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SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

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銀の網亭で再集合



  銀の網亭・1階

秋の空の変化は早い。西の空がうっすらとオレンジ色に染まり始め、影も細長く伸びはじめた頃、リコリスは用事を終えて銀の網亭に戻ってきた。
■リコリス To:おかみ
ただいま〜♪
あれ? みんなまだ?

■おかみ To:リコリス
あら、おかえり、リコリス(^^
他のみんなは、まだ戻ってきてないのよ。
何か飲んで待ってる?

おかみは夜の仕込み用だろうか、大量の白菜をざっくざっくと刻んでいた。
手早い動きで葉と芯を選り分け、芯を削ぎ切りにしている。
■リコリス To:おかみ
うん。じゃあ、マシュマロ入りのココア……じゃなくって、モチモチ茶お願いします。

気に入ったらしい。
■おかみ To:リコリス
あら、気に入ってくれたの? ありがとう(^^
それじゃ、ちょっと待っててね。
あ、さっきトールクーベ産のかぼちゃでタルトを焼いてみたんだけど、いっしょにどう?

■リコリス To:おかみ
うっわぁ〜、トールクーベ産のかぼちゃ懐かしい〜♪
ぜひ、それもお願い。
あ、お土産も頼んでいい?
お兄ちゃんたちにもトールクーベのかぼちゃ食べて欲しいの。

■おかみ To:リコリス
ええ、わかったわ。
あとで包んであげるわね(^^

仕込みの手を止めて、いそいそとお茶とタルトの準備を始めるおかみ。
おやじはといえば、少し奥のテーブルで、最近入った新人の冒険者パーティと何やら話し込んでいるようだ。
■リコリス To:おかみ
あれ? 新しい冒険者の人たち?
もう依頼受けてるの?

先程まで閑散としていた店に活気が戻ったかと嬉しそうだ。
■おかみ To:リコリス
ええ、先日このお店の扉を叩いたばかりの、まだ駆け出しの子たちよ。
リコリスたちにも、あんな時期があったわよね……懐かしいわ(^^
はい、おまたせ。

そう言いつつ「もちもちもっちり茶」とかぼちゃのタルト(生クリーム付き)をリコリスの前に置いた。
■おかみ To:リコリス
あ、依頼はね、今来ているのは商船の護衛の仕事だけなんだけれど、あの子たちには、まだちょっと無理かもしれないわねぇ。

■リコリス To:おかみ
そうなの?
危険な航路とかなの?

■おかみ To:リコリス
最近、西の海でモンスターが増えてるっていうことらしいの。
まだ戦いを経験してない子たちには、船員や荷物を守りながら……っていうのは、ちょっと難しいわよね。
一度海に出ちゃったら、簡単には陸地に戻れないものね。

■リコリス To:おかみ
そっか〜。
それは確かに難しいかもね。
その船の護衛の仕事って急ぎなの?
リコたちがイーンウェンから戻ってからでも間に合うのかな?

■おかみ To:リコリス
明日出発の船、って言ってたかしら。
残念だけど、うちが無理なら、他の冒険者の店をあたってもらうしかなくなるわねぇ。
でも、リコリスたちは気にしないで、今の仕事に専念してね。

■リコリス To:おかみ
うん、わかった〜。頑張るね♪

新米冒険者たちは、おやじに肩を叩かれ、何やら励まされている。
どうやら諦めることにしたようだ。
しばらくして、再び開く扉の音。
「ネホリーナの穴」に向かっていたゾフィーが戻ってきた。
その肩には、やけにがっちりとした体つきの緑蛙が乗っている。
■ゾフィー To:リコリス>ウサカエル
よかったわ、リコリスさん、あなたがお戻りになっておられて。

さ、いいかげんに降ろしますわよ、肩こりが根付くのはごめんですからね。

あまり丁寧とはいえないやり方で、肩の上から卓上に緑の蛙を払いおとすゾフィー。
蛙の下に敷いていた湿ったハンカチを鼻に近づけ、顔をしかめた後に畳み直す。
■ウサカエル To:ゾフィー
ゲゲッコ、ゲゲコゲコ!?
(おいおい、もうちょっと繊細に扱ったってバチあたらねぇだろ!?)

