡で燃え立ち、己の傍らに宿り続けていると感じる精霊が放つ「音」のようなもの――それはいつも、何かを求めるような女戦士の姿を思い出させる――が軋むようなざわつきを昂ぶらせるのを、誰にも悟られたくはなかった。
■ウーサー To:マリィ、ALL
それが冒険者だし、オレ様は冒険者だ。少なくとも、オレ様にとっちゃあな。
それに例外的に1人くれぇ、キレたら何しでかすか理解らねぇヤツがいるって思わせといたほうが、後々邪魔されずに済むだろうぜ?

■エイベル To:ウーサー&ALL
ロートバッハにおける守護の長として。
わたしが優先すべきことは、まずは住民の安全。続いて秩序の維持となります。
従いまして、今実行されようとしている企てに対しては、公式には反対の意を示さざるを得ません。

落ち着いた言葉遣いのままそう言い放ったエイベル。
が、その後に続けた言葉は、なにか吹っ切れたような快活な口調となっていた。
■エイベル To:ウーサー&ALL
ですがそれでも……それしか方法がないというなら、騒ぎはできるだけ「別館」内で収めてください。
そこまででしたら、さしあたって守備隊内でなんとか出来ます。

わたしは一旦戻って、人の手配をいたします。
この区画の独立性は保てるはずですが、他に必要なことはありますでしょうか。

■オスカール To:エイベル>ウーサー>カラレナ
責任取るつもりか、さすがだな。
まあ、相手の出方にもよるが、いきなり暴れたりしないようにするさ。
ウーサーの若さん、俺も行くぜ。
だが話し合いが先だ、相手も先走ってるだけかも知れん。
カナさん、精霊のことは良くわからんが、岩なら穴を開けたりは出来んのかい?
出来るんなら、多少は穏便で、話が早いんだか。

オスカールの言葉を受けて、改めて周囲の精霊の気配に感覚を研ぎ澄ませるカラレナ。
■カラレナ To:オスカール>ウーサー、エイベル
ダメです…やっぱり、天然の地面がないと、ノームの力は…。
あ、でも、壁を壊している間、音を消すことはできます。
そのほうが、相手にすぐには悟られずにすむと思いますので…。
エイベルさん、音の無い変な空間ができちゃいますけど、時間が経てば消えますので気にしないでくださいね。

シルフを宿したブローチを握りしめ、ウーサーに頷いてみせる。
■ウーサー To:カラレナ
音を消す、か……現場の様子次第だな。相手によっちゃあいっそ、びびって向こうから開けてくれるかもしれねぇしよ?

精霊の力を借りればそんなこともできるのか、と、あらためて感じた驚きを押し隠しつつ答える。
■オスカール To:カラレナ>エイベル
そうか・・・残念だ、仕方ない人間らしく行くか。
すまんエイベルさん、迷惑ついでに つるはし貸してくれ。“保管場所を教えてくれる”でも構わん、それなら勝手に借りる。

■エイベル To:オスカール
つるはしですか。
うーむ、ウォーハンマーが収められた武器保管庫までは、かなり距離があります。
あくまで日常的なものでよければ、補修区域にあるかもしれません。
急いで、片道500数える位ですね。
三分の一時ほどいただければ見つけられるかやってみましょう。

■マリィ To:エイベル
それで充分でしょう。
わたしは力仕事ではお役に立てませんが……。
捜索には協力します。

■マリィ To:エイベル>ウーサー
エイベル氏の責任にはしませんよ。
これは”我々”が勝手にやった事です。

ウーサーさん。さっきは済みませんでした。
シルフの力が働いたら、好きにやってください。

■オスカール To:マリィ
マナさん、責任とるつもりなのを公言したのは買うが、無理言うもんじゃねぇ。
こうして俺たちと話してるんだ、たとえ勝手にやられたとしても、止められなかった時点で責任問題は発生してるさ。
マナさんはこう言いたかったんだと思うが、「やる以上は、結果出すしかない」ってことだろ?
やってやろうじゃないか、しくじったときは俺も縛り首の一つも賭けるぜ。

■エイベル To:マリィ、オスカール
立場上、お礼を申すわけにはまいりません、しかし…。

そう言いつつも、エイベルは目を伏せて少しだけ腰を折った。
■エイベル To:オスカール&ALL
意図して死人を出さない限り、首までは求められますまい。
とはいえ相手に「正当防衛」を盾にされませんよう、身の回りにはお気をつけください。

■ウーサー To:マリィ、オスカール、エイベル
おいおいおいおい。なんか妙な勘違いしてんなあ?
行った先で如何するかってなあ、オレ様が勝手にやるこった。
でもって、途中でマリィの嬢さんやオスカールの旦那や、ドワーフの隊長さんにはなんか言われりされたかもしれんが、ガタイがでかいから気づかなかったってだけだぜ?
てことは、アンタらに責があるとしたら、オレ様を殴り斃せるだけの腕っ節がなかったってだけだ。ということは、よ……?

ウーサーは照れ隠しに早口になりながら腕を組むと、わざと派手に筋肉を隆起させて凄んでみせる。
■ウーサー To:マリィ、オスカール、エイベル
オレ様を殴り斃せるヤツなんて、この地上にゃあ存在しねえ。
だからまあコレは、アンタらが気に病むこたぁ無え、止めようが無い不幸な事故ってヤツだ! わかったらじゃあ、もう行こうぜ!!


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