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SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

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お願いカナエル



  ネホリーナの穴

水の入ったお皿の縁に、ちょこんと腰掛けた2匹のカエル。
鮮やかな赤と緑の対比が水面に映っている。
■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲッ、ゲコゲゲゲ。
ゲコゲココ、ゲロゲロ?
グワッ、グワッグワグワ、ゲロゲ〜ロ。
ゲコッゲコゲコ?

ゲコゲゲッゲコ――ゲロゲロゲロ、ゲココゲコ――、ゲロゲロゲコ、ゲゲコゲコ。
ゲッ、ゲコゲコゲコ、ゲロゲロゲロンゲッ……(ああそうだ、いかんいかん。あんまりな逆境に、本題を忘れるところだったぜ。
婆さん、この近くの「フェンデ孤児院」って知ってんだろ?
実は、其処に置いてあった『イーエンにかかる虹』っていう絵本の内容に関することで、調べてるんだが。

その絵本、出所は「レモネィ」って画材屋だったってハナシなんだが――画材屋の方にはいま、別な仲間が廻ってるんだけどよ――、絵本の最後のページに、『2重の円の中にカエルのシルエットが配置された形』の刻印があったんだよ。
で、カエルのグッズ集める趣味があるっていう婆さんなら何か知ってないかと思って訪ねてみたんだが……)

ウーサーは溜息をついて肩を竦めた――つもりなのだが、果たしてそのように見えているのかは微妙なところだ。
■ウサカエル To:ネホリーナ
……ゲロ、ゲ〜ロ。
ゲコッ、ゲコゲコゲ、ゲ〜ロゲ?(……いきなり、この有様だぜ。
オレ様はいったいどうやって、孤児院のガキどもの為に働きゃあいいってんだぁ?)

■ネホリーナ To:ウサカエル
グェッグェッ。ゲコゲコ。ゲゲロゲロ。
(ほうほうほう、なるほどのぅ。今おぬしが語ってくれた、長い長い話の中で、一カ所だけ引っかかるせくしぃーわーどがあるぞッ!

『2重の円の中にカエルのシルエット』。このシンボルは、わしの姉ハホリーナの使っているシンボルじゃ。
イーンウェンという港町で、私設図書館をやっておるせくしぃーがーるじゃ。
むろん、わしも負けず劣らずせくしぃーじゃが。)

■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲッコゲッコ……ゲロゲ〜ロ!?
(はあ、そーっすか。「せくすぃー」っすか。そいつぁカエル以外の姿の時にお会いしたいぜよ!? 住所とかお伺いしておきましょうかね、ええ!?)

■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲッゲコゲコゲコ。グェッグェッ。
(ど〜こじゃったかの〜〜? まぁ地元の民に聞けばわかるんじゃないかの〜〜?)

説明するのが面倒くさいとでも言いたげに、ぷっくり腹を撫でながら。
■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲコ? 『グココ』ゲココ、『ゲコッコ』ゲコ、ゲッコ『グココ』ゲコ?
ゲロゲ〜ロ、ゲログワッ、ゲコ……ゲコ「ゲゲ」ゲッコ、ゲコゲゲコ?
(ん? 『イーンウェン』? 『イーエン』じゃなくて、『イーンウェン』ってことか?
それと、あの絵本は元々は『ハホリーナ』って婆さんの持ち物なり、私設図書館の物だったってことだよな……なんで「レモネィ」の店主の手に渡ったのか、婆さんなにか知ってるか?)

■ネホリーナ To:ウサカエル
グェェ。
(いや、知らんのぅ。何しろもう何年も会うてないしの〜〜。)

■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲ? ゲコゲコ、ゲゲゲッコ?
ゲゲコ、ゲロゲルゲ?(ん? じゃあ婆さんを通してじゃなく、ハホリーナってのの方から直接流れたかもしれねぇって事か?
そう言やあ、婆さん自身は「レモネィ」の店主とか、孤児院の連中とは親しかったりするのか?)