緑蛙の鳴き声に対し、何を言っているのかわかりませんわとでもいうような表情で、ゾフィーは知らん顔を決め込んだ。
■リコリス To:ゾフィー
あ、おかえり、フィーさん。
あれ? ウーさんは?

■ウサカエル To:リコリス
ゲコッ、ゲコゲゲゲ! ゲ〜ロ、ゲロゲロ!
(おっ、子リスがいるじゃねえか! お〜い、ちょいと鑑定してくれ〜!!)

■ゾフィー To:リコリス>ウサカエル>ALL
ウーサーさんでしたら、あなたの目の前におられますわよ。
原因はこの粘土のカエルですの。
よかったらこの文字盤を使ってコミュニケーションを図ってくださいな。
こちらの話すことはわかっているみたいですので。

というわけで、後は自力でなんとかしてくださいませね。
わたくしは今から港湾地区まで足を伸ばして、港町イーウェンに行く船がないか尋ねてくるつもりですわ。
あそこに陸路で向かうというのはまず難しいと考えたほうがよさそうですし……

お二方、ついでになにか買い物が必要でしたらおっしゃってくださいな。

そう言いながらゾフィーは緑蛙の横に粘土カエルと文字盤とを並べて置いた。
■リコリス To:ゾフィー>おかみ
船でしか行けないの!?
あ、おかみさん、さっきの明日出発の船の護衛依頼の行き先ってどこ?

■おかみ To:リコリス
ん、さっきの依頼のこと?
ええと……エレミア行きの商船だって話よ。
途中、イーンウェンっていう港町を経由するから、けっこうな長旅なのよ。
人手不足らしくて、途中までの護衛でもいいって話だけれど。

厨房に戻っていたおかみが、ひょっこり顔を出して応じる。
■リコリス To:おかみ&ALL
そうなの!? それって結構いいかも。

■ゾフィー To:おかみ
具体的にはどういう条件になりますの?
報酬とか、賄いが付くかとか、船舶護衛の基本的な契約の話ですが。
いえ、まだ受けると決めているわけではございませんけれどね。
わたくしたち、イーンウェンまで行くことになりそうですの。
話によっては、手段のひとつとして検討できるかもしれませんわ。

■おかみ To:ゾフィー
あら、本当? もしそうなら、助かるわ(^^
ええとね……報酬はひとり1000ガメル、イーンウェンまでなら500ガメル。
賄いをつける場合は報酬から天引き……いちにち30ガメルですって。
それから、もしモンスターの襲撃を防ぎきれずに荷物や船に被害が出た場合、被害額の一部を報酬から差し引く……ということになっているわね。

手元にある依頼書の写しを見つつ、応じるおかみ。
■ゾフィー To:おかみ
ありがとうございます。
皆が戻ってまいりましたら、相談してみることにいたしましょう。

■リコリス To:ゾフィー
あ、あとね、リコさっき海エルフのライさんとお友達になったの。
船の護衛とかしてるんだって。
そういえばオランの西の昔の海図探してたし、イーンウェン行きの船について何か知ってるかも。
リコ、シグ先輩たちが帰ってきたら聞きに行ってみる。

■ゾフィー To:リコリス&ウサカエル
昔の西の海図?
占い師の件といい、なんだか都合が良すぎる話ですわね。
まあいいわ、護衛の話と、あなたの「お友達」に限らず選択肢が多い方が行動にゆとりが持てますし、裏をとる形になるかもしれませんから。
ではちょっと確認してまいりましょう。

肩をすくめたゾフィーは港湾地区へと向かう為、足早に出ていった。
■ウーサー To:リコリス
ゲッゲゲッコ……ゲロゲロン。
ゲコッ、ゲコゲコ。ゲロゲロ、ゲッコゲッコ?(棚からボタモチ、ってヤツかもな……船舶護衛ってのに便乗できりゃあ、報酬の足しになって助かるぜ。
あ、そうだ。おいリコリスどうよ、なんとかできそうか?)

