リュントたちが隠し部屋を探索していた頃、食堂をあとにしたミァチームは、お宝を持って2階へとやってきていた。
ロビーにはやはり誰もおらず、ざっと見回す限りさきほどと変わった様子も無い。
2階へと上がると、天井から下がっているシャンデリアが間近に見えてきれいだった。
北側にある飾り窓が、真っ暗な空を切り取っている。

一行はダンスホールへと続く扉（Ｄ）の前を、慎重に通り抜ける。
2階では優雅な音楽がかなりにぎやかに漏れ聞こえてきているため、多少の足音なら紛れてしまうことだろう。

ミァはすすすと扉（Ｄ）に近づき、ぐららんイヤーにしっかりばっちりと意識を集中させる。
ダンスパーティの優雅な音楽に同調するかのように、「ぐるるるる」「げこげこげこ」「きっきっきっ」などという獣や両生類や鳥などのバラエティーに富んだ、そしてハイテンションな鳴き声が聞こえてきた。
そして、それらのにぎやかな音にまぎれて、先ほどのカボチャの声がわずかに聞こえてきたのを、ミァの鋭い聴覚は聞き逃さなかった。

ミァが慎重にＤの扉に張り付いている間に、アールは先を調べることにした。
視認できる範囲には何者の気配もないことを確認したあと、慎重に足音を殺すように努力しながら、扉（Ｅ）へと近づく。
アールはその場で聞き耳を立ててみるが、何も聞こえてこない。
続いて扉（Ｆ）の前でも音を拾おうとしてみるが──やはり何の物音もしていないように感じた。

ダンスホールからの音楽が空々しく響いて聞こえるばかり…ｗ

ミァもアールに続いて扉（Ｅ）、扉（Ｆ）にすすすすす、と近いて聞き耳するも、同じく何の物音も聞こえなかった。

扉（Ｆ）はかなーり自信が持てない結果だったようで、思わずどもり口調（笑）
それから扉（Ｄ）の聞き耳成果を、ぽそぽそぽそ…と小声で皆に通訳した。

邪魔をしないように、扉（Ｅ）からやや離れたところで見守るリナリア。

扉（Ｅ）には鍵がかかっているが、扉（Ｆ）にはかかっていないようだ。

ぬめぬめーズをちょっと想像しながら…
一応、安全だと思われる方（？）の扉（Ｆ）に入る案を提出。

リナリアは羊皮紙に、ミュゥル越しに得た情報──鉄製のプレートに書かれていた内容を絵にしていく。

えい。ぎぎぎ…と扉（Ｆ）を開けた。