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SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

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お昼の情報交換



  イーンウェン・海鳥と潮騒亭

太陽が顔を出さない雨模様、頼りになるのは体内時計のみ。
そろそろ腹の虫が騒ぎ出した頃、町を回っていた冒険者たちは、情報交換のためにそれぞれ『海鳥と潮騒亭』に戻ってきた。
まずはイェンスが、そしてさほど間を置かずゾフィーとウーサー、シグナスが帰ってくる。
■イェンス To:ALL
おかえりなさい。そちらはどうでしたか?

■ウーサー To:ALL
おう、遅くなった……かな?
それなりに情報、集めてきたぜ!

戻ってきたウーサーは、金属鎧を脱いだ私服姿になっていた。
だが、持っているバックパックの膨らみを見るかぎりでは、脱いだ金属鎧を持ち歩いているわけでもなさそうだ。
そのうえ、服や盾や装備品の一部には赤い液体がこびりついていて、身体からは画材用の油のような匂いも漂ってきている。
■イェンス To:ウーサー
まるで絵具と格闘してきた様ですね(汗)。

■ウーサー To:イェンス
……まあ、当たらずとも遠からず、って所だな。(溜息)

■シグナス To:ALL
ああ、お帰りさん。って、俺も戻った所だけど。
まあ、俺の方も微妙に引っ掛かったモンはあったよ、一応。後お土産。

何故かりんごを15個程持って帰っていたシグナス。
■ゾフィー To:ALL
やれやれ雨模様も、そろそろ新鮮とは言い難くなってまいりましたわ。
皆様、もうお揃いですか?

入口で頭に巻き付けていた布をほどき、水を払って畳み込んでいたゾフィーが、一歩遅れてやってきた。
よく見ると、雨を含んで重たげに揺れる紫色の長衣の右側、膝と腰のあたりに泥染みができている。
まるで濡れた道で転んだかのようだ。
■イェンス To:ゾフィー
こちらもまるで戦闘後の様ですねぇ(^_^;)。。。

■ウーサー To:ゾフィー
姐さんもまた、随分とひでぇなぁ……側溝に嵌りでも、したのかよ?

■ゾフィー To:イェンス、ウーサー&ALL
こんな染みをつけるようなやり方はしない…つもりだったのですけれど。
まったく魔法というものは不安定で頼れや……あら、ごめんあそばせ。

ま、臭いが付かなかった分、そちらの大きなあなたよりマシだったのかもしれないと思い始めたところでございましてよ。

小鼻にわずかな皺をよせつつ、ゾフィーは顔の前を手をはらう仕草をする。
■給仕の女の子 To:帰ってきた方々
お帰りなさ〜い♪ 雨、大変だったんじゃないですか?
あ、そこにタオル用意してありますから、ご自由に使ってくださいね!
さっそくですけど、こちらがランチのメニューです♪

女の子が笑顔でテーブル──タオルがきれいにたたまれて置かれている──へ案内し、さっとランチメニューの描かれた板を置いた。
パスタやグラタン、海鮮丼などのメインと、ドリンクのセット。
お値段は5ガメル(サラダ追加で8ガメル)。
■ウーサー To:給仕の女の子
おっし! じゃあオレ様は、うーん……さっきちょっとだけ、食ってきたばっかりだしなぁ……?
じゃあ軽めに、海鮮丼のセット……と、パスタセットで。
あ、サラダは1セット分だけでいいからよ?

■給仕の女の子 To:ウーサー
うふふっ、お客さん、あいかわらずスッゴいですね……♪

おぼんで口元を隠しながら。
■ウーサー To:給仕の女の子
おおよ、なんたって馬力が違ぇからな!!

■ゾフィー To:給仕の女の子
あら、こちらでもタオルを…皆様気が利きますのね。
この町の方々は雨に慣れていらっしゃるようだわ。
ではわたくしは、パスタ……ちょっと待って、なんの味付けかしら。
イカスミでなければそちらを、サラダ付きでお願いします。
飲み物は紅茶で、運ぶのは食後にしてくださいな。

■給仕の女の子
そうなんですよ〜、ホント雨ばっかりで〜……えと、イカスミ以外でしたら、さっぱりシーフードかあさりトマトソースかホタテバジルソース、です♪

■ゾフィー To:給仕の女の子
黒いどろどろは今日ははちょっとね……。
では、トマトソースにいたしましょうか。

■シグナス To:給仕の女の子
俺はグラタンのセットで、熱めにしといてくれ。
あと、デザートはリンゴ切るからナイフ貸してくれないかな。一個はオマケ、君の分でね。

■給仕の女の子 To:シグナス
ええ〜っ、ダメですよぉ、そんな……そういうのは、お仕事のあとに……

■ウーサー To:スキンヘッド店主
おい店主。うちのテンハンドが、娘さんをデザートに御所望みたいだぜ?

