#167:囚われの衛視様

4-1a ソーダック邸・夜

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オラン・ソーダック邸
夕方、日が落ちて辺りが暗くなった頃、冒険者達は再び目立たない様にソーダック邸に集合した。

再び昼間の応接室に集まる冒険者達。
またもお茶が用意され、おまけに軽い食事まで並べられていた。
■ジン To:ALL
屋敷の周りを使い魔で探ってきたが、屋敷の二階の窓が全て鎧戸で閉ざされていた。
使用人たちの会話からして、2人が二階に居るような印象を受ける。
まあ、ごみの量からみても屋敷のどこかに居るのは間違いないだろうな

■ウリディケ To:ジン、アリス
流石ですね。
リスクの高い仕事、お疲れさまです。

■アール To:ジン>ALL
なにをするにしても、屋敷にいる人数がそれほどでないのは助かるね。
さて、これで確認することが地下室の用途とファラハさんの居場所に絞れそうだ。
あと、潜入してもらうのは予定通りでよさそうかな?
番犬なんかはどうだったかな。

■ジン To:アール
屋敷のまわりはひととおり見てみたが、番犬らしいものはいなかったな。

■ウーサー To:ALL
人数と言やぁ、オレ様たちが探りに言った食料品店の店員のハナシじゃあ、普段は6人分くらいの食料が、ここ数日は1人分くらい増えてたってハナシだったからな。
ファラハとボンボン様以外の面子はまぁ、5人ってところか? 流石に使用人もいるだろうから、全員が全員「腕に覚えあり」ってんじゃあ無ぇだろうけどな。

■ウリディケ To:ウーサー
なるほど、それほど沢山の人が居る訳でもないようですね。

■ジン To:ウーサー、ALL
用心棒が「飯を食う者」と限ったわけでもないがな。
まあ、考え出したらきりがないがね。

■ウーサー To:ジン、ALL
おっと、それもそうか(笑)
まあ人外だってんなら、遠慮なく遣れるってことでよ?

■ウリディケ To:ALL
ギルドの情報だけど、私兵の動きなどは、盗賊ギルドでは確認してないそうよ。
ウーサーさんの言う通り、化物に警備させてる可能性も充分ありそうね。

それから、両家の婚姻の約束は、15年程前の話みたい。

それと、当主と長男は、オラン国王からの命令で北方の国境警備に動員されてるそうよ。
留守を預かるレオノフさんは道楽どら息子で、執事の能力で当主代行としての面目を保っているらしいわ。

あと、約一年前に石工を大量に雇って、半年くらい掛けて「ワインセラーの拡張」の工事を実施したみたい。

盗賊ギルド組はついでに石工組合を訪れ、パーマー邸での工事が、「ワインセラーの拡張」という名目で行われた事が分かった。
図面を見た限りでは、既存の地下室(ワインセラーとして使っている)の隣に同じ規模の部屋を作った形になっている。
気になる点と言えば、床が隣の部屋より1m程深くなっている所だろうか。
それ以外には特に石工組合での収穫は無かった。
■アール To:ジン
ジンさんの話だと2階の部屋にいるってことは、地下室の用途が不明だな。
まさか、ファラハさんを喜ばせるためだけにワインセラーを増築するほど酔狂ではないだろうけど(苦笑)。
そこも潜入して確かめるところかな。

■ウーサー To:ジン
石工組合に、工事を発注したんだろ?
この図面を見るかぎりじゃあ、そこそこの広さはあるみてぇじゃねぇか。少なくともちょいと風呂釜つけました、なんてレベルじゃあ無さそうだ。
工事で使った建材の記録なんかは、調べられねぇのか? 防水用のモルタルとかタイルが多かったってんなら「生け簀」だろうし、大火仕様のレンガや火山岩だったりしたとすりゃあ……ええと……ばかでけぇ釜? か?
まあ兎に角、建材について調べられりゃあ、なにがしたかったのかは推測できねぇかな? 建材の量もわかりゃあ、どれだけ金をかけてたか――ボンボンがどれだけ「本気」だったのか、推し量れるかもしれねぇし、よぉ?

