オラン出発の朝
翌朝。
まだ太陽が顔を出す前から起き出した冒険者たちは、手早く朝食をすませ、エレミア行き商船の護衛を受けるため、港湾地区へと赴いた。
漁業ギルドの寄り合い所の掲示板には、昨夜おかみから聞いた通りの条件の依頼書が、いまだに貼り出されている。
まだ募集中ということなのだろう。
■リコリス To:ALL
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ん〜〜、ねむい〜〜。
船員さんたちはもう働きだしてるんだね〜。
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あたりはまだ薄暗く、朝もやに煙った空気が肌寒い。
波止場には大小さまざまな船が寄り添い、荷物を積み込む忙しそうな船員の姿があちこちに見えていた。
■ウーサー To:リコリス、ALL
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なに言ってやがる。パン屋はもっと早起きだし、市場だの港だのじゃあ、夜通しの仕事してる連中だってわんさかいるだろ?
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実家のパティスリーはパン屋よりちょっと遅起き(それでも充分早いのだが)だったりもするが、そのへんは触れずにおく。
■ゾフィー To:ALL
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出発は朝だというのに、ぎりぎりまで募集する気のようね。
定期船のはずですのに……海域の危険度はどのくらいと見積もられているのかしら。
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■シグナス To:ゾフィー、ALL
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まあ、その辺は直接聞いて……正直に答えてくれるかはともあれ。
話的にはこう、運命だったんだ的な事にすれば盛り上がるんじゃね?多分。
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■イェンス To:シグナス&ALL
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魔法感知で反応する変わったモンスターも居る事ですし、用心しているのかも知れませんからね。
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上空を白い鳥がぴーひょろろと鳴きながら旋回している。
冒険者たちが依頼書を吟味していると、突然寄り合い所の扉が開いた。
■屈強なヒゲ男 To:ALL
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おぅ! あんたたち、さてはこの依頼に興味があるんだな!?
さぁ、入った入った! 説明してやるぞ!!
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見事な口ひげを生やした屈強な大男が顔を出し、やたらと大きな声で呼びかけてきた。
ぴっちぴちのシャツが、今にも筋肉で張り裂けそうだ。
■シグナス To:ヒゲ男
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っと、はは。行き成りだなあ。まあそうだけどな!
あんまりがっつくと足元見ちまうぜ?
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■ヒゲ男 To:シグナス
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がっはっはっは、がっついてなどいないぞ!?
待ちわびていただけでな!!
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底抜けの笑顔でがっしとシグナスの肩をたたき、今にも引き込もうかと言う勢い。
■シグナス To:ヒゲ男
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うわあこのヒゲ正直だ!!なんだよ、話によっちゃノリと勢いだけで引き受け兼ねないぜ?
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■ライチ To:リコリス
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んっ……? リコ? リコだよね?
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そして、その大男の横からひょいと顔をのぞかせたのは、透けるような白い肌と漆黒の髪を持ったエルフの女性。
昨日と同じ、黒ずくめの格好をしたライチだった。
■リコリス To:ライチ
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あ、ライさん、おはよ〜♪
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リコリスはうれしそうにライチに駆け寄った。
■ライチ To:リコリス
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やっぱり、リコだ。おはよ〜♪
もしかして、護衛の仕事を受けに来たの?
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■リコリス To:ライチ
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うん、そうだよ。
途中のイーンウェンまでだけど。
ライさんと一緒の船だよね?
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■ライチ To:リコリス
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うん、昔から世話になってるコイツ……ハノクの頼みで断れなくてね〜。
私はエレミアまで行くけど、船はイーンウェンでしばらく滞在してるから、その間は町にいるよ。眼鏡も買わなきゃいけないし。
一緒か、嬉しいな♪
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リコリスの視線に合わせてかがみ込み、頭なでなで。
■リコリス To:ライチ
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うん、リコもすっごくうれしいよ♪
イーンウェンで滞在って、どのくらい泊まってるの?
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■ライチ To:リコリス
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食料の補給とかが済んだら、出発だから……長くても2〜3日じゃないかな?
天候にもよるけどね。
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■屈強なヒゲ男(ハノク) To:ライチ&リコリス
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なんでい、知り合いか??
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■ライチ To:ハノク>冒険者たち
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うん、友だち。
こちらの方々はお仲間? はじめまして、ライチって呼んでね。
精霊魔法と剣を扱えるよ。
こっちのごっついのはハノク。昔から世話になってる船乗りだよ。
操船の腕は保証付き。ついでに酒グセもね♪
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ライチは一同の顔を見回し、ハノクを親指で指し示しながら、気さくな調子で自己紹介。
その視線は何故か、どこを見ているのか定まっていない感じがする。
■ウーサー To:ひとりごと
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おいおいなんだよ、えらい別嬪さんじゃあねぇか……こいつぁ、旅が楽しくなりそうだぜ♪
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■ハノク To:ライチ>冒険者たち
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おぅ、酒に酔うことはあっても船には酔わねぇぜ。船長のハノクだ、よろしくな!!
