SW-PBM #175
伝説の…

■ 苛烈なる戦い ■
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【 ほこら入り口 】

魔法の鍬を大事そうに抱えるジノを連れて、来た道を引き返す冒険者たち。
そして最初の三つの扉がある間まで戻ってきた時、聞き覚えのある声が掛けられた。
■ウェス To:ALL
やあ、遅かったね。
すっかり待ちくたびれてしまったよ。

予想していた通りの人物。ウェス・キュールがそこにいた。
護衛らしい四人の冒険者と、その後ろにはなにやら鎧をまとった骸骨らしき姿も見える。
■ウェス To:ALL
それで、お目当ての伝説の武具は見つかったのかな?

■ウルス To:ウェス
わざわざお出迎えですかね。…見ての通りですわ。

静かに自分の斧を構えて警戒態勢に入りながら。
■カラレナ To:ウェス
…あの、どんな魔力がこめられているか御存知ですか?

■ウェス To:カラレナ
いいや、あいにくとさっぱり。私は武具そのものにはまったく興味がないからね。
興味があるのは、それを金に換えて私の目的の邪魔をしようとする者の事だ。

■カラレナ To:ウェス
あなたの目的って……お嫁さんを迎えることですか?

■ウェス To:カラレナ
加えて、反抗的な態度をとる者への処罰だな。

話しながらパーティの面々に目をやり……ジノの抱える鍬でその目が留まる。
■ウェス To:ALL
まさか……とは思うが。
それが、探し出した武具だというのかい? その、みすぼらしい農具が?

■クローエ To:ウェス、ALL
まあ、たしかに、武具にはみえないけれど。ねえ…?

■ウェス To:ALL
ははは、これは傑作だ!
どんな伝説の武具かと思えば、ただのクワとはな!
そんな物ではたとえ換金できても大した価値にはならなかろう。

■オスカール To:
(所詮は坊ちゃんか、領主の跡継ぎの癖に開墾の価値も計れんとは・・・。)

■カラレナ To:ウェス
お金には換えられないかもしれませんが、村を救うことはできそうです。
不毛の大地を耕す魔力を持っているから。

あと一年、待っていただければ、きちんと税を納めることができると思うんです。
待って……いただけないでしょうか?

■ウェス To:カラレナ
待つ理由など私には何もない。
なによりも、ここでその鍬を奪われる君たちに何ができるというのだね。

パチリ、とウェスが指を鳴らした途端、護衛の冒険者たちが武器を構えた。
■ウルス To:ウェス
もちょっと先のことを、ちょっぴり広く考えてみてはどうですかね?領地の運営という見地からいえば、待つだけの理由はあると思いませんかね。

■ウェス To:ウルス
私がこの場でそれを奪って、「私の手柄」として村に届ければ済む話だね。
やはり待つ理由にはならないな。
そして、そのためには君たちの口を塞ぐ必要がある。

■クローエ To:ウェス
…そう。ずいぶん虫の良い話だこと。
でも、わしらの口を塞いでも、そこの冒険者が覚えているわねえ。

■ウェス To:クローエ
好きに解釈してくれて構わんよ。
挑発に乗って不必要な情報を与える間抜けにはなりたくないのでね。

■クローエ To:ウェス
あら、おかしな事を言うのねえ。
どんな情報をいただいたって、今ここでわしらは口を塞がれるのじゃないかしら?
…ああ!

クローエは杖をもった右手に、ぽん、左手を打った。わざとらしく。
■クローエ To:ウェス、護衛をしてる冒険者たち
情報を与えちゃいけない相手って、そこの冒険者さん達になのね。
あなたたち、冒険者として今後もやっていくなら、雇い人はもうちょっと選んだほうが良いのじゃないのかしら?
たくさんお金を貰う約束をして引退するつもりなのだとしても、信用できるのかしらねえ。
その人の言い分を、聞いたでしょう、今。