■スキンヘッド店主 To:シグナス
………………。

シグナスに向かってくだものナイフを投げつけるポーズをとる店主。
■シグナス To:給仕の女の子>ウーサー
あ、あっはっは……おやじさんの分も二個置いとくね。

後ウーサーお前はリンゴの種喉に詰まらせて悶絶しろ。寧ろ腹の中で芽吹きやがれ。

■イェンス To:給仕の女の子
それじゃぁ、わたしは海鮮丼つゆだくで。

■給仕の女の子 To:ALL
それじゃ、少々お待ちください♪

注文を終え、やがて料理が運ばれてくるが──
いつまで経っても見慣れた小さな姿が帰ってこない。
ドアが開くのを期待して見つめても、雨が地面を叩く音がしとしとと響いてくるだけだ。
■ウーサー To:ALL
…………。
遅ぇな、子リスのヤツ。道にでも迷ってるんじゃあ、無ぇだろうなあ?

■ゾフィー To:ウーサー&ALL>シグナス
あら、リコリスさんは単独行動なさっておられましたの?
昼にここに来るのは「可能な限り」という話でしたし、心配するにはいささか早すぎやいたしませんか。
シグナスさんは、なにかご存知かしら。

■シグナス To:ALL
……参ったな、俺の方はリコリスに任せるのが適任なんだが……。

かくかくしかじか、と別れてからの事を話すシグナス。
■シグナス To:ALL
……って訳で、俺らの中じゃ行けそうなのあいつだけじゃねえかと思うのよ、変に捻くれてないのは。
全く、俺がダメな時点で相当厳しいぞ。俺がアレならユニコーンにでも乗れるだろうに。

何処まで本気なのか、溜息を零しながら愚痴るシグナス。森に導かれなかった事が何気にショックだった様だ。
■ウーサー To:シグナス
いや、まあそう落ち込むなって。そんな条件ならそりゃあアレだ、もとから高望みってヤツなんだから、シグナスが行けなくても無理は無ぇって。

リンゴを剥いてウサギの形にしながら、ウーサーはにやりと哂いながら軽口を叩く。
しかし、やはりシグナスと別行動中のリコリスが心配なのかリンゴは荒っぽい剥き方になってしまっている……本人はまるで、気がついていないようだが。
■シグナス To:ウーサー
いや乗れるよ?マジで乗れるよ!? 多分、まだ、ルームメイト居るし!

■ウーサー To:シグナス
……それはソレで切ないなぁ、おい。

■シグナス To:ウーサー
一応神官だし、踏み外したら即墓穴が待ってるタイプばっかりなのも否めんが。

■イェンス To:シグナス
確かに…。下手に我々が行って足を引っ張っても何ですしねぇ。
ここは信じてリコリスを待ちましょうか?

■ゾフィー To:ALL
この町の墓地はきれいなイチョウ林に囲まれ、この季節はなかなか心休まる場所なんだとか、モザイクガーデンの店主が申しておりました。
あのドワーフは嘘や隠し事ができなさそうでしたから、墓地とはいえ子ども達が遊びに行かれる、普段なら問題ない場所なのかと思いますわよ。

■ウーサー To:ひとりごと>ゾフィー
それにしても、「ロシュ」と「ヤツメ」か……。
あっとすまねぇ、独り言だ。それで、姐さんの方はどうだった?

