「悪夢」の結末
〜 2 〜
■ヘルドラ To:アバラン
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ちなみにアバラン。あんたは今回の失態の責任を取るという意味で、無報酬よ。
その後の「処分」はジャックナイフ次第だから、肝に銘じておいて。
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■アバラン To:ヘルドラ
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……ぐっ…………ハイ。
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がっくりとうなだれる。
■リュント To:ヘルドラ
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汚名を返上するチャンスをやろうってのか?
それなら連れて行ってやらない訳じゃないけど、俺の足手纏いにならないのと、自分の事、「俺様」って言うんじゃねえぞ?
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■アバラン To:リュント
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誰が俺様なんて言うかっ! それはガルフェスの口癖だっての!
俺自身は一言も……喋りたくても喋ってねぇよ。
足手まといには……ならない。なるわけないだろ、お前より俺の方が強いんだからな。
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■リュント To:アバラン
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俺様って言わないのなら、俺の小姓として連れて行ってやっても良いぞ?
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後半部分は聞こえていない(笑)
■アバラン To:リュント
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誰が小姓だ。
都合の悪いことは聞こえない……年寄りだな?
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ふっと鼻で笑う(笑)
■リュント To:アバラン
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俺も年を取ったもんだぜ………
アバランなんて生意気な小僧でも小姓として使ってやるようになったんだから………
昔の俺だったら有り得ない位丸くなったもんだ(遠い目)
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遠い過去を懐かしむように目があさっての方向へ
その後頭部に向かってぷるぷると拳をかざすアバラン。
■リナリア To:リュント
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あーくん、リュントさんを見習って精霊魔法の腕も上がったんですよ。
最近は精霊も支配できるようになったし。
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■リュント To:アバラン
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お前ってもしかして昔から俺に憧れていたのか〜?(ニヤッ
素直に俺に教えてくださいって頭を下げて這い蹲れば教えてやらないでもなかったのに〜(笑)
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■アバラン To:リュント
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だっ……死んでもするか!!
俺には才能があったからな、独学だ独学! いつかバルキリーの槍を見せてやるぜ、覚悟しろよ?
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■リュント To:アバラン
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いつか〜?
バルキリー如きまだ打てないのか〜?
もっともっと努力して精進するんだぞ〜?
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かなり見下し状態(笑)
■アバラン To:リュント
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何っ!? ま、まさかもう撃てるとでも……!?
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思わずよろめくほど大ショック(笑)
■ヒノキ To:リュント
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お前だってまだバルキリーは呼べないんだろが……(ぼそ)
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■ミァ To:ヒノキ、リュント
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リューちゃん、ミエッパリーマンですカラー…(ぼそそ)
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■リュント To:アバラン
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ここでは精神力の無駄使いだから遠慮しておくがな。
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ふっと髪を掻き揚げる仕草。
髪は短髪だが(笑)
ぼそぼその言葉は聞こえません(笑)
■ジン To:アバラン>ヘルドラ
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その本が「アストーカシャの夢」か。
名前から察すると、それが「ナイトメア」の効果を発揮するということかな?そうならだいぶ手間が省けるんだが。
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■ヘルドラ To:ジン&ALL
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そう、これがそのアイテム。
同時に、ヤスガルン山脈の一部に施された「森の封印」を解く鍵にもなっているわ。
本の中の悪夢が打ち砕かれたら、彼の地を隠している永遠の吹雪が消え去るらしいの。
……いつか悪夢を覆すほどの人物が現れたなら、自分の守りたかった森の未来をゆだねてもいい……彼女はそう思ったのかもしれないわね。