■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲコゲコ。ゲロゲロゲッコ。……グェッグェッ。
(わしゃ、そんな絵本のことなんぞ聞いたこともないぞ。
レモネィとも孤児院とも付き合いはないのぅ〜。彼らとて占いに使うような余計な金など無かろう。
わしのところに来るのはもっと、「あうとろー」で「がけっぷち」なひとびとなんじゃよ……。ひょほほ。)

■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲロ……ゲコ、ゲロゲロ(そうか……いや、ありがとうよ)

とりあえず、今まで聞いたことをゾフィーに伝えようと、ぴょこぴょこと文字盤を動き回るウーサー。
【えほん の もんしょう わ ねほりな の あね はほ りな】
【はほりな わ いいんうぇん の しせつとしょかん の かんちょう】
【いま おらん に えほん ある りゆう わ はほりな わ しらない】
■ゾフィー To:ウサカエル
ちょっとお待ちになって、「いいえん」ではなく「いいんうぇん」ですの?
もしかして、港町イーンウェンのことかしら。
『葉隠れ屋』という幻の図書館の話なら、聞いたことがございますわ。
確か馬車で移動する移動図書館で「葉隠れ屋に出会えたらその日いちにち幸せ」というジンクスがあるほどですのよ。
もし、あの町に向かうとなるなら……野伏も惑う密林を抜けるか……

そこまで口にして、想像するもおぞましいとでもいうように、ゾフィーはぶるりと身をふるわせた。
■ゾフィー To:ウサカエル
……おっと、失礼しましたわ。
とにかく、そこに行くとなると船でいくしかなさそうよ。
田舎町ですから、オラン〜エレミア間の商船が1カ月に1回立ち寄るかどうか。
そういえば最近、イーンウェンでは雨が降り続けており、海路の天候も不安定とか言っていたわね。
雨……あの絵本の話、ちょっとひっかかりますわね。

閉じた扇の先を右のこめかみに当てるようにして、やや首をかしげるゾフィー。
■ゾフィー To:ねほりな
あなたのお姉さまという方も、カエル好きでいらっしゃいますの?
『2重の円の中にカエルのシルエット』の紋章には、なにか意味があるのかしら。

■ネホリーナ To:ゾフィー
ゲコゲコ。

ネホリーナはぴょこたと文字盤の上に飛び移ると、水しぶきを縦横無尽にまき散らしながら、文字をせっせと指し示す。
【ねえちゃ かえる だいきらい】
【にじゅう えん ふういん】
疲れたらしく、そこまで動くとゼィゼィと肩で息をした。
■ゾフィー To:ねほりな
ちょっとあなた、そんなに濡らしたら、文字が滲んでしまうではありませんか。

ゾフィーは懐から淡い紫色をしたハンカチを取り出すと、軽くおさえるようにして羊皮紙の上に飛んだ水滴を吸い取らせた。
■ネホリーナ To:ゾフィー
ゲコゲコ♪

■ゾフィー To:ねほりな&ウサカエル
しかし、「だいきらい」なものをあえて蔵書印にいたしますかしらね。
まじない的な意味はございませんの?

■ネホリーナ To:ゾフィー
ゲロッ。

【しらん ねえちゃ に きいて みれ】
湿り気を帯びた水かきでぺったぺったと指し示すと、半目になって後ろ足でほっぺたをかいかいし始めた。
■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲロゲロ、ゲッコゲコ、ゲロロゲロ(ゲコ)
ゲコッ、ゲロゲ〜ロ……ゲコッコ、ゲコ。
グワァグワ、ゲコッゲコゲコ?
(なんだか、微妙に役に立ってんだか、たってないんだかなぁ(苦笑)
あ、あとついでに占いってのも見てみてぇな……この格好で、婆さんがどうやって占いするのかが特に。
失せ物探しと、あとオレ様の恋愛占いとかってできるのか?)

■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲッゲゲコゲコ! ゲコゲコグェッ。ゲゲコゲコゲコ。
(占いはいかなる条件でもできるッ! 道具に頼らぬ、それが占いの真の姿よ。
ひょほほ。
失せものと恋愛占い、じゃな?
1回50ガメルじゃから、2種類で合計100ガメルふんだくるところじゃが、おぬしらには恩がある。特別にタダで、と言いたいところじゃが……)

何か策略をめぐらせるよーな表情で、水かきの手であごを撫でる。
■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲコ。ゲコゲコゲッコ、ゲゲロゲロ。
(ひとつ、おぬしらに頼みたいことがあってのぅ。
もし請け負ってくれるなら、占い料のサービスに加えて、この元に戻る方法がわからん「粘土細工のケロりん」を譲ってやろうぞッ。
れっきとしたマジックアイテムじゃから、それなりの高値で売れるはずじゃ。
ま〜わしとしては、愛用してもらったほうが嬉しいがの〜。
どうじゃ!?)

