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SW-PBM Scenario#158
銀のしおり

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探し人追う人々



  銀の網亭・1階

夕暮れのオランの街に三々五々散っていく仲間たちを見送ってから、ジンはおやじが用意してくれた個室でひとりごちた。
窓から差し込んでくる日の光が弱くなり、あちこちで街灯が灯されていくのが見えてきたころ、ワインを飲み過ぎたせいなのか、またも生理現象に襲われた。
階下に降り、本日何度めかの用を足してホールに戻って来たジン。
1階は先程までの喧騒はどこへやら、もう数人の一般客と、仕事にあぶれた様子の駆け出し冒険者のグループがちらほら見える程度だった。
おやじはその新米冒険者たちと雑談をしているようだ。
二階に戻ろうとして階段に足を向けたそのとき、小柄な姿が扉を蹴り開けて入ってくるのが見えた。
■グラスランナーの少年 To:店内>ジン
天が呼ぶ〜♪ 地が呼ぶ〜♪ 愛が…呼ぶ?(きょろきょろ)

あっ!そこの耳が長くて変な像をぶら下げてるにーちゃん!
あんた、見たところすぺしゃるでぐれいとに熟練な雰囲気がするぜっ!
この冒険者の店、長いと見たぞっ!
おいら、ちょっとひとを捜しててさ、聞きたいことがあるんだけど〜♪

あっ、おいらノール!よろしくなっ!

背中にハープを背負った、明るい茶色の短髪のグラスランナーの少年だ。
くったくのない笑顔で話しかけながら、びしぃとポージングを決めつつ握手を求めてくる。
■ジン To:ノール
そうか。お前はなかなか良い眼力を持っているな。
俺はジンだ。
・・・ふむ、どうも俺は小人族に慕われる性分らしい。

■ノール To:ジン
あったりまえだぜっ! おいらこれでも、七つのダンジョンを股にかけるつもりのすーぱーぐれいとぐららんっ! 夢はでっかくエストン山脈並みっ!

ジンちゃん? ジーちゃんだなっ!

胸をぐぐいと張りながら、勝手に愛称を決めた。
■ジン To:ノール
とりあえずジーちゃんというのはやめ・・・。

■ノール To:ジン
でさでさ、探してるのはシャイアンっていう、おいらと同じ草原の妖精族なんだ!
「銀の網亭」にいる冒険者で、すっげぇ前にも一度会いに来たことあるんだけど、そんときは会えなくてさっ!
背中にでっかいリュートを背負ってて、変な東方なまりで、おせっかいな奴だよ〜!
ジーちゃん、知らない?

■ジン To:ノール
ほう。シャイアンなら昔組んでいたことがある。
しばらく国に帰っていたが、またオランに戻ってきてな。
先週まで「何とか大会」運営委員会の仕事で留守にしていたが、今はフリーなはずだ。
今日あたり、ひょっこりこの店に現れるかもしれんな。

■ノール To:ジン
そっかぁ、そんならそのうち会えるかもしれないな〜♪
おいら、どうしてもお礼が言いたかったから。
「おいらがまっとうな道で『楽しいこと』を見つけられるようになったのは、お前のおかげだ」って。

おいらこれでも忙しい身だからさ、ジーちゃん、もしあいつに会うことがあったら、ノールがそう言ってたって、伝えておいてくれない?

にこにこと、嬉しそうに伝える。
■ジン To:ノール
そうか。それは喜ぶだろうな。
だが、会って直接伝える方が、もっと喜ぶと思うぞ。
それでな、ジーちゃんというのは・・・

■ノール To:ジン
あとさ、ほかにも探してるひとがいるんだっ!
ししょ……リュント師匠とミァっち知らない?

「ジーちゃん拒否」は全く聞こえていない様子で、元気にそう言いながらきょろきょろと落ち着き無く店内を見回す。
■ジン To:ノール
なんだ、リュントとミァも知ってるのか。俺達はあいつらと組んで仕事の準備をしてるところだぜ。今はリュントはギルド、ミァは武器屋に買出しだったかな。

■ノール To:ジン
Σ な、なんだってーーーー!?