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
……………そうね。
わたくしからは、経験豊富な皆様方にお尋ねしたいことが三点ほどございまして。

一つめは……全身が真っ黒な人型で、顔の真ん中に横一文字に真っ赤な口がひかれた化け物のこと。
他人そっくりに変化する力を持っておりましたのよ。
最後はなにやら勝手に納得して、己の頭を吹っ飛ばしてしてくださいましたもので、本当の目的はいったいなんであったのやら……。
そいつの一部はこの袋の中にあるわ、例によって絵の具ですけれどね。
船の時と同じで、戦いをしかけてきたくせに、意地でもこちらを倒そうというふるまいをしなかったことは確かね。

■ウーサー To:ゾフィー
頭吹っ飛ばして、ソイツはそのまんま帰ってったのか?
それとも、やっぱり自殺……っていうかアレだ、全身が絵の具に戻っちまったのか?

■ゾフィー To:ウーサー
奥歯のあたりで、炎晶石か……エクスプロージブ・ブリットのようなものをかみ砕いたらどうなるかおわかり?
いまいましいことに、全身解けていったわ、雨の中にね。
こちらは外衣を台無しにしたというのに、仕立て直したばかりだったのですのよ……まったく。

■シグナス To:ゾフィー、ALL
うーん、聞いた限りじゃモデルはダブラブルグってデーモンみたいだな。変身能力のある中級デーモンだよ。……しかし、本当節操ねえな。

■ウーサー To:シグナス
変身能力のある……デーモンか。やれやれ、厄介なこったなぁ!
まさかこの中に、もう紛れ込んだりして無ぇだろうなぁ?

■イェンス To:ALL
どんな見分け方をすれば本人だと分かるんでしょうねぇ。

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
この中に武器と体とを細い鎖でつないでいる方はおられまして?
化け物と本物の違いはそこにありましたの……体の一部を変形させているからなのかもしれませんわ。
とりあえず、見分ける手がかりにはなりそうです。

もっとも、これまで同じモンスターがでてきたことはございませんから、そのダブラブルグとやらと再び遭遇するかどうかはわかりませんけれどね。

■ウーサー To:ゾフィー
おいおい、誰に化けてたってんだ? ドジなデーモンだな。
ほれ、見てみな。オレ様は大丈夫だろ?

そう言って、自分の装備を見せる。
そして、テーブルの端に立てかけた、鞘に収められた銀の大剣を指差す――もちろん、鎖や紐の類などでは繋がっていない。
■ゾフィー To:ウーサー>ALL
……ライチさんよ。

ああ、わたくしたちと船でいっしょだったライチさんには、銀の扇をお貸ししておりますから……心配でしたら、それを持っているか、誰からもらったのか、うまいこと話しかけて確認してみてくださいませね。

■イェンス To:ゾフィー
既に真似っこされた方が居るんですね…。

眉間にしわを寄せたゾフィーは開きかけた口を閉ざし、イェンスにむかって無言でうなずいてみせた。
■ゾフィー To:ALL
二つめは"ヴィルコ"。
嵐と津波を起こしてイーンウェンの土地を沈めようとした伝説の怪物について尋ねたら、ひとに化けていた先の化け物が名前を漏らしましたの。
どこまで計算が入っているのかはわかりませんが。

ちなみに、ライチさんがおっしゃるには、シグナスさんのお話にも出てきたこの土地のお祭り「海竜祭」は、かつてはその怪物を鎮める儀式だったそうよ。
怪物が出現したのは古代王国時代の末期か、新王国時代になってからまもなく……だそうですから、絵本の逸話と微妙に重なる時期ではございますのよね。

■シグナス To:ゾフィー、ALL
ヴィルコ?……うーん、どう言ったニュアンスで名前言ったか解んねえ?親しげとか憎々しげとか忠義だってた感じとか。確かソレ、古代王国時代の実験生物の名前……だぜ。炎に弱い単性生物で……あー、確か気性はそう、荒くないって話だったんだが。基本中立みたいな感じ?水辺で戦ったら多分、俺等じゃ相手は無理かもな。陸に上げても如何だろうなあ……まあ相手したく無いのは変わらんね。

■ウーサー To:シグナス、ALL
「基本」中立、か……じゃあ、何らかの理由で人間恨んでても、おかしくは無いってワケだな。
さもなきゃあ、前回の復讐に来た……ん? だとすると絵は、誰が描いてるんだ?