■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲコ、ゲコゲコゲッゲッ。ゲロ、ゲッロ。
ゲロ、ゲゴゲゲ? ゲッコゲロゲロ。
(まあ、別に金払うんでもいいんだけどよ、正直マジックアイテムは欲しいな。とりあえず、どんな頼みごとだよ。
ハナシの内容しだいじゃあ、別に手ぇ貸してやってもかまわないぜ? もちろん今受けてる依頼が最優先なんだけどよ)

■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲロゲロ、ゲッコゲコ。ゲココゲコ。
(なぁに、簡単なことじゃ。
港町イーンウェンには、古くからある画廊があってのぅ。そこで、ある絵を受け取ってきてほしいんじゃよ。
絵のタイトルは『静謐』。──揺れるヤナギの下でカエルが3匹、空を見上げているという風流な絵じゃ。
作者はゴルボロッソというドワーフ。すでに故人じゃがな。
まぁ、おぬしらがイーンウェンに行く用事があれば、の話じゃがのぅ?)

■ウサカエル To:ネホリーナ
ゴゲッ、ゲゲッ、ゲゲッコゲゲロゲロ。
ゲコッコ? ゲロロゲロ、ゲゲゲ〜ロ。
(ん〜、まあその程度なら、別に皆に相談しなきゃならねえって程の手間でもねぇか。
『静謐』だな? いいぜ、持ってかえってきてやるよ)

■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲコゲコゲッコ。ゲゲッコゲ、ゲコルゲコル。
(よろしく頼むぞえ〜。画廊の名は「ギャラリー・ハプルマフル」じゃ。)

■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲゲッ? ゲッコ、ゲココゲコ?
(『ハプルマフル』ぅ? なあ婆さん、そのギャラリーの名前の由来って知ってたりしないか?)

ウーサーは文字盤に移動し、
【ばあさん に たのみごと された】
【いーんうぇん に ぎゃらりー はぷるまふる が ある】
【はぷるまふる で え を うけとって くれば ねんど かえる くれる】
と動きながら、突然出てきた『ハプルマフル』の言葉に驚きつつ尋ねてみた。
■ネホリーナ To:ウサカエル
グェッ。
(由来? これっぽっちも知らん。)

きっぱりと。
■ゾフィー To:ウサカエル
「ぎゃらりー はぷるまふる」?
………ええっと……イーンウェンがらみなら確かその名前も耳にしたはずね……
ああ、そうそう町のはずれ、下町付近にある古い画廊よ。
イーンウェン産の絵画や陶器などを販売していて、本当か嘘かは存じませんが、古代王国時代に発掘されたものもあるとか。
大昔にゴルボロッソというドワーフの画家が使っていたアトリエを改装して使用しているという話ね。
げーじつドワーフやら、きまぐれな半妖……こほん、とにかく町の人に関する話はほとんど聞いておりませんでしたけれど、あの時ちゃんと耳を傾けておけば良かったですわ。

■ウサカエル To:ゾフィー
ゲッコ、ゲゲッコ、ゲコゲコゲ?
(まあ、そのへんは後で、現地に着いてから調べてもいいんじゃねぇか?)

■ゾフィー To:ウサカエル>ねほりな
あなた、おっしゃりたいことがありましたら、はっきりと動作でしめしてくださいませな。

なにを申しあげようとしていたのでしたっけ……ええっと、そうそう「えをうけとってくれば」という話ですけれど、先方には話がついておりまして?
あなたのお名前を伝えればよろしいのかしら。
まさか交渉やら代金やらが必要になったりはいたしませんわよね。

■ネホリーナ To:ゾフィー
グェッ。

ぴょこぴょこと文字盤をかけずり回る。
【しはらい ずみ】
【ねほりぃな の なまえ いえば おっけぃ】
そして水かきで器用にVサイン。
■ゾフィー To:ねほりな
それから、念のために絵の画材と大きさを伺いたいわ。
海路を行くにせよ、陸路をいくにせよ、運搬と保護対策を考えないといけませんでしょう。
相手が画廊でしたら、そのあたりはきちんとしていただけるとは思いますけれども。

■ネホリーナ To:ゾフィー
グェェ。

【あぶら】
そう示した後、両手をうーーんと左右に広げてみせた。白いおなかがよく見える。
■ゾフィー To:ねほりな
油彩ですか、大きさは問うたわたくしが悪うございましたわ。
ところで支払いはいつどうやって………
…………いえ、結構よ、どうやら「ついで」になりそうですし。
ただし、現在受けております依頼がございますので、その上で可能でしたらという話になりますの、それだけはご承知おきくださいませね?

