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SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

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リンゴ畑でつかまえて



  イーンウェン・リンゴ畑

空腹でふらふらのヤツメの案内で(と言ってもすでに目の前に見えてはいたが)、イーンウェンの町外れにあるリンゴ畑にやってきたシグナス。
気のせいか雨は次第に弱くなり、柵に囲われた畑の入口に来る頃にはほとんど止んでしまった──そのかわり、リンゴ畑全体には濃い霧が白い靄のようにかかっていて、まるで標高の高い山中に迷い込んだかのように視界を阻んでいた。
入口には案内所らしき古ぼけた小屋、そして木製の看板が立てられており、
『♪ ようこそイーンウェン・リンゴ畑へ ♪
 もぎ放題ひとり30ガメル:20個以上でなんとタダ!!』とあった。
■ヤツメ To:案内所
フリフリ、あそこなのでぃす。

たのもーっ!(どげし)

ヤツメは思いっきり案内所の扉を蹴り開けた。
■シグナス To:ヤツメ
いきなり呼び方変わって……ってうぉい!?

■案内所のおばあちゃん To:シグナス&ヤツメ
ひ、ひぃぃぃぃ!!? な、なんじゃねアンタらは!!?

扉が壁に当たって跳ね返る音と同時に、三角巾にぶかぶかのズボンにエプロン、といった農作業姿のおばあちゃんが、目が飛び出さんばかりに驚いて椅子から転げ落ちた。
■シグナス To:おばあちゃん
す、すみません。うちの連れが行き成りアホな真似を。後で小突いときますんで。
ええと、それでりんごを買いたいんですけど……あの取り放題って、籠無しですか?
病人の見舞い品にも欲しいので、持ち帰れると在り難いのですが……。

■おばあちゃん To:シグナス
な、なんじゃ〜。お客さんならそうと早う言ってくれりゃ……よっこらしょ。
ほんで、籠、じゃったかねぇ? もちろん参加費の中に含まれちょるよ、大きいの小さいの、好きなの持っていって構わないからねぇ。

腰に手をとんとんと当てながら立ち上がったおばあちゃんは、部屋の隅にうずたかく積まれている大小の籠をアゴで示した。
お見舞いにぴったりな小ぶりのものもある。
■ヤツメ To:かごたち
ひゃっほーーヽ(゜∀゜)ノーー!!
さっそくリンゴたちをゲッ(むぎゅ)

■シグナス To:ヤツメ
お前は、勝手に、取りに、行くなよ、なッ?

ヤツメの頭を掴み押さえ込もうとするシグナス。
■ヤツメ To:シグナス
も、もがぁぁぁ!! フリーメン、邪魔をするななのですぅ〜!!(じたばた)
自分だけフリーダムを満喫するつもりなのでぃすか〜〜!!

エサを目の前にしているせいか、鬼気迫る勢いで抵抗するヤツメ。
■シグナス To:ヤツメ
俺以上の自由など許さない!! じゃなくて、まだ金も払ってないだろうが。

■おばあちゃん To:妙なふたり
あ〜、すまないけどねぇ、1回30ガメル、前払いじゃからねぇ。
それからね、畑の中央にあるリンゴの木には近づかないようにねぇ。
幹がぐるっとねじれているから、すぐわかると思うけどねぇ。

にこにこと帳簿に「にんげん&こびと」とメモを取りながら。
■ヤツメ To:おばあちゃん
ボクのぶんは、フリィフリィのおごりなのでぃす!(えっへん)

リンゴの木の形状などどうでもいいらしい。
■シグナス To:ヤツメ>おばあさん
お前は土産用も確保しとけよ。仲間って病気の一人だけか?

■ヤツメ To:シグナス
ビョーキの仲間はひとりだけで、仲間は他にもいるのでぃす。
でも、分け前が減るのでお土産はビョーキのアイツだけなのでぃす(*゜∀゜)ノ

■シグナス To:ヤツメ
まあ、それはそれで別に構わないんだが。後で略奪される気しかしねえし。

■ヤツメ To:シグナス
フリ子、見損なうな!なのでぃす!(びしっ)
ボクはそんなリフジンでフギリなことはしないのでぃす。

先ほど盗みを働こうとしたことは忘却の彼方へ。
■シグナス To:ヤツメ
OK、そろそろ会話が通じなくなってきたな。

■シグナス To:おばあさん
うん?近付いちゃいけないって、何かあるんですか。
……おばあさん、捻れた樹って、もしかしてウズマキって呼ばれてません?

■おばあちゃん To:シグナス
渦巻? いんにゃ、そんなシャレのきいた呼び方はしとらんがねぇ?
何故駄目なのかは、近づいてみればわかると思うけどねぇ、ほっほっほ。

「近づくな」発言と矛盾していることに気付いていない。
■おばあちゃん To:シグナス
ああそれからね、この砂時計が落ち切る前に、帰って来るようにねぇ。
霧の中で迷っても、捜索隊は出ないからねぇ。

時間制限付きということだろう。ふたりに小さな砂時計を渡した。ちょうど30分を測るくらいの砂の量だ。
■シグナス To:おばあちゃん
近付けるものなら……ですか?良く解らないな。
とりあえず、おばあさんは商売上手だね、俺も気になったから籠一つ、二人分で60ガメル払うよ。

■おばあちゃん To:シグナス
はいよ、まいどあり。20個以上でタダだからねぇ、がんばってねぇ。

ふたりに適当な大きさのカゴを手渡してくれた。
■ヤツメ To:シグナス
きゃっほーーヽ(゜∀゜)ノーーう!!
さぁ、行くですもぐです走るのですぅ〜〜♪(*>∀<)ノ(どげし)

もう一度扉を蹴り開ける。
■シグナス To:ヤツメ
お前はリンゴだけ目当てだし、近い所で毟って喰ってろよ。
俺はちょいと、見物しながら獲ってくからペース遅くなるだろうし。

■ヤツメ To:シグナス
なぁにを言っているでぃすか!!
ボクとフリリンコで競争するのですよぅ、きょーそー。
その方がお互いアドレナリンが出まくって、面白さ倍増なのでぃす!!!
さあっ、れっつらごー♪

返事も待たずに弾丸のごとき素早さでリンゴ畑に飛び出していった。
■シグナス To:ヤツメ
圧倒的に俺が不利……でも、ねえか。あいつ、リンゴに届くのかなあ……。
まあ良いか、20個以上で只なら、ソレ位は目標にしときますかね。



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GM:ともまり