SW-PBM #172 “死にたがり”のメアリ |
■ セラへの報告 ■ | ||
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【 銀の網亭 】 |
エリス邸の後片付けを済ませ、盗賊ギルドへ行くと言うアイライとカラレナと分かれたメンバーは一足早く銀の網亭へと帰還した。
■おかみ To:ALL |
あらら、なんだかお疲れみたいね。 何か注文する? 温かい飲み物とかどうかしら。 |
■マリィ To:おかみ |
そうですね……じゃあ、ホットワインをください。 |
■おかみ To:ALL |
みんなホットワインでいいのかしら? それならすぐに用意してあげられるけど。 |
■クローエ To:おかみ |
それじゃあ、わしもそれでお願いしようかしら。 |
■おかみ To:クローエ |
はい、クローエもね。 じゃあ、念のために人数分のグラスを用意しましょうか。 |
■クローエ To:おかみ |
きっとそれが良いわ。 よろしくお願いしますよ。 |
■マリィ To:ALL |
さて、ギルド組が戻る前に現在の情報を整理しておきましょうか。 |
マリィは現在判明している情報を羊皮紙に書き出した。
・セラの母親とおぼしき人物の嫁ぎ先はフランネル氏である。
・セラの両親?は既に15年前に火災で死亡。
・フランネル姓である事から、メアリと関係があるかも?
……等々。
■クローエ To:マリィ、ALL |
大枠はだんだんと分かってきたわねえ。 でも核心の部分は、やっぱり直接たださないとかしら。 |
■おかみ To:ALL |
はい、ホットワインお待たせ。 こっちはサービスね。 |
注文のホットワインと共に、焼き立てらしいクッキーの盛り合わせが添えられる。
■マリィ To:おかみ |
ありがとうございます。 あら、このクッキー美味しく焼き上がってますね。 |
■クローエ To:おかみ |
ほんとう。おいしいわ♪ほんのり甘くてサクサクで… |
■アイライ To:ALL |
ただいま〜。 寄り道してごめんなさい。 馴染みのところからちょっと情報をもらってきたでありんす。 |
早速、フランネルの当主兄弟が血が繋がっていないこと、弟のマークはフランネル家が出資していた孤児院の出身であること等、ギルドで聞いてきた情報を話す。
■アイライ To:ALL |
…というわけでありんす。 だから、セラさんとメアリさんは従姉妹ではあるけど……血は繋がっていない…ということになるでありんす。 これ、セラさんには……言わなきゃダメでありんすよねぇ。 その孤児院で裏を取ってからの方がいいかもしれないでありんすが……。 |
■ジン To:アイライ、ALL |
ふむ。そんな人間関係になっていたとはな。 しかし言わないわけにもいくまい。 セラの依頼は家族を捜すことではあるが、必ず居るとわかった上での依頼ではないからな。 こういった調査結果になることもあるさ。 もちろんセラの希望とあらば、孤児院に出向いてもかまわんがね。 |
■アイライ To:ジン、ALL |
確かに…。分かったことは伝えるべき…でありんすな。 明日にでもセラさんには伝えに行かなきゃ。 |
ため息をひとつ。
うつむいて視線をテーブルに落とした拍子に、マリィが情報を書き込んだ羊皮紙を見つける。
■アイライ To:ALL |
あ、これは今までの情報のおまとめでありんすね。 うーん……こうしてみると悪魔関連の情報って、意外と少ないような。 今のままだと、ルービッドの排除には、メアリさんと「魂の共有」を契約してくれる人がいないといけないけど、それも難しそうだし……。 もうちょっと、悪魔関連で調べた方がいいのかなぁ? |
羊皮紙を読みながら、とりあえず頭に浮かんだことを口にする。
■マリィ To:ALL |
導師級の方々に聞いてもこれ位の情報しか無かったのですから、 これ以上調べるのは難しいのじゃないかしら。 それよりも、セラさんに了承して貰った上でメアリさんと会って貰った方が良いかと思います。 |