■ジン To:ウーサー、ALL
まあ、高さに差があるって情報もあるようだし、地下室がどんなものかは俺も気になる。
が、記録を探るよりは実際に見てみた方が確実ではあるな。
使用人に聞いてみれば、ある程度のことはわかるかもしれん。

■ジン To:ALL
何にしても、紹介状を使った潜入のリスクに関する情報としては、あまり決定的のものはないか。
とにかくファラハが屋敷内にいることはほぼ間違いない。
早く彼女と接触して、状況を確かめるしかあるまい。
問題は、どうゆう名目で潜入するかだな。

■ウーサー To:ジン、ALL
そうだな……元からファラハの元に雇われる予定になっていた、っていうのは如何だ?
ファラハの親父が延々と衛視に熱中して、いつまでも嫁ごうとしねぇ娘を見るに見かねて、ちったぁ貴族らしい暮らしに慣れさせる為と、身辺監視役を兼ねてってことでな。
もちろんそんな事になりゃあ、ファラハは断るだろ? だからファラハには内緒になっていた。そういう事にしておきゃあ、オレ様たちが来るのをファラハが知らなくてもおかしくは無ぇと思うしよ。

■ウリディケ To:ウーサー>ジン、ALL
「ラルフさんに雇われた」では、ソーダック家の動向を勘ぐられそうですね。

ここは、紹介状の署名主からストーリーを構築したら良いのでは無いでしょうか?
紹介してくれる人のことも知らないでは、紹介状そのものも怪しまれます。
紹介状で潜入するなら、名目は紹介状の説明を聞いてからですね。

ただ、私の予想では名目は「署名主の強い推薦」だと思うわ。……その推薦が何の事かは知りませんが(笑)。
パーマー家と懇意の貴族であれば、社交の一環として、パーマー家に強く推薦したい人物の紹介状を書く事は有り得る事ですから。
ここは、“言葉巧みに押し切れるか”にかかってくるかも知れませんね。

■ウーサー To:ウリディケ
ほうほう……成る程なぁ?

■アール To:ウリディケ>ALL
なら、間を取って「署名主からファラハの教育の依頼があった」でいいだろう。
受け取った時に確認すれば済むだろうが、そもそもパーマーとしても懇意でない相手の紹介は受けまい。
ラルフ、パーマーともに知っている相手として、社交の一環であれば教育云々の話を断る道理もないだろうし。
ま、跳ねのけられても、ごねれば1日2日は屋敷に置いておいてくれるさ。
その場合、ファラハさんに会えるかはわからなくなるけどね。

■ジン To:アール、ALL
あまり凝った設定だと、人間関係の整合性をとるのが大変かもな。
何にせよ、屋敷に入れてくれさえすればいいが・・・
例えファラハに会わせてもらえなくても、屋敷内情を探ることができるなら、それはそれで意義はある。
後から仲間の侵入の手引きをしたりもできるだろうし。

■アール To:ジン

そうそう忘れてた、レオノフだけど水棲生物の鑑賞が趣味らしいよ。
そう言われて珍しい鑑賞魚とかじゃなく、魔物を…と考えるのは安直すぎるかな?

■ジン To:アール、ALL
へえ。じゃあ地下の改築は巨大な水槽でも作ったのかな。
そんだけ大きければ、魔物だって飼えるかもしれんよ。

■アリス To:アール&ジン
観賞魚じゃなくって水棲生物、ってあたり、結構そうだったりしてね〜?

ここまで話した所で、ドアをノックする音が聞こえた。
ドアを開けて入ってきたのは、執事のエドモントだった。
■エドモント To:アール
アール様、何でも「ヴェドラー商会の使い」と名乗る者が来ておりますが、如何なさいましょうか?

■ウリディケ To:ALL
ヴェドラー商会…………! まだ何時間も経ってないのに、流石ですね。

■アール To:エドモント
その方をここまで通してもらっていいですか?
あと、ラルフさんに手配していただける紹介状なんですが、いつ頃になるでしょうか。

■エドモント To:アール
畏まりました。
主が言うには、今夜中には何とか手配できるとの事です。
申し訳ありませんが、暫くお待ちください。
それでは。

部屋を出て行ったエドモントは暫くして一人の商人風の男を連れてきた。
■エドモント To:アール
お連れしました。
では何かありましたらお呼びください。

エドモントは部屋を出て行った。
それを見計らって男が話し出した。
■使いの男 To:アール
あんたがアールさんかい?
旦那からの伝言があるから伝えるよ。
明日の午後からうちの商会の用事で数人パーマー邸に入られる事になったから、どうするかは考えろと。
便乗するなら、午前の内に商会まで来る様にとの事だ。なおお代は後程、だと。
後、この仕事が終わったら一度商会に顔を出す様に、らしい。

■アール To:使いの男
ごくろうさん。
仕事の流れは了解した。2,3人やっかいになるつもりだと伝えておいてくれ。
あと、あんたに質問だが、仕事の後の面通しには手土産がいると思うかい?

