SW-PBM #175
伝説の…

■ ドワーフ村探訪 ■
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【 ギルダー村 】

再度の襲撃を警戒して交代で見張りをしながらオラン最後の夜を明かし、日が昇ってすぐに旅立つことにした冒険者たち。
道中でも追っ手の気配がないかと常に目を光らせていたが、それらしいものは感じられず……そして一週間。
一行は目的地であるギルダー村へと到着した。

話に聞いていたとおりの鍛冶が盛んな村らしく、あちらこちらで煙が上がり、鉄を打つ音が響いている。
そんな村の入り口で、一行を目に留めた門番がじろりと視線を向けてくる。
■門番 To:ALL
なんじゃ、人間とは珍しいの。
何用で来た? 悪いが、買い付けなら無理じゃぞ。
わしらの村で作っとるのは、みな買い手がついとる物ばかりじゃからな。

受注生産しかしていないらしい。
それゆえに質が良く、生産品は評価が高いのだと門番は自慢げに付け加えた。
■ウルス To:門番
どうも、こんにちは。良いお日和ですな。
手前どもは、ジーゴさん、っちゅうお方を訪ねて参ったんですが…おられますかな。

興味津々、と言った様子で村からの臭いや音を感じつつ、門番の武具を観察していたのを中断して、愛想良く話しかける。
■クローエ To:門番
ご存知でしたら、お住まいの場所を教えていただけるとありがたいのですけれど…

イソホ号(ロバ)の手綱を取ったまま、フードの奥から控えめに言う。
目の前の生ドワーフにちょっと腰が引けているのかもしれない。
■門番 To:ALL
ジーゴ? いや、わしは知らんな。
誰かの知り合いか?

■マリィ To:門番
ポートー村関係で、ジーゴさんと言う方を探しに来たのですが……。
で、わたし達はポートー村を代表して来た、ジノさんに護衛を頼まれた冒険者です。
ジノさんはこちら。
(とジノを示す)
出来ましたら村長さんにお話を伺えませんか?

■門番 To:マリィ
ふむ……。

あごヒゲをいじりながら、マリィとその後ろに並ぶパーティを上から下まで眺めて。
■クローエ To:門番
(びくっ)

■カラレナ To:クローエ
だ、大丈夫ですよ、取って食われたりしないはずです……たぶん……。

と、言いつつ、カラレナもびくびく。
■門番 To:ALL
……ま、良かろう。
しかし、完全に信用するというわけにもいかん。
すまんが、村長の許しがあるまでは武器を預からせて貰うぞ。

■ウルス To:門番
用心なさるのは当然ですからな。どうぞ。

斧を背中から降ろして、柄を差し出す。
続いてオスカールも担いでいる角材とベンチを差し出した、のだが。
■門番 To:オスカール
何の冗談じゃ?
わしは武器を出せといったんじゃぞ。

普通に考えれば当たり前であるが、武器と認識していないようだ(笑)
■オスカール To:門番
俺がそれを持って暴れれば大変なことになると思うが、それでも冗談だと思うか?
だか大事には至らんと信用して返してくれるなら、信用に報いて“決して暴れない”と約束しよう。

■門番 To:オスカール
……つまりこれがお前さんの武器ということか?
何を好きこのんで、こんな使いづらそうな物を……。

理解できない、といった風な表情で角材とベンチを受け取る。
■カラレナ To:門番
はい、どうぞ。

素直にダガー、ロングボウ、ウィップ、カトラスを差し出す。
■マリィ To:門番
わたしはこの二つだけです。

ダガーとメイジスタッフを渡す。
■リオン To:門番
ぼくはこれだけかな。

そう言いつつダガーを手渡す。
■クローエ To:門番
これを手放すのはちょっと心もとないのだけれど…

ややためらいながら、クローエもいつも手にしているメイジスタッフを渡した。
足元不如意もあるけれど、亡き旦那の形見であるこれは心の支えでもあるのだ。
■門番 To:ALL
良し。では、ついて来い。

別の門番に一声かけてから、一行の先頭に立って歩き出す。
真っ直ぐに案内された村の中心にあるその建物は、他よりもひときわ大きな炉を備えていた。
直接火の見えないこちらにまで熱気が伝わってくる。
■門番 To:村長
村長〜!

■村長 To:門番
ちぃと待て。今手が離せんところじゃ。

門番が呼び掛けると、こちらに背を向けて金槌を振るっていた男性が声を返した。
それから十数度、カチン、カツンという小気味いい音を響かせた後に取り上げたそれを水に潜らせる。
もうもうと上がる水蒸気の向こうから、ようやく上半身裸のドワーフがのそりと出てきた。
■カラレナ To:こころのなか
(わぁ、本物の鍛冶屋さん……いいなぁ……)

どんな武器を打っていたのか、興味津々。
■村長 To:ALL
……村の者ではないな。
こんな辺鄙な村まで何しに来よった?