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ヘルドラに促され、アバランは抱えていた本をそっとテーブルの上に置いた。
古ぼけてすり切れた表紙には、下位古代語で『アストーカシャの夢』と書いてある。
■ミァ To:ヘルドラ
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んに〜〜……そうなんでスカー。
ゆだねてもいい、か。
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すり切れた表紙に刻まれたタイトルをじ…っと見つめる。
■アール To:ジン>ヘルドラ
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「2夜目から」ってことは俺達も今夜過ぎたら「昏睡状態に」だからな。
いろいろ急ぎたいところだけど。
本の特殊効果とか言ってたが、まさか儀式の場所が本の中…だったりして。
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■ヘルドラ To:アール&ALL
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残念ながら、術者──ガルフェスが滅んでも、絵本を破壊したとしても、悪夢は終わらないのよ。
絵本の「結末」を覆さない限り……ね。
まずはこれを見てちょうだい。
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ヘルドラが本を開き、丁寧に古ぼけた羊皮紙をめくっていく。
物語の始まりは、ローダリオンの樹。
まずアバランとリナリアが降り立ち、アストーカシャの館へ向かう様子が描かれている。
次にユズリハが落ちてきて、ピクシーたちに助けられる場面。
そして最後に、冒険者たちが落ちてきて……
その後は、冒険者たちが体験したことがそのまま描かれていた。
ピクシー村での戦い、館での探索。
絵画のアストーカシャ、ゼムリャたちとの出会い。
子どもっぽい絵ではあったが、冒険者たちの姿が古ぼけたページの中で走り回り、戦っている様が生き生きと表現されている。
■アバラン To:ALL
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……俺たちがこの絵本を発見したときと、絵の内容が変わってるんだよ。
元々描かれていたのは、アストーカシャと妙な魔術師たちとの戦いと、暴れ回る動物たちやスノードラゴンくらいだった。
文章は妙に難しくてわかんなかったし……。
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絵に添えられている文章は明らかに下位古代語だったが、特殊な文法で書かれているせいか、この場にいる誰にも理解できないものになっていた。
■ジン To:アバラン、ALL
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ふむ・・・絵本の中へ入れば、その結末へ干渉できるってことか。
物語が終わっても、また絵本に入れば筋書きを変えられる。
「もう一度繰り返される」とはこのことだったのか。
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■ヘルドラ To:ALL
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みんなの活躍で、魔法装置が破壊されて動物たちが解放されたり……大きく物語は変化したわ。
けど、「結末」を覆すにはまだ足りなかったみたい。
今のままでいくと……
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ヘルドラは、昨夜の夢の終わり──ガルフェスの霊が滅び、冒険者たちが消えていく場面のページをめくり、先を示した。
館にひとり残されたユズリハは、リビングにて絵画のアストーカシャと会う。
その後ダンスホールに落ちていた「転移の腕輪」──アバランが持っていたものだ──を拾い上げ、光の輪を纏って転移する。
場面は変わって、ピクシー村。
ローブを纏った魔術師らしき者たちに攻め込まれ、全滅していく様が描かれている。
続いてローダリオンの樹。
転移してきたユズリハが何事か叫ぶと、幻影が打ち砕かれ樹は本来の姿を現す。
石造りの重厚な姿を露呈したその塔に、ユズリハは単身乗り込み……
その最上階で、「鎖」によってスノードラゴンを手懐けたひとりの魔術師と死闘を繰り広げた末、破れ果てた。
勝者となった魔術師はスノードラゴンに跨がり、ひと振りの短剣を握った手を天に向かって拳を突き上げた……
そこで「絵本」は終わっていた。
■アール To:ALL>アバラン
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ん?鎖の効果は切れたんじゃなかったか?
なあ、アバランさんよ、詳しく聞かなかったが、あんときの記憶はあるんだろ。
酷い手傷を負った相手ってのはスノードラゴンじゃなかったのか?
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■アバラン To:アール
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……ああ、あん時の傷は確かにスノードラゴンにやられた。
いったんは鎖を巻いて手懐けたが、魔法装置からの魔力の充填が切れたから、再び暴れ出して飛び去ってしまったんだ。ガルフェスが言ってたろ、
予定していた「結末」への希望が無くなった訳じゃない。要は【鎖】へ送り込む魔力の補充……。ってさ。
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アバランは、最後のページのスノードラゴンの絵をトントンと指で叩く。
■アバラン To:アール&ALL
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この魔術師は魔法装置の魔力が使えないと知って、代わりにローダリオンの塔が持つ気候コントロールに使われている魔力を利用したんだよ。
この絵、鎖が塔に繋がっているのはそのせいだと思う。
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■ヒノキ To:アバラン
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て、事はだ。
塔の魔力を封じる手段があれば、同じようにスノードラゴンを縛ってる鎖の効力を打ち消せるわけだな。
ナンかその辺の上手い方法とか知らないのか?
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■アバラン To:ヒノキ&ALL
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塔の中の構造まではガルフェスにも解らなかったらしいから、ちょっとわからないな。
でも、とりあえず塔と鎖が連結している部分をなんとかして外すか、断ち切ってやれば魔力の供給は絶てるんじゃないか?
