ある晴れた日に
〜 2 〜
吟遊詩人が歌い、大道芸人が踊り、いくつもの屋台で賑わう開けた場所に足を踏み入れると、サーカステントのような派手な屋台が目に飛び込んできた。
『スペシャルケーキハンティング&バイキング大会』と書かれた看板が掲げられている。
何人か行列もできているようだ。
■ロヤン To:ノール&ミァ
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……チケットは持っているか?
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キラリと日差しを反射したスキンヘッドの大男がぶしつけに聞いてくる。
ヒヨコのアップリケが施されたエプロンがとても不釣り合いだった。
■ミァ To:ロヤン>ノール
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うよ、こりはまた見事なきらりんきゅーでピヨ……Σ( ̄□ ̄;
え、えーと。ほいほいあるでスヨー。
ノールんー。
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ぶしつけに驚きつつ、ノールに催促。
■ノール To:ロヤン
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ほいっ。へびへび印のかっぷる限定ペアチケットだぜっ!
どうだっ、ひかえおろー!
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■ロヤン To:ミァ&ノール
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……
…………
………………お前たち、ただ者じゃない。入れ。
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木札のチケットに刻まれたヘビ印に一瞬恐れおののいたあと、サーカステントの中にふたりを招き入れた。
■ミァ To:ノール
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へびへび印って効果抜群なんでスネー。
ヘルドラねーさん凄いのでスー♪
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■ノール To:ミァ
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Σ おいらへび印に負けた!?(がーん)
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■ロヤン To:ミァ&ノール
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俺、ロヤン。『疾風の乙女亭』で給仕とケーキ職人やってる。
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自分を指差し、自己紹介。
■ミァ To:ロヤン
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ほえ、あんたさんがケェキ職人??
こりまたちょっち意外な・・・・・・・・・って、んやんや(首振り)
美味しいケェキを作ってくれるヒトはどんなヒトであろーとステッキィなヒトでスヨー(^▽^)
ミーはミァというでスヨー。冒険者でスヨー。
よろしくなのでスーーゥ。
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■ノール To:ロヤン
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おいらはすーぱーわんだふりゃ吟遊盗賊のノールだぞっ!
ミァっちを守る「ほわいとほーす・ないと」だぜっ!(きらりーん)
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■ロヤン To:ミァ&ノール
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……よろしく。
ケーキ、たくさん喰え。
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ステッキィと言われ、頬が赤らんでいた。
■ビヨンド To:ノール
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あ。ノール君〜。
……女連れだ〜。
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こちらもぶしつけにびしっとミァに人さし指を突きつけたのは、背中にリュートを背負ったグラスランナーの少女。
■ミァ To:ノール、ビヨンド
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んに? 知り合いでスー?(首かくり)
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■ビヨンド To:ミァ
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吟遊詩人仲間だよ〜。愛人とかじゃないから安心してね〜。
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にこにこしながら。
■ノール To:ビヨンド
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Σ なっ、なな何言ってんだビヨンド!?
おいら情報買いに行ったことしかないぞ!? ないはずだ!?
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妙に動揺しながら。
■ミァ To:ノール>ビヨンド
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やっだなあノールん。言い訳はみぐるしーでスヨー?(・▽・)
愛人さんでスカー。
こっちのつるりんきゅーと☆なロヤンっちと同じく、あんたさんもケェキ作れるでスカー?
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にこにこしながら。
■ノール To:ミァ
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Σ だからあいじんとかじゃな
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■ビヨンド To:ミァ
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ん〜、ビヨンドもちょっとは作れるよ〜♪
ミァりん、今度試食においでよ〜♪
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にこにこ、にこにこ(笑)
■ロヤン To:ミァ
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……あれ、人間の食い物と違う。
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ビヨンドに見えないよーに首を横に振りながら。
■ミァ To:ビヨンド
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・・・・・・・・・・んに、じゃあ今度遊びにいきまスネー。
試食(=毒見)係としてノールんも連れて。
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■ノール To:ミァ
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それって次のでーとの予約ってことだなっ!(きらりーん)
たっぷり奢ってやるから覚悟しとけよ〜♪
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ミァと一緒なら何でもいいらしい(笑)
■ミァ To:ノール
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えーと、まぁ、うん。それでいーでスヨー。
(奢りみたいですしネー)
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自分に都合のいい解釈だったので特に否定しない(笑)
■ロヤン To:ビヨンド
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ビヨンド、遊ぶより先に、ルールの説明。
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■ビヨンド To:ロヤン>お客
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おっけ〜。
さー、このテントの奥に張り巡らされた糸をごらんください〜。
この糸を伝って右から左へ、鳥の形をしたからくり人形が飛び交います〜。
お客様はお手持ちの武器で狙いを定め、見事ずばっ!と撃ち落とすことができれば、晴れてケーキゲットです〜♪
鳥の色ごとにゲットできる点数と、ケーキが決まってますよ〜。
当然、すぺしゃるなケーキほどからくり鳥の動きが速くて、難易度も高いですよ〜♪
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ビヨンドがそこまで言い終えると、ロヤンがからくり仕掛けのレバーを筋肉隆々の腕でぐるぐると回し始めた。
左右に渡された糸を伝って、からくり鳥がせわしなく動き始める。
細い糸を見ないようにすれば、空を飛んでいるように見え……なくもない。
■ミァ To:ビヨンド
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Σ すぺしゃるケェキ!!(きらーーん)
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闘争本能スイッチオン。
■ノール To:ミァ
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さ、さぁミァっち! 気を取り直して最高得点ゲットしよーじゃないかっ!
