SW-PBM #164 哀しみのラビリンス |
■ 不気味な槍、不審な菓子 ■ | ||
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【 銀の網亭 〜 個室 】 |
日が暮れるまで情報収集に歩き回ったパーティ一行。
【明日への架け橋亭】には全員で向かったものの、そこではパーティ内でゆっくり話をしているヒマもなかった。
というわけで、銀の網亭に戻ってきてから改めての情報交換会である。
■おやじ To:ALL |
お疲れさん。ずいぶん歩き回ってたみたいだな。 それだけの収穫があったなら結構な事だが。 ……っと、何か注文があるなら聞いておくぞ。 |
男性陣が取った大部屋に集まっていたパーティに、おやじが注文を取りに来る。
昼間の芳しくなかった売り上げを少しでも補填しようという腹積もりらしい。
■クリス To:おやじ |
ではご主人、野菜ジュースとサラダをお願い致します。 ついでにパンも一人前お願い致します。 |
■マリィ To:おやじ |
赤ワインを一杯と、簡単に摘める物を。 |
■ゼファルディート To:おやじ |
じゃ、僕はトロピカルジュースで。 |
■リキュオス To:おやじ |
……ええと。ほな、水を一杯。 |
明日への架け橋亭でも水しか頼んでなかったような……。
懐が厳しいわけでもないだろうに。何かのジンクスとかだろーか?
■おやじ To:ALL |
売り上げを伸ばすために注文を取りに来たのに、飲み物と軽食だけか……。 しかも一人は水ってなぁ。 |
小声でぶつぶつ。
■マリィ To:ALL |
とりあえず学院での成果ですけど、わたしはこれと言って良い成果を得られませんでした。 ジンさんとヘイウッドさんの方は関係する資料を見つけられたと言う事ですので、この後再度お話してくれると思います。 |
■ジン To:マリィ、ALL |
資料といってもそれほど詳細のものじゃないけどな。 迷宮探索に役立つものはあまり無いかもしれん。 |
調査結果を掻い摘んで説明するジン。
そして続きの説明を待つようにヘイウッドを見る。
■ヘイウッド To:ALL |
いやいや、大した収穫は無かったんだけど…… |
と言いかけたところで。
■ベル To:おやじ |
はいはーい、ベルは紅茶をくださいっ。 |
突然おやじの背中から声が掛けられる。
顔を覗かせたのは、ルークス家のメイド、ベルであった。
■ベル To:ALL |
えへへ、こんばんはー。 みなさん調査でお忙しかったみたいですねぇ。お昼ごろにも一度来てみたんですけど、お留守で残念でした。 あ、これ。差し入れです。 |
そう言って、バスケットに山盛りになったクッキーを差し出してくる。
■リキュオス To:ベル |
お、気が利くやんけ〜。 |
■ベル To:ALL |
ベルとアイレンさんの手作りですよ〜。 |
■ヘイウッド To:ベル |
おお、おいしそうだねー。ありがとう!ええと、じゃあアイレンさんのつくったのをもらおうかなー? |
いたずらっぽい笑みを浮かべながらバスケットの上で手をさまよわせる。
■アイレン To:ヘイウッド |
私の作ったものは、くまさんといぬさんとねこさんです。 ベルはそれ以外の、なんだか良く分からないくりーちゃーのようなものを作りました。 |
ベルに続けて、アイレンが顔を覗かせた。
やっぱり二人で一組らしい。
■ベル To:アイレン |