とりあえず立ち話もなんだから、入ってくれ!
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ばんっ、と乱暴に扉を全開にし、寄り合い所の中へ促すハノク。
中には数人の船乗りとおぼしき船員たちが、地図を広げて最後の打ち合わせをしているようだ。
■シグナス To:ライチ、ハノク
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ああ、ライさんライさんて言うからてっきり……女性だったのか。
失礼、俺はシグナス。テンハンドと言えば知ってる奴は知ってるし、知らない奴は知らない男さ。
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■リコリス To:シグナス
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あれ? リコ、女の人って言ってなかったっけ?
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■シグナス To:リコリス
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……最近意識的に外そう外そうとしているのは否めないな。
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■ライチ To:シグナス
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あはは、このとおり女だよ。よろしく〜。
テンハンド……学院でそんな名を聞いたことがあるような。
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自分から名乗っておいて、知られていそうな事に不本意そうなシグナスだった。
■ハノク To:シグナス&ライチ
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なんでい、有名人か!?
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■ライチ To:ハノク&シグナス
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ん〜……。まぁ、噂なんてアテにならないから。ねぇ?
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何故か困ったような笑顔を浮かべながら。
■シグナス To:ライチ、ハノク
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(もう一度) え゛ぇ〜……いや、神官もやってるし、ギルドの方にも顔出してるから、知り合いのバリエーションが多いってだけなのよぜ?ほら、今正に海のむくつけき男達+1とも知り合いになった訳だし?
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■ハノク To:シグナス
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むくっ? むくつけ……? はっはっは、俺は学がねぇから難しい言葉はわからねぇぜ!!
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■ライチ To:シグナス&ハノク
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いや、間違ってないから安心しなよ。
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くすくすと笑いを堪えている。
■シグナス To:ハノク、ライチ
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ま、コレはコレで良い出会いだったと感謝できそうだ、とは思ってるさ。
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■ハノク To:シグナス>船乗りたち
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そりゃあ良かった!
おぅ、てめぇら喜べ。ギリギリになって護衛がこんなに増えたぜ!!
この方たちはイーンウェンまでだって話だが、まぁ何とかなるだろう!!
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「おお〜」とどよめきが漏れ、拍手と歓声が起こった。
中には、リコリスやゾフィーを見て「大丈夫なのか?」と目を丸くして顔を見合わせる船員たちもいる。
■シグナス To:ALL
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え、そんなに盛り上がるの!?
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■赤ら顔の船員 To:シグナス
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そりゃあ、仕事が減りゃあそれだけ酒が飲め……ああいやいや、プロの護衛がいるってのは道中心強いしな! ははははは!!
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■シグナス To:船員
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あっはっはー……あんた絶対もう飲んでるだろ!?
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■赤ら顔の船員 To:シグナス
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馬鹿言えっ、いくらなんでも出航前に飲むわけが無いだろう!!
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手にしっかりと握っていた小瓶をそそくさと懐にしまう。
動きにじろりと目をやったものの、それに対しては何も言わず。
紫づくめのドワーフが船員達の前に進み出た。
■ゾフィー To:ハノク、ライチ&船員達
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はじめまして、ゾフィーと申します。
銀の網亭という冒険者の店でここの募集の話を聞きまして、尋ねてまいりましたの。
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■リコリス To:ハノク&船員たち
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リコはリコリスっていうの。よろしくね。
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ぺこりんと頭を下げて挨拶。
■ウーサー To:ハノク、ライチ&船員たち
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ウーサー・ザンバード、見てのとおりの……おっと、今は「重剣士」じゃなくって「剣士」だ。
よろしく頼むぜ。
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いつもの鎧がバックパックの奥に入れられているのを密かに悔しく思いつつ、背負った大剣を示してみせる。
■日焼けした船員 To:冒険者たち
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おお、銀の網亭から来たのか。あそこは堅実な冒険者が多いって聞くぜ。
こっちこそよろしくな!!
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■小柄な船員 To:冒険者たち
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大事な積み荷を無事届けるためにも、宜しく頼むよ。何も無いのが一番だがねぇ。
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■ライチ To:冒険者たち
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出発は、このあと積み荷が終わったらすぐになるよ。
見張りは船の前方と後方、マストの見張り台に1〜2人ずつ。昼夜問わず交代制で。 これだけ護衛役が増えたから、船員さんたちの負担は軽くなるね。よかった。
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■シグナス To:ライチ
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……ああ、船員割いてるから融通は利いてたのか。成る程、陸路とは勝手が違うんだな。
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■リコリス To:ライチ&ハノク
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じゃあ、純粋な護衛ってライさんとリコたちの7人だけになるの?
