夕闇の不知火亭
「白波通り」で仲間たちと別れたシグナス。
「海鳥と潮騒亭」よりもさらに南、より港に近い通りに「不知火亭」はあった。
ドアを開けると、ぎぎいいっと年季の入った音がする。
■おかみさん To:シグナス
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いらっしゃい〜!
すまないね、ただいま満席で!
相席でも構わなければご案内できるけど!?
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「ふくよか」と形容すべき体型のおかみさんが、忙しくエールを運びながら出迎えてくれた。
店内は旅商人、船乗り、家族連れ、老夫婦、女の子だけのグループ……などで大変な賑わいを見せていた。ひとりで入ってきたシグナスが浮くくらいに。
■女の子たちのグループα To:女の子β
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ねぇねぇ、あの人ひとりなのかな? この店にひとりって珍しくない?
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■女の子たちのグループβ To:女の子α
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バッカ、彼女と待ち合わせに決まってんじゃん〜。
それか、この宿の宿泊客だよ。
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■女の子α To:女の子β
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そっか、そうよね……でもさ、ちょっと格好良くない?
なんか神官っぽい服着てて、誠実そうだし。
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■女の子β To:女の子α
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え〜? 女に流されやすそうじゃん。
それにさ、誰にでも優しい男なんて最悪だよ〜?
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■女の子α To:女の子β
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なによ〜。男にも女にも優しいのが一番じゃない〜。
そりゃ、その中で自分が一番じゃなきゃ、嫌だけど……。
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なぜか恋愛話のネタにされている視線が背中に突き刺さってきた。
■シグナス
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…………(内心:いてぇ!心が超いてぇ!?と言うか何なんなの?そー言う店なのここ!?)
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女の子達の会話に気付かないふりをしつつ、営業スマイルの会釈で遣り過すシグナス。
■女の子β To:女の子α
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……(ひそひそ)何今の!? なんかさ、慣れてるって感じだよね〜。
やらし〜。
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■女の子α To:女の子β
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……(ひそひそ)え、そんなことないよぉ……れ、礼儀正しくて素敵じゃん(///
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■女の子β To:女の子α
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も〜っ、あんたみたいなのが騙されるんだよ!!?(机ばんばん)
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がぜん盛り上がりをみせる女の子たちのテーブル。
■シグナス
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(内心:……聞えてスルーできてる辺り否定デキネー!?)
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様々な葛藤を抱きつつ2階へ向かうと、一番奥の部屋からドア越しに漏れ聞こえる声。
弱々しく、かすれたような、そして液体を口に含んだような男性の声が聞こえてきた。
■男性の声 To:???
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……うっ……げほっ、げほっ。
ダメだよ、これ以上は……。
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■シグナス To:扉越し
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(こんこん、とドアをノックして)
こんちわ、こちらさんヤツメちゃんのお仲間さんの部屋で合ってるかい?
同居人の見舞いと診察の約束してたんだが。
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ばんっ! といきなりドアが外側に開いた。
■ヤツメ To:シグナス
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ぅわーーお!! フリごろ太!!!ヽ(゜∀゜*)ノ.:*・゜♪
昼ぶりなのでぃーっす!!
ほいほい、ヤツメさんの部屋で合ってるでぃすよー(^∀^)ノ♪
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ドアを蹴り開けたポーズのままシグナスを出迎えるヤツメ。
右手にはりんご、左手にはおろし金が握られていた。
■シグナス To:ヤツメ
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ど、ドライアードと良いお前と良い……いや、もう良いや色々と。
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■ヤツメ To:シグナス
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「どりゃいあーす」って何でぃすかー? 母なる大地的なナニカ?(゜∀゜)
まぁいいからとっとと中に入るのでぃす!!
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■シグナス To:ヤツメ
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あながち間違ってねえのが侮れねえ!?
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■金髪の男性 To:ヤツメ
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ん、だれ、だい……げほっ、げほげほっ。
ううう。
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部屋の中には、ベッドに上半身だけ起こして座っている金髪の男性。
顔色は悪く無いが、苦しそうに身を屈め、むせっている。
膝の上にはすりおろしたリンゴが山のように盛られた皿。
そして、部屋中のそこかしこにリンゴが転がっていた。
■シグナス To:男性、ヤツメ
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それじゃ、お邪魔しま……これは新手の拷問現場か?