■ゾフィー To:シグナス>ウーサー&ALL
その時はまだひとに化けておりましたからね、「ヴィルコのことね。」と淡々と……。
双方が手を組んでいるという感じはいたしませんでしたわね。

ゴルボロッソに憧れて、非常に写実的な絵を描けるようになった少女がいるそうです。
彼女の作品をちらりとみせてもらいましたが……模写はないようでしたし、生き物を単独で描いた作品も見当たりませんでしたわ。
それに、彼女は親しい人々をターゲットにしそうには思えませんでしたし。
本のことを考えると、絵の具モンスターの呼び出し手は、手本がないと描けない…あるいは手本そのものから実体化させているような感じもいたしますが、どうでしょうね。

■シグナス To:ゾフィー、ALL
とりあえず、要注意って事か。暇があったら見に行って見るかね?

■ウーサー To:シグナス、ALL
そうだな。知ってて描いてたか如何かはともかく、何か知ってる可能性ってのもあるだろうしな。
ただ、行くんならなるべく、纏まって行ったほうがいいと思うぜ……姐さんに知られたことに気づいて、警戒してるかも知れねぇだろ?

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
彼女が絵を描けることは、いっしょにスケッチをしているひとや、親しいひと達は皆ご存知かと思いますわよ。
それに、まだ子どものようですから、見知らぬひとたちが大勢やってきたら怯えるかもしれませんわ。
にんげんの言葉はドワーフ語しか話せない……あるいは話さない……そうですから、話を聞くならわたくしか、『モザイク・ガーデン』の店主ミガクさんがいたほうがいいでしょう。
あとは……ハノクさんの息子さんであるナギさんが、ちょっと話せるようになったとか聞きましたわね、どの程度かは存じませんけれども。

■イェンス To:ALL
子供に最適な方が不在ですからねぇ〜。

■ゾフィー To:ALL
そうそう、祭りつながりで申しあげますと「第2回イーンウェン熱闘武道会」の参加者募集は会場となる公園のテントで、今日の夕餉時までですってよ。
第2回と冠がついておりますように去年から始まったようで、条件はたしか…
1人もしくはペアでの参加
健康で体力・魔法に自身のある方なら誰でもOK
ただし、魔法は味方にしかかけられない
……でしたっけ。
優勝者には「幸運のお守り」だけではなくって2000ガメルの賞金も出るとか。
船乗りさんや港湾関係者が大勢……ああそれから、栗色の髪に桃色マント、長柄の武器という、どこかで耳にしたような風体の草原妖精も、申し込みの列に並んでおりましたわね。

■ウーサー To:ゾフィー、ALL
ああ、その大会だけどな?
さっき公園行って、エントリー済ませてきた。

ウサギリンゴを増殖させながら、しれっとした様子で口を挟む。
■ウーサー To:ALL
武道会の賞品の、「幸運のお守り」な。ハホリーナの婆さんが飼ってた、白馬の尻尾だってハナシだ。
婆さん本人は見つけられなかったワケだが、明日の大会に出て上位に入りゃあ、もしかしたら直接会う機会が巡ってくるかもしれねぇからな。
それでな? あとで武具屋行って、明日用の防具を見繕って来たいんだが……悪いが誰か、2〜300ガメルほど貸してくれ。
あ〜あ。こんな事になるんだったら、釣具を奮発するんじゃなかったぜ……。

行きの船護衛で貰った報酬のことをすっかり忘れているウーサーは、深い溜息をついた。
■シグナス To:ウーサー、ALL
ああ、タッグマッチあるんだっけ。どーする、俺も出ようか?色々手は増えるし。

■ウーサー To:シグナス、ALL
出るならタッグマッチじゃなくて、一人部門の方をオススメしとくぜ?
オレ様がタッグマッチに出場しちまう以上、もう優勝かっさらって行くのは確実みたいなモンだからな。

食後に追加注文したホットバタード・ラムをぐいっとあおって、にやりと哂ってみせる。
■ウーサー To:シグナス
まあでも、万が一ってこともあるからな。一人部門も含めて、何組か出ておいた方が良いか?

■ゾフィー To:ウーサー
……ひょっとしてあなたが組むお相手は、リュナさん、だったりいたします?

■ウーサー To:ゾフィー
ごふぅっ!?

また口をつけていたホットバタード・ラムを吹き出しかけて、ひとしきりゲホゲホとむせる。
■ウーサー To:ゾフィー
な、なんで姐さんが知ってるんだっ!? ま、まさか思考を……!

