SW-PBM #175
伝説の…

■ 見つけた宝 ■
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【 地図の場所 】

オスカールの怪我や精神の疲弊した魔法使いたちの休息のために、ほこらを出た場所で一泊したのち。
パーティはほこらの最奥で手に入れた地図の場所を目指して南下を始めた。
山脈を横目に見て丸一日。ようやく地図の場所らしき地点にたどり着いたが……。
距離や方角からこの辺りという目算は間違っていないはずだが、それらしい目印も何も見つからない。
■ジノ To:ALL
おかしいだなぁ。この辺で、間違ってはいないはずだと思うんだけど……。

捻った首に合わせて、手にした地図を回転させて眺めてみたり。
■オスカール To:ジノ
うーん、分からんなぁ。

首を巡らし見渡してみるが、特に変わった様子は見つけられない。
■クローエ To:ジノ、オスカール、ALL
適当に掘り返してみるしかないのかしらねえ…?

■リオン To:クローエ>ALL
どうなんだろう…?
適当…と言ってもアテも何も無ければ…ねぇ。

そうして辺りを見回していると。
カラレナとウルスが、横手に見えていた岩肌に異変を見つけた。
長い年月の間にコケや草が生えて隠されてしまっているが、以前に崖崩れがあった痕跡のようだ。
位置からして、この下に何かあるのかもしれない。
■ウルス To:ALL
あ! あそこ…分かりますかね? あそこは、崖が大きく崩れた跡のようですな。
ひょっとして、あの下じゃないですかね?

■マリィ To:ALL>ジノ
掘り返すのも簡単じゃなさそうですね……。
ジノさん、例の鍬を使って見ても良いですか?

■ジノ To:マリィ
ああ、もちろんだよ。

そう言うと、背負っていた鍬をおろしてマリィに手渡した。
■クローエ To:マリィ
あら、マリィさんが掘ってみるの?

言外にウルスかオスカールに頼んだほうが…と訴えるクローエだが、マリィには考えがあるようだ。
■マリィ To:
祠の文章が正しければ、非力なわたしでも掘れる筈……。
えい!

マリィはジノから預かった鍬を崖崩れがあった痕跡に振り下ろした。
その鍬の先が岩に当たった瞬間。ガツン、という軽い手ごたえが伝わり、振り下ろした岩が砂のように崩れ落ちる。
■ジノ To:ALL
お、おお〜……!

■オスカール To:マリィ
すげーな!、本当に魔法のクワだったんだな。

■ウルス To:ALL
おおお、こりゃすごい! これならあっという間ですな。がんがん行きましょうや!

■リオン To:ALL
書いてある通りだね。
これだったらぼくでも掘れるようになるのか…いいなぁ。

邪魔にならないように、崩れた砂をかきのけ始める。
岩を崩して支えが無くなったところに再びの崩落が起こらないよう慎重に撤去を進めていくと、やがてその先にぽっかりと口を開けた洞穴が見えた。
壁面を見ると蝶番の名残のようなものと、腐り落ちた木枠のようなものが見える。
以前は人の手が入っていたのだと簡単に想像できた。
■リオン To:ALL
洞穴…だね。
ここにある…のかな…?

■オスカール To:リオン、ALL
まあ・・・なんだな、入らんわけには いかんだろう。
気が進まんが、入ろう。

【洞窟】
入り口を塞いでいた岩を突き崩し、そろそろと中へと足を踏み入れる。
通路は緩やかに下り、しばらく進んだところに何故かテーブルセットの置かれた空間が現れた。
テーブルの上には埃まみれになったコップと小さな皿がひとつ。その脇に手提げランプ。
まるで、以前に誰かがここで生活していたかのようである。
テーブルの向こうには、扉で隔てられた部屋がさらに続いているようだ。
■ジノ To:ALL
……ん? この匂いは……。

何かに気づいたのか、ジノが鼻をひくつかせる。
その時、通路の影から声がかかった。
■男の声 To:ALL
……誰じゃ。

■ウルス To:男の声
うわ!
いや、こりゃ挨拶もなしに失礼しましたな。人がおられるとは思わなかったもんで…。

■オスカール To:男の声
俺はオスカール、
俺達はポートー村のジノとジノに雇われた愉快な仲間達さ。

村に伝わる地図とギルダー村のジーゴさんの家にあった地図を頼りにグロザルム山脈の麓の祠に行ったんだが、そこにあった箱の罠で歯が欠けそうになってな、間抜けな話だがスリルを味わったんで見合うお宝は無いかと箱を覗いたらここを示した地図が入っててな、ここまで来れば何か分かるんじゃねえかと期待しておじゃまさせてもらったんだ。