たぶん、だけど。
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■ミァ To:アバラン、ALL
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ふみふみ、となると今度は塔に乗り込んでいく必要があるってことでスネー。
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■ジン To:ALL
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塔を破壊できれば、それに越したことはないがな。
アストーカシャにそれができなかったのならば、我々には不可能ということか。
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■アール To:ジン
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それはまだ判らないよ。
幻覚さえ解ければやりようはあるかもしれない。
最悪、手数で力押しとかね。巨大魔晶石の例もあることだし。
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■アール To:アバラン
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あと【鎖】だが、外し方はわかるのか?
ただ巻いてあるわけじゃないだろう。
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■アバラン To:アール&ALL
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あん時は、ただ無造作に投げつけて巻き付けただけだったんだが、なんて言うか……鎖同士が絡み付くように動いて容易には外れそうになかったな。
あれはもしかして鎖に見えるだけで、実際は違うのかもしれない。
例えば、魔法生物が擬態してる……とかさ。まぁ、憶測だけどな。
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■ミァ To:ALL>アバラン
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へええ〜。随分と変り種鎖だったんでスネー。
不用意に触らない方が良さそうなシロモノでスーーゥ。
でもってその言い回しだと、あんたさんは外し方を知らない…でオゥケィ?
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■アバラン To:ミァ&ALL
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ああ、わからないな。
でも本当に魔法生物なら、ぶっ倒せばそこから鎖が千切れそうな気もするけど。
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■ヒノキ To:アバラン
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鎖を千切る前に、それに操られてるドラゴンに殺されそうな気がするなぁ。
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ため息。
■アール To:アバラン
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生物って線は薄いだろうな。
実際、魔力が切れた時点であんたは痛い目を見ただろう。
まあ可能かどうかは判らないが、魔力の元さえ絶ってしまえば鎖がはずせなくてもOKってことだな。
もしくは鎖をぶった切るか。
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■ヒノキ To:ALL
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……ところで、ここにまだ魔術師が出てくるって事は、コイツはガルフェスとは別人なんだよな。
で? 結末を覆せってからには……この魔術師を倒して平和を取り戻せとでもいうワケ?
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■ヘルドラ To:ヒノキ&ALL
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結末をどう導くかはあんたたちの判断に任せるわ。
アストーカシャの悪夢は、守りたかった森が祖国に攻め入られ蹂躙される物語。
それを彼女が望んだ本当の夢に近づけてあげれば……ね。
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■ヒノキ To:ALL
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最優先は、森を無事に守れって事か。
逆に言えば、それさえ達成できるならこの魔術師を無理して倒すことはないってワケだな。
まぁ、後の禍根を絶つにはそうもいかねぇんだろうケド。
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■ヘルドラ To:ALL
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それと、この魔術師はおそらくガルツァーク・ローダリオン。
さっき話した都市国家の支配者よ。
剣を自在にあやつる魔法を会得していたと言われているけど……このあたりは学院の方が詳しいでしょうね。
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■アール To:ALL
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ガルフェスとガルツァークね。こっちも血族だったってわけだ。
剣を操るってことは、例の「青銅の魔剣」もそいつの作品ぽいな。
そういった操作系の魔法…対抗策や道具が都合よく学院で見つかればいいけど。
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■ヘルドラ To:アール&ALL
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ガルツァークの持っているこの短剣も、ガルフェスが持っていたものと似たような……あるいは同じ魔力を持っていると考えた方がいいでしょうね。
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■ミァ To:ALL
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……うーーーににに。
今回の冒険はやっかいな魔剣がてんこもりでスーーゥ(ー△ー;
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■リュント To:ミァ
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俺の魔剣はやっかいじゃないぞ?
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■ヒノキ To:リュント
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厄介なのはリュント本人だもんな(ぼそ)
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■アール To:ALL
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そうそう。やっかいな道具なんて実際にはないんですよ。
使う人次第ってことで…ね。
そういう意味では…ガルツァークってのはヤバイタイプってことだね。
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■リュント To:ALL
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ついでに手懐けられたスノードラゴンも倒すなり、屈服させないといけないんじゃねえか?
倒すより、開放かな?
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■ヘルドラ To:ALL
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念のため言っておくと、森の封印をとかないと現実世界のスノードラゴンにその子を返せなくなるわよ。
親無しのまま放置するのは危険すぎるしね。
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ヘルドラはヒノキのバッグを目線で示した。
中身が小さく上下しているところを見ると、毛玉は眠っているらしい。
■ヒノキ To:ヘルドラ
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……げ。バレてる?