ぶーぶー、アイレンさんひどいですっ。 ちょっと失敗しちゃっただけで、ベルのだって動物さんですよぅ。 |
何の動物かまでは言わない。敢えて。
改めて見てみるが、アイレンの作ったものは、
『何故か真っ赤な色のねこさんクッキー』
『一見普通っぽいが、やけに抹茶色をしているいぬさんクッキー』
『体色をイメージしたのか、やたら真っ黒なくまさんクッキー』
……の3種類。
対するベルの作と思われるものは、
『なんだか良く分からないくりーちゃーな造形』のクッキーを別とすれば、形はともかくまともに見える。
……が、何の動物なのかはどうにも判別できない。
■ヘイウッド To:ベル、アイレン |
ふんふん、くまといぬとねこねー。それじゃ……このくまのをもらおうかな。 |
黒々したクッキーをつまみあげ、口に入れた。
途端に、鼻に突き抜けるツンとした酸味と、舌の上で暴れるピリピリとした辛味のダブルの刺激が襲い来る。
……黒酢と黒胡椒という2つの黒食材がふんだんに使われているらしい。
なまじ良く味わえる出来映えなのが、余計にキツイ。
■アイレン To:ヘイウッド |
今回は、ほんの少しだけ使用する材料に独創性を取り入れてみました。 ……いかがですか? |
■ヘイウッド To:アイレン |
……うん。斬新な味、だねぇ。 まああたらしモノ好きの僕としてはこれはこれでオモシロイけど…… |
およそ食べ物の感想らしからぬ言葉でまとめる。
「けど味見はした方が」と言おうとしたが、他のメンバーに楽しみを残しておくために控えておく。
……が、こっそり2枚目以降はベルのクッキーを手にするのであった。
続けてクリスが手を伸ばす。
取ったのは、ベルの作ったクッキー……の中でも、比較的まともな形に見えるものだ。
■クリス To:ALL |
これはぶたさんでしょうか? 可愛らしく出来ているじゃないですか(笑) |
本人には全く悪気はありません。
でも見た目はぶたさん。
■ベル To:クリス |
ぶたさんじゃないのに〜。 |
■クリス To:ベル |
おっと、失礼しました(笑) ちなみにこのクッキーは何を模写したものでしょうか? |
■ベル To:クリス |
きつねさんのつもりなんですけど〜。 |
少なくとも、狐のほっそりした顔立ちとは似ても似つかないのは確かである。
■クリス To:ベル |
大変失礼な事を申し上げました。 よく見るときつねさんかも知れません…… どうも目が悪いようで…… |
必死にフォローのつもり。らしい。
■ベル To:ALL |
でもでもっ。 見た目はともかく、味はちゃんとしてるはずですよっ! アイレンさんのと違って。 とにかく、食べてみてください。 |
■クリス To:ベル |
もちろん、頂きます。 |
そう言ってクッキーを一口かじったクリスに……衝撃が走る!!
■クリス |
こ・これは!? |
程よい甘みとサクサクの食感。
口の中でしつこく残る事もなく、ふわりと溶けるような感覚だ。
さらに隠し味だろうか、シナモンがちょっぴり効いて大人の香りを演出する。
これならいくらでも食べられそうだ。
……要するに、ごく普通に美味しいクッキーである。
■クリス To:ベル |
これは普通に美味しいじゃないですか。 もっとご自分の腕に自信を持っても宜しいのではないでしょうか? |
■ベル To:クリス |
むぅ〜、ベルだってちゃんとした物を作れるんですよっ。 これでも、いろんなお屋敷で働いてきたんですから。 |
■クリス To:ベル |
