真ん中の部屋
リュントたちと別れたヒノキとノールは、ふたたび扉(I)の前までやってきた。
慎重に足音を殺したつもりだが、やはり辺りが静かなせいで石床と靴底が擦れる音はそれなりに響く。壁の向こうに何者かがいればわかってしまいそうだが、少なくとも廊下には先ほど見たときと同様、何者かの気配は無いようだ。
ヒノキはまず扉(I)のそばで聞き耳を立ててみるが、何も聞こえてこない。
続いて罠の有無を調べてみるが、こちらも存在しないように感じた。
■ノール To:ヒノキ
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おいらもやってみるぜっ!
のーーーーるごっどふぃんがーーーーー!!
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小声で気合いを入れると、つねられて赤くなったとんがり耳をぴくぴくと動かし聞き耳。続いて罠を調べてみる。
■ノール To:ヒノキ
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うん、何も聞こえないし、罠も無さそうだぞっ!
たぶんっ!(びしっ)
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■ヒノキ To:ノール
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よし、ちゃんと仕事したな。
査定に1ポイントプラスだ。
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■ノール To:ヒノキ
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やた〜っ♪ 1ポイントゲットだぜ〜っ♪
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その場で小躍りしたい衝動をおさえつつ、ぎゅっと握りこぶし。
ヒノキはシーフツールを取り出し、扉(I)の鍵開けを試みる。
カチッと小気味良い音がして、すんなり解除に成功した。
■ノール To:ヒノキ
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すげー!! ヒノキってばもう一人前じゃんっ!
おいらの手助けはいらなかったみたいだなっ!
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びっと親指を突き立てる。
■ヒノキ To:ノール
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これから先がどうなるか分かんないからな。
二人一組で動くのは基本だし、居て困る事はないだろ。
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■ノール To:ヒノキ
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もっちろん! おいら役に立つから、ポイントよろしくなっ!
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★西の館MAP(別枠表示)
扉を開けてそっと覗いてみると、中はやや狭い部屋──というより、倉庫のようになっていた。
天井まで届く棚が壁際を埋めるように並んでいる。棚にはホコリよけだろうか、前面に布が垂れ下がっており、何が陳列されているのかはわからない。
やはり魔法の光で満たされているために、部屋は明るかった。
■ヒノキ To:ノール
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倉庫……か?
人は居ないみたいだし、手早く調べてみるかね。
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室内に潜入。
ノールも招き入れて、後ろ手に入ってきた扉を閉める。
■ノール To:ヒノキ
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あっ、もしかして、そっち側ってししょーがいる小部屋があるんじゃっ?
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■ヒノキ To:ノール
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この真正面の壁側だよな。
位置的にはそんな感じか。
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さっそく部屋の探索を開始するふたり。
見える範囲で壁、天井、床……と調べていくと、ノールがあたりを付けたとおり、正面の壁に隠し扉を発見した。
■ノール To:ヒノキ
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よしっ! さっそくビンゴだぜ〜♪(小躍り)
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■ヒノキ To:ノール
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私は見つけられなかったのに……。
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ちょっぴりショック。
続いて棚を覆い隠している布を慎重にめくり上げ、陳列されている品々を確認する。多くは壊れた瓶や缶、積み上げられた薪、掃除用具など、まさに「物置き」と呼ぶにふさわしい物ばかりだったが、よく見ると何かいわくがありそうな品も混じっていた。
きらびやかなジュエリーボックス、宝石がはめ込まれた首輪ふたつ、柄の先がコウモリの形をしている杖、大小ペアになった白い腕輪、羽根飾りの付いたピン留めだ。
ヒノキはまずジュエリーボックスをチェックする。
わかりにくい仕掛けだったが、すんでのところで仕掛けられた罠に気づいた。
開けようと蓋に指を添えた瞬間、小さな刃が回転して、指を斬りつけてくる仕組みだ。
ヒノキは罠を外すことに成功するが……鍵を開けることはできなかった。
■ノール To:ヒノキ
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おいらに貸して、かして! 2ポイント目〜!!(目がきらきら)
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ノールのごっどふぃんがーによって音も立てずに鍵が開けられ、蓋が開いた。
ふわふわのクッションに埋もれるようにして、指輪がひとつ輝いている。
■ヒノキ To:ノール
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経験の差が出るなぁ(苦笑)
よし、さっきの隠し扉と合わせてプラス2ポイントだ。
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■ノール To:ヒノキ
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やたっ♪ 100点満点まで、おいらがんばっちゃうぞー!(手をわきわき)
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ヒノキは怪しげなアイテムに近づく前にまず罠を警戒し、そのあとそれぞれの鑑定を試みてみる。しかし、どれもよく分からなかった。
■ノール To:ヒノキ
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おいらもわかんないな〜。ジーちゃんに見てもらった方が早そうだなっ!
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■ヒノキ To:ノール
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そうだな。
幸い嵩張るモンでもないし、抱えて持ってくか。
さて、これ以上は私らが調べても分かることはなさそうだし。
向こうにいる奴らと合流しますか。
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見つけた宝物を背負い袋に適当に詰め込むと、ノールが示した隠し扉の辺りに身を寄せ聞き耳を試みる。
冷たい石の壁越しに、リュントとジンの声がわずかに聞こえてきた。
あまり楽しい会話をしている様子でもないが……
■ノール To:ヒノキ
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あ、待って! さっきししょーがひっかかってたし、この扉にも何かあるんだぜきっと!
えーと……出て来いでてこい……わなわなわ〜……っあ!
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隠し扉を押し開けると、何かのスイッチが入るようになっていた。
おそらくリュントがひっかかったものと同様、向こう側の壁から何かが発射される仕組みなのだろう。
ノールはあたりをつけた箇所にシーフツールを突っ込む。
■ノール To:ヒノキ
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ごにょごにょ……っと。これでばっちりすっきり解除したぜっ!
念のために、おいらが開けるからなっ!
ヒノキはおいらの後ろに隠れててっ!(びしっ)
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ノールの身長、95センチ。
■ヒノキ To:ノール
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……あんまり意味があるとは思えないけど、まあその気持ちは受け取っておこう。
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