おいらはもちろん、あの七色の鳥を選ぶぜっ!(びしっ)
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ノールは一番難易度の高い鳥に狙いを定めたらしい。
■ミァ To:ノール
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ミーだってもっちろん! 七色鳥を選ぶですヨー!!
すぺしゃらーケェキにはすぺしゃらーカラーの鳥!
ふっふっふ、首を洗って待ってやがれいーでスヨー(○△○)クワッ
さあノールん! ミーのために頑張れでスー(・▽<)-☆
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■ノール To:ミァ
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まっかせーとけーっ! こ!のっ! のーる☆さんだーショートボウで、一匹残らず撃ち落としてやるぜっっっ!(きゅぴーん)
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ノールは背中に担いでいたショートボウをがばちょと取り出し、逡巡無しに七色鳥に狙いを定める!
■ミァ To:ノール
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きゃー、のーるんかっくいー。
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黄色い声援。(多分)
そもそも惚r(略
■ミァ
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さって、ミーも伝家の宝刀くーちゃんでばしっとずばっと撃ち落してみせるでスヨー!(ぐっ)
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そしてミァも、ここぞとばかりに遠慮なくクレインクィン・クロスボウを巻き上げ準備し、迷い無く七色鳥に照準を合わせる!
■ロヤン To:ミァ&ノール
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おまえたち……男前だ。
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感動している。
■ビヨンド To:ALL
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では、いきますよ〜!
れでぃーーーー……ごー!
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ビヨンドが右手を振り下ろすと、テント内の客から一斉に飛び道具が発射される!
ノールは矢を放った! ど真ん中に命中! しかし跳ね返された!
ノールは矢を放った! ど真ん中に命中! またも跳ね返された!
さらにしつこくノールは矢を放った! 今度は当たりすらしなかった!
■ノール To:ミァ
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Σ ………………………………!!!!
ごっ、 ごめんよ ミァっちーーーーーーーーーー!!!!(ぶわっ)
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夕日に向かって走り出しそうな勢い。
■ミァ To:ノール
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ちっ。
いにゃいやノールんもイイ線いったでスヨー。
ここはミーに任せるでスー!
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■ノール To:ミァ
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おぅっ! びゅーてぃ☆れんじゃーの腕前を見せてやるんだミァっちー!!
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ミァは矢を放った! しかし当たらなかった!
さらにミァは矢を放った! しかし矢はアサッテの方向に飛んでいった!
■ミァ
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・・・・・・・・・あ、あれ(=▽=;;
ノールんはさっくり当ててたのに、あれ??
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手元を見る。残りの矢はあと1本。
■ミァ
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こ、このままじゃもしかして獲得ケェキゼロの可能性も…??
ううう、イチゴたっぷりはめっちゃ食べたいですけど、ここは無難に当たりやすい鳥を選ぶべきなのか…っ(>x<)
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真剣に悩む。
それこそ夢の中のラスボス戦並に(おい)
■ノール To:ミァ
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ど、どどどうしたんだミァっち!!?
ぃよーしっ! こうなったらおいらの十八番、呪歌「モラル」で矢の命中率をあげまくってやるぜっっっ!!
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■ロヤン To:ノール
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呪歌、魔法、その他支援行為、反則。
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真剣に悩むミァの横で、ロヤンに襟首を掴まれぽいと捨てられるノール。
そんなノールの姿はもちろん、ミァの視界にカケラも入ってこない(ぉ
■ミァ
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・・・・(悩)・・・・・(更に悩)・・・・・・・・くーーっ!
でもここで諦めるなんてミーらしくないのでスヨー!
最後まで挑戦者なのでスー!(>△<) きあいー!!
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ミァは執念の矢を放った! ど真ん中に命中!!
……しかし。ぽてんと跳ね返された。
■ミァ
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・・・・・・・・・・がーーーーんっΣ( ̄□ ̄;
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がくっと膝をつく。
■ビヨンド To:ALL
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は〜いはい、そこまで〜!!!
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ビヨンドが終了の笛をぴろぴろり〜と吹くと、ロヤンがからくり仕掛けの動きを止めた。
■ビヨンド To:ALL
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撃ち落とせなかった方、残念でした〜♪ また来年、リベンジ待ってま〜す♪
鳥を撃ち落とした人は、ケーキをお渡ししますので順番に並んでくださ〜い♪
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鳥を撃ち漏らした客は三々五々、テントから出て行き、あとには嬉々としてケーキと景品を交換する幸せな客達が残された。
■ミァ To:幸せな客たち
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からぶりからからぶり……ああああ、しあわせそーな!