そう言うあんたは誰だい?、無理にとは言わないが良かったら教えてくれ。

■男の声 To:オスカール
ほう、あの箱を開けたか。
それでわざわざここまで来てみた、と……。
仕掛けたわしが言うのもなんじゃが、物好きもいたもんじゃ。

そう言いながら、「影」がスゥと現れる。
姿かたちはドワーフのようだが、その身体が透けて向こうの岩壁が覗いていた。
時おりゆらゆらとその姿は揺れ動き、ぼんやりとした光を放っている。
■ジーゴ To:ALL
わしはギルダー村のジーゴじゃ。
もっとも、今ではこの通り、その成れの果てといった姿じゃがな。

■クローエ To:ジーゴ
幽霊! …というか、ジーゴさん!?

■ジノ To:ジーゴ
あわわわわ……なんまんだぶ、なんまんだぶ。

■ジーゴ To:ジノ
そう怯えるな。別に何もせんわい。

■オスカール To:ジーゴ
・・・そうか、あんたがジーゴさんか、色々大変だったみたいだな。

そんなになってるあんたに色々聞くのも気が引けるが・・・・。
まあ、さっき話したとおり、ここを記した地図で何をして欲しかったのかを知りたいんだが、“あんたに何があったのか”も教えて欲しい。
あんたに会ったら消息を伝えるとギルダー村の村長に頼まれててな。

■リオン To:ジーゴ
おじいちゃんよっぽど未練があるみたいだね。
悩みがあるんだったら言っちゃった方が楽だよ。

■ウルス To:ジーゴ
ですな。そのお姿…経緯もさることながら…
もしかして何か、心残りでもおありですかね? おいら達でご助力差し上げられることがあればぜひ。

■ジーゴ To:ALL
ちゃんと順に話してやるから、慌てるな。
まったく、生きてる者はせっかちでいかん。

……説明が必要なのはまず、この場所のことじゃな。
ここは、わしが作った秘密の酒蔵じゃ。
スレイの奴に頼まれて作った鍬の代金代わりに受け取った「大地の恵み」が、たんまりと保管してある。

■ジノ To:ジーゴ
ああ、それでこの匂い……。

言われて鼻に意識を集中させてみると、確かに奥の扉の方から濃密な酒の匂いが漂っている。
■ウルス To:ジノ
さすが本職、鋭い鼻をしておられますな。

■ジーゴ To:ALL
もう時間の感覚もないが、いったいどれくらい前になるかの。
その日もわしは、この酒蔵へ飲みに来ておった。
しこたま飲んで良い気分になり、さて帰るかという時に……お前さんたち、ここへ入って来たのなら表の惨状を見たじゃろ。
アレに潰されてしまったというわけじゃ。

■ウルス To:ジーゴ
…そりゃまた、災難でしたな…

■リオン To:ジーゴ
あー…運が悪いと言うか…
大変だったんだね。おじいちゃん。

■マリィ To:ジーゴ
わたしの立場でしたら、早く天に召された方が宜しいと言うしかありませんけれど……。
何か心残りな事があるのですか?
わたし達で何とか出来る事ならお手伝いしますが。

■ジーゴ To:ALL
うむ、その事じゃ。
心残りというのは他でもない、そこに残った大地の恵みの事じゃ。
ここはわししか知らん酒蔵じゃからな、わしがこうなってしまった今となってはせっかくの銘酒が無駄になってしまう。

それが気掛かりで、気が付いたら幽霊と化していた、ということらしい。
■ウルス To:独り言
無駄になりそうな銘酒、それを気に病む幽霊、在庫のない産地…!
これぞ、チャ・ザ様のお導きという奴かもしれませんな。

■ジーゴ To:ALL
まぁ、そんな事がないようにと万が一に備えを残しておいたのじゃが……。
まさか本当にここまで来る者がいるとは思わんかったわい。
スレイのほこらを見つけただけではこの場所を記した地図を入れた箱は開けられんはずじゃからな。
わざわざギルダー村のわしの家まで調べたということか。

■ウルス To:ジーゴ
何しろ、是が非でもあの地図が必要でしたからな。

■オスカール To:ジーゴ
ああ、始めに言ったとおり、あんたの家の中を調べさせてもらった。
村長に聞いたら家を調べたら何かあるかも知れんと言われたんで、村長に許可を貰ったんだ。

あんたにあった事は村長に伝えることにするよ。
それで酒蔵の酒をどうすればいいんだ?

