SW-PBM #175 伝説の… |
■ ジーゴの記憶 ■ | ||
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【 ジーゴの家 】 |
翌朝。
やっと酒の抜けた一行は、村長自らの案内でジーゴの住まいへと訪れた。
村外れにぽつんと建つその家は事前に説明のされていた通り、ジーゴがいなくなってからは誰も手を入れたものはない様子でかなり傷んでいるように見えた。
■村長 To:ALL |
まあ、見た目はこんなじゃがの。 わしらの家は石造りが基本じゃから、100年や200年は雨風に耐えるようになっとる。 掃除さえすれば、今でも普通に住めるはずじゃ。 |
だからこそ、ジーゴが消えて50年経ってもいまだに住んでいた家を残しているのだろう。
■ウルス To:村長 |
実際、50年も人が住んでない家にしてはあれてませんな。 …ところで、この村の家には、地下室とか屋根裏は、普通あるもんですかね? |
■村長 To:ウルス |
いんや。見ての通りの土の地面に石組みの屋根じゃからの。 そんなもんは無いと思うぞ。 |
かつては寝藁を敷き詰めてあったのだろう床の部分は、50年の歳月を経てその大半が土に戻ってしまったようだ。
所々にその名残らしい黒ずんだ細い繊維のようなものが落ちている。
■村長 To:ALL |
ホコリがすごかろうから、気をつけろよ。 ……食料の類はとっくに無くなっとるはずじゃから、ネズミやゴキブリは出ないと思うが。 |
■カラレナ To:ALL |
ねずみさんならまだ良いんですけど……。 げ、ゲジゲジとかクモとか嫌です……。 |
それらしいものが居ないか、慎重に周りを見回す。
■ウルス To:ALL |
代わりに狐狸妖怪が出てきそうですな…。 対ホコリオバケ特別装備でいきましょうや。 |
手拭いを何枚も取り出して、自分の頭と顔に巻きつける。
■オスカール To:ウルス、ALL |
床とかが木材だと、抜けるかも知れんから気をつけろよ。 あと、実際にぶち抜けても俺が責任持って直すから、そこは心配無用だ。 ・・・・・・っと、床は土間か。 |
■リオン To:オスカール |
それは助かるね。 実際この家色々なところが抜けそうな気もするけど… いきなり崩れてきたりとかしないよね? |
周り…特に天井の方を気にしながら。
50年手が入っていないと聞いて崩れてくると思っているらしい。
■オスカール To:リオン>ALL |
壁の漆喰もわりとしっかりしてる様に見えるから大丈夫だと思うが、なにしろ50年だからな・・・。一応この角材で天井を突付いてみよう。 みんな!、ちょっと天井の強度を確かめるから外に避難してくれ、突然大人数で入って崩れでもしたらかなわん。 |
オスカールは突付きすぎて壊すことが無いよう、手持ちの角材で慎重に天井を突付いて見た。
軽く揺すっただけで、天井の隙間に溜まっていた埃が雪のように舞い落ちてくる。
……白髪頭になったかもしれない。
■ウルス To:オスカール、All |
うわっ、ホコリ雪崩ですな。大丈夫ですかい?…こりゃ、天井の掃除も要りそうですな。 |
■オスカール To:ウルス |
ああ・・・全くだ、えらい目にあった。 だが、落ちてきたのが埃だけでよかった、まあ安全そうだ。 |
■リオン To:オスカール、ALL |
天井が落ちてこないだけ良かったよ。 それにしても凄い埃だね。 掃除するの大変そうだなぁ… |
■ウルス To:ALL |
まず窓と扉を全開にしますわ。 ホコリを飛ばして、お日さんの明かりを入れんと。 |
■クローエ To:ウルス、村長、ALL |
そうねえ。そのほうが気持ち良いと思うわ。 …あのう、この家、掃除させてもらっていいかしら? 手がかりを調べるにも、いろいろ動かしたりすると思うし、整理しながらのほうがやりやすいと思うし。 |
■リオン To:クローエ>ALL |
