静かなリビング
アストーカシャの気配が消えたリビングに残された、リュントとミァ。
おしゃべりが止むと、静けさが増したせいか、小箱から流れてくる繊細なメロディーが妙に響いて聞こえた。
優雅な曲が、人気のないリビングにただ流れる様は、少し寂しげだ。
■リュント To:ミァ
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やばかったな!
ミァが機嫌を取ってくれなかったら間違いなく情報はもらえてなかったぞ。
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■ミァ To:リュント
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リューちゃんがいらんことばっか言うからでスヨー!
まったくぅ…リュネットは性格悪いからあんましってことがよく判りましター(=△=)b
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■リュント To:ミァ
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悪い悪い(笑)
俺のイメージだと上流階級の姫君ってあんなイメージしかなくってさ。
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■ミァ To:リュント
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リューちゃん、そりはものっそいモザイク掛かってるでスヨー。
今度、『やさしいどうわ おひめさまぜんしゅう』でも読むといいのでスー。
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■リュント To:ミァ
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そんなのに出てくる「おひめさま」なんてのは作り話のばっかりさ!
ほんとは俺のリュネットが現実なんだよ(笑)
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■ミァ To:リュネット
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リュネット風味いっぱいの社交界…………黒いでスー( ̄□ ̄川
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■リュント To:ミァ
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対人関係をリュネットにすると衝突ばかりだからな(笑)
みんな表面は取り繕っているんだよ(笑)
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■ミァ To:リュント
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……世も末でスー(=x=)
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ふぅやれやれと肩を竦める。似合わないことこの上無い。
他の仲間達と別れてから、20分以上は経っただろうか?
あらためてざっとリビング内を見回す限り、先ほどの絵画のように、いきなり何かが動き出すといった気配はないように思える。
■リュント To:ミァ
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一番気になる事を言っていたな〜
この館は宝の山かも知れないぞ(笑)
小手調べにこの部屋から捜索をしてみるか。
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■ミァ To:リュント
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んに、そうでスネー。
でもってこの部屋調べ終わったら、一度戻ってみんなと合流しまショーか(・x・)
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■リュント To:ミァ
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そうだな〜
他のみんなと情報交換も必要だし、この館を手分けして捜索するのも必要だしな。
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リュントは素早い身のこなしで部屋の隅々まで調べまくる。
壁、床、天井……視認できるところはすべて。しかし、何も無いような気がした。
ミァも同じように調べてまくってみるが、やはり何も見つからない。
続いて豪華な装飾がほどこされた小物入れをチェックする。
調べてみると、小物入れには針が飛び出してくる罠があった。リュントはそれを難なく解除。
そして流れるような手つきで鮮やかに鍵も開け、小箱のふたを開ける。
中には、小さな楕円状の金属がついた指輪がひとつ、入っていた。
■リュント To:ミァ
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早速一つゲットだぜ!
こりゃなんだ?
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じっくり調べ始める
■ミァ To:リュント
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んに? ちょっちミーにも見せてくださいでスヨー。
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ひょいぴょいと背伸びして、リュントの手元の指輪をじーっと観察。
■ミァ To:リュント
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…ああ、こりは『チープ・パリー・パリー』の指輪でスネー。
少しの間だけ回避力があっぷするってゆー、お便利さんグッズ。
でもタイマーが切れるとがくーんとノロマさんになるんですけドネー。
1日に1回しか使えない、インスタントヒーロォ変身グッズでスヨー(=▽=)
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■リュント To:ミァ
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俺かミァが持ったら無敵じゃねえか(笑)
俺はどうせ攻撃を食らうような事はないから、ミァが持っててくれ
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指輪なんぞいらん!ってな具合で、ミァへ放り投げ。
興味は別なものへ。
■ミァ To:リュント
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ふふん、そんなのミーだって同じでスヨー!
ミーたちは避けれるから、そうじゃないヒトに渡すってゆーのも手だと思いますけどネー。
ま、ひとまず預かっておきまショー。
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ぱしっ、と受け止めた指輪をポケットにしまう。
リュントは3段チェストも調べる。自信を持って罠が無いと言えそうな1段目と2段目の鍵を解除し、引き出しを開ける。
1段目にはいかにも高級そうな、すばらしい光沢を持つハンカチがきれいに並んでいた。
2段目には、羽根ペンやインク、真新しい羊皮紙などが並ぶ中に紛れて、魔晶石が3粒入っていた。
■リュント To:ミァ
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役に立つもんが結構あるな〜
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それぞれの価値も物色
■ミァ To:リュント
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ですネー。随分といろいろ出てきまスーーゥ(>▽<)
魔晶石もこりだけあると、結構よゆーが出てきますネー。
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■リュント To:ミァ
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これも俺は持っているからいらね〜な〜〜
ジンとアリスとアールに持たせるか。
ヒノキって盗賊の技術以外、魔法って使えなかったよな?
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■ミァ To:リュント
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だったはずでスー。
使ったところみたことないですシー。
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■リュント To:ミァ
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じゃ、やっぱりジン達3人で決定だな。
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魔晶石はリュントが着服
ミァは残された3段目を調べる。開けて手を入れようとしたとたんに閉まるという子どもっぽい?罠をさっくりと解除し、鍵も華麗に解除して引き出しを開ける。
中にはロウソクでできた人形や布製のマスコットなどがあり、それらに埋もれるようにして光っていたのは、∞の形にねじれた銀の棒だ。
手のひらに収まるサイズで、振るとチリンチリン♪と良い音がした。
■ミァ To:リュント
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うりょ。こっちにも不思議しりーず発見でスー。
なにがでるかな、なにがでるかな〜。
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銀の棒をいろんな角度から見つつ鑑定。
■リュント To:ミァ
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こりゃ魔法の品かな?
