銀の網亭・酒場 |
ウリディケとフーテが2番テーブルにやって来た。
「ドワーフの貴婦人」を確認したウリディケは、自分たちの売り込みを始めた。
今回は初めて『銀の網』亭でパーティを組むフーテと一緒なので、ウリディケは「失敗は後々に尾を引く」と言わんばかりに気を入れて挨拶する。
■ウリディケ To:ゾフィー |
すみません。 前衛できる神官と、勘の聞く戦士はいかがですか? もし宜しければ、是非お仲間に加えていただきたいのですが。 |
丁寧な呼びかけに対する答えは、じろりとした一瞥だった。
腰をかけていたドワーフ女性の遠慮のない視線が、ふたりの頭の天辺からつま先にまで注がれる。
■ゾフィー To:ウリディケ |
……「売り込み」ということなのかしら。 あなた、年甲斐もなくずいぶんな業物をお持ちね。 見合った腕もお持ちと考えてよろしくて? |
ウリディケは自分の腕を過少評価するつもりもないが、かといって“魔剣に見合うか”と問われて「そうだ」と答えるのは尊大に感じられた。
迷っている間にも、思っていることを洩らすところが駄目な所か?
そんな自分を、白雪色の大剣『グリムゾン・クロス』の束頭のメダリオンに彫られた「金の頭の仮面」に笑われた気がした。
彼と、そして彼女……アビィ・アダマントは今ごろどこの空の下を歩いているのだろう。-----
■ウリディケ To:ゾフィー そんな訳ありませんわ。
道具が如何に優れていようとも、持ち主は拾っただけかも知れません。
申し遅れました、私、ラーダの守護騎士…通称『絵本の騎士』ウリディケ・フェニールと申します。腕はそこら辺の兵士長くらいです。
■ゾフィー To:ウリディケ |
どんな手段で入手しようが知りませんが、使えない道具を所有するのは只の道楽でしょう。 あなたはそれを使いこなせる自信があるので持っている、と見受けましたが違うかしら。 ならばその腕、見届けさせて貰いますよ、聖騎士殿。 |
■フーテ To:ゾフィー |
すみません。 こちらの苦労人できっぷのよさげな姉さんは、お買い得だとおもいますよ。 ついでに、感のきく・・・って、え、私ですか?いやいや、でも、私もご一緒させていただければ、大変嬉しいのですが、どうでしょうか。 |
■ゾフィー To:フーテ |
あなた、他人の売り込みより、自分の押し出しかたをもう少し練られた方がよろしいのではなくて? とりあえずおかけなさい、ふたりとも。 |
■フーテ To:ゾフィー |
ドワーフさん、これは痛み入ります。 謙遜はそぶりだけで実はあつかましいですから、どうか安心(おや?)してください。 |
■ゾフィー To:ウリディケ、フーテ |
……で、結局のところ何人集まればいいのかしら。 |
そう話しているうちに、カラレナに誘われた二人が2番テーブルにやって来た。
■カロン Toメイシアス |
ここが2番テーブルか。 カラレナさんの言ってたドワーフさんと見たことあるような後ろ姿の女性が話してる最中かな。 |
■メイシアス To:カロン |
料理もまだみたいですね〜。 ん〜しばしぽけら〜と座ってまったり待ちませふ。 |
そんな二人にも、容赦のない二瞥が向けられる。
■ゾフィー To:カロン、メイシアス>ALL |
あなたがたもこの卓にご用? ああ、さっき娘が声をかけたのね。 で、どちらが「魔法使い」でどちらが「野外活動に詳しい」のかしら。 わたくしにはさっぱりわからないのですけれど。 |
鶏もものトマト煮、トマトサンド、すももとイチジクのミックスジュース(ピッチ)、地鶏とトマトのピザとプチトマト、野菜ジュース、トマトと生ハムのサラダとお盆いっぱいに乗せてふらふらと戻ってくる。
■カラレナ To:ALL |
……あ、あ、あ、落ちる〜、落ちます〜誰か〜〜(わたわた) |
座ったままの姿勢で、ゾフィーが片手を伸ばす。それだけで盆が安定した。
■ウリディケ To:ALL |
あら、カロンさん……それからメイシアスさん………カラレナさんまで、これは一体どういう組み合わせですか? |
■ゾフィー To:ALL |
それはわたくしも伺いたいところですね? |
■カラレナ To:ウリディケ |
あっ、ウリディケさん。 組み合わせは……私がちょっとまごまごしてたから、あのその。 またご一緒していただけるんですね、嬉しいです〜。 |
