銀の網亭・個室 |
食事を取りつつ歓談をしていた時、おやじがドアを開けた。
手には羊皮紙を持っている。
■おやじ To:ALL |
そろそろ落ち着いたか? 早速で悪いんだが、仕事の話をさせて貰って良いか? まあ、何だ。 お前さん達の面子を聞いたら、是非お願いしたいと言うことでな。 取り敢えずこれを見てくれ。 |
そう言って、おやじは羊皮紙をテーブルの上に置いた。
そこには、
【依頼書】
調査に協力できる信頼の置ける冒険者を求む。
経費は当方持ち。
報酬は一人1000ガメル。
−オラン衛視隊 ファラハ・ソーダック−
と、書いてあった。
■ゾフィー To:ALL |
……衛視隊の依頼。 兵士では手に追えない問題か、表だって処理できない問題の後始末ということかしらね。 ご指名を受けるほど「信頼を置いて」もらえているとは……たいしたものだわ。 実質それを勝ち得たのは、この中のどなたなのかしら? |
■おやじ To:ゾフィー |
いやな、暫く前にも同じ依頼人の依頼があったんだわ。 その時に、エルステッド・ウリディケ・メイシアス・カロンの四人が依頼を引き受けて見事に解決したって訳よ。 なので、その四人をご指名ってこったな。 |
■エルステッド To:おやじ |
私は途中からの参加でしたけどね。 無事達成できて何よりな仕事だったな。 |
■ウリディケ To:ゾフィー、メイシアス>おやじ |
私はロープで縛っただけですが……。 因みに、その時の参謀の一翼だったアールさんはミァさんにヘット・ハンティングされてしまいましたわ。 |
■カロン To:ALL |
ああ、そういえばさっき料理につられて近づいて行ったグラスランナーに声かけられてたのを見たなような(笑 |
■ウリディケ To:ゾフィー、メイシアス>おやじ |
もう一翼のカロンさんは、メイシアスさんのお陰で確保できてますけど。 メイシアスもあの時は私と同じ位の実力だったのに、私が神ヲタクになってる間にすっかり玄人ね。 頼もしいわ。 それで、詳しい話はいつ聞けるのですか? |
■おやじ To:ウリディケ&ALL |
ん? 今からでも良いなら、そう使いを出すが。 少々待って貰うことにはなるがな。 それでいいか? |
■ウリディケ To:おやじ、ALL |
ええ、すぐにお願いします。 皆さんもそれで宜しかったですよね? |
■エルステッド To:ウリディケ |
ああ。異論はない。 |
■カロン To:ALL |
他の皆が問題ないなら俺も構わないけど。 |
■カラレナ To:ALL |
ご指名だなんて、すごいですね〜。 はい、私も問題ないです。 |
■ゾフィー To:ウリディケ&ALL |
わたくし達がここに集ってからそれほど経ってはいないのに、4人を指名しておいて、この場にいない……よほどお忙しい方なのかしらね。 まあ、いいわ。 わたくしは先に申しあげましたとおり、仕事選びに関してはお任せします。 あなた方がそれでよろしいなら、異存はなくてよ。 |
■エルステッド To:ゾフィー |
先に依頼書を出し、受ける冒険者が来てから合流…というのが、ここの一般的な流れのようだ。 穴蔵の貴婦人には、まどろっこしい流れの中にも。ちゃんとした理由が存在するのさ。 |
■ゾフィー To:エルステッド |
あら「面子を聞いたら、是非お願いしたい」という話だったのではなくて? 依頼書は依頼書として出しておいた上で、経験者4人が集ったので、さらに指名したということかと思いましたが……。 そんな離れているなら、どこで知ったのかが気になりましてね。 残念ながらわたくし樹海の風来坊のような、太い神経を持ち合わせておりませんの。 |
■カラレナ To:エルステッド&ゾフィー |
おふたりとも、喧嘩しないでください〜。 それに、あなぐらとかふーらいぼうとか、言っちゃダメですっ。 |
前者は先輩冒険者であるアビィを、後者は父親(エルフ)を蔑まれた気がして、(勝手に)頭に来たらしい。
■カロン To:カラレナ>ALL |
カラレナも落ち着いて(汗まあ、ゾフィーさんの疑問点についてはおやじさんに聞けばいいんじゃない?面子を教えたのはおやじさんなんだしさ。 |