色んなお屋敷? |
■ベル To:クリス |
そうですよ。 両手で数えるくらいのお屋敷は渡り歩いてきました。 |
今まで勤めていた屋敷は、何故か雇い主の都合で短期で契約を打ち切られる事が多かったという。
決して、大失敗をやらかして暇を出されたりしたわけではない。ないんだったら。
■クリス To:ベル |
大変なご苦労をなさったんですね〜 |
しみじみ。
■マリィ To:アイレン&ベル |
では、わたしはこれを。 |
と言って、くりーちゃーを掴んで一口食べる。
どうやら味はまともなようだが、舌触りがおかしい。『じゃり、じゃり』という音が口の中で響いているようだ。
音の原因になっている固まりを噛み砕くと、とたんに砂糖の甘みが倍加した。
おそらくは作っている途中で疲れたか眠くなったかして、材料を混ぜるのが甘くなってダマが残ってしまったのだろう。
■マリィ To:ベル |
ベルさん……。 これ、砂糖がダマになって残ってますわよ……。 味は悪くありませんけど……。 |
■ベル To:マリィ |
うややっ、ホントですかっ(汗) ごめんなさいです〜。 |
■リキュオス To:ベル |
ほな、俺も遠慮なく。 |
仲間たちのやりとりを気にするでもなく、バスケットに手をのばすと、そのまま10枚ほど鷲掴みにする。
本当に遠慮の欠片もない。
■ゼファルディート To:ベル |
じゃあ、ぼくも頂こうかな〜。 |
1枚ずつ、サクサクとゆっくり咀嚼し、なぜかうなずきながらほおばる。
■ゼファルディート To:ベル |
それぞれ、個性があっていいんじゃない? やっぱり、人間の作る料理はたのしいよ。 |
■リキュオス To:ゼファルディート |
え、いや楽しいて、あんたね…。 |
■ヘイウッド To:ベル、おやじ |
じゃ、ベルさんも『さくせんかいぎ』参加してくーぅ? あ、クッキーだったら僕も紅茶をもらおうかなー。 っていうか、ポットと茶葉借りれたらベルさんが淹れてくれる? |
■アイレン To:ヘイウッド |
…………(すちゃ) |
こんなこともあろうかと(違)
ヘイウッドに見えるように掲げた両手には、既にお茶セットが用意されていた。
■アイレン To:ヘイウッド |
先日はベルが淹れましたから。 今度は私のお茶を召し上がっていただきたいと思います。 よろしいでしょうか? |
そして対抗心。
■ヘイウッド To:アイレン |
おお、いいねえー。よろしくーぅ! |
■マリィ To:アイレン>ALL |
流石は本職。 それじゃあ、お酒より先にお茶を頂きながら作戦会議と参りましょう。 |
■クリス To:ALL |
私は買出しだけだったので、皆さんが集められた情報を教えて下さい。 |
ヘイウッドは先ほど中断した調査報告を話す。
■マリィ To:クリス&ALL>リキュオス |
とはいえ、わたし達も先程ジンさんとヘイウッドさんが話してくれた事が得られた情報の全てですわ。 リキュオスさんは、何か情報が得られました? |
■リキュオス To:マリィ |
ん、噂好きな奥様たちの想像力のたくましさとかなら。 |
そう言ってウォイル邸周辺での聞き込みの報告をする。
■リキュオス To:ALL |
残念ながら依頼人の弱みは掴めへんかったわ。 |
メイドさんたちの前でなんとも迂闊な発言。
■クリス To:リキュオス |
弱み等後ろ暗いところは一切無い信頼出来る依頼者って事ですね。 |
フォローのつもりだろうか?