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■ライチ To:リコリス&ALL
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そうだね。まぁ船員さんたちもそれなりに訓練はしているから、鮫くらいなら追い払えるけど……モンスターと戦うとなると、ちょっとね。
万が一の戦力となると、私たちだけになるかな。
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■ゾフィー To:ライチ&ハノク
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道中の危険はどのくらいと見越しておられまして。
このところ、海域に妙な噂が出回っておりますでしょう?
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■ハノク To:ゾフィー
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おうよ、妙な組み合わせのモンスターが出るとか出ないとか、ってやつだな。
三角塔のお偉いさんの船じゃ、撃退したって話だけどなぁ。
護衛をロクにつけてなかった船なんざ、潰されちまったって話もあるんだ。
くわばらくわばら。
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■ライチ To:ゾフィー
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モンスターの噂も色々で、正確なところがわからないんだけど、少なくとも私たちの行く航路は、噂になってる海域と重なってる。
海だけじゃなく、空も警戒しておかないとね。
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■イェンス To:ライチ
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見た目は他のものと同じでも、倒した後に粘土質の液体になると言う違いくらいですからねぇ。
もしかしたら全部にセンスマジックをかけて反応したものが『ソレ』と見分けられるかも知れませんが。
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■ハノク To:イェンス
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そいつぁけったいだなぁ。モンスターの中にゃそんなのもいるのか!!
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船員たちは皆、顔を見合わせてざわざわし始める。
■イェンス To:ライチ>ALL
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皆さんご存知かと思っていましたが…100発100中と言う訳でもないんですね。
魔術師学院の恩師の話しでは、その様に止めを差すと色とりどりの粘土質の液体になるとおっしゃっておられました。
と言う事で海で止めを差すと液体が海に溶けてしまいますので、生け捕りでお願いしますね。
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■ゾフィー To:つぶやき
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生け捕り……ふんっ、雨中での遭遇もやっかいということになりそうですわね。
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■シグナス To:ハノク、ライチ
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ああ、学院としちゃその辺も調べときたいみたいだからさ、今まで遭遇した記録とかあったら、見せて貰えねえ?
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■ハノク To:シグナス
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記録かぁ……漁業ギルドの本部に行きゃあ何かあるかもしれねぇが、今からじゃちょっと無理だな。
それに、上にとっちゃあんまり公表したいもんじゃねぇだろうし。
学院からの正式要請でもなきゃ無理かもしれないなぁ、そういうのは。
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申し訳なさそうにぽりぽりと頭を掻く。
■シグナス To:ハノク
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そっか……ああ、そう改まらんで良いですよ。まあ、よっぽど珍妙なのでも出なきゃ、戻ってから考えますさ。
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■ゾフィー To:ライチ&ハノク
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ええ、モンスターの噂もそうなんですけれどね。
もう一つ、最近イーンウェンでは雨が降り続けており、海路の天候も不安定という話がございますでしょう。
両者と同時に出くわすというのはあまり考えたくはございませんが……。
あのあたりの荒天というのはよくある話ですの?
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■ライチ To:ゾフィー
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イーンウェンに立ち寄るための海路は、確かに嵐になる確率が高いって言われてるよ。
私も実際、何度か遭遇しているしね。
けど、イーンウェンそのものは……特に雨が多い土地ってわけではないんだけどね〜。
私も帰るのは1年ぶりだから、最近の様子はわからないんだけれど。
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■ゾフィー To:ライチ&ALL
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なるほど、となるとなにか変化が起きた可能性があるならばここ1年以内、かもしれないということですわね。
ああ、もちろん、イーンウェンに着くまでは護衛に集中させていただきますから、ご安心くださいませな。
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■ハノク To:冒険者たち
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依頼の条件とか報酬とかは、依頼書にあるとおりだぜ。
ほかに、何か聞いておきたいことはあるかい?
ああ、まさかとは思うが船に弱くて船酔いしちまう奴ぁいねぇよな?
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■リコリス To:ハノク
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船酔い? あ、聞いたことはあるよ。
リコ、船に乗るのは初めてだから良くわからないけど。
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■ゾフィー To:ハノク
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正直申しあげますと、外洋に出る船に乗ったことはございませんの。
地底湖の船遊びとは包丁と野太刀ほども違いますでしょうしね。
勝手がわからず、不調法いたしましたらごめんあそばせ。
ああ、ところで積み荷はなんですの?
護衛する上で特に気をつけなければならない品などはございませんか。
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■ハノク To:ゾフィー
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食料やら割れ物やら、エレミアの複数の商会と取引してるからなぁ、いろいろさ。 十分な梱包はしているつもりだが、強い衝撃をくらったりするとあぶねぇな。
まぁ、伝説の巨大タコやら海ドラゴンやらに出会わないことを祈るぜ!!