そうだね。その方が調べやすいかも。 ただ、これだけの家を綺麗にするには時間がかかるだろうなぁ… |
■マリィ To:ALL |
まあ、仕方有りませんわ。 みんなで手分けして掃除しましょう。 半分は調査も兼ねて、ですけど。 |
■ウルス To:ALL |
それじゃ、善は急げだ。始めましょうや。 |
ホコリを舞い上がらせながら部屋を突き進み、きしむ窓を押し開ける。
■カラレナ To:家の中 |
おじゃましま〜す。 |
ハンカチを口に当てながら、そっと足を踏み入れてお掃除開始。
■マリィ To:クローエ |
これだけ古い家だと、ブラウニーとか居そうな物ですけど。 クローエさん、見えません? |
クローエはマリィの疑問を受けて、精霊たちの気配に気をつけてみた。
■クローエ To:マリィ |
どうかしらねぇ…ここは長いこと空き家だったようだし… |
そして予想に違わず、ブラウニーの気配はまったく無い。
■クローエ To:マリィ |
だめねえ。やっぱりいないみたい。 |
■カラレナ To:クローエ |
いてくれたら、お掃除好きな彼らのことですから、こんなには荒れなかったかもしれないですね〜。 |
ちょっと残念そう。
■クローエ To:カラレナ |
ホントに。 わしもよく手伝ってもらっていたわ。ふふ。 |
今はもう人手に渡ってしまったオランの家に住み着いていた、ブラウニーたちのことを思い出したのだろう。
■カラレナ To:ALL |
あれっ?…… あの、ここ……擦れたような跡があります。引きずった跡……でしょうか?? |
ほこりが取り除かれてから部屋の中を調べていたカラレナは、たんすの足元の地面を指差して言った。
■マリィ To:カラレナ&ALL |
何かあるかもしれませんね。 もしかしたら隠し階段とか。 動かしてみましょう。 |
■オスカール To:カラレナ、マリィ、ALL |
よっしゃ、任せとけ。 |
オスカールは、何かを傷つけたり倒したりしないよう気をつけながら慎重にたんすを動かしてみた。
……が、どけたその場所には予想に反して何もない。
陰に隠れていた小さな虫が慌てて逃げ出しただけだ。
■マリィ To:ALL>カラレナ |
此処、もっと綺麗に掃除してみましょう。 その後でカラレナさん、もう一度この辺りを調べて貰えますか? |
■カラレナ To:マリィ |
はい、わかりました〜。 |
■リオン To:マリィ>ALL |
うーん、ここも掃除となると結構大変だなぁ… 何かあればいいけど…何か手がかりになりそうなものを隠しているとか。 |
■ウルス To:ALL |
タンスの裏板に何か細工してませんかね?でなきゃあ、床に何か埋め込んであるとか。 |
箒の先で、タンスの裏のホコリや蜘蛛の巣をのけてみたり、土間をつついてみたりする。
■カラレナ To:ウルス&ALL |
あっ、ここの土…… 別の種類の土が混ざってるような感じです。 …… 何かを埋めたとか……? 掘り起こしてみましょうか? |
■オスカール To:カラレナ>村長 |
次は土木工事か。 村長、ここなんだが掘り返しても構わないかい? |
■村長 To:オスカール |
む? 別に構わんが、ちゃんと埋め直しておくのじゃぞ。 |
村長の許可を得て、地面を慎重に掘り返していく。
すると10cmほど掘り進めた辺りで、カツン、という明らかに土とは違う手応えを感じた。
■ジノ To:ALL |
……何かあっただか? |
■オスカール To:ジノ、ALL |
ああ、なんか有ったみたいだ、壊さないように気をつけないとな。 |
そう言うと、オスカールは発掘の要領で慎重に掘り進めた。
■マリィ To:オスカール |
わたしも手伝いますよ。 遺跡調査の手伝いで結構やった事有りますし。 |
周囲の土を取り除くようにしてゆっくりと掘り下げていくと、やがてその手応えの正体が見えてくる。
薄く錆びの浮いた金属製の箱のようだ。
