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SW-PBM Scenario#158
銀のしおり

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お買い物大作戦

〜 1 〜


 武器屋ロック=エーテンの店

ミァ、ヒノキ、アリスは、仕事が始まるまでの時間を利用して、日が傾いて来たオランの街へお買い物に出かけることにした。
先ほどまで晴れ渡っていた空はオレンジ色に染まり、細く繋がった雲がゆっくりと西へ流れて行く。きっと明日もよい天気──そんな予感がする空の色だ。
■ミァ
んにんに、ナイス夕暮れ時なのでスー♪
明日からの仕事もいー感じになりそうな予感なのでスヨー(^▽^)

まだまだ人通りの衰えない通りをするするとかいくぐり、冒険者たちはロック=エーテンが営む武器屋の扉を元気よく開けた。
■ロック To:ピティ
……しかしですね、最近は暑かったですし、もうすぐ割れてしまうかもしれませんよ、ピティさん。
ですから早いうちに、里子として預かってくださるお客様を──

■ピティ To:ロック
でも……変ないきものだったらどうするの?
やっぱり学院なり冒険者の店なりに相談した方がいいよ〜。
あとおにーちゃん、“さん”付けはやめてってば……あれっ?

■ヒノキ To:店の中
おーい、ナニ騒いでんだ〜?
客が来たぞ、相手してくれ。

店のカウンターには、何やらこそこそと相談し合っている店員らしき男女の姿が見えた。
ピティと呼ばれた女の子のほうが、入って来た冒険者たちに気付くと、あわてて手元の何かを後ろ手に隠すようにしながら、お辞儀をする。
■ピティ To:ALL>ロック
あっ、いらっしゃいませ!
ほらおにーちゃん、お客さんだよ!

■ロック To:ALL
これはこれは、いらっしゃいませ。
私が当店の店長、ロック=エーテンです。
白兵戦用武器から遠距離武器、絡みとり武器からちょっとイケナイ武器、さらには流血と打撲と骨折からアナタを守る鉄壁の如き鎧たち、
あげくの果てに楽しくて思わず冒険の目的を忘れてしまうすてきな楽器の数々まで、何でも取り揃えてございます。
さぁどうぞどうぞ、ずずいと中にお入りになって。
どれでもお手に取って合わせてみてください。

■ピティ To:ロック>ALL
おにーちゃん、お客さんが引いちゃうよーな紹介の仕方はやめて……(^^;

ええと、怪しい店じゃありませんので、どうぞどうぞ〜!

店内には、ところ狭しと武器・防具の類いが陳列されていた。
壁一面に飾られた刀剣類、上質そうであやしい光沢を放つ鎧たち。
そして世界中(?)から集められたであろう様々な楽器たち。
ピティは相変わらず後ろ手に構えたまま、冒険者たちをにこにこと出迎えていた。
■ミァ To:ロック
『楽しくて思わず冒険の目的を忘れてしまうすてきな楽器』!!!(>▽<)
くくぅ、なんて楽しそーでわんだほーな響き!
店主、さては商売上手でスネー。

■ヒノキ
へぇ、随分いろいろ取り揃えてんだな。
これなら手に馴染むものが見つかりそうだ。

ぐるぅりと店内を一瞥し。
■ヒノキ To:ピティ
とりあえず、手頃な短剣と。
それから……さっき言ってた【イケナイ武器】ってーのが興味あるなぁ。
良かったら見せてくれない?

どういう方面で【イケナイ】のか、興味津々。
■ピティ To:ヒノキ
えっ……興味あるんですか……?(^^;

■アリス To:ヒノキ
この大きな角材(必要筋力24のクラブ)とかじゃないかなぁ?
『ファリスの猛女』様は、こういうのを投げて悪を成敗したんだって。

それも十分怖いだろうが、多分そういう意味じゃ無い。
■ヒノキ To:アリス
ファリスの猛女の話は聞いたことあるけどな……。
趣味じゃねーし、ンなゴツイのは私にゃ持てねぇよ。

別名ザ・電信柱とも呼ばれるそれに目をやって顔をしかめる。
■ミァ To:アリス
ほわ〜〜、めっちゃ重そうでスネー!
こんなん武器に出来るヒトがいるんでスカー(まじまじ)

■アリス To:ミァ
うん。ファリスの猛女様って、どんな人なんだろうね?
身長が3メートルくらいあったりするのかも☆
この前一緒に古城に行ったお菓子職人のウサちゃんは、背の高さが2mは超えてたと思うけど、このくらいの大きさの剣はかなり重そうにしてたし。

■ミァ To:アリス
3mもあったら……たっかい棚の上にお菓子隠し放題でスネー(もわわん)
お菓子職人! ウサちゃん! ……でも2めーとるっ??