使いの男と言葉を交わしながら、ジンの方に目をやる。
ジンはかつてヴェドラー商会の仕事をしたことがあったはず。
「見たことがあるか?」というつもりで視線を送ってみるが…。
しかし、ジンには見覚えのない人物だった。
■使いの男 To:アール
さあ、それはあんたの”誠意”次第じゃないかな。
それじゃあ、伝える事は伝えたので俺は帰るわ。
上手くやれよ。

使いの男は、ひょいと頭を下げて部屋を出て行った。
■ジン To:ALL
じゃあ、俺はヴェドラー商会の用事とやらを利用させてもらおうかな。
俺は手荷物が多いからな。荷の搬入物に紛れ込ませれば持ち込めるかもしれんし。

■アリス To:ALL
それなら、ボクは紹介状で入る方かな〜?
使用人扱いだったら、メイド服とか準備しないとね〜♪

■ウーサー To:ALL
オレ様も、紹介状で入るクチだな。じゃあアリスのメイド服のついでに、オレ様の服も用意してもらうか?

■アール To:ALL
言いだしっぺの俺は、当然ヴェドラーの段取りで向かおう。
中でうろついても怪しまれないように、メイシアスは紹介状の方がいいか。
あとはウリディケとクロウ…。
身を隠したり、忍んだりという点も考慮すればクロウは紹介状で堂々としてた方がいいだろうね。

■ウリディケ To:アール、ALL
では、私は“ヴェドラー商会”組について行きますわ。

■メイシアス To:ALL
ふみ…ではでは、私は紹介状組で。館内探索に迷子ですね。

■ウーサー To:ALL
さて、と……。
今晩中に、手土産の焼菓子を準備しねぇとな。まあ無難に、パイ辺りで行こうかと思うが……その前にまず、此処の厨房の勝手ってモンを見ておかねぇとな。マカロンでも試し焼きしてみるかね?
銀網亭の厨房が借りられりゃあ、勝手が判ってラクなんだがな。今回はさすがに、そうも言っていられねぇだろうしよ?

そこまで話した所でドアがノックされ、ラルフ子爵が部屋に入ってきた。
■ラルフ To:ALL
紹介状が手に入りました。
フレイザー侯爵家の紹介という事で、若干名雇って貰う様にしたためてあります。
家格が上の家からのお願いであれば、パーマー家も断り辛いでしょう。
私の出来る事はここ迄です。
後は宜しく頼みます。

■ウリディケ To:ラルフ
承知致しました。
迅速な手配、感謝致します。

■アール To:ALL
さて、中に入ってからどうするかも決めないとな。

■ウリディケ To:アール、ALL
そうですね、段取りとか決めないと。

アールさんはどうするつもり?、それを骨子に全体の計画を立てましょう。

■ジン To:アール、ウリディケ、ALL
とりあず今わかっている情報で段取りを決めても、新事実が出た途端に変更を余儀なくされてしまうだろう。
まずは潜入して臨機応変に対処した方がいいんじゃないか?
紹介状組とヴェドラー商会組で相互に意思疎通できるように、合図を決めておこう。
まあ、この辺は双方に本職がいるわけだし、普通に符牒を使ってもいいと思うがね。

■アール To:ウリディケ>ALL
ジンさんの言うとおり潜入してみないことにはね。
しいて言えば、俺たちも使用人の服装を用意して、なるべくめだたないように潜伏しつつ調査ってところでどうだろう。
なにもしない方が見つかったとき困るしね。
あとは救出行動をいつ行うか、合図を取り決めておけばいいだろう。
使用人の部屋も割り当てられるだろうから、あとから作戦を立てることもできるだろうし。

ウリディケは、ジンとアールに向って肯いた。
■アリス To:ALL
じゃ、方針はそれでいいとしてぇ、フレイザー侯爵家について、詳しく知ってる人とかいる〜?
紹介してもらう以上、紹介元のコトがなにも分からない、っていうのはよくないよねっ。

一行は、情報を出し合ったりインスピレーションを唱えたりして、フレイザー侯爵家についての必要な情報を共有した。

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GM:teshima