ジロリ、と鋭い視線を向けて見上げてくる。
■カラレナ To:村長
私たちは、オランの冒険者です。私はカラレナって言います(ぺこり)
お仕事中にお邪魔してしまって、すみません。
実は……こちらの、ポートー村のジノさんからのご依頼で、“伝説の武器”を探してここまでやってきました。
その武器は、ポートー村のスレイという青年が使っていた武器で、彼の親友であったギルダー村のジーゴさんという方に、その武器の在処を示した地図の片割れを託したということなんです。
……その伝説は、百何十年前の出来事なのだとか。
もしかしたらジーゴさんと直接お話できるかもしれない、そう思ってやってきました。

ジーゴさんは……ご健在でしょうか?

■村長 To:カラレナ
……ジーゴとはまた、懐かしい名前を。
奴はもうこの村におらんよ。残念じゃが、無駄足だったようじゃな。

■クローエ To:村長
まぁ…

■リオン To:村長
え?それは、この村を出て行ったってこと?
それとも…

後者だったら嫌だなぁ…と思いつつ恐る恐る聞いた。
■村長 To:ALL
50年ほど前にふらりと村を出て行ったきり、戻っておらん。
行方不明というやつじゃ。
噂も聞かんし、どこかで死んでしまっているかもしれんのう。

■オスカール To:村長
そうか・・・・・。

初めて会ったよそ者には話せんことかも知れんが、ジーゴさんから“伝説の武器”について何か聞いてないだろうか?
恥ずかしい話だが、そもそも“伝説の武器”とはどういったものかすら知らないんだ。

■村長 To:オスカール
ジーゴは村でも特に偏屈者で通っておってな。
特に自分が作った物について多く語ることを嫌っておった。
そういうわけで、村の者でもジーゴが作った物に詳しいのは一人もおらん。

……奴の住んでいた家を探れば、何か出てくるかもしれんが……。

冒険者たちの顔を値踏みするように見る。
信用に値するかどうか、判断する基準を求めるように。
■ウルス To:村長
住んでいた家を探る…?
と言うことは、ジーゴさんにはご家族はおられなかった、っちゅう事ですな?
おられたのなら、お話を聞きたいところでしたが…。

■村長 To:ウルス
奴は一人ものじゃったよ。
いつか帰ってくるかと思って家はそのままにしておいたが、誰も手を入れておらんからのう。
さすがに50年も経つとホコリだらけのボロボロじゃな。

■マリィ To:村長
いきなり訪ねて来た我々の様な人間を信用できるか、それは確かに難しいと思います。
ファリス神官の誓いには劣りますが、これでもわたしはラーダ神に仕える身。
決して疚しい事は致しません。
何方か村の方を見張りに付けても構いません。
どうか、ご信用願えませんか。

■村長 To:マリィ
……ふむ。
わし個人であれば信じても良かろうが、村を治める立場としてはそうもいかん。
信用を得たいならば、ギルダー村の流儀に則ってもらう必要がある。

■オスカール To:村長
ギルダー村の流儀・・・とな?

■村長 To:ALL
なに、難しいことではない。村の者と勝負をして、見事に勝ってみせればよい。
競う事によって友情を育み、勝つ事によって尊敬を得る。
それがこのギルダー村の慣わしじゃ。

■オスカール To:村長
なるほど、勝てるか分からんが受けて立とう。で、何をすればいいんだ?

■ウルス To:村長
ですな。おいらも、お互いと世間が納得できる取引と見ました。
受けましょう。

■リオン To:村長
勝負ごとって言ってもそれは代表者が挑戦するの?
それともぼく達全員で挑戦していいのかな。
受けるのはみんなが賛成するならいいけど、力関係では負けそうだなぁ…

ドワーフの力強さを思い出しつつ。
自分では負けそうと言うか、負けるしかないと思っているようだ。
■村長 To:リオン
無論、全員でやってもらう。
誰か一人が勝ったところで、連れの全員が信用できるというわけにはならんじゃろ。
勝ち負けももちろんじゃが、全員が必死で取り組んだという姿勢を見せてもらう意味もあるからの。

■クローエ To:リオン
あぅ…。…リオンさん、がんばりましょう…

なんかもう涙目気味のクローエ。フードをかぶってるので見えにくいけれど。
どんぐりの背比べ的非力組として、クローエはむしろ自分を励ましている模様だけれど、仲間がいてよかったね。
■カラレナ To:リオン&クローエ&ALL
でも、努力した姿勢も見てもらえるみたいですから……頑張りましょうねっ。

ぐっと握りこぶし。
■クローエ To:村長
それで、どんなことで勝負をするのかしら…?

恐る恐る聞いてみる。
■村長 To:ALL
異存は無いようじゃな。良し、では早速支度をしよう。
……何をするか、じゃと?

にやり、と笑って楽しそうに答える。
■村長 To:ALL
決まっとるじゃろう。
ドワーフの勝負事といったら、飲み比べしかあるまい。


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GM:倉沢まこと