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■シグナス To:ハノク、ALL
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俺も船旅の経験はそう、多くは無いな。まあ大丈夫、俺は意外と何とかなる男さ。
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■ウーサー To:ハノク、ライチ&ALL
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オレ様も、船旅なんざぁオランまで出てきたとき以来だなぁ……。
とはいえ、タコだろうがイカだろうが、ぶった斬ってなんとかなるヤツが相手だってんなら、ちょいと凄いぜ?
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■ハノク To:ウーサー&ALL
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おおっ、心強いじゃねぇか。これでどんな航路でも気にせず突き進めるってわけだな!!
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■シグナス To:ハノク
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安全に運ぶ事第一に考えろよ!?危険手当ふっかけっぞ!?
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■赤ら顔の船員 To:ALL
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ぶった切って喰えるようなモンスターなら大歓迎だなぁ、つまみになるし。
ははははは。
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■シグナス
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……いや、俺はのんびり釣り上げたいんだけどなあ……。そりゃ、出てくりゃ捌くけど。
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■イェンス To:ハノク
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わたしは幼少の頃より両親に海に連れられていたので船酔いはないですね。
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そしてしばらくのち、積み荷が終わったという知らせが寄り合い所に届いた。
ハノクとライチの案内で波止場まで歩くと、そこには中型の帆船が、わずかな風を受けて帆をたなびかせ、今か今かと出港を待ちわびているのだった。
■ハノク To:ALL
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よぉし、それじゃあいよいよ出港だ。乗ってくれ、皆の衆!!
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■ライチ To:ALL
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一応、天候の様子とも相談しながら、最もモンスターに遭遇しにくい航路を選んでいくつもりだけど……あまり遠回りしても危険度は増すばかりだからね。
まぁ、運の要素も多分にあるかな。ともあれ、これからの船旅、よろしくね♪
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揺れる桟橋を渡り、船に乗る冒険者たち。
大きな帆は風を集めてふくらみ、まずはハザード河の南──海を目指す。
■シグナス To:ALL
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さて、暫くはオランともお別れか。しかも海の上。…………やべ、テンション上がってきた。
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■ウーサー To:ライチ
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そういやあ、ライチさんよ。
アンタ、さっき眼鏡が無ぇ、みてぇな事言ってたが。今は、見張りには支障無ぇのか?
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船員たちに聞こえないように、声を潜めて聞いてみる。
ライチはマストに向かおうとした足を止め、どこを見ているのかわからない視線のまま少しだけ振り返った。
■ウーサー To:ライチ
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遠くのモノなら良く見えるヤツもいる、なんて話は聞くが、そういうヤツは目が疲れやすいとも聞いたぜ。
そのへん、大丈夫なのかよ? 代えの眼鏡とか、持ってないのか?
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■ライチ To:ウーサー
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ああ、大丈夫。伊達眼鏡だから。
……ってことになってるんだ、見張り台はハノクと組む時の私の定位置だし、外れたら変に思われる。
まぁ、精霊たちの動きに耳をすませて何とか乗り切るよ。
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■ウーサー To:ライチ
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そうか、なら安心だぜ。じゃあ、マストの見張りは任せるか。
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ウーサーは周りに気づかれないよう、密かに溜息をついた。
■ウーサー To:ライチ
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……ってワケにも、行かねぇか。
じゃあ、シグナスあたりと組んどくのがいいぜ。アイツはマジでなんでも、卒なくこなせるからよ。
オレ様にゃあ敵をぶった斬ることしかできねぇが、アイツは敵を見つけるのも、欺くのも、敵を味方にするのも、冒険者に思いつくような方法はぜんぶこなせるって変わりモノだからな。まあ、妙なモン見つけたら、すぐに声かけてくれや。
剣だけじゃなくて弓も持ち込んでるからよ、バスバス落としてやるぜ!
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■シグナス To:ウーサー、ALL
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ん、何だ。俺も上の見張りに付いた方が良さそうなんか?……仕方ないっちゃ仕方ないか。効率考えれば身軽な方が昇っとく方が良いし。
ウーサーが真っ先に敵陣突っ込めるかどうかは、冗談抜きで勝率に直結するからな。
他も大体魔法の手もあるし、多少ばらけても何とかなるだろ。
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■ライチ To:シグナス&ウーサー
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頼りにしてるね〜。じゃあ器用なテンハンドさんと組ませてもらおうかな。
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心無しか不安がふっきれたような笑顔を向けて、軽い足取りでマストの方へ駆けていった。
■シグナス To:ウーサー
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……安心しろ、フォローはしとく。けど船の上は狭いんだ。焦ると碌な事ならんぜ。
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