■リコリス To:ウーサー
え〜〜、これがウーさんなの?
ウーさんずるい!
リコもケロリーナ使いたかったけど我慢したのに!

テーブルの上に拳をテトテトと打ちつけて怒りをアピール。
■ウサカエル To:リコリス
ゲッコゲロゲコォ〜! ゲロッゲゲロロッゲロ!!(ずるいもずるくないも無ぇ〜! うらやましいなら変わってくれよオイ!!)

思わず漢泣きに泣き崩れる、ウサカエル。
■リコリス To:ウーサー
ところで、この粘土のカエルさんはなに?
ケロリーナとは違うみたいだけど……もらったの?

■ウサカエル To:リコリス
ゲロ、ゲッコゲロゲコ。ゲゲッゲロ……ゴケゴケ、ゲロロッゲロロ?(あ、いやソイツは借り物なんだ。元に戻る方法が知りたくてよ……どうだよ、知ってそうか?)

言葉が通じていないことを思い出したウーサーは、ゾフィーに広げておいてもらった文字盤の上を
【それ かり てきた】
【かんてい おわったら かえしにいく】
と動いてみせた。

粘土細工のカエルを手のひらに乗せて、しげしげと眺めるリコリス。
■リコリス To:ウーサー
あれ? これってもしかして粘土細工のケロリーナじゃない?
リコ、本で読んだことあるよ。
「千の遊びを知る」ポポロイドっていうガラス細工のケロリーナを作った人が作ったんだよね。
戻り方は確か……。

指をおとがいに当ててしばし考える。
そしてウーサーに手の平を上にして差し出した。
■リコリス To:ウーサー
ウーさん、リコの手に乗って。

■ウサカエル To:リコリス
ゲロッ、ゲロゲロッ!? ゲコゲコ……ゲココ?(おっ、なんか解ったのかっ!? えっと……これでいいか?)

■リコリス To:ウーサー
(下位古代語)カエルよ、元に戻れ!

■ウサカエル
ゲロゲッ!?

リコリスのコマンドにより、魔法が解けていく。
カエルにされた時と逆のプロセスを辿って、ウーサーは元の姿に(装備ごと)戻ってリコリスの前に出現した!
元に戻れたヨロコビに、思わずガッツポーズ。
■ウーサー To:リコリス
おおっしゃあっ!!
ありがとう、リコリス! 愛してるぜ!!

そしてウーサーは、思わずとんでもない事を口走りながら、リコリスを真正面から抱きしめた。
そして脇の下に両手を入れてリコリスを高く掲げて、くるくる廻り出す。
■リコリス To:ウーサー
うきゃ〜〜♪
目がぐるぐるまわる〜O(≧∇≦)O

子どものように無邪気に喜ぶリコリス。
■リコリス To:ウーサー
ところで、なんでカエルになってたの?

■ウーサー To:リコリス
聞くな。

途端にめちゃくちゃ不機嫌になって、ぽいすと手を離す。
■リコリス To:ウーサー
うきゃあ!
いった〜い、お尻打った〜(>_<)
ウーさん、ひど〜い。

受身など出来ないリコリス。
思いっきり床にお尻を打ち付けてしまった。
そしてさらに数時間後。
学院に向かっていたシグナス、イェンス、ソルも戻ってきた。
そしてほぼ同時に、ゾフィーも湾岸地区から戻ってきた。
■ゾフィー To:ALL
やれやれ、魚の匂いはどうも慣れなくていけませんわ……あそこに比べたら、ここの香りのほうがずっと落ち着きますわね。