ウリディケも「喧嘩も交流の一手段、下手に止めては禍根が残る」とか思いつつも、依頼人のファラハの前であまり素を見せるのも無作法だから仕方ないと納得する。
■フーテ To:ゾフィー>ALL |
そうしますと、面白い顔ぶれが揃ってるよ、というおやじさんの根回しがすばやかったということなのでしょう。 衛視隊のお仕事ですか・・・、陰謀、暗躍、ふふふふふ。 ちょっとおもしろそうですね、是非引き受けましょう。 |
■カラレナ To:フーテ |
……フーテさん、笑い方が怖いです〜。 私は、陰謀とか暗躍とか、もう嫌だなぁ……。 |
前回の仕事を思い出してちょっとブルーに。
■ゾフィー To:フーテ、カラレナ&ALL |
待ちかまえているときにはすり抜けていき、避けようとしているときには気がついたら逃れられなくなっている。 それこそが陰謀というものではなくて? もっとも、「始まりにも、終わりにも、そもそも巻き込まれたのにすら気づかせない」。 真の謀略は、そうあるべきだと思いますけれどね。 悲しいかな、他の依頼が謳っている「愛」や「信仰」といえども、策謀や暗躍とは無縁でいられない世の中ですから……。 まずは、この依頼人の話を聞いてみましょう。 |
■カラレナ To:ゾフィー |
(……なんだか、さっきからお説教されてるみたい……あ、これがメコンジョーなのかな?) ……はぁ。 |
ちょっとうんざりな顔をしてゾフィーから目をそらす(笑)
■ゾフィー To:カラレナ>ALL |
あら、あなた。 言いたいたいことがあるなら、はっきりおっしゃったらいかが。 他の皆様も、わたくしに遠慮はいらなくてよ。 |
挑むような、やっときたなにかを待ちかまえているような、そんな口調で呼びかけるゾフィー。
■カラレナ To:ゾフィー |
えっ、な、なんでもないですよ〜。 ただちょっと、近所のベスおばさん並にしつこいかなって(あわわ) |
慌てて両手で口を塞ぐカラレナ。
■ゾフィー To:カラレナ |
なら、そのベスおばさんとやらは、相当あなたやまわりの人を気にかけていたのでしょうね。 しつこくあるには、かなりの労力を使うのよ。 大方の人は、聞き流すすべを覚えてしまいますし、それでも話すというのは……。 |
■カラレナ To:ゾフィー>心の中 |
気にかけて……? (そう言えば、そうだったかも……) |
■ゾフィー To:カラレナ |
……おっと、依頼の話でしたっけ。 誰も異議を唱えていないようですし、どうぞお続けになって。 |
■エルステッド To:ゾフィー |
誰彼から乞われもせずに行うのは。その労働の先に何があるやら…。 |
■ゾフィー To:エルステッド |
あら、これこそ「奉仕の精神」とおっしゃっていただきたいわね。 |
■カラレナ To:ゾフィー |
…………も〜。「おせっかい」って言うんですよっ。 |
妙に顔を赤くしながらつぶやいた。
■カラレナ To:ALL |
衛視の方と直接話すのって、初めてです。ちょっと緊張しちゃうかも……。 ファラハさんって、どんな方なんですか? |
そう言って、前回の仕事を受けたというメンバーを見回す。
■カロン To:カラレナ |
う〜ん、一言で言えば中間管理職っぽい人かな(笑 |
■メイシアス To:カラレナ |
街の人のことを思ってくれる、仕事に一生懸命な方ですよ! |
■カラレナ To:カロン&メイシアス |
ちゅうかん管理職……って、苦労が絶えないって聞いたことありますけど…… 一生懸命な方ならなおさら、頑張ってお手伝いしてあげたいですね〜。 |
■カロン To:カラレナ |
うんうん、それは同感。 |
■ゾフィー To:おやじが名前をあげた4人 |
そういえば、ここの元締めの方がおっしゃっておられた「暫く前にあった依頼」について伺っていませんでしたね。 いったいどんな「お仕事」でしたの? |
■ウリディケ To:ゾフィー |
まあ、簡単に言えば……。 |
ウリディケはゾフィーに『月夜に吠える』の話を伝えた。
■ゾフィー To:ウリディケ>ALL |
なるほど、説明どうも。 先に出ていた「人狼退治」の話だったのね。 話を伺う限りあなたの言っていた「責任をとる」ような形にはなりえ……いえ、予断は禁物でしたわね。 そうね、華やかではないけれども、堅実な仕事ぶりが評価されたというあたりかしら。 |