水が染み込まないように蓋の部分に目張りをされているが、鍵は掛かっていないように見える。
■ウルス To:ALL |
出ましたな。金物ってところが、いかにもドワーフの鍛冶師ですな。早速、開けてみましょうや。 |
■クローエ To:ALL |
なんだかドキドキしますねえ… |
■リオン To:ALL |
何だろうね。厳重に封がされてるみたいだけど… 鍵は…かかってないみたいだし… 開けてみる? |
■マリィ To:ALL |
何も無いとは思いますが……念のため、この毛布でくるんで……、 (荷物から毛布を取り出して箱をくるむ) 皆さん、外に出て貰えますか? |
■オスカール To:マリィ |
力技で除去か・・・爆発物で中身を損傷しなければ良いが。 まあ冒険者の先輩の直感だ、従おうか。 |
■カラレナ To:マリィ |
マリィさん、よろしくお願いします。 |
■クローエ To:マリィ |
開錠の魔法ね? …気をつけてね? |
今手にしている杖の持ち主だった自分の旦那がよく使っていた。
そんな事を思い出しながら、クローエも他のメンバーの退室を促す。
皆が外に出たのを確認して、マリィはアンロックの詠唱を始める。
■マリィ To: |
「万物の根源たるマナよ、我の前に、閉ざされる錠はなし」 |
……しかし、箱からは何の変化も感じない。
「鍵が開かない」というよりは、そもそも「鍵が掛かっていない」ため、魔法が意味を成さなかったようだ。
■クローエ Toマリィ |
どう? マリィさん? もう中へ入ってもいい? |
■マリィ To:クローエ&ALL |
……はい。どうやら鍵は掛かっていない様です。 罠なども無さそうですね。 |
錆で固くなった蓋を慎重に開けてみると、中に入っていたのは巻かれた古い羊皮紙と鍵がひとつ。
箱に鍵穴は見当たらない。この鍵は別のところで使うためのもののようだ。
■オスカール To:ALL |
羊皮紙の中身は地図かな・・・? もう一方の片割れだと助かるんだがな。 |
オスカールは羊皮紙に書かれた内容を確認してみた。
見覚えのある筆跡で、見覚えのない図面が描かれている。
そして、ギルダー村から真東に伸びて三日ほどの距離の山脈が描かれたふもとに、祠のような目印。
……どうやら残り半分の地図に間違いないようだ。
■クローエ To:オスカール、ALL |
きっと、簡単に探し出されないように、ポートー村とギルダー村の両方に分けて伝えたのねえ。 |
■ウルス To:クローエ、ALL |
おかげで難儀しましたが、こいつが隠されてなかったらと思うと… 用心しすぎることはない、とはこれのことですな。 |
■カラレナ To:ALL>村長 |
よかった〜。 これで祠まで辿り着けそうですね。 この鍵は、お借りして行きましょう。祠で使うことになるかもしれませんし……。 村長さん、よろしいでしょうか? |
■村長 To:カラレナ |
うむ。構わんが……代わりと言ってはなんじゃが、ひとつ頼んでも良いかの。 もしどこかでジーゴを……ジーゴの痕跡でも良い。そんなもんを見つけたら、ぜひ教えて欲しい。 50年も昔の、今じゃあ知らない村人の方が多い偏屈者じゃが。 それでも、わしの友人だった奴じゃ。せめて、消息くらいは知っておきたくての。 |
■ウルス To:村長 |
おやすいご用ですわ。 なんと言っても、交流は大事ですからな。旧友とあれば、なおさらのことですわな。 |
■リオン To:村長 |
うん、手がかりがあったら連絡するね。 やっぱり消息不明だと気になるしね。 良い返事ができると良いんだけど。 |
■マリィ To:村長 |
分かりました……。 帰りにこちらに寄ってお話しさせて頂きます。 それで宜しいかしら? |
■村長 To:ALL |
うむ、よろしく頼むぞい。 |
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GM:倉沢まこと