SW-PBM #175 伝説の… |
■ 手掛かり探して ■ | ||
---|---|---|
Prev page | #175 Index | Next page |
【 賢者の学院 】 |
翌日早く。
ジノの持つ地図の事を少しでも詳しく知るべく、何か情報はないかと賢者の学院に訪れたオスカール、クローエ、ウルス、マリィの四人。
同行したジノは、学院のその規模の大きさにぽかんと口を開けて立ち尽くすばかりだ。
■ジノ To:ALL |
でっかいだなぁ……。 オランにはこんなすごい建物があるだか。 |
■ウルス To:ジノ |
驚くでしょう? 中がまた、すごいんですわ。 |
入り口を抜けると、正面には案内の司書が座る事務机がある。
ハーフエルフの女性司書が働く姿が見えるが、その上着の胸元からは何故か白猫が顔を覗かせていた。
■ウルス To:司書 |
こんにちは。可愛い猫ちゃんですな。 じゃなくて…コホン、その…調べ物に来たんですが。 |
仲間の後ろにすっこんでいるつもりだったのが、猫を見て思わず声を上げてしまったようだ。
■白猫 To:ウルス |
にゃうん。 |
ウルスの声にぴくりと反応して、胸元から飛び出した白猫が机の上でごろりと横になる。
「撫でれ」と催促のポーズらしい。
■ウルス To:白猫 |
ああ、そうなの、なでなでして欲しいの。よしよし… |
お湯をかけた砂糖菓子のような顔になって猫をなで回すウルス。
■司書 To:ウルス |
あああ、すみませんご迷惑をお掛けして。 こらっ、ルビー。お仕事の邪魔しちゃダメでしょう? |
ルビーと呼ばれた猫の影に隠れていたネームプレートが、いなくなった途端にまっ平らになった胸の上に現れる。
そこには「フィアルラ・スゥ」と書かれていた。
■クローエ To:フィアルラ |
いつぞやはどうも。またよろしくお願いしますね? |
■フィアルラ To:クローエ |
あ、えぇと……確かクローエさん、でしたっけ。 今日はまた何か、調べ物ですか? |
■クローエ To:フィアルラ |
あら、覚えててくれたの? 嬉しいわねえ。 ええと、今日はね? |
一緒に来た仲間のほうを見る。
■マリィ To:フィアルラ>ジノ |
えっと、こういった感じの地図について調べたいのですが。 ジノさん、地図をちょっと出して貰えますか? |
■ジノ To:マリィ |
はいだよ。 |
言われてジノが掛けていたかばんから丸められた羊皮紙を取り出した。
■フィアルラ To:ALL |
あ、拝見します。 |
説明を受けながら広げた地図にさっと目を通し、ひとしきり考えてから顔を上げる。
■フィアルラ To:ALL |
地理的なことを調べたいのでしたらこちらの棚と……。 あと、地図の出所、由来はこちらの棚。 地図に書かれた宝物に関する情報でしたら……こっちの棚かな? それからポートー村の歴史ですかね。これはこの棚になります。 |
四ヶ所ほどの棚の番号を口にしながら、メモ用紙に書き付けて手渡す。
■オスカール To:フィアルラ |
この棚の量・・・何日もかけてられないから一人で調べられるのは二ヶ所が限界だな。 フィアルラさん、ここの司書さんに手伝ってもらうとしたら謝礼はどのくらい必要だい? |
■フィアルラ To:オスカール |
すみません、私たちがお手伝いできるのは調べたい資料の場所をお教えする事までなんです。 特定の人だけに手を貸すと不公平になりますし、かといって全員に協力できるほどの人手がないので。 それに、自分たちの業務もありますから……。 |
■オスカール To:フィアルラ |
ああ、気にせんでくれ。 暇な者や収入が要る者がいれば雇おうと思っただけだ、皆忙しいならそれは喜ばしいことだ。 |
■ウルス To:フィアルラ→マリィ、オスカール、クローエ |
なるほど、そりゃそうですな。 …てぇ事は…おいら達無学でも手伝えることを指示して貰えませんかね? 自分で調べるったって、何の心得もないのにこれじゃ… |
片手をジノの肩に置き、もう片方の手で膨大な量の、下位古代語混じりの資料が並んだ書架を指す。
…が、書架の資料を見ているうちにひるんでくる。
■ウルス TO:ALL→ジノ |
…いや、指示してもらってもおいらには無理ですな、こりゃ…。 邪魔しませんので、重い本を運ぶときには呼んで下さいや。 ジノさん、おいら達は、見学がてら、読める本を探してみましょかね。 |
■ジノ To:ウルス |