バックに雷。
■ノール To:ジン
今度こそ、ししょー&ミァっちとパーティを組んで、すぺしゃるでわんだふりゃな冒険をこなそうと思ってたのに!
成長したおいらのぐれいとな技と力を見てもらおうと思ってたのに!!!

ぐぐっと力こぶを作ってみせる。しかし細っこい腕に変化はなかった。
■ノール To:ジン
あっ! ジーちゃんが抜けて、かわりにおいらが入るってのどう?
おいら、今、別のパーティから誘われてるからさ、とれーどってやつ!!

目をきらきらさせて提案してみる。
■ジン To:ノール
まあ俺は構わんが、一応リーダーらしいから皆に相談しないとな。それに、まだ仕事の内容が決まってないから、パーティの人数は決定じゃない。一人くらい増えても問題ないんじゃないか?

■ノール To:ジン
本当!? ぜったい!?(目がきらきら)
あ、でもよく考えたら、もう仕事は決まってるって、アバラン言ってたっけ。
やっぱ抜けられないや〜、ごめんなっ!

あっさり自己完結。
■ノール To:ジン
おいら今、「暁の七変化亭」にいるから、もし暇なら遊びに来てってししょーとミァっちに伝えておいてよ〜♪

■ジン To:ノール
うむ。まあ仕方あるまい。
次はちゃんと組む約束をしておくことだ。
恋敵が現れて、横取りされても知らんぞ。

■ノール To:ジン
Σ 縁起でもないこと言うなよぅ!?
ミァっち、きゅーとですぺしゃるにらぶりーだから、お、おいらの知らないところで、誰かに狙われて…なんて……(動揺)

ジーちゃん、手出しちゃダメだぞ。

とりあえず目の前にいる男性に釘をさす。
■ノール To:ジン
ところで、そのにゃんこ可愛いな〜
ジーちゃんのペット?
あっ! 可愛いって言っても、ミァっちの可愛さには遠く及ばないけどなっ!

じぃーっと見つめたあと、思わず抱っこしようと手を伸ばす。
特に抵抗するそぶりも見せず、のんきににゃあと鳴き声をあげるタークス
■ノール To:ジン
可愛いな〜♪ にくきゅうにくきゅう♪

片手で抱きかかえ、空いている片方の手で前足を掴み、ぷにぷにと肉球を弄ぶ。
ジン、少し腰を浮かせつつ、、
■ジン To:タークス
すっかり人気者だな、タークス。
・・・抵抗しないのは、使い魔としてはどうかと思うがな。
ノール、あんまり手荒に扱わんでくれよ。

■ノール To:ジン
だいじょーぶだよっ! おいら、森での生活も長かったし、動物にやさしーんだから〜♪
そーれ、高い高ーい!

おもいっきり空中に放り投げる。
そこへ、抜き撃ちの如く、すばやく「落下制御」呪文を唱えるジン。
特に慌てる風もなく、空中で手足をぶらぶらさせるタークス。
■ノール To:ジン
おお〜っ! かっこいい〜!(ぱちぱちぱち)

■ジン To:ノール
こらこら、言ってるそばから(^^;
まあ、この程度の高さなら受身は取れるだろうがな。
落とし穴に落ちた時の、いい練習にはなった。

■ノール To:ジン
落とし穴かぁ〜。
おいら聞いたことあるぞ。耳の長いやつらって受け身も下手で弱っちいから、落とし穴に落ちただけで死んじゃうって!
でもジーちゃんなら、魔法の力でずばばっと切り抜けられそうだよな〜♪

どうやらジン&タークスの曲芸のような技を気に入ったらしい。
■ノール To:ジン
あっ! おいらそろそろ行かなきゃ。
じゃーな、ジーちゃん! ししょーとミァっちと、シャイアンによろしくな〜♪

ひらりと身を翻すと、まるで突風のような早さであっという間に店を出て行った。


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