うるさく言われそうだから黙ってたのに……。
まぁ、知られてるんなら仕方ない。事が解決した後でいいから、コイツを無事に帰す算段をつけるのを手伝ってもらえないかな?
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■ヘルドラ To:ヒノキ
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そうね、ヤスガルン山脈までの旅費くらいしか出せそうにないけど、良いかしら?
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■リナリア To:ヒノキ
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あ……あの、ご迷惑なら、私たちが届けに行きますけど……
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■ヘルドラ To:リナリア&ヒノキ
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懐いている人物がそばにいないと危険だと思うわよ。
今は可愛いだけだけれど、れっきとしたドラゴンなんだし……ね。
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■ヒノキ To:ヘルドラ>リナリア
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へぃへぃ、ちゃんと最後まで責任は持ちますよ。
旅費さえちゃんと出してくれるんなら、ヤスガルンまで届けてやるさ。
ま、私はまだまだ駆け出しだからな……旅の護衛って事で、一緒に付いてきてくれるんならありがたいけど。
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■リナリア To:ヒノキ
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はい、わかりました。
ついでに北の美味しいものとか、食べに行きましょうね〜。
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■ミァ To:リナリア、ヒノキ
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ぴきーーーん!!!Σ(○▽○)
そりならミーもついてく! ついてくでスヨー!!
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「美味しいもの」にすかさず反応(笑)
■ヒノキ To:ヘルドラ
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……ヘルドラさん。
みゃーの食費は旅費と別枠で頼む。
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しっかりと念を押しておく(笑)
■ヘルドラ To:ヒノキ&ミァ
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ギルドを破産させる気?(苦笑)
まぁ、そうね。おやつは100ガメルまでってことで手を打とうかしら。
バナナは含まないわよ。
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■ヒノキ To:ヘルドラ
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忠告しておく。
含んでおいた方がいいと思うぞ。
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■ミァ To:ヘルドラ
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えー。ミーはそんなに破産させるほど食べないでスヨー。
だいたい一度に破産させるよかずーーっと食べまくる方がよっぽど……いにゃいにゃ(もご)
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■ヘルドラ To:ヒノキ&ミァ
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口は災いの元よ、ミァ(苦笑)
食費と旅費は一般冒険者が必要な分しか渡さないから。
贅沢したいなら今回の仕事をきっちり果たして懐を温めてから、自腹でお願いね。
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ヘルドラの財布のひもは固かった。
■ミァ To:ヘルドラ
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ふぁあ〜〜〜〜い(=x=)ノ
でもそう言うってことは、やっぱりこの毛玉っちーは本物のスノドラの子だったんでスネー?
あと、特に絵本とも関係なかったんでスカー。
こう、絵本もスノドラだし、ちょっち関係ありーの?とか、いっそ運命?みたいな面白みを感じてたんですけドーーゥ(・x・)
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■ヘルドラ To:ミァ&ALL
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少し調べてみたところでは、アストーカシャが森を封印する際に、卵だけが封印の範囲から外れていたみたいね。
そもそもスノードラゴンの様子がおかしくなっていたのは、卵を見失ったことが原因のようだし。
封印から外れた卵が、ずっと寒い洞窟の中で生きていたってわけね。
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■ヒノキ To:ヘルドラ
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って事は、卵のまんまでその当時からずっと過ごしてきてたってのか?
……よく無事だったなぁ。
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■ミァ To:ヘルドラ
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ほへーーー(・○・)
そりまた、随分長生きな卵だったんでスネー。
スノドラって奥深ーーい。
孵化が遅いんですかネー。卵で冬眠?
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思わずじーーーっと毛玉を見たり。
いつのまにか起きていた毛玉が、かぶせの隙間からにょきっと顔を出していた。
■ヘルドラ To:ヒノキ&ミァ
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そういう生態なのかもね。
オランに運ばれてきて暖まったのが、孵化のきっかけだったのかしら。
温めてくれる親からはぐれちゃったわけだし……ね。
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今にも毛玉にかぶりつきそうな蛇を片手で牽制しながら(笑)
■アール To:ヘルドラ
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しかし、無事に物語を完結させたからといって、スノードラゴンがその本から開放されると決まったわけじゃないような?。
…
ダメで困るのはヒノキだからいいか。
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■ミァ To:ヘルドラ&ヒノキ
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まぁでも代わりにあっためてくれるヒノキままんに出会えたんだから、わりかしイイ運してますよネー、この毛玉っちーも(^▽^)
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