■冒険者 To:クローエ
……依頼主の意向だ。
無用のおしゃべりをする気は、ない。

それだけ言うと、切っ先を向けていた剣を握りなおし、一歩距離を詰めた。
反射的に、オスカールはクローエの前に進み出た。
■オスカール To:冒険者、ウェス
問答無用は仕方が無いが、婦女老人も関係無しとは穏やかじゃないな。
ネズミも時には猫を噛むことを年長者として教えてやろう。

オスカールも切っ先を向ける冒険者を睨みつけ、ベンチを構えた!
格好は奇天烈だが、妙に隙が無い。

――一触即発、だ。
【戦闘開始!】
相手は戦士、盗賊、魔術師、神官の4人組。
ウェスは見物するつもりらしく戦闘には加わらない。
スケルトンウォリアーもウェスの護衛を役目として与えられているようで、戦闘参加はしないようだ。
◆第1R◆
敵冒険者たちの先手で始まった戦闘。
前衛に立つカラレナ、オスカール、リオンたち3人の中から、あからさまに痛そうな装備(角材)を持つオスカールが集中して狙われる。
敵前衛の連続した攻めに、最初の盗賊の攻撃はかろうじてかわしたオスカールだが、戦士の攻撃がヒット。
■オスカール To:戦士
ほう・・・小僧、なかなかやるな。

割と痛かったはずだが、強がってみたり。
そしてバランスを崩したところに神官のフォースの魔法が追撃で襲い掛かる。
狙いが不十分で顎をかすめるに止まったが、
■オスカール To:神官
ひょろっとしてるだけあって、詰めはちゃんとしてるな。
見事だ・・・・・・。

それでも既にダメージを負っていたオスカールを昏倒させるには充分だったようだ。
角材を取り落とし、前のめりに崩れ落ちるオスカール。
■クローエ To:オスカール
オスカールさん!?しっかり!

さらにオスカールが倒れたところに、魔術師からのスリープクラウドが飛んでくる。
カラレナとリオンはこれに抵抗できず寝てしまい、前衛が崩壊状態に。
■カラレナ
う……。むにゃむにゃ……。

■ウルス To:オスカール、神
死なんでくれ…ああ、我が神よ!

前衛が崩れたのを見たマリィとクローエは、長引けば不利と判断。
魔法の一撃を狙って前衛に出て反攻する。
■マリィ To:
「万物の根源たるマナよ。全てを焼きつくす破壊の炎となれ!」

まずはマリィのファイアボール。これが敵前衛の頭越しに魔術師と神官を狙い、かなりのダメージを与えた。
そこへさらにクローエのストーンブラストが、敵後衛を狙って放たれる。
■クローエ To:大地の精霊
お願い大地の精霊たち。わしらの大事な仲間を守る力になって!

ここで外すわけにはいかないと確実さを増して放たれた石つぶてはなんとクリティカルし、相手を昏倒……どころか、死に至らしめる結果となった。
ウルスも続けて前に出て、ガス欠寸前まで精神をすり減らしたクローエにトランスファー・メンタルパワーで精神力を分け与えた。
■ウルス To:神
大いなるチャ・ザよ、ご助力に心からの感謝を捧げます。
どうか今一度、我らにお力をお貸し下さい。我が気力を、この者に…

■クローエ To:ウルス
ありがとう、ウルスさん。楽になったわ。

小声でウルスに礼を言い、改めてじろりとフードの奥から相手をにらみつけるクローエ。
目が据わってる。
■クローエ To:敵冒険者たち
さあ、次にお灸をすえて欲しいのは、誰なの?

後衛の魔法援護が期待できず、さらにはクローエの凶悪な魔法の威力を目の当たりにした敵冒険者は逃げ腰の様子だ。
地面に転がった傷だらけのオスカールと、眠ってしまったカラレナ、リオンを見下ろしながら交渉を持ちかける。
■戦士 To:ALL
……おい。
このまま戦えば、お前たちの方にも死人が出るだろう。
ここは退くから、追ってこないと約束してくれるか?

