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SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

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吟遊詩人と子どもたち

〜 2 〜


  フェンデ孤児院

■リコリス To:マイペースな子
こんにちは。なにしてるの?

ちょこんとしゃがみこんで、聞いてみる。
■巻き毛の男の子 To:りこりす
♪つのだせ〜、やりだせ〜♪
「じかさいえん」の、みはりだよ。

マイペースに歌を歌っていた男の子は、広場の片隅にある小さな畑の側に座り込んでいた。
石畳のオランでは珍しい土の匂い。石で囲まれた手作りの畑ではいろんな野菜が育てられているらしい。にんじん、白菜、さつまいもなどなど。
■巻き毛の男の子 To:りこりす
ぼく、一度も芽が出るしゅんかんをみたことないの。
だから、こうして、みはってるの。

じーっと土を見つめ続ける男の子。
■リコリス To:巻き毛の男の子
あ、そうなんだ。
リコも見たことないや〜。
見たら、どんな風にでてくるか教えてくれる?

■巻き毛の男の子 To:りこりす
……うん♪
ぼくとおねえちゃんだけの、ひみつね。
ひみつのしるしに、これあげる♪

男の子は何となくほっぺを赤くしながら、リコリスに小さなどんぐりを手渡した。
■リコリス To:巻き毛の男の子
ありがと〜♪
大切にするね。

■シグナス To:ユーミル、子供達
申し遅れました、俺はシグナス。シグナス・ラグスと言います。
多少なりとも芸に身を置く者としても、貴女の依頼に興味を持ちました。
子供達の為にも、力を尽くす事を約束しますよ。

ユーミルに向けて、格好付けて一礼するシグナス。
■ユーミル To:シグナス&ALL>こどもたち
ありがとうございます!
よかった、銀の網亭の冒険者の方なら、きっと来てくれるって信じてたんです。
嬉しい〜。

みんな、よかったね。みんなの書いた依頼書、ちゃんと冒険者のひとたちに届いたんだよ!

やや興奮気味にリュートを抱きしめると、子どもたちひとりひとりに語りかけるようにそう言った。
■シグナス To:ALL
……突っ込まれる前に言っておく。安心しろ、無意味に格好付けてるだけだ。他意は全く無いのよぜ?

■リコリス To:ひとりごと
あぁ…こういうことしてるから、シグ先輩もてるんだ……。
で、さらりと弁明しちゃうとことかも「いい」って思う人いるんだろうな〜。
おにいさんが言ってた通りだ。気をつけないと巻き込まれそう。

ユーミルや孤児院の子供たちには聞こえないようにつぶやく。
■ユーミル To:シグナス&リコリス
???

幸か不幸か、聞こえていなかったようだ(笑)
■シグナス To:リコリス
いや、買被って貰って困る事は無いけど、あまり深読みされても後がしんどいぜ。

■リコリス To:シグナス
え? そう?
あの女の人たちの人数が証明だと思うんだけどな〜。

■シグナス To:リコリス
……何故か威勢の良いのばっかり残るんだよな……何でだろう。

■リコリス To:シグナス
? そういう人が好みなんだじゃなかったの?
それか……そうじゃない人はあこがれても近づけないのかも。

■ウーサー To:シグナス
贅沢言うな、集まるだけいいじゃねえかよ!?

■シグナス To:ウーサー、リコリス
うお、小声で怒鳴るな器用だな!?
いやまあうん、この話は置いとこう。俺だけがピンポイントで泥沼だ。

■ゾフィー To:シグナス、リコリス、ウーサー
皆様、子ども達が好奇心に耳をそばだて始めておりますわよ。
教育上ふさわしくない言葉が飛び出す前に、話題を移してはいただけませんこと。

広げたままの銀扇をふりふり、ゾフィーが割って入ってきた。
■リコリス To:ユーミル、子供達
リコはリコリスっていうの。よろしくね。
魔法使いだよ。

手に持った杖を左右に振る。
■金髪の男の子 To:りこりす
まほうつかいだー! ほんもの!

■銀髪の男の子 To:りこりす
お空とんだり、わるいやつをカエルに変えたりするんだよね!(わくわく)

■リコリス To:金髪の男の子&銀髪の男の子
え〜と、その…リコはまだ見習いだからそんなすごい魔法は使えないの。ごめんね。
その代わり…使い魔はいるよ。
黒猫じゃなくてうさぎだけど。

■シグナス To:リコリス
いや、使い魔持てるレベルってソコソコなんだけどね、実際は。

■金髪の男の子&銀髪の男の子 To:りこりす
うさぎ!? だっこさせて!!

ハモりながら、おねだり。
■リコリス To:金髪の男の子&銀髪の男の子
うん、いいよ。潰さないように気をつけてね。

鞄の中からそっと出して、二人の前に置く。
■パティ To:男の子たち
(ひくひく)

パティは鼻をぴくつかせて、男の子たちの前で小さくなっている。
■金髪の男の子 To:りこりす>銀髪の男の子
わぁい、ありがと!
……かわいいね〜。ふるえてるよ?