■シグナス To:ゾフィー、ウーサー
リュナって前回優勝の? あーあー、そうだな、ウーサー、お前だけ出ろ。俺パス。元々俺、ソロ向きじゃねえし。

■ウーサー To:シグナス
前回優勝!? そ、そうだったのか……去年はシングルでの優勝だったのか?それとも、タッグマッチか?

ホットバタード・ラムにどさどさと砂糖を注ぎ足してから、ウーサーはまたひとくちを口に含んだ。
■ウーサー To:ひとりごと?
あれ? あいつ、半年前から此処に居る……とか、言ってなかったか?

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
前回優勝したのは「レヴィーヤ」と呼ばれる少女だと、わたくしはそう聞きましたけれど。
なんでもハノクさんを投げ飛ばしたとか、となるとひとりで参加したのかもしれませんわよ。
リュナさんは、週一度しかない休みにいっしょに遊んであげるほどレヴィーヤさんとは親しいという話でしたけれど、だったらなぜ、一緒に組まなかったのかしら。
ウーサーさん、リュナさんご自身は、どういう理由で参加なさるとおっしゃっておられまして?

■ウーサー To:ゾフィー
ん? じゃあやっぱり、タッグマッチで優勝したのか?
ベルダインに行ってみたいから、大会で賞金ゲットして旅費に充てたい、って言ってたぜ? もちろんその、レヴィーヤって名前はいっぺんも出てこなかったしよ。
あと、例の馬の毛のお守りの方には、ちっとも興味が無いみたいに見えたぜ?

■ゾフィー To:ウーサー
おや、ベルダインですか、芸術家が目指す場所というわけですかしらね。
そんな方がなんでこんな町でアルバイトをなさっているのかしら。
それこそオランやエレミアのほうが、稼ぐこともできそうですのに。

■シグナス To:ALL
いや、ぶっちゃけ名前は良く覚えてない。何故か。
まあ、うん、強い女の子とは関わらないに越した事って無いよね。

■ウーサー To:シグナス
おおぉい! 名前くらい、ちゃんと覚えておいてくれよ……それにしても、意外だな。強い女には、興味が無いってのか?
背中を任せてもいい女ってのは、わりと居るもんだがよ。
こっちから頼んででもいくさ場について来てほしい女となりゃあ、なかなか縁が無いモンだろ?

ラムを飲み干したウーサーは、カップをテーブルにゴツゴツと打ち付け、おかわりを催促した。
■給仕の女の子 To:ウーサー
はいは〜い、お待たせしました♪

素早くおかわりをテーブルに置いた。
■ウーサー To:スキンヘッド店主&給仕娘
なあ、去年の「海竜祭」の、「熱闘武道会」の優勝者。一人戦とタッグマッチ、それぞれどんな連中だったんだ?

■スキンヘッド店主 To:ウーサー
………………小娘。

■給仕の女の子 To:店主>ウーサー
しゃ、しゃべった!?

……あ、ええと。去年は1対1しかなかったんですよ〜。
優勝者は、たしか……「れびーあ」とか「れぎや」とか、そんな名前の小さい女の子でした。
見た目はナギくんくらいの歳の頃なのに、力も強くて素早くて。
投げ飛ばされたハノクさん、しばらく起き上がれなかったって話ですよ〜。
今回から寸止め方式になったのって、そのせいじゃないかなぁ?

お盆を抱きしめるようにして、哀れっぽい表情をしてみせる給仕娘。
■ゾフィー To:給仕の女の子
あらまあ、世の中には色々なひとがいるものね。
船長にはお気の毒ですが、そういうことなら試合自体は盛り上がったでしょう。
昨年の優勝者への賞品がなんであったのかはご存知ですか?