フーテに向き直って。
■カラレナ To:フーテ |
初めまして、カラレナって言います。精霊使いで、盗賊の技もちょっと使えます。 よろしくお願いします(^^ |
■フーテ To:カラレナ |
カラレナさん、どうかよろしくお願いします。 私は、フーテ・ネクスンといいます。 ほんの駆け出しで面映いですが、感の良い戦士(レンジャーとファイター)です。 |
■カラレナ To:ALL |
あっ、もう自己紹介とか終わりました? こちらがゾフィーさんで、こちらがメイシアスさんとカロンさんです。 ええとごめんなさい、魔法使いのかたには振られちゃって……。(しょぼん) |
■ゾフィー To:ALL |
あの手の輩は偏屈と相場が決まっていますからね。 落ちついて、焦らず動けと言う忠告でしょう、神からの。 わたくしはゾフィー。 ここではゾフィー・フランベルクと名乗らせてもらいましょう。 |
■メイシアス To:ALL |
はひ、挨拶が遅れました。メイシアス・メイズいいます。 はじめまして、とお久し振りです。 よろしくお願いします。 野外活動…基本生活の場ではありますが…んに? |
■フーテ To:ALL |
野外活動・・・落ちこぼれて都落ちしてきました(あれ?)。 フーテ・ネクスンです。 皆さん、よろしくお願いします。 |
■カロン To:ALL |
挨拶が遅れた俺はカロン・ラウリ。 見知った顔が多いけど初めましてはカラレナとフーテさんかな? 見て分かるかどうかしれないけど一応、盗賊兼精霊使いってとこかな。 それにしてもテーブルに立ち寄った後に今回どんな依頼書をあるか見にいってたら夢中になってたよ(笑 |
■カラレナ To:ALL |
ええと、今日の人数だと……あとひとり、でしょうか? 魔法使いさんがいてくれたら、心強いですね〜。 |
3人が持ってきた料理の山に目をやった、ゾフィーの左眉がきりりと上がる。
■ゾフィー To:カラレナ |
なんですか、このトマトの山は。 ここの食事はいつもこうなのですか?それともあなたが注文したの? 偏っているにもほどがあります! |
■カラレナ To:ゾフィー |
あぅあぅ、ごめんなさい。 って、私だけじゃないですよ〜。 メイシアスさんもカロンさんも共犯です!(きっぱり) |
■ゾフィー To:メイシアス、カロン |
あなた達もね……。 まったく。理解できませんわ、冒険者という連中は。 わたくしに同じ振る舞いを求めないでいただきたいところね。 |
■メイシアス To:ゾフィー |
大丈夫ですよ〜。 見た目赤いですが、おかみさんが腕をふるったトマト祭り! 材料様々に栄養バランスもバッチリです。(量と種類を食べれば?) |
■ゾフィー To:メイシアス>ALL |
あらそう?でも味と見た目の均等もとれていないと、とうてい料理とは呼べなくてよ。 旅に出たら粗末な携行食になるのでしょうから、日頃の食事には気を配るべきだと思いますが。 あなた達が、長生きしようとか考えていないなら仕方がないですけれどね。 |
ウリディケは、“おやじの奢りの料理”で「栄養バランスを取ろう」と思う程食生活が追い詰められる前に、ラーダ神殿の炊き出しに来て欲しい……ついでに信者になってくれるとなお良い……と思った。
またバランスも大事だが、所詮「1日30品目」など贅沢に過ぎないとも思っていた。野草30品目なら可能かも知れないが、実際には30品目と数えてくれない。
■フーテ To:ゾフィー |
確かに床まで真っ赤ですけど。 もぎゅもぎゅ、これおいしいですね。 ゾフィーさんも是非召し上がってください。 さぁ、どぞどぞ。 |
■ゾフィー To:フーテ |
……ひとに薦めるなら、もう少し食べ方にも気を配っていただけないかしら? |
顔をしかめながらも、一番綺麗にみえる器とカテトラリーに手を伸ばす。
おそるおそるといった風情でパスタを口にした。
■ゾフィー To:フーテ |
………………。 素朴な味ですわね、でもまあ、この味付けを嫌いとはいえない。 それだけは認めましょう。 場所にみあった食事というのも、あるのかもしれませんね。 |
■フーテ To:ゾフィー |
これは不調法をいたしました。 そうですね、仲間とテーブルを囲んだら、楽しむのも一興ですよ。 そだ、次に機会がありましたら、屋台のとうもろこしをご馳走しますね。 ささ、どんどん召し上がってください。 こちらのピザは、どうでしょうね、もぎゅもぎゅ。 うん、おいしいです。 |