おかみの作る煮込み料理のいいにおいが、店内を満たしている。
■シグナス To:ALL
OK、話は聞かせてもらった。嘘だ。……あれ、俺等で最後だったひょっとして?
……んじゃ先に飯食ってから話すか。おかみさーん、定食頼みまーす。

■リコリス To:シグナス、イェンス、ソル
あ、おかえり〜♪

■イェンス To:ALL
遅くなってスミマセン。恩師に呼ばれて話し込んでしまったもので。

■ソル To:ALL
イェンスの師匠にしてはまともだったよな。
海洋生物と昆布茶に愛を注いでる感じだったけど。
昆布茶に愛を注ぐあまり、昆布の入手ルートは危なそうだったけど。

それは内緒じゃなかったのか!?
■ゾフィー To:イェンス&ソル
昆布……といいますと、海中を漂う長い海草ですわよね?
あれがお茶になりますの?!
いったいどんな味になるのか、わたくしには想像がつきませんが……。

■イェンス To:ゾフィー
なんと!昆布茶をご存じないとは!!!
この店にも昆布茶がありますので是非試してみて下さい!!!
あぁ、しかし教授の昆布茶はどうやって手に入れたんでしょうねぇ…。

■ゾフィー To:イェンス
ご存知ないかもしれませんが、ヤマでは昆布は採集できませんのよ。
……流石オランというところね。
では今夜早速、いただいてみることにいたしましょうか。

■おかみ To:シグナス、イェンス、ソル&ALL
おかえり、みんな。今日はお疲れさま(^^
今日の定食のメインは「豚肉と白菜の重ね煮」か、「鶏ときのこのバター炒め」よ。
どちらか好きな方を選んでね。
定食にはパンとスープ、サラダがついてるわよ(^^

店内には冒険者だけでなく一般客もおり、それなりに賑わっている。
おやじは厨房でフル回転のようだ。
■シグナス To:おかみ
うーん、それじゃ今日は豚の煮込みの方でお願いします。

■おかみ To:シグナス&ALL
わかったわ(^^
他のみんなもお腹空いてたら、注文してね。

■ウーサー To:おかみ&ALL
じゃあオレ様は……いや、今日は豚を1人前と、鶏を3人前でいいか。
いや参ったな、あんな状態にされてたろ? ロクに歩き回れなかったから、あんまり腹減ってねぇぜ。

■イェンス To:おかみ
わたしもほとんど動いていないのとお昼に食べ過ぎたので、パンとスープのみでお願いします。

■ゾフィー To:おかみ
ではわたくしは、いつもの……トマトソースのパスタを注文させていただきますわ。
あと、「昆布茶」というお茶がメニューにあるようでしたら、そちらもお願いします。
甘味やミルクは抜きで、ストレートでお持ちくださいませね。

■おかみ To:ゾフィー
ええ、大丈夫よ。今日はたまたま市場で「ふしぎ異国名産品フェア」をやっていたから(^^)v

■リコリス To:おかみ
リコはサラダともちもち茶だけでいいや〜。
さっきのかぼちゃタルトついお代わりしちゃったからお腹空いて無いし。

こちらも気に入ったらしい。
■ソル To:おかみ
どっちもうまそうで迷うけど、鶏ときのこのバター炒めで。

■おかみ To:ALL
わかったわ、ちょっと待っててね(^^

おかみはフル回転の厨房に引っ込んでいった。
■シグナス To:ウーサー
つか、お前なんか、そこはかとなくヌメっぽくなってないか?何やってたんだ。

■イェンス To:ウーサー
確かになんとなく生っぽい臭いが…。

■リコリス To:シグナス&ALL
ウーさんはウサエルになってたんだよ。
緑のね、とってもかわいいカエルさんだったの。

■ソル To:ウーサー
ウーサー、カエルになると可愛くなるんだな…。
っていうか、なぜカエルに。

■シグナス To:リコリス、ウーサー
成る程。理由は解ったが何やってんだかはサッパリだな。まあ良いか、どうせウーサーだし。

■イェンス To:ウーサー
ずいぶん楽しそうな事になっていたんですね。
せっかくですからそのままウサガエルになっていただいていれば最強の使い魔になっていたかも知れないのに…。