■ジン To:マリィ、ALL |
うむ。セラに会えば、メアリにも心境の変化が現れるかもしれんしな。 |
■クローエ To:ジン、ALL |
そうねえ。メアリさんも、もっと生きることに希望を持てても良いはず。 二人が会うことで、互いに新しい未来を見つけられたら良いわねえ。 |
話が一段落した時、出入り口のドアベルが響いた。
■セラ To:ALL |
こんばんは〜……あ、いたいた。 遊び半分に様子を見に来ちゃったけど、邪魔じゃないかな? |
■マリィ To:セラ |
いえ……邪魔じゃありませんよ。 外は寒かったでしょうし、座って温かい飲み物でもどうぞ。 |
■アイライ To:セラ |
あ…、セ、セラさん?! え、えと、あの。 |
あたあた。
マリィとは対照的に、突然のセラの登場に動揺するアイライ。
■セラ To:アイライ |
ん、どうかした? ……あ。ひょっとして、依頼の事で何か分かったとか? |
■マリィ To:セラ |
ええ……幾つか分かった事が有ります。 ちょっとややこしい事になってましてね。 あなたに取って望んだ結果で無くても聞く覚悟はありますか? |
マリィの口ぶりに感じ取るものがあったのか、居住まいを直して真剣な表情を作る。
■セラ To:マリィ |
聞かせて。 あたしは、そのためにずっと探してきたんだから。 たとえどんな答えであろうと、それを知りたい。 |
セラのその言葉を聴いて、アイライも決心したように表情を引き締めると、懐からペンダントを取り出して、セラに手渡す。
■アイライ To:セラ |
…まずは、このペンダント、お返しするでありんす。 …分かったことだけ伝えるね。 セラさんのご両親の名前はマーク・フランネルさんと、レミーナ・フランネルさん。 ご両親ともに、15年程前に火事に遭い、お亡くなりになっています。 なお、セラさんの他に、2人の間に子供はいなかったみたい。 それから、セラさんのお父様・マークさんには兄がいました。その兄夫婦も数年前に亡くなっているのだけど、その兄夫婦の子供、つまり、セラさんの従姉妹にあたる子供が一人でここオランに住んでいます。 彼女の名前はメアリ・フランネル。 この人が、一応、セラさんの親族、ということになりんす。 …ただ、マークさんとお義兄さんの間には血は繋がっていなかったから、セラさんとメアリさんの間も血は繋がっていないことになるけど…。 これが……わっちらの調査の結果…でありんす。 |
なるべく感情を込めず、ここ数日で分かったことを淡々と伝える。
■セラ To:ALL |
……そっか。お父さんお母さんは、もう死んじゃってたんだね。 ある程度の覚悟はしてたけど……あはは、やっぱりキツイなぁ。 でも、うん。……聞けて良かった。 |
ぎゅ、とこぶしを握って。何かを耐えるようにしながら、無理矢理に笑みを作る。
■アイライ To:セラ |
…ごめんね。こんな伝え方しかできなくて…。 |
セラの気丈な振る舞いが心に痛い。アイライは、ぼそぼそと謝った。
■セラ To:ALL |
で、えっと。メアリさん、だっけ? その人には、会えるのかな。 血が繋がってないといっても、一応は親族になるんだし。 ひょっとしたら、両親の事とか聞けるかもしれないし。 |
■マリィ To:セラ |
実は、そのメアリさんは厄介な問題に巻き込まれておりまして……。 会うのには問題ありませんが、暫くの間不運が続く事になりますわ。 |
■アイライ To:セラ |
ほら、昨日ここに来たときに話したでやんしょ、お屋敷に行ったときの話。 …あの娘さんが、メアリさんなの。 セラさんのご家族を探す一方で、そのメアリさんの呪いについても、今、調べてたところなのでありんす。 まさか、こんな形で二つの話が結びつくとは思わなかったけど…。 |
■セラ To:アイライ |
あ、ひょっとして昨日言ってた「不幸がどうとか」ってそれの事? そっか……うん、あたしは構わないけど。それよりも、会いたい気持ちの方が強い。 ……メアリさんの不幸って、何か解決できる方法とかはないの? |