ミーのたべたかったけぇきを、あっちでもこっちでも・・・・むがーー!!(泣)
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■ロヤン To:ミァ&ノール
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お前たち、頑張った。
これ、ナイショだけど残念賞。来年また、来るといい。
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ロヤンはノールとミァにひとつずつ、すぺしゃるケーキの形をした木製のバッジを手渡した。
■ノール To:ロヤン>ミァ
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これじゃ喰えないじゃんか〜。
おいら、ミァっちに腹いっっっっっぱい奢りたかったのに〜〜!!!
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悔しそうに地団駄。
■ミァ To:ロヤン
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ううう、予定なら今頃このすぺしゃるなケェキを腹いっぱい食べて幸せに浸ってたはずですのニー…!!(T△T)
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がしがしとバッジを齧る(ぉ
しばらくそうした後。
親の敵でも見るかのように、じーーーーーっとバッジ(噛み後付き)を睨みつけた。
■ミァ To:ロヤン
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・・・・・・・くーーーー!!!
ええい、来年を覚えてやがれでスヨー!!
ミーは、必ず、必ずリベンジしに此処に戻ってくるのでスー!
そして今度こそすぺしゃるケェキにありついてやるのでスヨー(>△<)9゛
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バッジをぐぐっと握り締めて、宣言するようにロヤンへ拳を突き出す。
■ロヤン To:ミァ
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俺もケーキ作りの腕、磨いておく。待ってる。
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ミァの拳に自分の拳をくっつける(笑)
拳と拳、漢の約束(笑)
■ビヨンド To:ミァ
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いつでも彼氏と来てね〜♪ おいしい情報も盛りだくさんで待ってるから♪
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■ミァ To:ビヨンド
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ふっふーんだ。気が向いたらいつでも下僕といくでスヨー。
盛りだくさんが嘘だったらぐーぱんちですからネー!
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■ビヨンド To:ミァ
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だいじょぶだいじょぶ、ぐららんうそつかなーい♪
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■ノール To:ビヨンド
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それとっ! 彼氏じゃなくてふぃあんせだからなっ!(びしっ)
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当然、ミァのせりふの都合の悪い部分は聞こえず。
■ミァ To:ビヨンド
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(ノールちらり)・・・・・(=▼=)
認識の齟齬ってよくあることですよネー。
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にこにことノールの足を踏みつけながら(笑)
■ノール To:ミァ>ロヤン&ビヨンド
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Σ ……◎▲×@!?(←声にならない叫び)
と、とゆーわけで、じゃーなっ!
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痛みに顔を引きつらせながら手を振る(笑)
残念賞のバッジを持って、テントを出たふたり。
辺りはまだまだ屋台や大道芸人たちでにぎわいを見せている。
■ノール To:ミァ
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……このままじゃ終われないっ!! ミァっちのふぃあんせとして!!
こーなったらミァっち、まんぷくになるまでこの公園に出てる屋台を回って、 旨い食いもんを全制覇しようぜっ!!
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ノールはバッジを握りしめたまま、びしっと広場に並ぶ屋台に向かって挑戦のポーズ。
そのひとつに、「手作り肉まん教室」という看板があった。
■ミァ To:ノール
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全 制 覇!!!
ミーだって究極はらぺこぺっこりーですシー、望むところでスヨー(>△<)
って、んにに…? ありは…(じー)
肉まんって確か、前にノールんがミーに作ってくれるって約束したやつですよネー。
ふわふわ、ふかふか・・・・・・(うっとり)
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■ノール To:ミァ
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Σ おいら期待されてる!?(きゅぴーん)
よーしミァっち! おいらがオランいちの、いやっ、あれくらすといちのすぺしゃるりゅーみー&じゅーしー肉まんを作ってやるぜっっ!
おいらの腕が光って唸る〜♪
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腕まくりをしながら、またもテンションうなぎのぼり。
うっとりな表情を自分への期待と受け取ったらしい(笑)
■ミァ To:ノール
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ほっほーーーーう。
じゃあ楽しみにしてるでスヨー。
ちなみに……失敗したら2度目はないですからネー?(・▽・)
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今度おいしいものを食べれなかったら承知しないというオーラがびしびしと。
■ノール To:ミァ
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Σ ま、まっかせとけってーっ!?
おいらのにくまん☆まいすたーの腕に敵う奴は、少なくとも半径10メートル以内にはいないはずっっ!(びしっ)
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ノールなりに気合いを入れ直しているらしい(笑)
■ミァ To:ノール
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さ、そうと決まったら膳は急げ!!
ノールん、おいしーもの巡りに出発でスヨー!(^▽^)ノ
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ノールの手を掴んで(!)引っ張るように、肉まん屋台に向かって走り出す。
■ノール To:ミァ
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ΣΣ ……!!!?(///
お、おうっ! どけどけどけーっ! ノールとミァっちのすーぱー☆ぐららんずが通るぞっ! 道をあけろーっ!!!
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何気に真っ赤になりながら引っ張られて行くノール。
小さなふたつの影は、広場の人ごみの中にまるで突風のように消えて行った。
その後、肉まんの屋台……そして広場にあったすべての屋台の食材がどうなったのかは……
みなさんのご想像にお任せします(笑)
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