■シグナス To:ALL
さて、と。落ち着いた所で話でも纏めるか。本当に落ち着いてるかは一切知らんけど。
とりあえず俺の方は、学院で絵筆とイーエンの事調べてみたんだが……。
イーエンは今はイーウェンって港町が在るらしい。ココの伝承に「モンスターの襲撃を虹で防いだ」ってのがあった。
虹が何を意味してるのか……マジで虹そのものなのかは、流石に解らんかったけど。

あと、絵筆の方はそれっぽいのはあったんだが……。
「力を使い過ぎて折れた。穂先はシンメと言う白馬になった。柄はウズマキと言う捩れた樹になった。二つは今でも、後継者を待ってひっそり暮している」
……ってーのが、重要資料欄にあったトンデモ本に載ってた。

後はそうだな……ちょいと外れるかも知れんけど、ここからエレミア辺りの間の、海洋生物や魔物の図鑑が紛失してた。
結果的に、その間のモンスターとかは調べれなかった事にもなるんだが……。
港町なら海路で行く方が早いかも知れないからな、一応気には留めといた方が良いと思う。

■ウーサー To:シグナス、ALL
成る程な、今は「イーンウェン」になってるって事か……いや、オレ様たちのほうでも「イーンウェン」の名前が出てな。

占い師のネホリーナの姉がハホリーナって言うらしいんだが、その婆さんは今、イーンウェンで私設図書館をやってるんだと。
で、あの絵本にあった『2重の円の中にカエルのシルエット』のシンボルってのは、そのハホリーナって婆さんが使ってるシンボルなんだそうだ。
でも婆さんたち同士はもう何年も会ってなくて、なんで絵本がレモネィの店に流れたのかは知らないって言ってたぜ。

それから、ついでに失せ物探しの占いもやってみてもらったんだがな?
占いの代金代わりってんで、ちょいと頼みごとをされてよ。そしたら、今度は聞き覚えのある名前が、いきなり出てきやがったんだよ。
イーンウェンに古くからある画廊で、『ゴルボロッソ』って名前のドワーフが描いた、『静謐』っていう絵を受け取ってきてほしいって頼まれたんだが――なんとその画廊の名前が、「ギャラリー・ハプルマフル」ときたもんだ。

あ、それと、お目当ての絵筆は『西』だとよ。それ以外には、ひとっことも追加ナシだったぜ。
イーンウェンに、ハプルマフル。それにドワーフの画家……まあ酷い目に逢わされただけの価値はあった、って思いたいモンだけどよ?

■ゾフィー To:ALL
そうそう、ちょっと前に耳にした噂がございましてね。
最近、あのあたりでは雨が降り続けており、海路の天候も不安定だそうなのよ。
気になる話ではございません?

港町イーンウェンと「ハホリーナの葉隠れ屋」「ギャラリー・ハプルマフル」について、その他知っている話を披露するゾフィー。
■リコリス To:ALL
リコのほうはね、あの本は元はイーンウェンってトコの私設図書館から行商人さんが買い取って、それをオランの中央市場で「れもれも」の店主さんが買ったんだって。
あ、あとね、リコ、海エルフさんとお友達になったよ。ライさんっていうの。
商船の護衛とかしてるんだって。
もし船で行くなら、いい船紹介してもらう?

■ゾフィー To:ALL
その船の件なんですけれどもね、先ほど港湾地区にいって確認してまいりましたわ。
イーンウェンを経由するエレミア行きの商船は、明日の朝出発のものだけだそうよ。
これを逃すと、次に同じ航路を行く船は1カ月先になるわね。
あと西に向かう船はどれも最近増えたと噂されるモンスターを警戒していて、普段より多めに護衛を雇っているとか。
くだんのエレミア行き商船もいくつかの冒険者の店に打診しているというわ。
おかみさんの話していた依頼もおそらくそうなんでしょう、明日の朝まで募集中ですってよ。

護衛が面倒でしたら、商船ではなく客船を利用するという手もありますわね。
臨時に仕立てたとして、ひとり500〜700ガメルですむそうですの。
正直申しあげますと、わたくしといたしましては、そちらのほうが気楽でありがたいわ。

■リコリス To:ゾフィー&ALL
リコは護衛しながらでもいいな〜。
っていうか、客船だと報酬全部往路に突っ込んじゃうことにならない?