■給仕の女の子 To:ゾフィー
今回と同じ、白馬の尻尾ですよ〜。
優勝した女の子、すっごく喜んでましたよ♪
やっぱりお守りとかおまじないとか、そういうものって、女の子は好きですもんね〜♪
あ〜あ、私も欲しいな〜。

隣のテーブルを拭きながら、甘い声でつぶやいたりしている。
■ゾフィー To:給仕の女の子
女の子、だけでしたらね。
屈強な男たちを集めるのには、名誉とおまじないだけではちょっと弱いのではございません?
今回は賞金もでるとか聞きましたけれど……前回もそうだったのかしら。
大会はどなたが後援なさっておられるかご存知ですか。

■給仕の女の子 To:ゾフィー
それが、そんなこともないんですよ〜?
カノジョにプレゼントする!って張り切っているひともいましたし、海の男はいつも命がけですから、たとえ気休めでもそういうお守りって、大事にするものなんですって。
あ、でも、確かに賞金目当てって人がほとんどでしたけどね♪
去年は、1500ガメル……だったかな?
今回からスポンサーが増えたから……あ、後援は港の商店街のみなさんですよ♪ うちもちょっぴり、出資してます〜。

■ゾフィー To:給仕の女の子
確かに、故郷を離れれば、迷信と一概に言い切れない出来事に出合うことも多うございますしね。
海竜祭、今年は何事もなく……ええっとそうね、昨年以上に盛況になりますことを願わせていただきますわ。

■ゾフィー To:ALL
話をもどして、三つ目ですが……革紐で首からぶら下ける形になっている石についてなんですの。
「形は太ったヒルのようで、色は青と黒が砂状に混じり合ったような……そう、ターコイズの原石のような……あれよりはもう少し深い青」だそうですのよ。

そう話しながら、ゾフィーは懐中から取り出した羊皮紙を広げ、木炭で簡単に描かれた絵を示してみせた。
それによると、石は親指ほどの大きさで、丸みを帯びた三日月のような形をしているようだ。
■ゾフィー To:ALL
正直、これだけでは漠然としすぎていてなんであるかはわかりかねるかと思いますけれど。
一年ほど前、ひとりの人間……緑と青が混じったような変わった髪の色をもつ……の女の子が、この飾り以外はなにも身につけず、ぽつんと港にうずくまっていたそうよ。
現在その子を養っている方に、身元の手がかりになるのではないかと尋ねられましてね。
一応、周りに確認してみるという話をいたしましたので、伺う次第ですの。

■ウーサー To:ゾフィー、ALL
う〜ん……?
いや、オレ様は、そいつぁさっぱりだ。

■シグナス To:ゾフィー、ALL
……それ、俺の知ってるマジックアイテムだったら身元も何もねえぞ。水棲生物を人間に変えるアイテムだし。マーマンとかならともかくなあ……元が何かも解らんし。けど放っとくのもおっかねえなあソレ。

■ウーサー To:シグナス、ALL
祭りの灯りに誘われてきた、迷子の人魚姫……なんて、かわいげのあるモノならいいがな。
まさかとは思うが、さっき言ってた「ヴィルコ」ってのとの関連性を考えちまうぜ……たとえば、その「人間の女の子」が、ヴィルコの子供だったりしてな。
で、今回の魔法生物騒ぎを起こしてる理由は、子供を攫われたと勘違いしたヴィルコが報復として……とかな?

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
親について尋ねられた彼女は「いつかむかえにくる」と答えたそうですの。
攫われたということではなくても、「彼女」の身に危機が及びそうだと「ヴィルコ」が判断したら……

……ちょっと待って、「悪意の種は巻かれ、芽吹くのを待つのみ……」。
デーモンはそんな意味の言葉を言って散ったわ。
もしそれがヴィルコの怒りを呼ぶ手配を意味するなら…こちらを死なせない程度に攻撃する行為に意味が出てくるのではないかしら。

■シグナス To:ゾフィー、ALL
んで、さっきの怪しい女の子って事になる……のかね?
その女の子がヴィルコその物かも知れんけど。

■ウーサー To:ゾフィー、ALL
ああ、そうか……ヴィルコってのが「名前」だって、つい思っちまってたが。
ヴィルコってのは「種族名」で、個体の「名前」じゃあ無ぇかもしれねぇんだもんな。

■ゾフィー To:ALL>イェンス
昔すぎてエルフの方ですら名前を伝えていないという話のようですし。
しかし、これまで伺った限りでは、話の出所は船が仕事で町の外にいることが多いハルクさんとライチさん、半年前にやってきたらしいヤツメさんとリュナさん、ベルダインから移住したミガクさん、この土地に根をおろした住人とは言いきれない方ばかりのようですですわね。
出来れば、定住者の話も聞いておきたいところなんですが……。
どなたか、そんな方と話をなさってはおられないかしら。

イェンスさん、あなたはなにか情報を得ておられませんの?