■ウルス To:ジーゴ
お譲りになる気はありませんかね?実は今、ポートー村は十年来の不作で、在庫がつきておるんですが…

■クローエ To:ジーゴ
税が納め切れなくて、いろいろ困ったことになっているらしいのよ。

■ジーゴ To:ALL
ふむ。元よりわしもそのつもりじゃったし、その事はまったく構わんが。
一つだけ、条件がある。
毎年、新しい「大地の恵み」ができたら、小瓶一本で良い。
わしの元まで届けて供えて欲しい。

■マリィ To:ジノ
ジノさん、ジーゴさんの頼みを聞く事が出来ます?
それが一番お互いにとって良い結果になると思いますが。

■ジノ To:マリィ
ああ、大丈夫だよ。
ついでに、ギルダー村の人たちにもおすそ分けとかするだ。
……ちゃんと、作れたらの話になるだけど。

■オスカール To:ジーゴ
お供えの件はこれで良いかい?
あと、あんたの遺品とか無いか? いつ崩れるか分からん洞窟より、ギルダー村かあんたの望む所に墓を建てた方が良いだろ、酒も届けやすくなるしな。
まあ、ここが気にってんなら話は別だが。

■クローエ To:オスカール、ジーゴ
あら、なるほど。確かにそれは良い考えねえ。
村長さんもだいぶ長いこと気にしていたのよ?
少なくとも一度くらいは村へ帰ったほうが良いと思うわ。

■ジーゴ To:ALL
ふむ、遺品か……。
たいした物はないが、そこのコップを持っていけ。
生前のわしが酒を飲むときに愛用していた物じゃ。

そして、改めて全員の顔を見回し。最後にジノへとその目を留めて。
■ジーゴ To:ジノ
……うまい酒を届けてくれる日を、心待ちにしておるぞ。

そう言い残すと、その姿はだんだんと透明に近づいていき。
やがてまったく見えなくなり、その気配も感じられなくなった。
【酒蔵】
ジーゴの姿が見えなくなった後、奥へと続く扉に手をかけると。
その扉の隙間から、染み出してくるかのような豊かな香りがあたり一面を覆っていく。
■ジノ To:ALL
うわ……ますますすごい匂いだな。
いったいどれだけの量があるんだかな。

■オスカール To:ジノ
そうだな、まずは在庫を調べないとな。
数を把握せんと、手段も決まらん。

あと、落盤のダメージで傷んでなければ良いのだが・・・。

扉を開けて、中を覗き込んだ。
まず目に付いたのは、思った以上に広い空間。
そして、多少のほこりは被っていたものの原形を留めた酒樽の群れ。
大人が手を広げても抱えきれないサイズのそれが、ざっと見ただけでも30樽以上眠っているようだ。
■ウルス To:ジノ、ALL
ふわ…。あの鍬の代金分、にしても大量ですな…
どうやって持ってきたのやら。

■オスカール To:ウルス、ALL
本当のところは分からんが、キャラバン1隊貸し切ったんだろうな。
または独りで馬車に乗るくらい・・・3〜4樽くらいづつ地道に運んだのかも知れんが。

■クローエ To:ALL
匂いだけでまた酔っ払いそう…

■リオン To:ALL
物凄い量だね…
ぼく…この匂いだけでお腹いっぱいだよ…

■ジノ To:ALL
うわっ、うわぁ!
す、すごいだ……。

目の前の光景に圧倒されたかのようにふらふらと進み出て、手近にあった樽の栓を抜き、匂いをかぎ、手のひらにすくって舐めてみる。
■ジノ To:ALL
…………っ!!
こっ、これ……!? この香り、色、味は!
すごい、すごいだよみんなっ!
ここの酒は、50年以上の熟成ものに違いないだ。
売りに出せば、安く見積もってもひと樽で10万ガメル以上の価値は付くだよっ。

■ウルス To:
じゅ、100000ガメル…
ジーゴさんが心残りになるのも無理はありませんな。

■リオン To:ALL
これがそんなにも価値あるんだ。
美味しいんだろうなぁ…いや、もうぼくはお腹いっぱいだけど。

■オスカール To:ジノ、ALL
まずは品質には問題なしと・・・。
次は・・・これをどうするかだが、
ここは保存庫として優良みたいなんで値崩れしないように一樽づつその都度ここから運び出すのか、それとも山賊に襲われる前にどこか安全な場所まで一気に運ぶのか・・・。
一気に運ぶにしても馬車の手配や護衛の手配をどうするのか、それとも有力な商人に丸ごと買い取ってもらって厄介ごとも“お任せ”にできるのか、考えることは山積みだな。
さて、どうしたものか?

