SW-PBMトップへ
Scenario Indexへ
SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

 このシナリオのトップへ ←前のページ   次のページ→ 

涙雨のあとで



  イーンウェン・リンゴ畑/中心部

ゾフィーは、話が終わった様子のウーサーとナギに声をかけた。
冒険者たちとふたりの子どもたちは、再びウズマキの根元に身を寄せる。
■ナギ To:レヴィーヤ
(ドワーフ語)
……レヴィーヤちゃん、大丈夫?

心配そうに顔を覗き込むナギに、レヴィーヤはこくりと頷いた。
■ゾフィー To:ALL>レヴィーヤ
(共通語&ドワーフ語)
さて、皆様。
レヴィーヤさんの希望をかなえつつ、諸問題を解決するにはどうすればいいか考えるといたしましょう。

ちなみにこの娘の希望は
「ひとりだけうれしいのいや……。
みんないっしょのうれしいがいい……。」
だそうですので、宜しくね。

まず、レヴィーヤさんに「おにいちゃんについて」話してもらうことにいたします。

(ドワーフ語)
レヴィーヤ、「おにいちゃん」について、あなたが知っていることを教えてくださいな。
これから何をすることになっているのかということも。

■レヴィーヤ To:ゾフィー&ALL
(ドワーフ語)
うん。
イザナクおにいちゃん、イチョウ林のしたにいる。
わるいまほうつかいにだまされて、カエルにされて、出られないって。
いっぱい床に落書きすれば、いつか出られるって言ったから、レヴィーヤはそうした……。

少しだけ表情が陰るも、泣き出すこと無く先を続けるレヴィーヤ。
■ゾフィー To:レヴィーヤ
落書きをね、それは「まほうのえふで」でやりましたの?
それともふつうの絵の具でしたか。
落書きしたらなにか変わったことはありまして?
たとえば「おにいちゃん」のようすですとか。

■レヴィーヤ To:ゾフィー&ALL
(ドワーフ語)
「まほうのえふで」でやったよ。
おにいちゃん、さいしょカエルだったけど、だんだん人間みたいになった。
レヴィーヤはカエルのほうが、かわいくてすき。

「このくらい」と両手で大きさを示す。人間の頭くらいの大きさだ。
■ゾフィー To:レヴィーヤ
目はどうだったのかしら。
カエルのときとにんげんのときと、やっぱり変わりましたか?

■レヴィーヤ To:ゾフィー
(ドワーフ語)
ううん、おんなじ。
ルビーみたいに、きれいな赤。

■リコリス To:ゾフィー&ALL
フィーさん、落書きは油彩絵の具でされてたよ。
誰かが魔法陣の中に入ったり、物が置かれたりすると、それだけで「魔法陣が乱れた」ことになり、封印が弱まるの。
あの時点で、本来封印されているはずの魔法を悪魔がかけてきたぐらい弱まっていたから、さらに人が出来るすることで乱されて効果は残ってないと思う。
ライさんが踏み込んだ後で、リコやウーさんもライさんを助けるために踏み込んじゃったから。

■ゾフィー To:リコリス
わたくしは魔法にはくわしくございませんから、そのあたりはさっぱりね。
魔法陣に書かれる言葉というものはあくまで呪文そのものなのかしら。
その辺りの文言に、手がかりがあったりはいたしませんかしらね。

■リコリス To:ゾフィー
? ごめんなさい、よくわかんない。
手がかりって封印の呪文の手がかりのこと?
もしそうなら、封印したのはハホハホさんのご先祖だから、ハホハホさんが何か知ってるかもしれないけど。

■レヴィーヤ To:ゾフィー&ALL
(ドワーフ語)
んと……「まほうのえふで」でとうさんかあさんをじょうずに描いたら、えふで、折れて消えちゃった。
おにいちゃん、ん……と……「もう、これで大丈夫」だって。
あとは、ぶどうかいで、うんとかつやくすれば、とうさんかあさん、来てくれるって。
いっしょに出ようって、言ってくれた。

レヴィーヤはまえにゆーしょーしたから、「げすと」なんだって。
最後に、ゆーしょーしたひとと、たたかう。
そのときになったら、おにいちゃん、空から来てくれる。

レヴィーヤはそこまで話すと、夢見るような瞳で空を見上げた。
■ゾフィー To:レヴィーヤ
「おにいちゃん」は空を飛べるますの?
レヴィーヤが描いた「うみのおともだち」で、翼があって大きいものってなにかあるかしら。

■レヴィーヤ To:ゾフィー&ALL
(ドワーフ語)
おにいちゃん、まほうでお空飛べるって言ってた。
おっきいのは……んと……頭が赤いトリさんとか。

■リコリス To:ゾフィー&ALL
飛行の魔法でくるのかなぁ?