■ネホリーナ To:ゾフィー
ゲコゲコ。

ぐっと親指を突き立てた。
■ゾフィー To:ねほりな
よかったわ、ついでにもう一つ伺ってもよろしくて?
画廊の元になったアトリエを使っていたというドワーフの画家、ゴルボロッソについて、なにかご存じのことがありましたら教えていただけませんか。

■ネホリーナ To:ゾフィー
ゲロゲロ?

【3 0 0 ねん まえ に しんだ】
【がんこ もの】
羊皮紙の上で、仰向けになってしんだふり。
■ゾフィー To:ねほりな
おほほ、なかなか素敵な格好でございましてよ。
ああそれから「がんこ」は、わたくしたちドワーフにとりましてはある意味褒め言葉でございますから。
そう言った意味においては、彼も正統なる大地の妖精族と考えてよさそうですわね。

広げた扇で口元を隠しながら、ゾフィーは声だけで笑ってみせた。
■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲッ、ゲコゲゲゲッコ、ゲコゲコ、ゲロゲ〜。
ゲコゲコ、ゲゲッコ、ゲゲコゲコゲロ。
(あ、でも「粘土カエル」だがよ、出立前にちょっとの間、借りてくわけにはいかねぇか?
今回組んでる仲間にゃあ魔法に詳しいヤツらが多いから、この粘土カエルの正体も見破って、元の姿に戻る方法を見出せるヤツがいるかもしれねぇからよ)

■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲッコゲッコ。ゲロゲロゲ。
(うむ、構わぬぞ。もしおぬしらがそれを持ってトンズラぶっこいても、わしにはすぐ居場所がわかるからの〜。ひょっほほほ。)

■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲロ、ゲロゲロロ……。
ゲコ、ゲッコッコ。ゲロゲココ、ゲゲロゲロ……グワッ、ゲコゲコゲッコゲコ?

ゲッ、ゲロロゲコ……ゲコ。ゲッコゲゲッコ、ゲゲゲロゲゲロ。
(で、占ってほしいモンだが……。
まあ、ひとつはオレ様の恋愛運な。オレ様好みのコと、ステキっぽい流れが来るかどうかってハナシだ……いやいずれはそうなるにしても、「いま」故郷のオフクロを思い出しちまうような相手ってんじゃなくだぜ?

で、失せ物探しのほうは……依頼にかかわってるんだがな、孤児院のガキどもが探してくれって頼んできた、「魔法の絵筆」の在り処についてだ)

そしてウーサーは、孤児院で聞いた絵本の話をネホリーナに伝えた……孤児院の子ども達が語った、「書きたいもの」と一緒に。
■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲコゲコ。グェッゲロロ。
(うむ。ではまずは、わしの得意分野、失せもの探しから見てやろう。
「まほうのえふで」よ、いずこにありゃ……ふんぬぬぬぬ……)

ネホリーナは立ち上がり、べちっと両手のひらを顔の前で叩き合わせると、何かを念じるかのようにぎゅっと目を瞑って唸り出した。
すると、皿の中の水が揺れ始め、水面にぽつぽつと小さな波紋が現れ始める。
■ネホリーナ To:ウサカエル
グェェェェェェェ……ゲッコゲコ!!
(ぬぅぅぅぅぅぅ……ずぉりゃああ!!)

気合いを入れた叫び声が、間抜けなカエルの鳴き声となって部屋の中にこだました。
そしてたくさん湧き出てきた波紋を読み取るかのように、じっと水面を凝視する。
■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲッコ!!
(西ッ!!)

ものすごく大雑把だった。
■ウサカエル To:ネホリーナ
……ゲコ、ゲココ。
(……じゃあ、次頼むわ)

■ネホリーナ To:ウサカエル
グェッ!?
(リアクションうっすいのぅ!? そんなんではオランNo.1芸人には成れんぞ!?)