■ウルス To:オスカール、ALL
ですな。
盗賊やどっかの貴族の横入りがあったり、品質を落としたりしたら、ジーゴさんに末代まで祟られますわ。
とりあえず、今は…入り口はもう一度岩を積み直して隠せば、まず見つからんでしょうが、ずっとそのままっていうのは…。
輸送の必要資金については、まず一樽…いや、水袋いくつか分だけでもオランに持って帰ってそいつを売ったらどうですかね?

■クローエ To:ウルス、ALL
それが良いかもしれないわねえ。
外に待たせてるイソホに運ばせれば、とりあえずの分量は持っていけると思うわ。
…ところで、もうウェスの人も、来てない…わよねえ…

■オスカール To:クローエ、ALL>ジノ、ALL
いっそ一人で来てくれりゃあ、証文の一つも書かせて輸送の面倒も押し付けられるんだがなぁ。
あの坊ちゃんも、性格からして負けることを想定してなかっただろうからな。
この辺境で1日そこらでパーティの再編成ができたら名将だな。・・・そんなに有能な次期領主様ってのも有りと言えば有りだが。

まあ、妄想はさておき、
ジノさん、1樽運んで輸送費を捻出して全部運んじまうって感じで良いかい?
運び先もさっさとオランまで運んじまって、普段卸してる酒の組合に全部売っちまった方が楽だと思うけどな?
代金を手形(期日指定の後払いの証文、裏書きで譲渡ができる)にしてもらえば、俺達は重たい現金を村まで護送する必要もないし、受け取ったウェス坊ちゃんもその証文持って勝手に取立てに行くだろう。
もちろんそれで困るなら言ってくれ、貴重な酒だ一旦村に持ち帰った方がかえって適正に扱えるかも知れん。

■ジノ To:ALL
いや。ポートー村にとって今必要なのは、何よりも現金だよ。
この量でもオランなら買い取り手はいるだろうし、そっちに持っていった方がいいと思うだ。

あと、輸送に関してなんだけど……ギルダー村の人たちに相談して手を貸してもらうってどうだかな?
オランまで往復するよりはよほど早いし、あそこのドワーフの人たちなら現金でなくてもここの酒をいくらか譲れば喜んで手伝ってくれると思うだけど。

■リオン To:ALL
まぁ…こんだけあるわけだし…それでも良いならその方法でもいいかもね。
お墨付きがあるおいしいお酒だからあのおじちゃん達も文句はないと思うけど。
オランまでの往復は時間かかるしね。
近場で確実の方がいいかもしれないよ。

■ウルス To:リオン、ALL
なるほど! そうですな。
ギルダー村の方々なら、信用も出来そうですからな。
酒の扱いも心得ておられるでしょうし。

■オスカール To:ジノ、ALL
実はギルダー村に頼むと10万ガメル分は確実に呑まれるんで高くつくと心配してたんだが、そういうケチなことを言ってると痛い目に遭いそうだな。

もちろん信用と能力の面では最善の選択だと俺も思う、特に異論はないよ。

■マリィ To:ALL
それでは、念の為此処に何人か残って見張りしておきましょう。
ギルダー村には、ジノさんとあと1,2名一緒に行って貰えば。
私は居残り組で。

■クローエ To:マリィ
そうねえ。どちらかといえばお酒に強い人に行ってもらったほうが、話が合うのじゃないかしら?
…わしも居残りねえ。

■オスカール To:クローエ、マリィ>カラレナ、ALL
話合せたら、酒盛り大会の1等と2等で行けって言ってるようなもんじゃねえかい・・・。
まあ、俺は異論ないがルーンマスター無しは危険を感じる、順当に酒豪カナちゃんには同行してもらいたいところだ。


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GM:倉沢まこと