■マリィ To:戦士
願ったりですわ。
……どうせ貴方達もそこの雇い主にお金で雇われただけでしょう?
お金よりも命、賢明な判断です。
約束しましょう、退いて頂ければ追撃しません。

■ウルス To:ALL
ですな。不要な戦いはしないに限ります。
恨みは持たんでくれると有り難いですな…ツキがなかったら、おいら達の方が全滅していた。

■戦士 To:ALL
……交渉成立だな。

■ウェス To:ALL
な!?
おい、依頼を放り出して逃げる気か!

■盗賊 To:ウェス
……命には換えられん。

言うが早いか、身を翻して出口の方へと駆け出していく生き残った二人。
ウェスもその後を慌てて追う。
【戦闘終了!】
■ウェス To:ALL
く……! しかし、その鍬ひとつでは必要なだけの金になるはずがない!
お前たちが手も足も出ない事実は、変わらないままなのだ!

一度だけ振り返り、捨て台詞を残していく。あとは一目散だ。
それを見送ったウルスは、急いで倒れたオスカールの上にかがみ込む。
■ウルス To:ALL
良かった…呼吸はしっかりしてます。気絶してるだけですわ。

早速、応急手当をし始める。
■クローエ To:ウルス
よかった…

■カラレナ
すやすや……。う〜ん……おやじさん…おだんごもうひとつ…。

幸せそうに寝ている奴。
■ジノ To:ALL
……お、終わっただか?

戦闘に巻き込まれないよう岩陰に身を隠していたジノが恐る恐る出てくる。
■マリィ To:ジノ>フィリー
終わりましたよ。もう安全です。

フィリー、戻っておいで。

フィリーは、小走りにマリィの元へ戻ってきた。
フィリーを肩に乗せて、倒れた僧侶と魔法使いを見る。
■マリィ To:ALL
……このお二人には悪いですけど、一つ間違えて居れば、わたし達が倒れて居たかもしれません。
せめて丁寧に葬ってあげましょう。

■ウルス To:マリィ
ですな。
死者を送る儀式は、お願いできますかね。
見よう見まねのおいらがやるより、格上のマリィさんの方が良さそうです。

そうこうしているうちに、応急手当による治療が功を奏しオスカールが意識を取り戻した。
■オスカール To:ウルス>ALL
・・・・・っ、ウルスか、あ・・あいつらはどうした?

オスカールの目に、変わり果てた魔術師と神官の姿が目に入った。
まだ治療中のため身体の自由が聞かないものの、大体の状況を察したオスカールはまぶたを瞑り2体の遺体に黙祷を捧げると仲間に向けて首をひねった。
■オスカール To:ALL
・・・・すまんみんな、迷惑をかけたな。
他のみんなは無事か?

周りを見回せば、リオンとカラレナを、クローエが揺り起こしているのが目に入る。
■クローエ To:リオン、カラレナ
ほら、そろそろ目を覚まして?

■カラレナ To:クローエ>オスカール
むにゃ。
……あれ? ……て、敵は……?
きゃあ、オスカールさん!?

寝ぼけ眼であたりを見回したあと、傷だらけのオスカールを見てびっくり。
■オスカール To:カラレナ>ALL
はは、気にすんな。
ちょっとばかり袈裟斬りにされて、あご打ち抜かれただけだ、すぐに動けるようになるさ。
ウルスやクローエさんも無事なようだし、カナちゃんは寝てただけで済んだようだな。

他は・・・。

■マリィ To:オスカール
安心してください、全員無事です。
先ずは傷の手当てを。
「大いなるラーダよ。癒しの力を……」

癒しの光がオスカールを覆い、傷を回復させた。
■オスカール To:マリィ>ALL
流石は魔法だな、痛みが嘘みたいに無くなった。
マナちゃんありがとう、・・・死んじまった敵さんには悪いが、みんな無事で本当に良かった。

ウェスの坊ちゃんもここに居ないようだし、あいつがいくら働き者でもこんな辺境で2〜3日での再起は無かろう。
あとは、この地図の所を目指すだけだな。


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GM:倉沢まこと