■ゾフィー To:リコリス&ALL
そのかわり、復路の心配はせずにすみますわ。
護衛を受けてイーンウェンで下船するとなると、目的を果たした後、帰りの船が通りかかるまで最長で1ヶ月は待つことになりますのよ。
そのオラン行きの商船が、護衛なり、乗客なり、冒険者を乗せてくれるのかという問題もございますしね。
そうそう、念をおさせていただきますが、陸路で行くという意見にはわたくし耳を貸すつもりはございませんからね。

■シグナス To:ALL
れもれもの店、て。……頼まれた、と言うなら俺も紛失中の図鑑見付けたら確保しといてくれ、とは言われてるね。
……成る程、良い感じに面倒が重なってるけど、今回の仕事に関しては悪くないな。
ぶっちゃけ、よしんば本物が見付かったって、あの辺に在る孤児院に置いておくのは危な過ぎるからなあ。
ま、物の判断は見付けてからで良いとして。なるべく道中は山あり谷ありで、話のネタを拾っていく方が良いだろ。
この仕事の本質は、子供等が楽しめるか如何かだしな。だったら、海路の方が何かと面白くなりそうだ。……ってー訳で、各自今日の出来事を羊皮紙にでも書いとく事。主観バリバリ超OKで。コレ、宿題な。

■リコリス To:シグナス&ALL
Σ宿題!
あ、子ども達にあとで伝えるためか〜。
うんわかった、頑張る〜♪
あ、船に乗るなら、リコ、ライさんにちょっと聞きに行ってみる。
たしか……湾岸地区の「七つのさざなみ亭」ってとこに泊まってるって言ってたし。

■ウーサー To:シグナス>リコリス
うぇぇ、宿題たぁねえ……へいへい、可能なかぎりやってみますぜ。
あ、ちょっと待て子リス。七つのなんちゃら亭に行くんなら、オレ様も一緒に行く。
ライってのに、ちょいと会ってみてぇしな。

暗い夜道をひとりで歩かせるのは心配だから、とは口が裂けても言わないウーサーだったりする。
■リコリス To:ウーサー
ありがとウーさん、よろしくね〜。
(ウーさん、海エルフに興味があるのかな?)

■シグナス To:ALL
まあ、依頼の本質的にはその辺の話題がメインだと思うし。
チマチマ手ぇ広げれば話のネタにもなるし、小遣い稼ぎもなるし一石二鳥って所だろうさ。

■ソル To:ALL
イェンスの恩師のリノゲイド教授の話なんだけど、半年ほど前から海洋に出た調査団がモンスターに襲われ始めたんだ。そのモンスターは倒すと色とりどりの液体になるらしい。
その液体を採取して来てくれないかと頼まれているから、そちらの方も合わせて出来ないかな?

そもそも倒すと液体になるモンスターって、みんなどう思う?
しかも海洋にいるモンスターだけが出現しているんじゃなくて、鳥型のモンスターや、普通は徒党を組まないようなモンスターが一度に現れるらしいし。

■ゾフィー To:ソル&ALL
「描いたものが本物になる絵筆」の物語。
「海洋生物や怪物の図鑑」の紛失。
「倒すと色とりどりの液体になるモンスター」の海上襲撃。
イーンウェンで「降り続く雨」。
「モンスターの襲撃を虹で防いだ」伝承。
短絡するのは早計かもしれませんが、非常に興味深い繋がりですわね。
はたして、どういうめぐりあわせであの絵本は子ども達の所にやってきたのかしら。