■ゾフィー To:リコリス&ALL
魔法の種類に関してはわかりませんけれど、直に見るために現場には現れそうですね。
津波を起こすつもりなら、地面に降りようとはしないでしょうし。
状況にも合致するわ。

■ウーサー To:ゾフィー
……折れて消えた?
なあ姐さん、絵筆が折れたのは何日前くらいなのか……フクロウの卵を見つけた日より前なのか後なのか、聞いてみてくれねぇか?

■ゾフィー To:ウーサー>レヴィーヤ
かまいませんわ、でも、次はちゃんとご自身で話しかけてお上げになってね。
物怖じしない娘のようですから、大丈夫ですわよ、きっと。

(ドワーフ語)
「とうさんかあさん」の絵ができて、絵筆が折れたのは、レヴィーヤがフクロウの卵をみつけた日より前でしたか、後でしたか?
こっちの大きなおにいさんに教えてあげてくださいな。

■レヴィーヤ To:ゾフィー>ウーサー
(ドワーフ語)
うん。
んと、たまごより、前。

首が折れるくらいにぐぐっとウーサーを見上げて言う。
■リコリス To:レヴィーヤ
「まほうのえふで」は誰かにもらったの?

■レヴィーヤ To:リコリス&ALL
(ドワーフ語)
ううん。
ウズマキさまの枝と、シンメさまのしっぽがひつようだって、おにいちゃんが教えてくれたから、レヴィーヤがあつめた。
今日ね、ナギに枝、あげようと思ってた。
あしたゆーしょーしたら、しっぽも。
レヴィーヤは、もうえふでいらないから。

■リコリス To:レヴィーヤ
そっか。シンメさまとお話したの?

■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
ううん、お馬さんだから、ぶるるって言うだけ。
すてきな絵、見ると、うれしくてしっぽ銀色になる。
レヴィーヤのかいたみなとの絵、見せたら、よろこんでた。
あんまりじょうずじゃなかったのに。

そう言うレヴィーヤの表情は、ちょっぴり誇らしげ。
■ナギ To:レヴィーヤ&ALL
(ドワーフ語)
いろんな人とか、船とかいっぱいいる楽しい絵を描いたんだよね。
ぼく、ああいう絵も好き。

■リコリス To:レヴィーヤ
初めて「おにいちゃん」に会ったときのこと、覚えてる?
イチョウ林の下にいく入り口、開いてたの?
真っ暗な中に、一人で入っていって、「おにいちゃん」に会ったの?

■レヴィーヤ To:リコリス&ALL
(ドワーフ語)
入り口のおっきいふた、レヴィーヤがどかした。
レヴィーヤはあのくらい、へっちゃら。
暗くてもレヴィーヤはよく見える。おにいちゃんも、暗いのへいき。

■リコリス To:レヴィーヤ
なんでそこに入っていったのかは覚えてる?
誰かに呼ばれたの?
それとも、そこにやさしいおにいちゃんがいることを誰かに教えてもらったの?

■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
呼んでた、レヴィーヤのこと……。「たすけて」って、かわいそうな声……。

■ウーサー To:ALL
なあ……妙じゃねぇか?
絵筆が折れちまったのは、奴も知っているワケだ。
なのにどうして、ハプルマフルを手に入れようとしたんだ? 誰かが絵筆を完成させて、「蛭子」の力を削ぐのを防ぐためなのか?
一旦戻って、リュナ達やゴルボロッソの話も聞いてみたほうが、いいような気がしてきたんだが……まだ何か、オレ様たちが理解ってない、ウラがありそうな気がしてならねぇ。

■リコリス To:ウーサー&ALL
ん〜、でもそこに悪魔カエルいたら、まだ「おにいちゃん」を信じているっぽいレヴィちゃん連れて行くのは怖い気がするの。
「おにいちゃん」が悪魔だって、今教えちゃってもいい?