俺の知識じゃ全然わからねえから、ミァがよ〜く見とくれ。
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■ミァ To:リュント
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ふっ、この辺はリューちゃんに完全勝利でスネー(=▽=)
えーと、なになに……… Σ って、は!! こ、こりは……
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愕然とした表情で銀の棒を見下ろす。
■ミァ To:リュント
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こりは『グラスランナー精神力有効活用委員会』垂涎の品!!
バード技能のあるヒトが指揮者のごとくワンツースリーと唱えると他のヒトの抵抗力を増すことが出来るってゆーものでスヨー。
ただ使うと精神的に結構疲れちゃうから、のーてんきパワァを持つグラランに適した品なんですヨネー。
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■リュント To:ミァ
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随分使用者を限定するような品物だな(笑)
正にミァかノールに使えって言っているようなもんだな(笑)
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■ミァ To:リュント
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ですネー(=▽=)
まぁだからミーかノールんが持つのが一番でショー。
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これもポケットにぽんっと収納。
■ミァ To:リュント
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はっはっは、まっさかあ。
そりじゃどっかのドラゴンな冒険絵巻でスヨー(=▽=)
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リュントは逆さにして壷をひっくり返す。
かなり大きく、重量感のある壷をひっくり返すのには骨が折れたが、その甲斐あってか中からひらりと一枚の羊皮紙が舞い落ちてきた。
■ミァ To:リュント
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はっはっは、はっはっは…………あり?(=▽=;
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それには下位古代語の一文と、不思議な記号が書かれていた。
■リュント To:ミァ
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こういうとこにも気を配って捜索しないと俺のライバルとしては認めらんないぜ?(笑)
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■ミァ To:リュント
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Σ う、うるさいでスヨー!
ちょっち、お約束を疑っちゃっただけなのでスー。
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誤魔化すように、むんずと羊皮紙を拾う。
■ミァ To:リュント
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地下への鍵…でスカー。
こじ開けるって手もあるけど、鍵があるんならそれにこしたことはないでスネー。
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■リュント To:ミァ
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こういった代物は大抵の場合、こじ開けられない場合が多いんじゃねえか?
これは大切に記憶術だな(笑)
万一、これを亡くしてもどちらかが生存していれば大丈夫なように。
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脳裏に焼き付けるように凝視
■ミァ To:リュント
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ほいほーい。
んじゃ、ミーもすぱぱぱーん!と覚えておきますかネー。
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同じく羊皮紙の内容を頭に叩き込む。
■ミァ
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そうそう、最後にこりも調べておきまショー。
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すたすたと絵画の方に近づく。
ミァは壁にかけられた大きな絵画を取り外そうとするが……
手が、届かなかった。
■ミァ
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Σ( ̄□ ̄;!!!…………(T▽T)えぐえぐえぐ
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その光景を苦笑しながらリュントがミァにも見えるように取り外す。
■ミァ To:リュント
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Σ リューちゃんありがと……なんですけど、どーしてもこう、悔しい思いが消えないのはなんででスカーー!(>△<。。。
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■リュント To:ミァ
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食事の量が足りないから背が伸びねえんじゃねえか?(笑)
こればっかりは仕方が無いか?(笑)
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■ミァ To:リュント
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Σ ……ミーの食事量は、まだまだまーだ足りなかったでスカー…!(めらめら)
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なんだか余計な火がついた。
慎重に壁から取り外し、絵画の隅々、表裏を調べ、作者のサインがないかをチェックする。
すると絵の右下に、アストーカシャの黒く塗られたローブのせいで見辛かったが、流れるような筆跡で残された下位古代語のサインを見つけることができた。
『百手のゼムリャ』──そう書かれてる。
■リュント To:ミァ
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『百手のゼムリャ』って知っているか?
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■ミァ To:リュント
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んや、知らないでスネー。誰だろ?
あすとーっちが宿る絵を描いたくらいだから、結構近しい人物なのかなって思ったんですけどネー。
まあ後で皆に聞いてみまショーか。誰か知ってるかもですシー。
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一方その頃。
リュントとミァを追って扉(A)を通り抜けたタークスは、左右に細長い廊下に出ていた。
正面の壁に扉がみっつ(H、I、J)、手前側の壁左手に扉がひとつ(K)見える。
そのうち、左手奥の扉(H)が開いている。しかも、聞こえてくる話し声はリュントとミァのものに間違いなかった。
■ミァ To:リュント
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さぁってとー、こりで大体チェック完了ですかネー?
リューちゃん、こりからどーします?
ミーとしては一度みんなと合流してから、他の調べてない部屋をチェックしたりがいーと思いますけドー。
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ふたりが相談し始めたそのとき、タークスが扉の隙間からひょっこり顔を出した。
■リュント To:ミァ&タークス
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グッドタイミング!
こんなとこにタークスが来たぜ(笑)
こりゃ一回合流しろって事なんじゃねえか〜?
危険があればひょっこり顔を出すなんてしないだろうしよ(笑)
アバランが戻るまでにこの館全部を捜索しないといけないから、一度合流して分担を決めなおそうぜ。
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■ミァ To:リュント&タークス
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んに、まさにそのとーり!でスネー。
このぐっとたいみーんに現れる辺りが、流石タークスちんでスー(^▽^)
いろいろげっとした情報も、みんなに伝えておきたいですしネー。
ほんじゃロビーにれっつらごー!
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