お買い物大作戦
〜 2 〜
■ピティ To:ALL
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え。
い……今、妙な振動が……(^^;
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ピティはあわててカウンターに柔らかい布を敷き、そこにそっと卵を乗せる。
布の上で、卵は明らかに小刻みに震えだしていた。
一同が固唾をのんで見守る中、やがて卵の殻を突き破って、ちいさなくちばしが顔を出した。
卵はゆっくりと割れていき、中からややしっとりとした毛玉のようなまるっこい姿がぽてりんと現れる。
くちばしが長く、体はまるまるとしていて、なぜか翼らしきモノが見あたらない。
そのせいで、まるで毛玉から足が生えているだけのように見える。
■アリス
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ふわふわのもこもこ……お話の通りだぁ……。
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目をハート型にして、ふらふらと近寄ろうとする。
■ミァ
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うっわあ、でスー……!!!!o(>▽<//)o
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思わずその場で小躍り。
子供の頃に御伽噺で読んだものとかけ離れた姿に、すぐにはそれがドラゴンだと結び付かなかったらしい。
そして、その呆けている数秒の間が致命的になった。
ようやくヒノキが何かの危険を感じ、素早く距離をとろうとしたその瞬間。
開かれたばかりの小さな黒い瞳は、彼女の姿をこの世で最初に捉えてしまったのだった。
雛は小さな体を何とか起こそうとしながら、ヒノキの方へぽてぽてとすり寄っていく。
■ヒノキ To:毛玉
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うわわわわっ! バカ、危ねぇっ!
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足元が見えていないのか。自分がカウンターの上に居る事にもお構いなしに、ほてほてと寄ってくるドラゴン(?)の雛。
あと一歩で落っこちるかというその手前で、慌てて伸ばしたヒノキの両手がその小さな身体を包み込んだ。
ヒノキの手の中で、じたばたともがく毛玉。
必死に体勢を整えようとしているようだが、ただ転がっているようにしか見えない。
■アリス To:ヒノキ
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うわぁ〜、いいな〜いいな〜。
きっとひ〜ちゃん、その子にお母さんだと思われちゃったんだねっ☆
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■ミァ To:ヒノキ
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いいな〜いいな〜でスー♪
ヒーちゃんままんの誕生でスネー(^▽^)
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■ヒノキ To:毛玉
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(う、ふぁふぁ……やわらかい……)
……(ふにふに)……(つんつん)……(なでなで)…………はっ! Σ( ̄□ ̄;)
ちっ、違う! 私は可愛いなんて思ってないぞ! (//△//)
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■ミァ To:ヒノキ
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やっだなぁ。ヒーちゃんってば、い・ま・さ・ら♪
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何か嬉しげに鳴き声を上げながら、もぞもぞとヒノキの胸元にすりよって、タンクトップの中にいっしょうけんめい頭を突っ込もうとする。
■ヒノキ To:毛玉
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あっこら、何する気だ……ひゃははは、くすぐってぇ!
やめろって、潜るなっ、服が伸びるっ。
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もふもふの羽毛が素肌に擦れてくすぐったい。
さすがに堪らずタンクトップから引っ張り出して、代わりに羽織っていたジャケットを丸めてその中に包み込んだ。
何が起こったのかわからず、ジャケットの中でもぞもぞと動き回っている。
■ヒノキ To:ALL
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だいたい、懐かれても困るっ。コイツはドラゴンなんだろ?
てぇ事はこの先育ったらとんでもなくデカくなるんじゃねぇかっ。
そんなモン、とても面倒みていく自信なんて持てねぇよ。
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面倒みない、とは言っていないところがポイント(笑)
■ロック To:ヒノキ
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……確かに巨大になられたら一刀両断ドラゴンスレイヤーの夢が……(ぶつぶつ)
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■ピティ To:ヒノキ
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でも、もう懐いちゃってるみたいですよ(^^;
今更突き放しても、かわいそうですよ〜。
……それに、卵を拾っちゃった私としては、元の落とし主のこともちょっぴり、気になります……。
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■ヒノキ To:ピティ
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……う゛。ンな事言われても、なぁ。
………………(はぁ)
わぁーったよ。仕方ねぇ、私ができる限りはしてやるよっ。
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やけっぱち。
■ミァ To:ヒノキ
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私タチ、じゃなくて『私』。
うんうん、ヒーちゃんままんってば既にその気満々でスネー。
ああ、こりがさっき言ってた【責任】ってやつ?(=▽=)
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ヒノキは【反撃】を喰らった!