っと、初めまして。俺はシグナス。オランの冒険者で、ヤツメとはリンゴ取る時に知り合ってね。
一応神官なんで、病人診るくらいはね。良ければ診察してみるが、どうだい?
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■ヤツメ To:シグナス
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フリタロウの本名は、シグナスと言ったでぃすかーーーΣΣ (゜Д゜;)ーーー!!!
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初めて知った。
■シグナス To:ヤツメ
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ああ悪い、何と無く黙ってた。ノリで。
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■銀髪の男性(ロシュ) To:ヤツメ>シグナス
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けほけほっ、……ちょっと静かにしててくれるかな、ヤツメ……。
病み上がりの頭に響くよ……。
あ、僕は……ロシュといいます。オランからこの町に来た冒険者で、剣とか、精霊との会話とかいろいろできますが、一応歌と演奏が本業……のつもりです。
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■ヤツメ To:シグナス
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うたうたいのくせに喉が弱っちいー、こんじょーなしなのですぅ〜〜。(゜∀゜)
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■ロシュ To:ヤツメ>シグナス
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ヤツメがあらゆる精霊の乱れに強すぎるんだよ……。
あ、それで……たぶん、ただの風邪だとは思うんですが……。
もし、看ていただけるならお願いします。明日、武道会に出ないといけないので、特効薬だけでも。
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■ヤツメ To:ロシュ
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それ、「だけ」ってよーきゅーじゃないのでぃす。
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■シグナス To:ロシュ
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それは難儀だね、俺はもっぱらリュートだから……いや魔法使いだから喉も結構大事だけど。
精霊力はともあれ……あー……うん、確かに、ただの風邪っぽいなこりゃ。
悪いが風邪に特効薬は無いし、病気直せる精霊使いは今居ないし、大事取って休んどけ。風邪は無理に治すと長引いちまうからな。
リンゴ漬けも限度はあるがなあ……蜂蜜でも混ぜてジュースにすりゃ喉には良いしな。
武道大会は諦めろ、本調子にならんと先ず勝てる相手じゃねえ。アホみたいな地獄コンビが結成されてるし。
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■ヤツメ To:シグナス
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それってリュナリュナとウサ子のことでぃすかー?(゜∀゜*)
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■ロシュ To:シグナス>ヤツメ
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いやぁ、僕たちもあの不器用なリュナにそういう話が出るなんて思ってなくて。
仲間としても喜ばしい限りなんです。
だから、ぜひ実力を間近で見てみたいっていう気持ちはあるんですよ。
ねぇ、ヤツメ。
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顔を見合わせ、にこにこと。
■ヤツメ To:シグナス
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こ・の!! ヤツメさんに負けるよーなへにょへにょ軟弱モノだったら、おしりぺんぺんのポーズで笑ってやるのですぅ〜〜。ヽ(゜∀゜)ノ
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■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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そっか、リュナはお前さんらの仲間だったのか。妙な縁だねそいつは。
それじゃあ尚の事、じっくり休んで結果を待ってやりな。無理させちまっちゃ逆に悪い気がしちまうぜ。
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■ヤツメ To:シグナス
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なーにを草葉の陰からこっそり見守る的な軟弱な事を言ってるでぃすかー。
全力でぶつかりあうのが真のゆーじょーー!!
ヤツメさんの辞書に「ふせんはい」とゆー文字はないのでぃす!!!ヽ(゜∀゜)ノ+☆
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楽しみにしているらしい。
■ロシュ To:シグナス
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まぁ、せっかくのお祭りですし、歌のネタにもなりそうだから……お互い楽しむつもりでやりますよ〜。
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にこにこ、にこにこ。
■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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……やれやれ。そこまで言うなら止めはしないがね、まあセコンドには付くよ。
怪我くらいは直ぐに治さんと酷い事になりかねんし。
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■ヤツメ To:シグナス
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にゃーーに、寸止めとかいう軟弱ルールだからだいじょぶでぃすよー?ヽ(゜∀゜)ノ
でもでも、シグフリィがセコンドなら面白さ倍増っぽいので歓迎するのでぃす!!