■リキュオス To:クリス |
本人が負い目感じとらんから「弱み」にならんっちゅうだけで、女性関係はかなりルーズやて話やで? |
■クリス To:リキュオス |
人それぞれの主観と言うものがありますので…… 女性関係にルーズ、羨ましいじゃないですか! |
女性関係の話しが出たとたん豹変。
■リキュオス To:クリス |
!!Σ( ̄Д ̄;; |
■ヘイウッド To:こころのなか→クリス |
(あ、それはアリなんだ。ていうか「人それぞれの主観」とかって認識あったのかー。奥が深いねえ。) 探索の過程は逐一届くみたいだから、クリスさんがカッコよく邪悪を退治してたらメイドさんたちに惚れられちゃうかもよーぉ? ちなみにベルさんとアイレンさんだったらどっちが好み? |
何か、いじるとオモシロイ気になったようだ。
■クリス To:ヘイウッド |
そう言う事はここでは言えないじゃないですか! 私は神に仕える僕です。 ちなみにアイレンさんです。 |
言えないとか言っておきながら言っちゃった。
■ヘイウッド To:クリス |
おお、さすがファリスの神官…や、聖騎士候補さんは嘘を言わないね! んー、僕はどっちかってーとベルさんかなー。 じゃ、がんばっていこーかー! |
何をだ。
■ベル To:クリス&ヘイウッド |
おお〜。頑張ってくださいね。 |
分かってない。絶対分かってない。
■アイレン To:クリス |
……ちょっとばかり、ストライクゾーンを外れてます。 非常に残念ですが、こればかりは仕方ありません。 |
一方のこちらは他人事のように冷静に分析してたり。
■おやじ To:ALL |
ほい、お待たせ。飲み物とパンにサラダ。 そっちのお嬢ちゃんたちが持ってきた紅茶はお前たちにツケとくからな。 |
おやじに注文したメニューも揃い、ベルたちの持ち込んだクッキーを摘みながら会議は進む。
■マリィ To:ALL |
とりあえず、必要そうな装備は買い揃えた。 有る程度情報も集めた。 後は迷宮内での具体的な行動かしら? |
■クリス To:マリィ |
リーダーなど決めても宜しいのかと? 方針を決めるにせよ、決断を下すにせよ、意見が判れた時、判断する方が必要になるかも知れません。 私はその知識を買ってジンさんをお勧めしますが。 |
■マリィ To:クリス>ジン |
そうですね。 ご指名されたジンさん、ご意見はありますか? |
■ジン To:マリィ、クリス>ALL |
迷宮探索は選択肢が少ないが、判断を誤ると致命的な結果になることも多い。 その選択を決断する役目は責任重大だな。 だが、それでみんなの負担が減るのならその役目、俺が仰せつかるとしよう。 |
■リキュオス To:ジン |
頼りにしてんで。無駄に人生経験積んどるんとちゃうやろ?(笑) |
■ジン To:リキュオス |
人間世界の経験ではリキュオスの方が先輩さ。 エルフの森の生活は経験のうちに入らんよ。 |
■ヘイウッド To:ジン |
うんうん、ぜひよろしくお願いするよー。 で、大まかな方針としては、下層に行けそうな道があったらどんどん降りていく感じでいいのかな? シフさんたちが見たとこには降れる場所は無かったって言うしお宝も回収済みだろうから、調査済みっぽい部屋は無視しちゃっていいかねえ。 そういえば、シフさんの言ってたドアに化けてるモンスターとかってどんな奴かわかる? 見分け方とか対処法とかあるもの?毎回ドアに剣ぶっ刺してみるとか……それだと別のトラップが発動しちゃうかな……。 |
■ジン To:ヘイウッド、ALL |
下層ほと迷宮の目的物に近づく可能性は高いからな、その方針でいいと思う。 シフの話だと、迷宮は魔法で構造が変わるような節がある。 調査済みの部屋に見えても、念の為確認してみた方がいいんじゃないかな。 トラップドアのモンスターについては「その可能性がある」と分かっている以上は、事前に対策は立てられる。 棒や縄で遠くから扉を開けたり、こちらも魔法生物を召喚して、それに開けさせたりな。 |
■マリィ To:ジン&ALL |
概ねその作戦で良いと思います。 ただ、時間制限も有りますし、わたしの精神力も限度がありますので、魔法の類は控え目にした方が良いかと。 サーバントも1時間という制限がありますからね。 |
