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SW-PBM Scenario#158
銀のしおり

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変化の村娘

〜 2 〜


  西の館・キッチン

■アリス To:リナリア
よかったね〜。
でも、あの卵って一体どこで見つけてきたの?
この子、おとぎ話に出てくるスノードラゴンみたいだよ?

毛玉を指差して言う。
■リナリア To:アリス
スノー……ドラゴン……?
えっ、そうなの?
……。
あの、見つけたのは、吹雪を凌ぐために入った、自然の洞窟の中で……。
他のアイテムと一緒に置かれていたのを見つけたの。

■ヒノキ To:リナリア
【他のアイテム】てのはどんなのがあったんだ?
覚えてる限りで良い、教えてくれ。

■リナリア To:ヒノキ
えっと……
卵のほかには、さっきのアクセサリーと……
あと、絵本です。
古くてぼろぼろの……たぶん、古代王国期の……。

このくらい……と、両手で大きさを示す。ちょっとした辞典くらいの大きさがあるらしい。
■アール To:リナリア
絵本…ということは、その本の中は見たのか?
それと、アバランにも古代語の知識があるのか教えてくれ。

■ジン To:ALL
他の2つの品物のことを考えると、ただの絵本というわけではあるまい。
我々がこの世界に飛ばされたことと、何か関係があるかもしれんな。

■リナリア To:アール&ALL
えっと……本の中は、ひととおり見ました。簡単な絵と短い文章で構成されていて、絵の感じは、子ども向けのおとぎ話みたいな雰囲気でした。
本の表紙には、『アストーカシャの夢』と……たぶん、タイトルだと思います。
文章は全部下位古代語らしきことばで書かれていたのですが、暗号のような……不思議な文法で書かれているせいで、意味はわかりませんでした。
なので、アクセサリーや卵と合わせて、学院で鑑定してもらおうと思っていたんです。
あ……あと、あーくんも下位古代語なら読めます。

■ジン To:リナリア、ALL
アストーカシャ・・・深緑の魔女か。

ユズリーフ=アストーカシャ。
古代王国時代に北方(現在のラムリアース付近)で活躍したとされる女魔法使い。
精神なきもの、あるいは知能の低い生き物と心を通わせるための研究が主だった。
ヤスガルン山脈の中腹の針葉樹の森に住み、動物や虫たちを手懐け、その森を侵略しようとした魔術師たちと戦ったと言われている。
やがて敗北を予見したため、残された全魔力をもって森を封印した……という言い伝えが残っているが、真偽のほどは定かではない。
■ジン To:ALL
その魔女の名を冠した品だ・・・もしかしたら
その本に、彼女が守りたかった森が封印されているのかもしれんな。

■リナリア To:ジン
封印……。
確かに、森の絵や、動物たちの絵が多かった気がします……。

■ヒノキ To:ALL>リナリア
私らが目にした限りじゃ、アバランが持ち歩いてたって事はなかったよな。
どっかに置いてあるのか?

■リナリア To:ヒノキ
旅から帰ってきてからは、荷物と一緒に宿に置きっぱなしでした。
「暁の七変化亭」っていう、オランでいつも使っていた冒険者の宿です。

■ヒノキ To:リナリア>ノール
七変化亭っていったら、ノールも泊まってた宿だろ?
ナンか覚えてねぇか?
でなけりゃ、実は無意識のうちにくすねて持ってましたとか。

ぐららんを何だと思っているのか。
■ノール To:ヒノキ
ん? おいらそんな絵本見てないぞっ!
部屋にも置いてなかったと思うけどな〜?

■リナリア To:ノール
あーくん、自分の荷物の中に入れてたからかも……。

■リナリア To:アリス&ALL
そういえば、その子、本当にスノードラゴンのひななんですか?
絵本の中に、雪山に住む真っ白なドラゴンの絵と、「スノードラゴン」っていう単語が出てきていたんです。
……実在するドラゴンだったんでしょうか……?

■毛玉
きゅ〜。

腹が減りすぎて、へばっている。
■ヒノキ To:リナリア
本物かどうかは分かんねぇけどな。
私らの知ってる知識と照らし合わせて、『多分そうなんじゃないかな』ってとこだ。

■ジン To:リナリア、ALL
雪山に住む真っ白なドラゴン・・・絵本の内容と今いるこの世界が符号しているな。
我々が今居るこの世界は、アストーカシャが封印した森、つまり絵本の中なのかもしれん。
それならば、今のアバランが絵本を持ち歩いていないことも説明がつく。

■ノール To:ジン&ALL
絵本の中!? おいらたち、絵本の中にいるの!?
すっげー! めるへんあーんどふぁんたすてぃっくで面白いな〜♪
でもなんでそんなことになってんだろ?(きょと)

■アール To:ジン&ALL
魔力をもって封印…ねぇ。
額面通りに受け取っていいものかどうかな。
そういえば、御伽噺でいいんなら、いくつか聞いたこともあるが…

あとは、ユズリーフってのが、「ばーさんの名前」に似てる気がするくらいか
じゃあ、ユズリーフは自分を絵本の主人公にして、「ユズリハばーさんは、森の仲間と楽しく暮らしましたとさ」って書いてあったのかねぇ。
でも、「封印された」までは譲ってもいいが、結末の変えられる本なんてありかよw

■ジン To:アール、ノール、ALL
ふむ。まだまだなぞは多そうだな。
まあここで結論を出す必要もあるまい。
リュント達もなにか発見したかもしれんしな。

■アール To:リナリア
ところで難しい話で疲れたんで、ここの料理を少々いただいてもいいかな?