■マリィ To:セラ |
解決するには……第三者が命を賭けるしか方法が無いのです。 まず、メアリさんの不幸の元凶たる悪魔と契約し、その後に悪魔を排除するしかありません。 悪魔の排除には我々が力を貸せるかもしれませんが、契約までは……。 |
そこまで話して、ばつの悪い様に下を向く。
■セラ To:マリィ |
第三者、かぁ。……見ず知らずの人を巻き込むわけにもいかないしね〜。 何か他の方法はないのかな。オランくらい広ければ、そういうのに詳しい人とか……確か、賢者の学院だっけ? あそこに助けを求めたりできないの? |
■マリィ To:セラ |
賢者の学院にはもう頼んでみたの。 そこで聞いて来た方法がさっき言った方法なのです。 それ以外に解除する方法は、無いの。 |
■アイライ To:ALL |
んー。 でも、こないだ紹介してもらった人って、呪いの専門家だったでありんすよね。 解呪の方法は他に無いかも知れないけど、ルービッドに対する他の手がかりが手に入るかも。 こないだは呪いを受けた直後で、シロさんやクローエさんも、図書館で調子が出なかったって言ってたし。 セラさん、ひょっとして学院にコネがあったりしやせん? |
■クローエ To:ALL>セラ |
今は少しでも手がかりがほしい所なのに、上手くいかないものよねえ。 どなたか会ったことのある人とか居ないかしら? |
■セラ To:ALL |
オランに来ること自体が年に数える程度なんだからコネなんて作れないって。 でも、そうだよね。 呪いそのものは別としても、要するにケンカして勝つための方法が何かないかって、そういうのは調べられるんじゃない? |
■アイライ To:セラ、ALL |
いやほら、キャラバンって色んな珍しいもの、持ってくるから、そういうのが好きな研究者の人なんかと仲良くなったりすることもあるかなー、なんて。 ルービッドをメアリさんから引き離す方法が分かれば、それだけでもだいぶやりやすくなるはずだし。 なんだか、メアリさんのとこに行くより先に、学院に行くのもありな気がしてきやんした。 セラさんをメアリさんのところに連れて行くか、先に学院に行くか、二手に分かれるか……うーん。 |
困った表情で、意見を求めるように仲間を見渡す。
■マリィ To:アイライ&ALL |
二手に分かれましょう。 恐らくルービッドも血縁でない以上、セラさんに手を出す事はありませんし、顔合わせだけなら問題無いでしょう。 学院で対ルービッドへの手段が見つかれば良いのですが。 |
■クローエ To:マリィ、ALL |
そうねえ…メアリさんに会いたいというセラさんの希望を叶えることはやぶさかではないのだけれど、たしかに学院でもう少し悪魔のことを聞いてみても良いかも知れないわねえ。 また全員で一度に呪いにかかったりする危険も無いわけじゃないから、二手に分かれるのはある意味保険にもなるかしら? |
■アイライ To:マリィ、ALL |
分かりやんした。 じゃあ、わっちは…うーん、学院に行ってきやんすかね。 |
■ジン To:&ALL |
では俺はメアリの所へ行こう。 ルービッドの出方がわからぬ以上、ある程度火力があった方がよいだろうからな。 |
■クローエ To:ALL |
それじゃあ、わしはアイライさんと一緒に学院にもう一度行ってみますよ。 |
そう言った後、ふと気づいたように、クローエはセラの方を見た。
■クローエ To:セラ |
そうそう、セラさん。 もしよければ、セラさんの大事なペンダント、もう一度だけ貸してもらえないかしら? |
■セラ To:クローエ |
ん、構わないよ。無くさないでね。 |
冗談交じりにそんな事を言いながら、それでも気軽に貸してくれる。
■クローエ To:セラ |
ありがとうセラさん。 念のため、付与魔術の専門家の人に、一度見てもらおうと思うの。 もちろん必ず返しますよ。 |
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GM:倉沢まこと