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■シグナス To:ヤツメ
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寧ろお前がルール無用にならんかの方が心配だけどな。
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■ヤツメ To:シグナス
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にゃっはっはー、るーるってナンでぃすかー?ヽ(゜∀゜)ノ
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■ロシュ To:ヤツメ
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ええと、僕がちゃんと見張ってますんで……違反したら即失格ですし。
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ヤツメの頭を押さえつけながら。
■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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ところでオランから来てたんだよな?同じオランからこっちに来てるか通り過ぎた様なの知らないか?
特に、海沿いとか海の生物に興味在りそうなの。実は図書館の本が借りパクされててな、仕事ついでに探してるんだが……
(何故か躊躇無くヤツメを見る俺)
……素直に返せば怒ったりしないぞ?多分。
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■ヤツメ To:シグナス
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・・・・・・・・・ΣΣ (゜Д゜;)・・・
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■ロシュ To:シグナス
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借り……パク?
ええと……それはこの本の事ですか? ひょっとして。
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ロシュはベッドのそばにあった3冊の本をシグナスに差し出した。
タイトルはそれぞれ、
『わくわく☆うみのかいじゅうずかん オラン〜エレミア編』
『我が海路 〜波間と戯れた30日間〜』
『トビウオたちはマダコの夢を見るか?』
と書かれていた。
ついでにオラン蔵書印までついている。
■ロシュ To:シグナス
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それは、オランの図書館から譲り受けたものなんですが……
詳しい事情はよく知らないんですけど、どうやら悪事に利用されていたようなので、次にオランに行く機会にでも返しに行こうかと思っていたところなんです。
……えーと……盗まれた事になってるんですか?
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■ヤツメ To:シグナス
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ししし、シンガイですよネーーーッ、シグりんのカンチガイじゃないんでぃすかーッ? ヽ((゜∀゜;))ノ
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ヤツメはリンゴ4つを空中にほおりなげ、ジャグリングを始めた。
■シグナス To:ロシュ
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ああ、何と言うかこう、ものの見事に本当に出てくるとは俺も思ってなかったんだが……。
盗まれたっつーか行方不明扱いで、少なくとも記録上不備はあったんだろうから、司書さんから直接頼まれたんだよ。
それじゃあとりあえず、どっかのグラスランナーが持ってってたって事で俺の方から返しとくよ。
悪気だけは無かったと思うし、多分。もしかしたら、そうだと良いな、と思わなくも無いけれど。
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■ヤツメ To:シグナス
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ぐらすらんなーと言うのはマズいのでぃすーーー!?Σ (゜Д゜;)
せめて小柄で可憐なびしょーじょ、とかにならないでぃすかー?ヽ(゜∀゜;;;)ノ
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■ロシュ To:ヤツメ>シグナス
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ヤツメ、なんだか汗だくだよ? どうしたんだい……?
まぁ、いいか。僕たちが譲り受けた記録が、抜け落ちてたってことなのかな?
それじゃ、申し訳ないけれど返却、お願いします。
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ロシュは3冊をシグナスに渡した。
本はだいぶ使い込まれたあとがある。ところどころに木炭や絵の具がこびりついていた。
■シグナス To:ロシュ>ヤツメ
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OK、まあ戻って来たなら問題無いだろう、けど……。
ヤツメ、言いたい事があったら全部正直に話しても良いぞ。別に俺は怒る気はそんなに無いし。
お前が面倒事まで一緒に持ってってたならまあ、助けてやらんでもない。
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■ヤツメ To:シグナス
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あぅあぅあぅ、シグフリィはやっさしーのですぅーーーーー。・゜・(ノД`)・゜・。
ボクだってー、最初はちゃーんと借りるか、ステッキィなマジックアイテムと交換こして、譲ってもらうかしよーとしてたんでぃすよー?
それなのにあのメタボおやじッ(゜Д゜#)!!
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■ロシュ To:ヤツメ
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……そ、そう言う言葉を使っちゃいけないよ、ヤツメ。
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■ヤツメ To:ロシュ
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「グラスランナーが図書館に何の用かね?」とかー。
「草花や昆虫と友だちの君たちが、何の本を読もうというのかね?」とかとかー。
司書のくせに可憐なびしょーじょに対する暴言の数々!!!
ムカついたからとっとと……!!
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■ロシュ To:ヤツメ
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まさか……手続き無しで持ってきちゃった……のかい?