■ウーサー To:リコリス、ALL
悪魔ってモノがどんなんか、教えるところから始める必要がありそうだが……詐欺師ってモンがいるってことくらいから、始めたほうがいいんじゃあねえか?
あと、「悪い大人」ってモノもいるってあたりからな? どっちにしろ時間がかかりそうだから、今無理して言わなくてもいいって気もするが……ああ、いや。やっぱりそのへんは、神官に任せるぜ。

■ナギ To:ALL
…………。

■レヴィーヤ To:ナギ

ナギは黙って、レヴィーヤと手を繋いだ。
■リコリス To:レヴィーヤ
昔、とうさんかあさんの子供を殺した悪魔がその後どうなったか、知ってる?
悪魔はね、魔法使いのネホ・ハホ―葉隠れ屋のハホリーナさんのご先祖で、ゴーギッシュさんと同じ時代に生きた人―がね、捕まえて封印―外に出て来れないように閉じ込めたの。
力を弱めるて、魔法が使えないようにカエルの姿にして。
この町のどこかにずっと黒いカエルの姿になって、誰かが自分を出してくれるのを待ってたの。

■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
それが、おにいちゃん?
……おにいちゃん、ねほ・はほにだまされたのか?

■ナギ To:レヴィーヤ
(ドワーフ語)
レヴィーヤちゃん……ぼくね、ハホリーナさんに一度だけ、会ったことあるよ。
いっぱい絵本見せてくれて、やさしかったよ。

■レヴィーヤ To:ナギ
(ドワーフ語)
……おにいちゃんだって、やさしいもん……。
……。

■リコリス To:レヴィーヤ
カエルのおにいちゃんは、レヴィーヤちゃんにはいいおにいちゃんなんだよね?
でもね、お兄ちゃんはレヴィーヤとの大切な約束、破ったよね。
「だれにも言っちゃいけない秘密」リコに教えちゃった。

■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
……。
おにいちゃんは、わるいひとか?
レヴィーヤに、うそ……ついてたのか?

おにいちゃんは……なんで……みんな死んじゃうのがいいの?……

心の奥底でうっすらと理解し始めたことを、か細い声で口に出したとたん、レヴィーヤの目元にふたたび涙がにじんできた。
■ウーサー To:ゾフィー
姐さん……済まねぇがな? 今からちょいと、心にも無い嘘をつくからよ。
お嬢ちゃんが気づきそうになったら、上手く誤魔化してやってくれや。

ウーサーはレヴィーヤの前に屈みこみ、自らを奮い立たせるようにひと呼吸入れてから、静かな口調で話しはじめた。
■ウーサー To:レヴィーヤ
なあ、お嬢ちゃん。イザナク――カエルのおにいちゃんは、『デーモン』っていってな。元々、別な世界――海とも空とも地面の中とも違う、ずっとずっと遠くに住んでるいきものなんだ。
それでな、『デーモン』はその別な世界で、仲良く暮らしてたんだが……。

ずっとずっと昔、お嬢ちゃんの「とうさんかあさん」が生まれるより、もっとずっと昔に生きてた人間の中に、悪い魔法を使うヤツらがいたんだ。
それで、悪い魔法使いは『デーモン』を、こっちの世界に呼び出す魔法を編み出して、呼び寄せた『デーモン』に、自分たちの悪事の片棒を担がせるようになったんだ。
《悪い魔法使いの与えた仕事を果たせば褒美をやるが、それまでは『デーモン』の世界には帰れない》っていう、魔法の契約を結ばせてな。
もう、悪い魔法使いどもは、あらかた退治されちまったんだが……それでも、魔法の契約は、力を失わずに残っちまってるんだ。

■レヴィーヤ To:ウーサー
(ドワーフ語)
でーもん。……わるいまほうつかい……?