■イェンス To:ゾフィー&ALL
恩師は魔物を倒すと粘度のある液体に“戻る”と言っていました。
それから、その色とりどりの液体からは魔法感知に反応していたとか。
ゾフィーの言う通り、何か関連がありそうな気がしますね。

■おかみ To:ALL
おまたせ〜、定食とサラダとパスタと……昆布茶と、これで全部よね。
しっかり食べて明日への活力を補ってね(^^

おかみが慣れた手さばきで次々とお皿をテーブルに並べていく。
ウーサーの目の前だけがやたら賑やかであった。
そして夜も更けてきたころ、「七つのさざなみ亭」からリコリスが戻ってきた。
すでに1階に残っている客は、リコリスを待つ仲間たちと、数人の冒険者以外になく、 おやじがグラスを磨く音が小気味よく響いているのみだ。
■リコリス To:ALL
ただいま〜。
遅くなってごめんね〜。
ライさんは直接会えなかったけど、明日の早朝のイーウェン経由エレミア行きの船に乗るって教えてもらったよ。
一緒に船に乗れれば、道中でいろいろ教えてもらえるかも。

会えなかったのは残念なものの、一緒の船旅ができるかと思うと楽しみで仕方がないらしい。
■シグナス To:リコリス、ALL
……そのライさん、てのが信用できる相手か知らんのだがね。いや、流石に直接会っても無い初耳の名前じゃ如何とも言えんし。
とは言え、船旅にする方が良さそうなのは確かか。ま、姐さんにゃ悪いが万が一乗り損ねる事でもありゃ、意見の有無も無く陸路になるけど。
船旅か……シャウトは連れて行けねえし、装備は選ばねえとなあ。ウーサー、船上で着る鎧持ってるか?金属鎧なんて着てたら潮風で錆びちまうぜ。

■ウーサー To:シグナス
いや、いつものこの鎧以外、予備なんざぁ持ってねぇよ……。
それにオレ様の場合、鎧だけじゃなしに、モールもラージ・シールドも身につけて……なんて無理だろ。船から落ちたら、どう考えてもアウトだしなぁ?
まあ、魔法生物だかナンだかが出たときのために、銀の大剣は手近に置いとかざるを得ないとして……仕方ねぇ。ショート・ソードと皮鎧でも、おやじに見繕ってもらうかな?

あ、そうだ。粘土カエル返してこねぇとな。おやじにオーダー出してから、ちょっくら行ってくらあ。

■ゾフィー To:ウーサー
あら、借りるというのは絵を持ってくるまでという意味ではなかったのですの?
そういう大事なことは、もっと早くおっしゃっていただきたいわ。

……だとしたら、乗船するまで蛙形でいていただきましたものを。

■リコリス To:ウーサー
え〜、粘土のケロリーナ返しちゃうの〜?
残念。リコもカエルになってみたかったな〜。

食事を終えたあと、ウーサーは粘土カエルをネホリーナに返すために再び「穴」を訪れた。
しかし布で仕切られていただけの入口には、なぜか木製の扉が出現しており、固く閉ざされていた。押しても引いても開かない。声をかけても返事は無かった。

さすがに扉を打ち破ってまで入る気にはなれなかったウーサーは、まずはいったん「銀の網」亭に帰還。羊皮紙と羽根ペン&インクを借り、【粘土カエルから元に戻る方法】をメモにして、おやじに粘土カエルと一緒に託した。
おやじたちに時間の余裕が出来たときに渡していてもらえるよう、頼んで。
■おやじ To:ウーサー>おかみ
じゃあ、確かに預かったぜ。あの人はおかみのお茶とスイーツのファンらしいから、またいつかふらっとやってくることもあるだろう。
それにしても、面白そうだなコレ……試してみるか?

■おかみ To:おやじ
ひとりでやれば?(^^

こうして、冒険者たちのオランでの調査の一日は終わりを告げる……


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GM:ともまり