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■ヤツメ To:ロシュ&シグナス
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・・・・・・・・・・*:ヽ(゜∀゜*)ノ:*・゜・・・
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底抜けの笑顔。
■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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……ま、そんなこったろうとは思ってたけどな。教育的調教はお仲間に任せるとして。
なんでまた、こんなラインナップの本に興味持ったんだ?
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■ロシュ To:シグナス
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あ、それは……僕が半年……いやもっと前かな、この町に来て流しをやっていたときに、ある少女に頼まれたからです。
レヴィーヤって言う、不思議な髪の色をした女の子なんですけど。
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■ヤツメ To:シグナス
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海洋生物もりだくさんの絵が載ってる本がほしーと言ったらしいでぃすよー?
ついでに、でーっかい波のオバケが載ってる本もー。
探すのにくろーしたんでぃすからーヽ(゜∀゜)ノえへん!
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■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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……あー、なーるーほーどーねー……そーっかー……リュナと行動範囲被ったのも偶然だけって訳じゃないのかぁ……。
うん、苦労ね。したよ。とーーーーーーってもね。危うくその波のお化け出かねなかったモンね!!
……とは言え誰が悪いって訳でも無いのが始末に悪いな。この恨みは誰かからかい尽くして晴らしとくか。
リュナも現場に居たけど、そのレヴィーヤのこう、魂的な身内?見たいな暗黒神官っぽいのがひゃっほーい。ってやってたんよ……。
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■ヤツメ To:シグナス
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・・・・ヽ(゜∀゜)ノ?・・・
妙にテンションたかそーな暗黒メンなのでぃす〜。
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■ロシュ To:シグナス
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ええと……昼間会ったときのリュナの説明では、レヴィーヤはどうやらたぶらかされて、魔物を現実化する絵を描かされていたらしい、 ってことだったんですが……じゃあ、本を取り戻したことで、間に合ったのかな。
暗黒神官とは、穏やかじゃないですね……それで、リュナは無事なんでしょうか?
レヴィーヤは……?
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■シグナス To:ロシュ、シグナス
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基本的にその通りで良いんじゃないか。なんか、別れた嫁さん呼んだら津波も来るけどまあ良いじゃん?なノリだったけど。
ご安心を、レヴィーヤは無事だよ。けどまあ、絵の魔物がまだ残ってるっぽいから後始末はあるかな。
大会中なんかあったら、こっちも動くだろうし。その時は手伝ってくれ。
ああそうだ、リュナはパートナーの事なんか言ってたか?こう、面白げな方向で。
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■ロシュ To:シグナス
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リュナは無口なので、特には……。
いきなり、うさぎと言う名のウーサーを知ってるのか? みたいに聞かれたんですけど、僕は知らないですし……。
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■ヤツメ To:シグナス
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でもでもー、ぜーんぶカオに出てたですよぅ〜♪
ちょーっとからかっただけで、耳たぶまで真っかっかだったのでぃす!!ヽ(>∀<*)ノ
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自らのやや尖った両耳をつまみながら、楽しげに小躍り。
■ロシュ To:ヤツメ
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いやぁ、どんなひとなのか楽しみだよね。
うさぎっていうニックネームからして、かわいい感じの少年だったりするのかな?
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■ヤツメ To:ロシュ
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にゃっはっはー。ロシュは相変わらず想像力にトボシーでぃすねー。
リュナリュナのコトでぃすからー、妙ちくりんな趣味の持ち主に決まってるじゃあないでぃすか!!!
うさぎコスチュームが趣味なちょっとS寄りのムキムキマッチョメン!!
これでぃすよーーー!!!ヽ(゜∀゜)ノ
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■ロシュ To:ヤツメ>シグナス
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す……すごいね。僕には想像つかないよ、そんな人……。
ん? ていうか、もしかしてシグナスさんのお仲間だったりしますか?