■イェンス To:ゾフィー>ALL
こちらはそう大した事は聞けませんでしたが…。
漁師の噂では晴天の日に突然荒らしに見舞われ高波に飲まれた時、その波にダイビングされた方は“海の中で怪物を見た”とおっしゃっておられました。
波そのものが怪物の様な…。とても曖昧な形容のイキモノの様です。

■ゾフィー To:イェンス&ALL
いえ、貴重な証言ですわよ。
それが「ヴィルコ」だとしたら、話が一気に現実味を帯びるわけですもの。
「海竜祭」の当日がポイントかしら、だとしたら今日が勝負ということになるやもしれません。

■ウーサー To:ALL
ところで、午後はどうするんだ?
オレ様はさっきも言ったが、武具屋に行って防具を見繕って、そのあとで「不知火亭」って店に行こうと思ってたんだが……。
その店にいる「ロシュ」と「ヤツメ」ってのが、『捩れた樹』が『リンゴ畑にあるらしい』って言ってた、って話を聞いたんでな。

だけど、よ……リコリスは、どうする? 本当に探さなくても、大丈夫なのか?

■シグナス To:ALL
そうだなあ……んじゃ、アイゼン使って俺も探してくるよ。
あとは不知火亭の方にも顔出すかもな。

■イェンス To:ALL
こちらの使い魔も準備万端です。

■ウーサー To:シグナス
成る程、空からのほうが見つかり易いかもしれねぇよな……よし、じゃあオレ様は予定どおりに、武具屋の後で不知火亭に行くぜ。
なんなら、シグナスも一緒に行くか?

■シグナス To:ウーサー、ALL
そーだな、俺も此処の武器やには興味在るし、一緒に行くか。
俺が畑に行った時は、ヤツメの奴何も知らんっぽかったけどなあ……ま、それも聞いてみるか。
アイゼンがリコリス見付けたら、俺らの方に合流促しときゃ良いか?

■ウーサー To:シグナス、ALL
ああ、それで良いと思うぜ。合流が難しそうなら、此処に戻ってきて待機してもらってても、別に構わねぇだろうし。
じゃあオレ様とシグナスは、まずは武具屋の『Tog Tog factory』って所に行って、そのあと「不知火亭」ってコトで。
もし足取りが掴めないままだったり、アイゼンのコントロール範囲を探しても居なかったりしたら、そん時ゃあまた考えるってことで如何よ?

■シグナス To:ウーサー、ALL
まあ、あいつ等にゃ一回一通り会って見ときたいしな。学院関係が居るかも知れんし。
それじゃあ大体東側になるな、俺もアイゼンも。そっちに居なかったらまた、その時別の場所飛ばしてみるさ。

■ゾフィー To:ALL
では、東側の探索はお願いするといたしまして。
わたくしは、もう一度モザイクガーデンに足を運んでみようかと考えておりますわ。
次の合流はどうしましょう?
この店が間違いないかしら、午後のお茶の時間……あるいは日暮れ頃かしらね。

店の詳しい位置……月影通りへのわかりにくい分岐も含めて……を皆に説明しつつゾフィーは呼びかけた。
■ゾフィー To:イェンス
全員が細かく別れすぎるのもどうかという状況になってきましたわねイェンスさんは、これからどうなさいますの?
御予定がなければご一緒いただけませんか、お知恵を拝借したい話もございますし。

■イェンス To:ゾフィー
そうですね…。その変わった色の少女が気になります。
こちらこそご一緒させて下さい。

■ゾフィー To:シグナス&ウーサー
それではお先に参りますわよ、善は急げと申しますし。

湿ったままの紫の布をみやって小さくため息をついたゾフィーは、あらためてそれをターバン状に巻きつけ、イェンスを促しながら出て行った。
去り際に一言残しながら。
■ゾフィー To:ウーサー
……なにもかも水を吸って、もう重くてかないませんわ。
すこし荷を捨てていきますから、あなた、御入用でしたらお使いになってね。

机の上に、ぽつりと放置された小袋は、確かにそれなりの重さをもっているようだった……。
■ウーサー
こういうのもツンデレ、って言うのか?
……すまねぇな、恩に着るぜ。



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