頭の中では、ウサギのきぐるみを着たふぁんしーなウサちゃん少女(でも2m)が、クッキーと大剣を持って踊っていた。
■ミァ To:アリス
そりはまた……随分個性的なお仲間だったんでスネー(’▽’;

■ヒノキ To:ミァ
個性的っつーより、こえぇーよ。

■ロック To:ヒノキ
まずは、お客様の体格に合いそうな短剣はこちらですね。
ぴっかぴかの新品、思わず頬ずりしたくなるほど刀身に一点の曇りもありません。
どうぞ手にとってお確かめください。

そしてそして、よくぞ聞いてくださいました。禁断のイケナイ武器!

■ミァ To:ロック
Σ(わっくわっく、わっくわっく♪)

■ヒノキ To:ロック
おぉ、随分な数があるな。
装飾も結構……けど、私はシンプルな方が好きなんで。

言いながら、造りの簡素な、けれども無骨に見えないようなものを選び出してゆく。
数本手にとって重さを確かめているうちに、ロックが向こうでごそごそやっているのに気がついた。

ロックはいきなり身をかがめてカウンターの影に身を潜めると、数秒の間のあとにいきなり巨大な両手剣を持ってがばっと立ち上がった。
■ミァ To:ロック
きゃっほうーーー!
めっちゃだいなみーーっく!o(>▽<)o

お子様は大はしゃぎ。
■ピティ To:ロック
やめて〜おにーちゃん、そういう登場の仕方〜〜(^^;

■ヒノキ
(……みゃーとタメ張るくらい変わった奴なのか?)

■ロック To:ヒノキ
さて、これは銀製バスタード・ソード、しかしタダのバッソちゃんじゃありません。
真の名を「カッツ・ボース・ウェイズ」、別名「俺の屍を越えていけ」。
れっきとした魔剣ですが、相手を攻撃するたびに、自らの身体も傷ついていくという自己犠牲の精神にあふれた恐ろしくも美しい剣なのです。
相手を血祭りに上げる頃には、刀身も自らの流血で真っ赤に……うふふ……

■ピティ To:ヒノキ&ALL
あ、あの、すみません、悪気はないんです悪気は(^^;

鞘からわずかに刀身をひきぬき、ぎらりと光らせてみせるロック。
見た目よりも軽くできている高品質な品のようで、何故だかそれは、リュントの体格にぴったりなように、その場にいる全員には思えた。
■ヒノキ To:ロック
自分も傷付くぅ……? 悪い、趣味じゃねぇ。
これでもヲトメなんでな、好き好んで柔肌に傷を入れる気はねぇよ。
そーいうのが似合いそうなオッサンなら、ついさっき知り合ったけどな。

頭の中で自らの返り血をべろりと舐め、にやにや笑っているリュントを想像。
……うん、ほらーてぃすとは彼に似合わない事を再確認。
■ミァ To:ヒノキ
・・・・・・なりほど、ヒーちゃんはヲトメ、と(=▽=)

何故か横でうんうん頷く。ついでにメモる。
■ヒノキ To:ミァ
ナンでそこで再確認するかのように頷くかな?
私が乙女じゃおかしいか? ん?

目が笑ってない。
■ミァ To:ヒノキ
やっだなぁ、そんなこと一言も言ってないでスヨー?
ただほら、ヒーちゃんつっぱってるし、こう、自分的認識度はどの辺なのかなぁなんてっ(=▽=)b

ちなみにメモの見出しには、『セージとぐららんの知的よっきゅーを満たすため』とか何とか適当に書かれている。
■アリス To:ロック
その剣、呪われてたりしないよね……?

店主の勢いにちょっと引き気味。
■ロック To:アリス
いいえ、呪いなどではありません。言ってみれば仕様です。

■ミァ To:アリス
ああ、大丈夫でスヨー。ちょっち変わった魔剣てだけですカラー。
肉を切らせて骨を絶つ!ってゆー英雄系?が好きなマニアには、結構人気らしいでスヨー?

何故か詳しいミァ。
■ヒノキ To:ロック>ピティ
魔剣ねぇ……。ワリィ、やっぱ似合いそうにねーわ。振り回した途端に刀身がすっ飛んでくような剣でも持たしてた方がそれっぽいかも。

つーか、私が想像してたイケナイのとは違ったなぁ。
私はてっきり、暗殺にでも使えるようなエグイ武器かと思ってたんだけど。
……それとも、そっちのおねーちゃんが手にしてるそれがナンかの暗器かい?