ちょっとバツが悪そうに言ってみる。
でもお腹が空いているのはジジツだ!桃も食べてないし。
なにより…ミァがいない!
このパーティで、落ち着いて食べる機会はそうはないだろう。(笑)
■リナリア To:アール
あ……はい。これ、私が作ったのかな……?
覚えてないです……。

■ノール To:ALL
何でも良いから、食べながら話そーっ! おいら、お腹と背中がくっつきそう!
あっ、ミァっちのために、折り詰めしておかないとっ!(いそいそ)

調理台の上にあるのは、何の肉かわからない分厚い特大ステーキや、見たことも無い変わった形の花野菜と木の実で彩られたサラダ、大小様々色とりどりの茸のソテーなど、見た目はともかく香りは美味しそうだった。
■ヒノキ To:リナリア
て、ゆーか。
一体ナニを材料に使ったんだ?
どれもこれも、まるで見覚えのない物ばっかなんだけど。

腹ペコの毛玉に食べさせて、果たして大丈夫なのかとちょっと警戒。
■リナリア To:ヒノキ
わ、わかりません。私、作った覚えないし……。

■ヒノキ To:リナリア
さっきそこにアンタが立って、包丁片手に薄ら笑いを浮かべてたぞ。

ちょっぴり誇張。
■リナリア To:ヒノキ
え、えっ〜。そんな〜。
ごめんなさい、物騒なもの持ってて。

ぺこぺこと謝る。
■アール To:独り言
嫁と小姑かよ…(笑)

■アール To:リナリア>ALL
ではお先にいただきますよ…。
(もぐもぐ)
(もぐもぐ)
………
うぐぅ!

食事を始めたとたんに、なぜか悶えはじめるアール!
口にモノが入っているから喋れないが、とても苦しそうだ…
■ヒノキ To:アール
なんだ、おい!?
どうした、やっぱ変なモンでも入ってたか?

首を振って、違うことはアピ−ルするのだがw
腹部を押さえて悶えているところを見ると、どうやら緊張が解けて、ストサから受けたダメージを身体が思い出したらしいw
■ヒノキ To:アール
紛らわしい真似をするんじゃねぇ。

氷点下の声で。
ついでにどげし、と蹴りも入れる。
…が、反撃する余裕もないようだ。
■ノール To:ALL
う、うめぇぇぇぇっっ!!

ばくばくと躊躇無しにかっ込んでいる者が約一名。
■リナリア To:アール
あの、もしかして怪我を……?
ごめんなさい、もしかして石ちゃんたちが……。
治療の祝詞をささげてもいいですか?
ミュゥルの……使い魔の力を借りれば、まだ、唱えられます。

相変わらず青い顔をしているが、責任を感じているらしい。
■アール To:リナリア
いいのか?すまないが…頼む…
(使い魔の力で…もう1体石人形が出てたら…ねぇ)

違う想像をして青くなってみる(^^;)
■リナリア To:アール
それじゃ、じっとしててくださいね。
(神聖語)
母なるマーファ様、この方の傷を癒してください。

そんなアールの前にひかえめに手をかざすと、リナリアは祈りを捧げた。
みぞおち辺りにひびいていた痛みがふっと消えていく。
■リナリア To:ミュゥル
……? そういえば、ミュゥル、どこにいるの? そこはどこ?

使い魔の視界をたどるような視線で、空を見つめるリナリア。
と同時に、アリスのそばの扉(G)の奥から、「んにゃああ」と間延びした猫の鳴き声が聞こえ、続いて「カリカリカリ」という扉を引っ掻く音が聞こえた。
■アリス To:リナリア
あの扉の向こうみたいだね。

念のため簡単にチェックした後、扉を開けてやる。
■ミュゥル
にゃぁん〜

カチャリと簡単に開いたドアの隙間から、身体を滑り込ませるようにして真っ白な猫が入ってきた。
左目のまわりにだけ愛嬌のある黒ブチを持っている。
アリスの足元にすりすりとすり寄って愛想を振りまいていた。
■リナリア To:アリス>ミュゥル
あ……ありがとう……。
よかった、近くにいて……。

■ヒノキ To:毛玉
ま、食って問題はないみたいだな……。
じゃ、餌の時間にするか。
待たせたな、腹減ったろ?

言いながら腰のダガーを抜き、ステーキを薄く削いでそれを毛玉の口へ持っていく。
■毛玉 To:ひのき>にく
ぴぴぴっ。(興奮)

肉の匂いにすっかり釘付けの毛玉は、ほとんど丸呑み状態の喰いっぷりだ。
■ヒノキ To:毛玉
喉に詰まらせねぇようにな。
ゆっくり食うんだぞ。

毛玉のお気に召したのを確認して、ステーキの削ぎ切りを追加して毛玉の口に運ぶ。
合間に自分も摘まんで食べてみたり。
■ヒノキ To:ALL
ん、結構な味だな。

■毛玉
ぴっ、ぴぴっ。きゅ〜。

かなりご機嫌な様子の毛玉は、与えられた肉をたっぷりと食して満腹になったあと、木の実をつついて転がしたり、葉っぱを加えて左右にぶんぶん振り回したりして元気よく遊び始めた。


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