その頃、カウンターでは……。
賑やかな銀の網亭のカウンターの隅に、透明エルフがそっと席を確保した。
■エルステッド To:おやじ、おかみ |
店主殿、お久しぶりです。 とりあえず……ワインと、軽く摘めるものをお願いしますね。 |
■おかみ To:エルステッド |
あら……お久しぶりね。元気だった? 物静かなのもいいけど、少しは自己主張もしないとみんなから気付いてもらえないわよ? そうでなくても、今は一番騒がしい時期なんだから。 |
■エルステッド To:おかみ |
…そのようだな。 まぁ、いい加減ここの状況もわかってきたからな。 ……仕事にあぶれる事はないだろうし。のんびりさせてもらうよ。 |
■おかみ To:エルステッド |
とりあえず、ワインね。 おつまみは……なんだか、急にトマトが大人気になっちゃってるんだけど。 それでいいかしら? トマトサラダにトマトの冷製スープ、それからトマトのシャーベット……はい、お待たせ。 |
■エルステッド To:おかみ |
……そうか。トマト祭りか。 …ありがとうおかみ殿。ありがたくいただくとするよ。 |
もふもふと食べ始めました。
2番テーブルでは、最期の一人をどうするかの話が続いていた。
そこに、先ほどカウンターに着いたエルステッドを見てウリディケが言う。
■ウリディケ To:ALL |
えっ! あの『銀の魔術師』様がいらしているのですか? とても頼もしい話ですね。 |
■ゾフィー To:ウリディケ |
知り合いがいるなら、声をかけてきたらいかが? |
■フーテ To:ウリディケ |
私も仲間は多い方が嬉しいですから、是非お誘いしてみてください。 |
■ウリディケ To:ALL |
それでは、ウリディケが行って来ます。 |
のんびりとワインを楽しんでいるところに来客が。
■ウリディケ To:エルステッド |
御くつろぎのとこ、すみません。 以前ご一緒した、ウリディケ・フェニールです。 もし宜しければ、仲間になって頂けないでしょうか? |
■エルステッド To:ウリディケ |
…これはこれは。また…賑やかなパーティーを画策しておられるのですか? 特に予定があるわけでもなし。今回も宜しくお願いします。 |
依然人間の女性は得意ではないからか。ウリディケの目も見ず答える。
ウリディケに声をかけられ、2番テーブルへと来たエルステッド。
…ハーフエルフ(男女)、ドワーフ、人間(女性)……一瞬、くらっと来ていたのは内緒だ。
唯一、苦手としていない種族・性別のカロンに向かって軽く会釈する。
■エルステッド To:カロン |
カウンターにて声をかけられた者だ。 エルステッド・レムガウスという名だ。以後宜しく。 |
■フーテ To:ALL |
オシェイマスというトマトで有名な伝説のレプラコーンのことを思い出してしまいました。 ・・・今や、ご存知の方はいないでしょうけど。 精霊魔法には、敵を無力化させる魔法とか色々あって、使いでがあって良いですね。 エルフの方の敏捷さを持ってすれば、先んじて魔法を使い、いきなり無力化する事も出来るでしょうからなおさら強力ですよね。 |
■ゾフィー To:フーテ>ALL |
フーテさん、人生の長さを人間の基準で考えるのは危険ですわよ。 この街には、古代王国の記憶を持つものすら住まっている……わたくしはそう聞かされておりますし。 森の住人の落ち着きのなさも、冒険者という目でみれば長所になるのね。 正直な方らしいということは、全身で表現しておられるようですけれども。 |
そう言いながらゾフィーは、一見冷ややかに見える、それでいてどことなく詮索するような視線をエルフに向けた。
■ゾフィー To:エルステッド |
「穴蔵」の住人よりご挨拶申しあげますわ。 ようこそ2番テーブルへ。 わたくしはゾフィーと申しますの、以後お見知り置きを。 |
これでメンバーは揃った。
一行はおやじに個室の鍵を借りるように言うと、二階へと上がっていった。
ところで、テーブルに書かれた「料理の量?トマトの量では負けていなくてよ!」は何故競っていたのだろう?
隣りのテーブルの「テーブル席確保!料理もたっぷり!いやいや、隣には負けませんって!」も気になるところである。