そのつもりだったけど……。 ……オラ、東方語しか読み書きはできないだ……。 絵本の挿絵を見るくらいしか、できそうにないだなぁ……。 |
コンプレックスを刺激されたらしい。しゅんと小さくなる。
■クローエ To:ジノ |
何か関係のありそうな記録が見つかったら持ってきますからね、それまで待っていて欲しいのよ? 中にはもしかしたらジノさんだから分かるような事もね、あるかもしれないから、見てもらいたいの。 |
たとえば、異郷の歌を聞いたとき、受け取る印象や思い起こす事物が、出身の違いで大きく異なることは良くあることだし。
■クローエ To:ウルス |
それじゃあ早速、高いところの本を取るのを手伝ってもらえるととても嬉しいのだけれど、お願いできるかしら? |
確かにクローエばあちゃんに脚立を使って高い棚の本を取らせるのは…なんと言うか、危なっかしいようなイメージ。
■ウルス To:クローエ |
はいな。この高さじゃ、ばあちゃんにはちょいと大変ですわな。 |
でかい脚立をいそいそと持ってくる。
■マリィ To:ジノ>ALL |
それじゃあ、ジノさんは参考になりそうな本から見つけた内容をメモしておいて貰えます? 東方語で構いませんので。 では私は宝物に関する記述とポートー村の歴史について調べてきます。 記述がある本がありましたら、此処に持ってきますわ。 |
■ジノ To:マリィ |
わ、分かっただよ。 |
■マリィ To:ALL>ジノ |
(二、三冊の本を抱えて) この本とこの本に記述がありましたわ。 宝物についてですが、 ・オラン近くに住む鍛冶職人の手による作品らしい。 ・ギルダー村と呼ばれるドワーフの職人集団が集まる村に住んでいた。 ・名はジーゴという。50年ほど前にふっつりと消息を絶っている。 と言う感じです。 ポートー村については……、 ・200年ほど前から大地の恵みを主な産出品として栄えた。 ・100年ほど前、危機に瀕した村を救ったスレイという青年がいた。スレイは再び起こる危機に備え、自身が使用した数々の道具をいずこかに保管したという。 ・天候不順による不作からの危機は数多く伝えられているが、怪物の襲来などといった外的要因はほとんど記録に残っていない。 と言った所ですね。 ジノさん、メモをお願いします。 ペンと紙はこちらにありますので。 |
と、手荷物の中から、羽根ペンとインク、羊皮紙を取り出す。
■ジノ To:マリィ |
あれ? スレイって100年前だか? オラが聞いてたのは100と何十年か前、って話だったけども。 マリィさんが見つけた資料が古いんだかな? |
■マリィ To:ジノ |
うーん、伝承と資料の差異は有り得ますね。 本の執筆年が何処かに書いてあれば良いんですけど……。 |
と、持ってきた本の奥付などを確認してみる。
かすれてはっきりとは読み取れないが、どうやら今よりも20〜30年ほど前の資料のようだ。
■マリィ To:ジノ |
……どうやら、この本が書かれた時期が、今より2,30年前みたいですね。 なのでジノさんの言われる通りですわ。 |
■オスカール To:ジノ、ALL |
こっちも、それらしいものを見つけたぞ。 |
地図の出所や由来については、何の成果もあげられなかったが、
地理的なことについては幾つかの文献や地図を発見していた。
それらの文献が示すところ、
・現在の地図と見比べても特に間違いはないようだ。
・地図の縮尺から推測して、オランから10日以内の距離に目指す場所はあるはず。
・地図の裂かれたちょうど境目の辺りに、村か何かがあるようだ。
という事のようだ。
■クローエ To:ALL |
こちらはめぼしいものは見つからなかったわねえ。 |
そこへクローエも戻ってきて、残念そうに言った。
■クローエ To:ALL、ウルス |
ただ、本のインクや紙の具合を見ていて確信したのだけれど、例の地図、やっぱり100年近くは前に描かれた物なのは間違いないようだわね。 インクも、そのころオラン近辺で書かれた書物に良く使われているものと同じ。 …あまり有益な情報じゃあないわねえ。せっかく手伝ってもらったのに、ごめんなさいね? |
最後に申し訳なさそうにウルスに言った。
■マリィ To:ALL |
学院で得られそうな情報はこれくらいかしら。 あとは、ギルド組の情報と合わせて再確認ですね。 メモを取ったらスレンダーさんの食堂に向かいましょう。 |
Prev page | #175 Index | Next page |
GM:倉沢まこと