雪降る中で
さまざまな謎や呪いを抱えながらも、とりあえずの情報源の確保と空腹感を満たすため、ピクシーの村に行くことにした冒険者一行。
ローダリオンの樹を離れ、広い広い花畑を歩いていくと、やがて針葉樹の森に入った。
同時に、急激に周囲の気温が下がって行くのがわかる。
■ミァ To:ALL
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んに〜。ホントにすぐすぐ寒くなってきましたネー。
さっきの場所とは全然違うのでスーーゥ。
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■コラレット To:ALL
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(フェアリー語)
あ、ほらほら。雪。
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コラレットがそうつぶやいて空を見上げる。
いつのまにか青空は明るいグレーに染まっており、ちらちらと白く光る粒が冒険者たちの顔に向かって降りてくる……雪だ。
■リュント To:ALL
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雪なんて何年振りだ?見たのは………
ここ数年オランじゃ振ってないもんな〜
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マントを体にしっかりと身に付ける
■コラレット To:ALL
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(フェアリー語)
♪ゆ〜きやこんこ♪ あられやこんこ♪
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コラレットが嬉しそうに空中を飛び回りながら歌っている。
彼女は絹一枚を纏っただけのような衣服だったが、寒さはなぜか平気なようだった。
■ミァ To:ココレット&ALL
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ゆ〜〜きやこんこ♪ あーられやコンコー♪
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タンバリンをたん、たん、とリズム良く叩きながら唱和する。
■コラレット To:ミァ
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(フェアリー語)
なぁにその音? 気持ちいい!
♪ら・ら・ら す・て・き〜なリズム〜♪
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嬉しそうに別な歌を歌い出すコラレット。おそらく適当だ。
■リュント To:コラレット
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(精霊語)
そういや、なんでコラレっちーは薄着でも大丈夫なんだ?
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■コラレット To:ALL
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(精霊語)
うふふ♪ 知りたい?
じゃーん! この魔法の絹糸が、あたしたちの繊細な肌を守ってくれてるからよ!
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コラレットはくるりんと空中で一回転して、ワンピース型の薄い衣服をひるがえしてみせた。
動くたびにきらきらと光の粒がこぼれる、不思議な透明感を持つ美しい布だ。
■ミァ To:コラレット
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おおう、ファッションショーでスカー?(目きらきら)
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珍しいものは食指をそそる。
ジャケットの前をかき合わせる。
■リュント To:ヒノキ
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我慢しないで毛布に包まった方がいいぞ?
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■アリス To:ヒノキ
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ん〜ホントに寒くなってきたし、このマントを使って。
ボクはけっこー厚着してるし、大丈夫だから♪
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合わせ目を留めていたひまわりのピンブローチを外しさっとマントを脱ぐと、ヒノキに向かって差し出した。
マントの下には長袖のブラウスと仕立ての良さそうな皮鎧をしっかりと着込み、さらにはおしゃれ用だろうがショールまで身に着けているため確かに寒そうには見えない。
■ヒノキ To:アリス
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ああ、すまねぇな……じゃ、借りるわ。
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ありがたくアリスのマントを借り受けてジャケットの上から羽織る。
毛玉に雪が掛からないよう、バッグもマントの内側に。
リュントの毛布には手も伸ばさない(笑)
しばらく道無き道を歩いていると、薄暗い森の中を何かが走り抜ける気配がした。
冒険者たちが歩く、その両脇を、数メートル離れた位置ではあったが──彼らと同じ進行方向へ走り抜ける音だ。
しかも、単体ではなく、かなりの数が。
■ヒノキ To:ALL
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……ん。
おい、気ぃつけろ。ナンか聞こえたぞ。
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■ミァ To:ALL
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敵さんだったら厄介でスネー。
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■コラレット To:ALL
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(フェアリー語)
え、え? 何、なんなの??
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一行の様子に思わず声を潜めながら、不安げにあたりを見回す。
コラレットには、何が起こっているのかよくわかっていないようだ。
■ジン To:ALL
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どうした?向こうに誰かいるのか?。
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■ヒノキ To:ALL
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……私らに向かってくるワケじゃないみたいだな。同じ方向を目指してるのか。
様子を探るなら足を止めてやり過ごすのも手だけど……万一の時に一歩出遅れるな。
どーする?
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■リュント To:ALL
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足が長い生き物みたいだな。数は最低10。
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■アール To:ALL
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反撃できる態勢を各自で整えておけばいいんじゃないか?
ジンさんだけ真ん中に挟めば、皆それなりに対処できるだろうし。
逆にこちらが追いかけなきゃいけない相手かどうかだね。
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■ジン To:ALL
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そうだな・・・よし。じゃあこっちも進行速度をあげないか。
相手が村を害する存在、たとえば「アバラン」の一味なら、迎え討てるかもしれん。
そうでないならそれに越したことはないがな。
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■ミァ To:ジン&ALL
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そうでスネー。
何があるかさっぱりらららーだし、それいけ駆け足!が良さそうでスーゥ。
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■アリス To:コラレット(フェアリー語)
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よくわかんないけど、何かの虫がこの先に向かってるみたい。
心当たりある?
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■コラレット To:アリス&ALL
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(フェアリー語)
……え。虫!?
あばれものアバランは、虫を操るのよ!
っていうか、虫とか動物とか、人外のものをなんでも操っちゃうの。
それで、あたしたちの村を襲うの! 大変!!
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真っ青になってそう叫ぶと、コラレットは弾かれたように木々の隙間を抜けてまっすぐ進行方向に向かって飛び出した。
しかしパーティを挟んでいた足音は、それよりも速いスピードで彼女を追い抜き、あっという間に森の奥へと駆け抜けて遠のいて行く。
■アリス To:ALL
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大変っ、アバランは虫とか動物とか、人外の物をなんでも操っちゃうんだって!
このままだと、村が大変な事になっちゃうよ!
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■ジン To:ALL
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こいつはまずそうだ。こちらも急ごう。
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みんなの意見をまともに聞かず、コラレットの過ぎ去った方向へ突っ走る。
■ミァ To:リュント
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なんの! ミーだって必殺グラランダッシュでスヨー!
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リュントの後を追うように、すぐさま駆けてくスプリンター2号。
■ヒノキ To:ALL
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追っかけるしかねぇな。
しかし、人外のものを操るねぇ。……あの羽虫は平気なのかね?
……あ。ひょっとして、コイツもまずいか……?
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バッグに収まっている毛玉に心配そうな視線を向ける。
小首を傾げてヒノキを見つめたあと、あたりをきょろきょろしている……つぶらな瞳は、雪の動きを目で追っているようにも見えた。
全身の体毛はさらに空気を含んで、ふんわりと丸くなっている。そのおかげか、寒さにはそれほど堪えていないようだ。
■アール To:ALL
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操られているかどうかはさておき、寒い場所で活動する虫ですか…なかなか興味深いね。
さっきの大樹のコトもあるし、後からいろいろ調べたりまとめないと。
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