■リキュオス To:ALL |
つかさ、下層に潜ることだけ考えるなら、魔法かなんかで床に穴開けちまうっちゅうのもひとつの手やで? 時間が限られとるんやし、なにも馬鹿正直に迷宮に挑むこたぁないと思うねんけど? |
■ゼファルディート To:リキュオス、ALL |
古代魔法王国の遺跡なんだから、魔法に対する耐性も高いとは思うケド、やるだけやってみるのはありかもね。 |
■マリィ To:ゼファルディート&リキュオス、ALL |
四大制圧(サプレス・エレメンタル)が掛けられている場合もありそうですが……その時はその時ですね。 でも、まずは正攻法で行くのが良いのではありませんかね? |
■ジン To:ALL>ゼファルディート |
穴を開けようと思っても、地の精霊が居なければ術そのものが掛けられない。 もし穴をあけようと考えてるんなら、地の精霊をあらかじめ召喚して封じて持ち込むことになるぜ。 そうなると、持ち込む精霊の選択肢が限定されることになる。 この術を使えるのはゼファだけだ。最終的な判断はゼファに任せるよ。 ちなみに俺は風の精霊をこの指輪に封じてるぜ。 |
■ゼファルディート To:ジン、ALL |
だね。 使役する精霊がかぶってももったいないから、今回、僕はノームを使役することにするよ。 |
■リキュオス To:ジン |
もっとこう、強力な古代語魔法でもぶつけてぶっ壊すとかは無理なん?(ぇ |
■ジン To:リキュオス |
板作り木造迷宮なら壊せないこともないだろうが…まあ、まずもって俺の魔力じゃあ無理だな。 |
■アイレン To:リキュオス |
確かルークス様が、あまり無茶をされては困ると釘を刺していたはずですが……。 |
放っとくと暴走しそうなので再確認。
■リキュオス To:アイレン |
そうやっけ? 全然覚えてへん。 |
思いっきり素。
■クリス To:ALL |
最初の目標は開ける事の出来なかった魔法の掛かった扉ですかね? |
■マリィ To:クリス&ALL |
そうですね。 そこまでは探査済みという事ですし、見落としが無いか見て行く位で良いのでは無いでしょうか。 |
■ジン To:クリス、ALL |
探査済みかどうかに意味があるのなら、依頼主は探索時の地図をくれるはずだからな。 前回と迷宮の構造が違っている可能性は非常に高い。 あまり前回の探索の結果をあてにしない方がいいかもしれんよ。 |
■リキュオス To:ジン |
さらっととんでもないこと言うたな、今。 |
■クリス To:ジン |
入ってから行き当たりばったりと言うはめになりそうですね。 |
■ジン To:クリス>リキュオス、ALL |
実際、そんなところだろうな。 構造が変わるにしても、それほど急激なものではないだろう。 シフ達は脱出できたのだから、俺達にもそれができるはずだ。 常に退路をキープしておくことを心掛けねばな。 |
■クリス To:ジン |
それと買出しでこんな代物を手に入れました。 宜しければ鑑定して頂けないでしょうか? |
■ジン To:クリス |
ふむ。珍しい業物だな。見てみよう。 |
■ベル To:クリス |
おお〜。なんだかスゴイです。 真っ赤っかで、カッコ良いです。 |
■アイレン To:ベル |
なんて禍々しい……。 ベル、あれは呪いのアイテムかもしれないから、近づいちゃダメよ。 |
いらん事を吹き込んだ。
■クリス To:アイレン |
何ですって!? これは信用の置ける武器商人から買った魔法の武器を呪われているとは!?!? あなたは鑑定眼をお持ちなんでしょうか?? |
やたらとオーバーなリアクションだ。
■アイレン To:クリス |
すみません、武器には詳しくないもので。 つい感じたままを素直に言ってしまいました。 |
■リキュオス To:クリス |
呪われとるかどうかはともかく、まともじゃないのは一目瞭然やろ。 気づけよ。 |
■クリス To:リキュオス |
これは由緒あるかの有名な「串刺し公」の槍ですよ!? |
■リキュオス To:クリス |
いや持ち主の二つ名からして、まともじゃないやろそれはっ!! |
何はともあれ、ジンが鑑定を試みる。
……オマケで微妙な効果がついているのは間違いないが、幸い(?)呪いのアイテムではなかったようだ。