涙をためた瞳で、ウーサーの話に聞き入るレヴィーヤ。
■ウーサー To:レヴィーヤ
もちろん『デーモン』にだって、人間といっしょで「良いヤツ」も「悪いヤツ」もいるんだろうがな?
オレ様はイザナクってヤツをよく知らねぇから、イザナクが「良いヤツ」なのか「悪いヤツ」なのかは理解らねぇ。
だから、本当は「良いヤツ」なのかも知れねぇが……ヤツはまだ、悪い魔法使いに与えられた、悪い仕事を果たそうとしてるんだ。本気の本気でな。
イーンウェンを滅茶苦茶にする、ソイツがイザナクが、悪い魔法使いに与えられた仕事なんだよ。
元居たところに帰りたいって思うから、『デーモン』はたとえ自分がやりたくないことだったとしても、悪い魔法使いに出された命令を、必死になって果たそうとするんだ。

だけどな、『デーモン』の魔法の契約は、仕事を果たす以外にもうひとつだけ、解除する方法があるんだ。
『デーモン』を「倒す」こと。要するに、ぶった斬っちまうってコトだ。

■レヴィーヤ To:ウーサー
(ドワーフ語)
ぶったぎる? ……死んじゃう…よ?

■ナギ To:ウーサー
…………。

■ウーサー To:レヴィーヤ
『デーモン』ってなあ、こっちの世界の生き物とは、ちょいと違うカラダの作りをしててな?
倒されちまうと、カラダは溶けて消えちまうんだが、魂は『デーモン』の世界に還っちまうんだ。
たとえ、悪い魔法使いに与えられた仕事の途中であっても、な。
もちろん悪い魔法使いだって、サボれないように「自分で自分を倒す」ようなことはするなって命令も与えてるんだが……それでも、仕事をしようとしてる最中に、誰かに邪魔されちまうことだってある。
なんとか倒されないように、頑張って戦って……それでも倒されちまったら、『デーモン』の魂は元の世界に還って、そっちで新しいカラダも作れる。
遣りたくも無ぇ悪事を途中でほっぽらかしても、友達や家族に逢って、のんびり暮らせるようになるワケだ。

■レヴィーヤ To:ウーサー
(ドワーフ語)
じゃあ……「ぶったぎって」あげたほうがいいのか?
おにいちゃん、いやなおしごとさせられて、かわいそう。
レヴィーヤ、おにいちゃんのことたすけたい。
……でも、ぶったぎったら、いたい? くるしい? ……なみだ、でる?

喰いつくような必死の表情で、まっすぐウーサーを見つめる。
その瞳の澄んだ美しさに、目をそらして誰かに話の続きを振ってしまおうかという衝動が胸を過った。
だがウーサーは、自分ひとりが「うそつき」になれば良いと決めて話をし始めたのを思い出し、レヴィーヤから視線を離すのは止めた。
■ウーサー To:レヴィーヤ
ああ、勿論だ。痛ぇ苦しいなんてモンじゃあ無ぇ。そりゃもう涙どころか、ゲロも小便も出放題だ。魔法の契約だって有るからな、そりゃあもう、死に物狂いで歯向かって来るだろうぜ。
だがよ、だからって、放っておいたほうが良いと思うか?
今だけガマンさせて後でずっと辛くなくなるのと、ガマンさせずにこの先ずっと辛い思いさせるのと、どっちが「おにいちゃん」の為になりそうだい?

■レヴィーヤ To:ウーサー
(ドワーフ語)
……あしたも、そのつぎあしたも、ずっとずっとうれしいのがいい……。
がまんする……レヴィーヤも、おにいちゃんのために、どんなにいたくてもがまんする!

鈴なりのように響いたその声は、まるで自分に言い聞かせているかのようだった。
■ゾフィー To:ALL
「うみのおともだち」を沢山描かせたという点も気になりますの。
彼らは自分達の消滅ということには淡々としておりましたし……。
マィジさんが言っていた「ほんきもほんき」な計画とはなにかしらね。

■リコリス To:ゾフィー&ALL
「海のおともだち」は海の向こうからやってくる、“ヴィルコ”が寂しくならないように作ってるって、悪魔カエルは言ってたよ。

■ウーサー To:ゾフィー、ALL
イマイチ事情が飲み込めねぇが……ヤツが「うみのおともだち」に船を襲わせてたってのは、そりゃあ「狼煙」だったって事なんじゃねえのか?
祭りの前にこの街の近くで海難騒ぎが相次ぎゃあ、余所の人間の耳目も集まる。
そうなりゃあ当然、護衛だ調査だってんで余所者が増えて、祭りの当日に『蛭子』が街を襲うのを目撃するヤツも、被害に遭うヤツも増える――人間と『蛭子』の戦いは、 余所の連中まで巻き込んで、泥沼のグズグズにできるだろ?
それに運が良けりゃあ、ヤツの存在を知っているライチが噂を聞き付けて、封印の様子を見に戻ってくるかもしれねぇだろうしな。