ピティが手に隠し持ってるのを何かの武器だと思った様子。
■ピティ To:ヒノキ
えっ、違いますよ〜(^^;
あの、これはその、こういったものでして。

おそるおそる、壊れやすいものを扱うような手つきでそっと身体の前に持ってくる。
手のひらに乗ったそれは、カボチャほどの大きさの……卵だった。
殻は、ピンクと黒のまだら模様になっている。
■ヒノキ To:ピティ
……カラフルっつーか、ドギツイっつーか。
毒入りだって言われても信じそうだな。やっぱ暗殺用?

■ミァ To:ピティ
ほわ〜〜〜。また、おもしろ不思議でビッグな卵でスネー。
・・・・・産んだんでスー(・x・)?

内心、毎度卵に縁があるなぁと思ったのは此処だけの話。
(詳しくは#150:Three? materials 参照のこと)
■ピティ To:ミァ
う、産んだってΣ( ̄□ ̄;
わ、私まだそんな〜!!

何故か顔を真っ赤にして慌てふためくピティ。
■アリス To:ミァ
くすくす、人間は卵なんて産まないよっ☆
……あれ?
でもその卵って、ひょっとして、スノードラゴンの卵じゃないかなぁ?
ほら、おとぎ話に出てくるよね?
スノードラゴンが、実在するって話は聞いたことないけど。

■ミァ To:アリス
Σ どっらごーん?
そりはまた、すっごいものなんでスネー!!

…でもでもカボチャくらいおっきいし、食べ甲斐ありそうだな〜とか思ってましたのニー。
ちょっぴり裏切られた気分でスーーゥ。

■ヒノキ To:アリス>ピティ
どらごん……?(汗)
おい、ひょっとしてさっき言ってた【もうすぐ割れる】だの【変なイキモノ】だのってのは、コレの事か?

■ピティ To:ヒノキ&ALL
あ、はい、そうですけど……
これってドラゴンの卵なんですかっ!?

■ロック To:ALL
なんと。ならば雛のうちに一刀両断してしまえばその剣はドラゴン・バスター……

■ピティ To:ロック
おにーちゃん、冗談に聞こえないからやめて〜(^^;

■ミァ To:ピティ
はいはいはーーい!
どこでそれ拾ったんでスカー? もらいものなんでスカー?

■ピティ To:ミァ
ええっと、すぐそこのゴミ捨て場に捨てられてたんです〜。
おとといくらいかな……? ゴミを捨てに行ったら、生ゴミの中にまぎれてて。
変わった色だったし、ゴミに見えなかったから、とりあえずおにーちゃんに見せようと思って……

■ロック To:じぶんのせかい
……もしくはドラゴン・キラー……なんという甘美な響き……(ぶつぶつ)

■ミァ To:ピティ
捨て子ならぬ捨てドラゴン…?
でも捨てるなんてもったいないでスネー。
卵なら卵なりに、ドラゴン・オムレツとか……なんという至高の響き…(きらきら)

■ピティ To:ALL
……あ、あの、それで、どうしようかなって困ってたところなんです。
冒険者の方に相談して、持ち主を探すか、引き取ってくれる方を探そうかな〜なんて。

そう言って3人を、何か懇願するかのような目でじっと見つめる……。
■ミァ To:ピティ
ほいほいほーい! ミー欲しい!!(>▽<)

自分に素直。
■ピティ To:ミァ
ええっ、本当ですか!?

■ヒノキ To:ミァ
待てぃ。こんな得体の知れんモンに気軽に手を出すな。

ミァの襟首を掴んで後ろに下げる。
■ミァ To:ヒノキ
Σ うにぃぃ〜!
ヒーちゃんずるい! さては独り占めする気でスネー!(じたじた)

■ヒノキ To:ピティ
……ペットを拾ったなら、ちゃんと最後まで責任を持つのが飼い主の務めだろ?

ヒノキはピティに【責任】を押し付けた!
■ピティ To:ヒノキ
そ、そんな〜(^^;
ドラゴンの卵だなんてわかっちゃったら、ますます責任負えないですよぅ〜(^^;
せめて落とし主さんに、返してあげないと〜。

ピティは【責任逃れ】を発動させた!
■ヒノキ To:ピティ>アリス
まだ本物のドラゴンが出てくると決まったわけじゃねぇだろ?
けど、もしも本当にそうなったら……。

その手の扱いは、魔術師の専門分野だよな?

ヒノキはアリスに【スルーパス】
■アリス To:ALL
スノードラゴンって、おとぎ話にしか出てこないんだけどなぁ。
でも、本物だったら学院で引き取ってくれると思うよ?

あくまでも冷静に返答。
■ミァ To:アリス
えええー。折角そんなめっずらしードラゴン卵に会えたのに、学院に渡しちゃうなんてもったいないじゃないでスカー!!

めらめらめら。
出会った獲物(=話のネタ)は逃さない。
そのとき。
ピティの手のひらの上の卵が、ふいにぴくりと動いたように見えた。


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