■ジン To:クリス、ALL |
これは「血塗られた」チェーホフの『ブラッディ・ピアス』だな。 普通に使う分には、鋭さを増した槍にしか過ぎない。 だが、自ら血で契約を行なうことで、更に破壊力を増すの能力があるんだ。 気をつけなきゃならんのは、精神の弱い者がこの契約を行なうと、槍に精神を乗っ取られてしまうことがある。 そうなると、敵ではなく味方を刺し貫くことになるかもな。 |
■リキュオス To:クリス |
そもそも、そのいかにも邪悪そうな装備は、至高神の神官としてアリなんか。 |
■ヘイウッド To:リキュオス、クリス |
ネーミングからしてさわやかさは無いよね……。 |
■クリス To:ヘイウッド&ALL |
ネーミングからして誇り高さが垣間見えるじゃないですか!? でも「串刺し公」って知ってます?誰か?? |
■ヘイウッド To:クリス |
そのチェーホフのことだねえー。魔法王国時代に、蛮族を多く刺し貫いた領主だったかな? |
『自らの快楽のために捕らえて動けない蛮族を』という記述を読んだ気がするが、あえて濁しておいた。
■クリス To:リキュオス |
我がファリス神は人を外見だけで判断する主では御座いません。 私の心・信仰を全て理解の上、私に御声を聞かせてくれますから。 |
内心不安なところは一切見せず強気な発言。
■リキュオス To:クリス |
神さんは気にせえへんかもしれんけど、少なくとも俺はそんな物騒な神官の世話にゃなりとうない(笑) |
■マリィ To:クリス |
まあまあ。 道具に善悪はありませんから、クリスさんが確りしていれば問題無いのではありませんか? それこそ、クリスさんの信仰が試されていると思えば。 |
■ヘイウッド To:マリィ、クリス |
だねぇ。そもそも、重さ的にクリスさんくらいの力がないと振り回せなそうだしねー。 |
■アイレン To:クリス |
槍に魅入られてラの字が余計に付いた宗派に改宗されない事を祈っております。 |
■ゼファルディート To:ALL |
そそ、クリスさんが、その武器のこれからおっかない過去を浄化していけばいいんだよ。 「若さとは振り向かないコト」ってどっかの勇者さんが言ってたらしいしね♪ |
■クリス To:ALL |
では槍の威力に酔いしれず、正義に向かって突き進めば良いと言う事ですね!? かしこまりました。皆さんのご要望とあれば私もやぶさかでは御座いませんので。 |
■ジン To:クリス、ALL |
……まあ、なんだ。その槍の能力を使わねばならん状況にならないよう、みんなで協力しような。 |
■マリィ To:クリス&ALL |
そ……そうですわね。 皆で協力すればきっと大丈夫ですよ! |
■クリス To:ALL |
槍の力は所詮手助け程度です。 私の信仰の力で邪悪を滅しますのでご安心を。 |
慢心の精霊が取り付いたか?
■リキュオス To:クリス |
ま、いざっちゅう時は遠慮なく俺が引導くれてやるから心配いらんがな(ぇ |
■クリス To:リキュオス |
では心配せずに安心しきりますね(笑) |
■リキュオス To:クリス |
!!Σ( ̄Д ̄;; |
ほんまに意味わかっとるんやろかコイツ。
■アイレン To:ALL |
みなさま、頑張ってください。 では、私たちはそろそろお暇いたします。 明日に備えてゆっくりとお休みください。 |
■クリス To:アイレン |
こちらこそ、遅くまでご協力感謝致します。 ゆっくりお休み下さいませ。 |
■リキュオス To:アイレン、ベル |
差し入れありがとな。おやすみー。 |
■ヘイウッド To:アイレン、ベル |
おっやすみぃー。 |
■アイレン To:ALL |
せっかく作ってお届けしたのですから、全部食べてくださいね?(にっこり) |
ちなみに誰一人として手を付けようとしなかった「真っ赤なねこさんクッキー」は赤唐辛子をたっぷりと。
そして「抹茶色のいぬさんクッキー」はそのままズバリ、苦〜い抹茶の粉を練りこんであったり。
……果たして残さず全部ちゃんと食べたのか。
それは、当事者である冒険者たちのみぞ知る事である。
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GM:倉沢真琴