ガリガリと頭を掻きながら、なんとか考えをひねり出してみる。
■ウーサー To:ALL
調べに来ている連中が増えりゃあ増えるほど、ヤツの存在に気付く奴も増えるんだろうが……。
いや、ヤツがゴルボロッソの幽霊が居ることを、知らなかったとしたら如何だ?
当時の真相に確証が持てなけりゃあ、暴れる『蛭子』を倒せばイーンウェンが救えるって ハナシで終幕だ……そのとき「ハプルマフル」が無ければ、「蛭子」なんざぁ容易には 止められねぇ。
それに、街をひとつ滅ばした程の化け物なら、いつかは討伐の対象になるだろうからな。 「蛭子」が真相を知ったとしても、ヤツ自身が姿を眩ましてる間に、人間が「蛭子」を 滅ぼしてくれるだろうよ。
なにからなにまで直接手を下すのが面倒だって性格だとしたら、そういうテに走るんじゃあねえか? ほら、「敵の敵は味方」ってヤツだよ。

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
でも、実際には護衛は人材難、調査は未継続でございましたわ。
そんな不確定な要素のためだけに騒ぎを起こしますかしらね。
ライチさんにしてもそう、来ない可能性もありますし、船に乗っているからには間に合わないことだってある。
いずれにせよ、どうもしっくりきませんのよね。

■リコリス To:ゾフィー&ウーサー&ALL
ん〜、ライチさんは来ないなら来ないでよかったんじゃないかなぁ?
いなければいないで絵筆完成できなくて、虹かけないし。
ただ、それだと悪魔カエルは「剣」を手に入れることが不確実になっちゃうんだけど……。

■ゾフィー To:リコリス&ALL
「剣」が何のために必要だったかによりますわね。
己にに向けられるのを恐れたということならば、来なければ当面は問題ありませんもの。
魔法陣はどうやって破るつもりだったのかという疑問は残りますが。

■リコリス To:ゾフィー&ALL
ん〜、踏み込まなくても、落書きだけで結構とけかかってたから、具体的には解らなかったけど、もう少し落書きしてたら破れた可能性はあるよ。

■リコリス To:レヴィーヤ
「うみのおともだち」いっぱい描いたのは、レヴィーヤちゃんが描きたかったから?
それとも「おにいちゃん」に描いてって言われたの?

■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
……おにいちゃんに……。
「絵のれんしゅうするなら、海のおともだちをかこうね」って。
そうすれば、絵もうまくなるし、とうさんかあさんも……
いっしょのともだちがふえて……
みんなみんないっしょに、レヴィーヤを、迎えに来てくれるって。

■リコリス To:レヴィーヤ
そう。
絵かくとき、海のお友達はどんな子かな? って思って描いたりしたの?

■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
ううん、レヴィーヤはむちゅうになると、頭まっしろ。
かきおわったら、おにいちゃんに渡して……おにいちゃんが、いつも……「とうさんかあさんと仲良くするように、言っておきますね」って。

■ゾフィー To:ALL
調査船や商船の襲撃は、全滅させることが目的ではございませんでしたでしょう。
モンスターたちは納得して襲っておりましたのよね、何と言って動かしていたのだか。
ライチさんそっくりに化けていたダブラブルグも、彼女以外を攻撃しようというそぶりを見せないどころが、最後には自……。

■ナギ To:ゾフィー
……?

一度言葉を切り、リコリスに、続いてナギとレヴィーヤに視線を動かしたゾフィーはわずかな間を置いた後、ゆっくりとした口調で言葉を続けた。
■ゾフィー To:ALL
………。
ラハブルとやらに外見複製能力があるかどうか、どなたかご存知?
ライチさんとは「この事件の解決に必要にならない限り話さない」と約束をしておりましたが……ここまできたら、よろしいでしょう。

実際はダブラブルクだった写し身が語った話ですけれどね。
「悪魔」は子の姿を写し取り、親に言葉巧みに近づいたと……。
これは過去の話、本人も肯定していたわ。

『私は何も知らされず生きてきたけど、ある日墓地で母の亡霊に出会ってね。
すべてを知った私は、「悪魔」を探し出し戦いを挑んだ。
けれど、敵わなくて……
「悪魔」は血まみれの私を死んだと判断したんだろう、あの時と同じように私の姿に成り代わり、去って行ったの……。』