■ヒノキ To:ミァ
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ぐっ。……そぉだよ、【責任】だよ。
ただ、ママはヤメロ。
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■ミァ To:ヒノキ
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えー?(・▽・)
ミーなんにも聞こえなーい。
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■ピティ To:ヒノキ
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わ〜、ありがとうございます!(^^
あの、それじゃ、後々の引き取りのことも考えて、落とし主を捜していただけないでしょうか?
あ、もちろん、報酬はお渡ししますので。兄が。
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■ミァ To:ピティ
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おっとり娘かと思ったら何気にイイ性格してまスネー(ほほう)
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■アリス To:ピティ
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卵がどこから来たのかは調べてあげたいけど……。
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■ヒノキ To:ピティ
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落とし主、ねぇ。確かにンな厄介なモン誰が落っことしていったんだかなぁ。
まさかとは思うけど、親ドラゴンが捨ててった、なんて事はないよな?
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■ピティ To:ヒノキ
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……親ドラゴンがオランにやって来てたら、さすがに大騒ぎになってると思いますけど……(^^;
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■アリス To:ヒノキ
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お話だと、卵を盗られたお母さんが怒って大暴れするんだよ。
だから捨てていったなんて事はないと思うな。
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■ヒノキ To:アリス
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……大暴れされたら、狙いは私か?(苦笑)
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現状を客観的に見れば、ヒノキが子供を奪ったと見られるのは間違いない。
■ミァ To:ヒノキ
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そこの毛玉っちをめぐってヒーちゃんままんとドラゴンままんが天下分け目の大決戦をするんでスネー…!(目きらきら)
わーわー。御伽噺の再来でスーーゥ♪
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実際本当にそんな事態になったら、面白がるどころじゃ済まないのだが。
■ロック To:ヒノキ&ALL
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報酬……報酬……(ぶつぶつ)……そうですね。
それでは、先ほどご紹介した、この魔剣を差し上げるということでいかがでしょう?
私としては、並み居る敵をバッサバッサと切り倒し、活用していただくのが嬉しいのですが、もちろん、お売りになってもかまいません。
もしかしたらおおごとになるかもしれませんし、先にお渡ししておきましょうか?
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そう言って、もう一度魔剣バッソを取り出し、ぎらりと光らせてみせる。
■ヒノキ To:ロック>ALL
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私が貰ってもイマイチ嬉しくないんだけどなぁ、ソレ。
……まぁ、オッサンにでも売りつけるか。
で、お前らどうする?
下手すっと私だけじゃ手に負えない厄介事になる可能性があるけど。
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巻き込まれる覚悟はあるか? と目線で尋ねる。
■アリス To:ヒノキ&ミァ
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報酬も出るならちゃんとしたお仕事になるんだし、引き受けちゃっていいんじゃないかな?
第一、もうその子を放っておくなんて出来ないしねっ☆
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■ミァ To:ヒノキ&アリス
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んにんに。
ヒーちゃんがヒノキままんにクラスチェンジ☆した時点で、もう運命は決まってたとゆーか(=▽=)
他のメンバーもきっと大丈夫でショー。
ヒーちゃんと毛玉んを見たら、きっとイイ笑顔でOKしてくれるに決まってまスー♪
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■ヒノキ To:ミァ
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あんまり素直にOKされるのも非常に不本意なんだけどなぁ……。
だからママはヤメロっつーの。
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■ミァ To:ヒノキ
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にはははのはー。きっと不本意でも無理でスヨー。
だって皆ひとがいーもの。
え。だってままんでショー? 何をいまさらー(・▽・)
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■アリス To:ロック
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でも、その剣には触りたくない……呪われそう……。
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ロックと剣を見る目が、完全に呪いの品とその持ち主を見る目だ。
■ロック To:アリス
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何をおっしゃいます。品行方正品質第一いつもニコニコ納得取引のロック=エーテンの店で、お客様に呪いがふりかかるような興味深……もとい恐ろしい品を扱っているわけがございません。
ぜひこの剣を活用し、銘柄が世に伝説として残るような大活躍を期待しております。
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■ピティ To:ALL
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……ええと、みなさん、他にご覧になりたいものはありますか〜?(^^;
何でも見て行ってくださいねっ。
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■ヒノキ To:ピティ
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そうだな、買い物がまだ途中だった。
じゃ、私はこの短剣と……あと、鎧を見せてくれ。
最後の命綱だからな、出来ればなるべく質の良いやつを。
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■ロック To:ヒノキ
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ふむふむ、お客様は見たところ、軽業で戦う御方のようですから……
こちらなど如何でしょう。
闇に紛れるにはかなり好都合。相手の背後をとって、先ほどのダガーで一撃必殺!
