疑惑の廊下
★西の館MAP（別枠表示）
一方、別行動をとっていたリュントとミァは……
カボチャとパフィオを追って素早く扉（Ａ）の内部に入り込むと、そこは左右に伸びる長い廊下になっていた。
パフィオの描いた見取り図と頭の中で照らし合わせると、ちょうど館の端から端まで伸びているようだ。
正面の壁には扉がみっつ（Ｈ、Ｉ、Ｊ）。
手前側の壁には、左手に扉がひとつ（Ｋ）。すべて閉まっている。
ＨとＫの扉がやや豪華な造りで、ＩとＪはこれといって特徴の無い、普通のドアになっている。いずれも木製でドアノブが見える。廊下をざっと見回す限り、特にドア以外に目につくものはない。
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■ミァ To：リュント
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VIPルームって言ってたから、扉の豪華なあっち（Ｈ）かそっち（Ｋ）でしょうかネー。
とはいえ一番近くの扉（Ｉ）をノーチェックってゆーのも、ちょっち…
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迷っている時間の方がもったいない。
ミァはひょいとＩまで近づき、耳を澄ませる。
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■カボチャの声 To：？？？
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（西方語）
……はや……であ…ます……
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扉越しにカボチャの声が聞こえる。しかし集中力が足りなかったのか、とぎれとぎれにしか聞こえない。
声の調子は早口で、少し急いでいるような印象だ。
続いて、かぽ、かぽという弱々しい蹄の音が聞こえ、何か固いものがゴリッと動くような音がしたかと思うと、部屋の中はしんと静まり返ってしまったように思えた。
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■ミァ To：独り言
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はや……であります…？
しかも音的にゅあんすは、こう、秘密の入り口に消えた風とゆーか…。
うーーにーー。
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そこへまたもや見事な忍足を駆使して、扉Ｉまでリュントが移動してくる
そのまま耳はダンボに──だが、リュントの鋭い集中力をもってしても、それ以上の音は聞こえてこなかった。
この廊下までは、ダンスパーティのBGMもほとんど聞こえてこない。
静まり返った廊下では、聞き耳の難易度もさほど高くないはずだ──よほどの軽い音や、手練の忍び足ならば聞き逃すかもしれないが。
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■リュント To：ミァ
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ここは中の状況が分からないから、次へ行こう。
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■ミァ To：リュント
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カボチャとパフィオっちはこの部屋っぽいですけど……
確定ではないですし、他の部屋も調べてみた方がいいでスネー。
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■リュント To：ミァ
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最初に当たりを引いちゃうと、他は調べなくなっちゃうからな（笑）
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■ミァ To：リュント
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いにゃ、リューちゃんだったら面白いからと全部調べるに違いない！
…まあミーもおんなじですけどネー（・▽・）けろ
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更にリュントは扉Ｈまで移動。
露ほども足音を立てず、そのまま聞き耳を行う。
豪華な扉越しに、金属を弾いた時のような、美しい音色が聞こえてきた。
誰かが弾いているというよりは、一定のリズムで機械的に爪弾かれているような印象だ。
ミァもなるべく足音を立てないよう、リュントの後に続いて扉Ｈへ。
そして耳をぴこっと立てて部屋の中の音を聞く。
ミァのぐららんイヤーにも、その気持ちのいい音は聞こえてきた。
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■リュント To：ミァ
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更に怪しさが増している（笑）
ついでに奥まで調べとくか？
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■ミァ To：リュント
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んに、こーなったら毒喰らわば皿まででスー。
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どの部屋へも入らず、外から状況を把握
更に奥へ
扉Ｋへ密着
ここはパフィオの間取り図の通りなら、おそらくキッチンか、その付近の扉のはずだ。
対面の扉（Ｈ）と良く似た、豪華な造りになっている。
はるか奥から数人の足音が聞こえたような気がするが、これは仲間たちのものだろうか？
それに紛れて、トトッと床を走るような軽快な音が聞こえたかと思うと、「んにゃ〜」という間の抜けた猫の声が聞こえた。
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■リュント To：ミァ
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ここはどうやら違うみたいだな。
なんかの音色が聞こえたとこを最初に調べてみようか？
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■ミァ To：リュント
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猫の鳴き声がなんともほのぼの…（＝▽＝）
ミーとしてはかぽかぽ音の最初の部屋も気になるんですけどネー。
まあでもパフィオっちだし、なんとかなる？
音色の方行ってみますカー。
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扉Ｋは違うと踏んだのか、扉Ｈへ逆戻り
念の為、罠が無いかチェックを――リュントには、無いような気がした。
軽くドアノブを回してみると、施錠はされていないようで、簡単に開きそうだ。鍵が掛かっていないと分かるや否や、無造作に開放〜
その前にしっかりと罠がないか調べたのは秘密
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■ミァ To：リュント
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ああ、不覚っ！ 先に開けられたでスー！Σ（￣□￣；
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こんなところで競ってどーする。
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