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■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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ほっほーう、そりゃあ楽しい関係になりそうだあね。うん、実に祝福し甲斐があるだろう、神官的に考えて。
ウーサーってのは仕事仲間でね、ま外見イメージはヤツメの方が近いんだが……。
アレで趣味が御菓子作りだからな、どっちかっつーとM側かも知れん。いや全く知らんけど。
良い奴なんだがガタイと悪ぶってる所もあるせいで、中々理解が得られない奴でさ。俺も少し心配して居たんだよ。
……ちなみに戦士としちゃ、腕は今でも結構なモンだけど、ガタイも考えたらまだまだ伸びるだろうなあ。
戦うなら精神的に抉り穿ち抜いて二度と立ち直れん位心の闇に叩き落して鉄の蓋のせて土砂で埋めれば良いよ。
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■ヤツメ To:シグナス
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ほっほーーぅ。つまり完膚なきまでにメンタル☆あたっくDEめったくそにして 良いと!!(゜∀゜)=3
どMならそれもある意味シアワセのきょーちなのかもですぅ〜〜♪
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■シグナス To:ヤツメ
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おう、ある事無い事無い事無い事言ってやれい。逆切れして殴られても知らんが。
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■ロシュ To:ヤツメ
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ほ、ほどほどにしときなよ……僕らはリュナとお相手を見学…いやいや応援するために行くんだからね……?
あ、そういえば。
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ロシュはふと思い出したかのように、ベッドのサイドボードから四角形の包みを取り出した。大きさは30センチ四方程度。
■ロシュ To:シグナス
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これ、ヤツメがリュナから預かってたものなんですが、もしこの後リュナか相方さんに会うようなら、持って行ってもらえませんか?
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■ヤツメ To:シグナス
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「大事に持っとけ。夜まで戻らなかったらうさぎの宿まで届けろ」
っていっぽーてきに言われたのでぃす〜〜。
なんか真っ黒なひととこしょこしょしながらー。
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■ロシュ To:シグナス
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どうも不死の精霊宿してるみたいなんですが、姿は表してこないんですよね……。
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ロシュが包みを出した瞬間、確かにまごうことなき不死の精霊をシグナスも感じた。
だが、それだけ。その存在の姿らしきものは、部屋中どこを見回しても見当たらなかった。
■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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コイツは……確かに不死の精霊のにおいはする……調べてみたいんだが開けるな、とか言われてるのか?
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■ヤツメ To:シグナス
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「開けて乗っ取られても知らないから」
とは言われているですぅ〜〜。
シグフリィ、開けるでぃすかー? かー? ヽ(゜∀゜)ノわっくわく
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200%好奇心のまなざし。
■シグナス To:ヤツメ
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OK置いとこう。と言うかお前なら確実に抵抗できる気がする。
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■ヤツメ To:シグナス
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にゃははー♪ シグフリィはイクジナシィなのでぃす〜〜ヽ(゜∀゜)ノ☆
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■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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リュナはここに戻ってくると思う、んだがー……ウーサーもこっちの宿に戻ると思うんだーがー……。
万一、或いは、恐らくは可能性としては無いと言い切れないくらいで……二人が別の宿を取る可能性は如何だろうか。
俺としてはある方がとても好ましいとは思うものの。寧ろ、なれ。
とりあえず、預かってはおくよ。病人の部屋に置いとくモンじゃねえし。
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■ヤツメ To:シグナス
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うわーぉ!?
まさかのワンナイト☆ラブってやつでぃすかーーヽ(≧∀≦*)ノーー!?
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■ロシュ To:ヤツメ>シグナス
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いや、むしろそれじゃあ困るっていうか……使い方間違ってるよヤツメ……。
げほげほっ、あ、すいません。じゃあとりあえず、これはお渡ししておきます。
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ロシュは何やら赤くなりながら、シグナスに包みを手渡した。
■シグナス To:ロシュ、ヤツメ
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ま、俺達も仕事終ったらオランに戻るし。そっちも戻って来るならそこで続けてくれりゃ良いさ。
それじゃ俺もそろそろ戻るよ、邪魔したな。今日はゆっくり休んでくれ……ヤツメはなんかもう、魔法で眠らせとこうかと思うけど。
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■ヤツメ To:シグナス
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ふんふーん、ボクはリュナリュナの眠りの雲にだっててーこーしちゃうでぃすよー?
おやすみなのでぃす!!ヽ(≧∀≦)ノ☆
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■ロシュ To:シグナス
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すみません、うちのヤツメがいろいろと失礼な事を。
あ、明日よろしくお願いします。(ぺこり)
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包みを受け取り、部屋を出る事にしたシグナス。
■シグナス
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……下の娘らもう帰っててくれるかなあ……。
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それは普段の行いを見ている神様だけが知っている……。
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