お客様の名は、「見えざるレディ・ストーカー」として、永遠にオランに残ることでしょう。
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ロックがヒノキの身体を上から下までなめるよーに見てから取り出したのは、全面黒塗りで妙に露出度が高い女性用ハードレザー・アーマーだった。
確かに見た目より軽そうで、動きは阻害しなさそうだ。
■ヒノキ To:ロック
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名前が残る残らんはどーでもいいんだが……。
まぁ、動きやすそうだしそれで良いや。ついでに、上からこのジャケットが羽織れるように加工してくれる?
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即決。……露出はあまり気にしないらしい。
ロックは快くそれに応じ、店の奥に引っ込んで……なにやら怪しげな笑い声とともに鎧を加工する音が聞こえてきた。
■ヒノキ To:ピティ
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あと、この毛玉を突っ込んでおけるような入れ物とかない?
適当なのがなければ、マントかなんかで包んでくれるんでも良いや。
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■ピティ To:ヒノキ
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入れ物ですか? ん〜、あっ、ちょうどいい大きさのがありますよ〜。
ここにほら、こうやってクッションを詰めれば、ちっちゃな体も守れますよ(^^
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ピティが取り出したのは、肩掛けも出来る2WAYバッグだった。
綿とやわらかい布を詰めて、まるで持ち歩ける巣のようになっている。
■ヒノキ To:ピティ>毛玉
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ああ、それで良いや。じゃ、それくれ。
毛玉はこっちに入ってろ。
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ジャケットに包んでいた毛玉をバッグに移し変える。
突然の移植に驚いたのか、バッグの中でやわらかい布の隙間に入り込んだり、綿をひっくり返したりしていたが、やがて丸くなって動かなくなった。
…………寝たらしい。
■ミァ To:ピティ
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あ! ミーは楽器を買いに来たんでスヨー。
こう、持ち歩きやすくてぴかぴか賑やかで、るらららーん♪な楽器ってありまスカー?(’▽’)
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■ロック To:ミァ
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楽器ですか! お客様は運が良い。ちょうどベルダインから直輸入のおもしろ素敵らりらりらーな楽器が目白押しキャンペーン中なのです。
さあ、あちらの棚にご注目!
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ロックが胸を張ってびしぃと指さした先には、さまざまな楽器が神々しい光を放つ特別棚が設置されていた。
ハープやリュートなど、おなじみの楽器に加え、カスタネット、フルート、ハーモニカ、何の角か分からない怪しげな角笛などが並べられている。
棚の中央には、鼓笛隊のような制服を着た猿の巨大なぬいぐるみが、片手にタンバリン、口元にラッパを構えた格好でディスプレイされていた。
■ミァ To:ロック
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・・・・・・・!!!
ひゃっほーー! おもしろそーなのがいっぱいでスー!o(>▽<)○゛
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目がきらきらきら。手がうずうずうず。
■ミァ To:ロック
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触ってみてもいーんでスカー? スカー?