本人が否定したこの話について、
『私が言った「真実の物語」は……これから起こることだよ。』
、黒い姿はそう言って奥歯を咬みましたの。

■リコリス To:ゾフィー&ALL
………それ…って………。
…………。
あの悪魔カエルが使える古代語魔法で、自分の姿を変える魔法 はあるよ。
ラハブルの能力としては……なかったと思う。

■ウーサー To:ゾフィー&ALL
……ああ、ええとアレか?
ライチが悪魔に戦いを挑んで負けて、悪魔が「ライチの姿に」変身して去っていくって いうのが、ヤツの計画だったってことか?
で、「これから起こる」「真実の物語」だってんなら……ラハブルは今、ライチの姿に なってるってこと、なのか!?

だとしたら……ライチが、ヤバいんじゃあねぇか? 同じ姿のヤツが同時に2人居ると 知られちゃあころを見たら、誰だって妙に思いくらいするだろうぜ!?

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
成り替わることそれ自体が目的なら、元の身体はなくすかそれができないなら確実に隠すでしょう。
リコリスさんを生かしておいたのですから、助けを呼ばれるのも計算のうちではないかしら。
みせつけて楽しむタイプの相手のようですし、衝動に駆られての行動が一番危険だと思いますの。
コピーされているのは、リコリスさんの可能性もないとはいえませんし。
ただ単に、ライチさんを墓地に誘い出すためのごたくの一部だったと言うも形も否定はできません。
とりあえず、浅黒い男や蛙の姿に気を取られると足元をすくわれるかもしれないと思ってお話いたしましたわ。

■ウーサー To:ゾフィー、ALL
あ゛〜〜〜っ、まだるっこしいなあオイ!?
畜生、何時んなったら野郎をぶった斬れるんだかなぁ……?

■リコリス To:ゾフィー&ALL
悪魔カエルが誰になりすましているかわからないってことだよね?
見破る方法ってなにかあるかなぁ?

■ゾフィー To:リコリス>ALL
さしあたって出来る手は打っておきましょう。
リコリスさん、ラハブルに会った時はリボンをしておられなかったのよね。
さしつかえなければ、身につけていただけませんか。
ライチさんは……どちらの姿を模すかにもよりますが、黒いダガーを2本持っていたら 確実に偽物よ。
1本しか持っていなかったら、もう1本はどこにあるのか尋ねてみればよろしいかと。

ゾフィーは懐中に手を入れ、黒い短剣を示してみせた。
■リコリス To:ゾフィー
うん、わかった。

リコリスは予備のリボンを取り出し、手馴れた手つきで髪の上部を二つに分けて結った。
そして、さらに2本リボンを取り出すと、レヴィーヤに差し出した。
■リコリス To:レヴィーヤ
レヴィーヤちゃんもつける?

■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
つけてみたい!
どうやるの?

レヴィーヤは不思議そうに目を丸くして、かわいらしく結ばれたリコリスのリボンを見つめた。
■リコリス To:レヴィーヤ
じゃあ、つけてあげるね。
どんな風にしたい?

荷物から手鏡を取り出すとレヴィーヤに手渡す。
そして、レヴィーヤの髪をやさしく掴むと、二つに分けたり、ポニーテールにしたりして、好みを聞いていく。
■レヴィーヤ To:リコリス
(ドワーフ語)
レヴィーヤ、シンメさまのしっぽみたいなのがいい!

■リコリス To:レヴィーヤ
うん、じゃあポニーテールだね。

リコリスはレヴィーヤの髪を後ろで一つに纏めると高めに結い上げる。
そして2本の色違いリボンを重ねて、その髪に結いつけた。
■リコリス To:レヴィーヤ
どう?

嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねるたびに、緑と青のポニーテールが揺れた。
■ゾフィー To:ALL
それ以外のじんぶつだとしたらちょっと問題ですけれども。
記憶まで写し取るわけではないようですし、話してみればわかりそうですわね。
ひととは異質な考え方をする相手なら、ほころびがでるのではないかしら。



 このシナリオのトップへ ←前のページ   次のページ→ 

SW-PBMトップへ
Scenario Indexへ
SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

GM:ともまり