■銀髪の男の子 To:金髪の男の子
そ〜っと、そ〜っとだよ。

そっと抱き上げ、指先で恐る恐るつんつんしたあと、やがて手のひらでゆっくりと撫で始める。
まるで小さな宝物を壊さないように扱うかのように。
■リコリス To:金髪の男の子&銀髪の男の子
しばらく抱っこしてもらってていい?
その辺の草(雑草)食べさせると喜ぶよ。

■リコリス To:ユーミル、子供達
あ、これお土産。
みんなで食べてね。

市場で買ってきたりんごを渡す。
■ユーミル To:リコリス>こどもたち
わぁ、ありがとうございます。なんだか気を使わせてしまって、すみません。
さぁ、みんな、お礼を言おうね。

■こどもたち To:りこりす
おねえちゃん、かたじけない〜♪

■ユーミル To:こどもたち
ちがうっ。「ありがとう」でしょ! 院長先生のマネしちゃいけません!

■リコリス To:ユーミル&子供達
あはははっ。
ここの子たち、すっごく楽しい♪
えっと、どういたしまして。

■ウーサー To:ユーミル&こどもたち
わっはっはっ! まあまあ良いじゃねえか、味ってモンがあらぁな!!

■ユーミル To:ALL
うう、恥ずかしい……。でも、院長先生が聞いたら喜ぶかも。

恥ずかしそうにしながらも、どこか嬉しそうである。
■ユーミル To:ALL>こどもたち
それじゃ、狭いですけど中に入ってください。
すぐにお茶の準備をしますから。

みんな、手伝ってくれるかな?

■こどもたち To:ゆーみる
かたじけない〜♪

■ユーミル To:こどもたち
だからちがうっ。

ユーミルは大はしゃぎの子どもたちの服を整えたり、泥を払ってやったりしながら、冒険者たちを建物の中へと促した。
■シグナス To:ユーミル
それじゃあ、お邪魔させて頂きます。
ああそうだ、時に院長先生は居られますか?後でご挨拶はしておきたいので。

■ユーミル To:シグナス&冒険者たち
あの、それが……。
院長先生は今日は一日中、画材屋さんに買い出しに出ています。
夜まで帰ってこないのですが、それが好都合っていうか……。

実は、院長先生は冒険者をあまり良く思っていないんです。
昔、とある冒険者に騙された経験があるみたいで……。

ひそひそと、くっついてくる子どもたちに聞こえないように言う。
■シグナス To:ユーミル
成る程……確かに、他の職と比べれば、人の落差が大きいですからね。
解りました、心に留めて置きます。とは言え、事後にでも挨拶はしておきますよ。
……ひょっとして、この依頼は院長先生には内緒で?

■ユーミル To:シグナス
いえ、内緒にしても、子どもたちが喋っちゃいますし。
それに……子どもたちに嘘をつかせたくないから。

私が昔、冒険者に命を助けられたときの経験を話したら、今度こそ信じてみたい……できれば偏見はぬぐい去りたい、とはおっしゃってました。
でも、まだ迷っていたみたい……。

■シグナス To:ユーミル
成る程……しかし、冒険者と言う言葉は所詮は職名。森を見て全て同じ木だと思う事は出来ないでしょう。
せめて、偏見を拭える程度には信用して頂けるよう、力を尽くしましょう。

まあ大雑把に言えば、冒険者の店毎に空気と言うか、気質のような物は在りますからね。
荒事が多かったり、性質が悪い場と言うのも、存在はしていますので……。
少なくとも、我々には依頼を回してくれた銀の網亭の名を貶めぬよう、店の信に応える義務も在ります。

■ユーミル To:シグナス
ありがとう……。でも大丈夫、私は銀の網亭の冒険者なら、間違いはないって、信じてます。
どっちかっていうと、……あのときの冒険者たちも、そう……お人好しなひとが多すぎて、心配になるくらいなの。

後半はちょっと冗談めかして、笑顔で言った。
■ウーサー To:ユーミル
院長の他に、もうひとりスタッフが居るんだったっけか? そっちのほうにも、挨拶しておかねぇとな。

もうひとりのスタッフが「願わくば、若くて美人でありますように」などという、淡い期待を抱いていたりする。
■ユーミル To:ウーサー
はい、院長先生の甥御さんと娘さんが働いていらっしゃいます。
中にいますので、あとでご紹介しますね。

ウーサーの思惑など知る由もなく普通に受け答えするのだった。
■ウーサー To:ユーミル
うむ。宜しく頼むぜ。じゃあ行くか?

■シグナス To:ウーサー
……いやまあ、良いんだけどな。期待し過ぎは……死ぬぜ?

何故か重大事っぽいシグナスだった。


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GM:ともまり