あああ、あの妙ちきりんな角笛がどんな音するかも気になりまスシー。
そりにあのお猿っちー! 楽器二つも持ってるのでスー! かあいー♪
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■ロック To:ミァ
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むぅぅ、さすがに草原の妖精族の方はお目が高いですね。
あのモンキャーが掲げている楽器こそ、ベルダインの某有名職人が手がけたこの世にふたつとない手作り楽器。両手装備でさらにブランド感アップなのです。
リズムとメロディーを制する者は、この世のあらゆる娯楽をも制するのです!!!
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そう言いながらミァにタンバリンとラッパを両手装備させてみる。
■ピティ To:ミァ
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すごい……まるでそのままディスプレイできるくらい、ものすごく似合ってます……(^^;
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■ヒノキ To:ミァ
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まぁ、コイツは落ち着いて立ってるのが不可能だろうから、ディスプレイには向かねぇだろうけど……。
……。
…………。
……………………。
に、似合いすぎ……うぷぷっ……(笑)
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吹き出しそうになるのを必死で堪えてる。
■ミァ To:ALL
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(・・)(’’)(。。)・・・・・・・・・・・゛●o(^▽^)0%"〜〜〜♪♪
似合いすぎなくらい似合うでスカー?
えへへ、めっちゃ楽しいのでスー! たんたかたーん、ぱっかぱぷー♪
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ミァは不思議な踊りをしながら楽器を奏で出した!
■ヒノキ To:ミァ
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……どっちがディスプレイのモンキャーかってくらいハマってるな。
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■ミァ To:ロック
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んに! ミーはこりを気に入ったのでスー!
どどんと2つセット……いにゃ!
その制服きたモンキャーのぬいぐるみごとお買い求めしちゃうでスヨー(>▽<)ノ
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■ロック To:ミァ
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何ですと!? さすがは全ての娯楽に精通した草原の走者、巨大ディスプレイモンキャー試作一号もまるごとまとめてご所望だとは!
本来ならば非売品ですが、私も漢(おとこ)です。ここはひとつ、特別セット価格で3点で250ガメル! 特別価格250ガメルのご奉仕です! いかがですか!
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■ミァ To:ロック
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よっしゃあ! 買ったぁあでスーー!!(`・▽・´)9
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楽器を一度テーブルの上に置き、ミァはがさごそと自分の荷物からヘビのぬいぐるみを引っ張り出した。
■ミァ To:ヘビドラ
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ヘビドラっち、ヘビドラっちー。
300ガメル欲しいのでスヨー♪
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言いながら、ぽむぽむとヘビぬいぐるみの頭を叩く。
すると……ぺっぺっぺっ、とヘビが50ガメル金貨を6枚吐き出した。
■ミァ To:ヘビドラ>ロック
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んにんに、いつもありがとーなのでスー♪(撫で)
ふっ、とゆことでお代でスヨー!
お釣りはいらねぇぜとっときな、なのでスー(・▽<)-☆
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■ロック To:ミァ
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……その何やら不思議素敵な仕掛けがありそうなアイテムが私の好奇心をそそるのですが……(ぎらり)
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■ピティ To:ロック>ミァ
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おにーちゃん、お客さんのもちものにまで興味示さないで〜(^^;
あっ、ありがとうございます〜、それなら持ち運びに楽なおんぶひももサービスで付けておきますね!
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大きさ的には、どっちがおぶさっているのか分からなくなること請け合いだ。
■アリス To:ロック
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あっ、自分の買い物を忘れるところだったよ〜。
ボクはこの弓と、矢を2セットもらっていくねっ。
それと銀の矢も1セットお願い☆
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そういいつつ、店に入ったときから目に留まっていた、シンプルな形のロングボウを手に取って品質をチェックする。
■ロック To:アリス
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弓ならば、今朝届いたばかりの曼荼羅模様入り・10周年おめでとう特別バージョンの記念弓が……あ、そちらのシンプルなのをご希望ですか。そちらも軽く作られておりますので、お客様の体格にはぴったりかと思います。さて矢のほうですが……
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■ピティ To:アリス
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あっ、「ふつうの」矢ならこちらになります、どうぞ〜(^^;
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そしてそれぞれの買い物も終わり、そろそろ日も落ちてきた。
冒険者たちは思い思いの装備と、予期しないお荷物を手に、ロック=エーテンの店をあとにしたのであった。
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