ゲコゲコ。ゲッコゲコゲコ。
(さて、続いておぬしの恋愛運を見てやろう。
こう見えてもわしの恋愛占いは、あらゆる不安や迷いを無駄に冗長すると評判なんじゃ。)

ネホリーナは同じように気合いの入った発声を繰り返し、水面にいくつもの波紋を発声させた。そしてそれをじーっと見やる。
■ネホリーナ To:ウサカエル
ゲコ……グコ。ゲゲロゲロ。
(ふむ。おぬしは近い将来、絶世の美女にそこはかとなく慕われるであろう。
そして彼女からこう聞かれるであろう。
「わたし きれい?」と。
あいまいな答えを返すことじゃ。はっきりとした答えを返せば、「いいかんじ」になるどころか、ざっくりと殺されよるからのぅ〜。)

ゲッゲッゲと笑い声を漏らしながら。
■ウサカエル To:ネホリーナ
ゲロロ、ゲゲッゲ。
ゲッコッコ、ゲゲコ。ゲッコ、ゲコゲコゲ。
(せいぜい、肝に銘じておくことにするぜ。
ありがとうよ、婆さん。じゃあ、粘土カエルは借りていくからよ)

ぺこりと頭を下げたウーサーは、また文字盤の上を飛び回った。【ねんど かえる かりていく もっていって くれ】
【あと おれさま も もっていってくれ】
■ゾフィー To:ウサカエル
あら、ガラスのほうが見た目がきれいでしたのに、そちらは駄目でしたのね。
まあいいわ、粘土だけでもありがたくお借りしましょう。
持っていくのはお安い御用ですわ。

そう応じるや、ゾフィーは先ほどまでガラス細工を入れていた小袋に粘土のカエルを落とし込み……
……さらにその袋の口を広げ、緑色の蛙の前に差し出した。
■ゾフィー To:ウサカエル
この袋は内側にちょっと染みが残っておりますけれど、先日きれいに洗濯したばかりですから大丈夫、清潔ですわよ。
ほら入った入った。

■ウサカエル To:ゾフィー
ゲコッ、ゲコゲッコ……ゲッ、ゲロゲロwww
ケッ、ケコッケゲッ!? ゲック、クゲッギュウゥ?! クッギュウウウゥッ!?
(おう、こりゃあ済まねぇなあ……って、くっさwww
な、なんでゃコリャ!? は、ハニャがマギャルぞ?! なンだこのアンデッド臭!?)

ウーサーはぺこりと頭を下げてから、袋にごそごそと入っていき……両生類の感覚器官には、洗ってもごく微量に残った「いちぢるしくキケンな何か」が感じ取れたらしく、のたうつように這い出てきた。
そしてゲコゲコと激しく鳴きながら(ウーサーにとっては、思いつくかぎりの罵声を浴びせているのだが)、文字盤の上を
【し ぬ す まじ で むり】
【かた のせろ まじ しぬる】
と跳ね回ってからぴょいとゾフィーの服の端に飛び移り、ぐいぐいとよじ登っていった。
■ゾフィー To:ウサカエル
あらあら、野生の感というものかしら……どこか動物的というか……。
……………。

必死で這い登る緑色の蛙を、ひよいとつまみあげようとした手を不意に止め、ゾフィーは別のなにかに思いをはせているような顔つきになった。
次の瞬間、苦笑いのようなものを浮かべつつ首をふった彼女は、そのまま懐に左手を差し込む。
■ゾフィー To:ウサカエル
あの装備と持ち物が全部乗っていることを考えると、それだけで肩が張りそうですわ。
まったく……何が楽しくて風に吹かれる場所に来ようとなさるのかしらね。

ぶつぶつこぼしながらも、引き出されたゾフィーの手の中にはハンカチがあった。
皿の淵に軽く触れさせるようにして絞らない程度に水を吸わせると、畳んだそれを右肩の上に置く。
■ゾフィー To:ウサカエル
服に染みを見つけたら、衣装代を請求させていただきますわよ。
あと、落ちたらその場に置いていきますからそのおつもりでね。
では、銀の網亭に戻るといたしましょうか。



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GM:ともまり