#155 雲の上の話

100万ガメルの女

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ガトーショコラ館
ノーヴァテリウス……くもふね村を急襲すべく『魔法の絨毯』に乗り込んだ一行は、お祭り気分で賑わう市街の上空を突っ切り、ミルフィーユの館を目指した。
道行く人々がそれを見て、何かのイベントだと思い殊更盛り上がっている。
キューレは翼を開きながら絨毯の端を掴んでいるが、速度には影響は出ていない。……とは言え、手が痛くなるこのが分かったので、次からはロープを絨毯に結び引っ張ってもらう方法に変えるつもりだった。

そして、いよいよミルフィーユの館のアーチ門にたどり着いた。
館の中から、男装の女騎士が飛び出してくる。
■男装の女騎士 To:ALL
皆さん、どうかされましたか?

■ジン To:男装の女騎士
実は、ノーヴァテリウスの正確な位置が特定できたのです。
『魔法の絨毯』を使えば、2、3時間の距離です。
これをもって、今すぐ空路でノーヴァテリウスを急襲する作戦をご提案したい。
このチャンスを逃すと、ガゾ山での寄港に一縷の望みを託すだけになります。
もし可能であれば、今から男爵にもご同行願いたいのです。

■レイス To:男装の女騎士
お願いします!

■男装の女騎士 To:ジン、ALL
また、急な!

分かりました、取り敢えず中に。

食堂に通された一行の前には、当主のミルフィーユが待っていた。
一行が事情を話すと、それを聞いたミルフィーユは女中に何やら指示した。1分程待っただろうか?、男装の女騎士が1枚の「手鏡」を持って現れた。
■男装の女騎士 To:ミルフィーユ
ミルフィーユ様、お待たせ致しました。
準備は“一応”整えてあります、エクレールは先に入って準備を始めているはずです。

■ミルフィーユ To:男装の女騎士(=ブリュレ)
ブリュレさん、ご苦労様でした。
それでは館のことはお任せしますので、よろしくお願いします。

ブリュレと呼ばれた男装の女騎士は、敬礼するとミルフィーユに「手鏡」を手渡した。
「手鏡」を受け取ったミルフィーユは、一行に向き直ると話しかけてきた。
■ミルフィーユ To:ALL
私達は、未だ準備ができておりませんが、今は1分すら貴重です。
この「手鏡」は、魔法の力で中に部屋があります。
この「手鏡」の部屋の中でわたくし達は準備を進めますので、準備できるまでどうかこの「手鏡」を持っていってください。

■レイス To:ミルフィーユ
すごい魔法の品ですね。

■ミルフィーユ To:レイス、ALL
はい、旅路には重宝してます。従者1人いれば、着替えも化粧直しも安全ですから。

■リフィル To:ミルフィーユ&ALL
話が早くて助かる

確認なんだが、その鏡の中に、アンタが連れて行くと言った従者が居るのか?
絨毯は5人乗りなんだろう、となると、アンタとは別に従者が載ると…
第一陣はどんな編成にするんだ?

■ミルフィーユ To:リフィル、ALL
はい、エクレールは手鏡の中の部屋に居るはずです。
わたくしもこの中に入り、準備を整えます。

わたくしは魔法のマントで飛び、従者は飛行中、手鏡の中で待機させます。

■キューレ To:ミルフィーユ、リフィル、ALL
なら、みんなで行けるね。

■アール To:ミルフィーユ
魔法のじゅうたんの次は飛行の可能なマントか。
手鏡の小部屋に、このあとはいったい何が出てくるやら。

一行が「手鏡」を受け取ると、ミルフィーユは鏡に自ら写り込んだ。
そして、下位古代語で「お帰りなさいませ、ご主人様」とささやくと、鏡の中に吸い込まれていった。

一行は早々に館を後にすると、『魔法の絨毯』に乗り込み、くもふね村に向かった。
絨毯で飛行中
飛行を続けて1時間程たっただろうか、手鏡の中からミルフィーユが完全武装で現れた。
空中なので着地できずそのまま落ちるが、背中のマントが翻りミルフィーユを飛行させる。良く見ると、腰の巨大レイピアとガトーショコラ男爵家の紋章が描かれた大盾や、“装甲が薄くて”“金色に輝く”式典用プレートメイルも魔法の品のようだ。どうも履いているブーツも魔力がありそうだ。

ミルフィーユは「手鏡」を受け取ると、腰のベルトポーチに「手鏡」をしまった。
■ミルフィーユ To:ALL
今のところ、変わった事はありましたか?

■リフィル To:ミルフィーユ
いいや、悲しい位何もない、敢えて言えば、まだ目標を発見できてない事位だ

■ジン To:リフィル、ミルフィーユ
俺にもまだ掴めん。これは予想以上に難しかったかな・・・

■アール To:ジン>リフィル>ミルフィーユ
ん、大丈夫。今日は星が出ているので、大雑把になら捕捉できているとは思うよ。
一応、こっちで方向は会っていると思う。

■ミルフィーユ To:リフィル、ALL
そうでしたか、間に合って良かったです。

空を自由に飛ぶミルフィーユを見て、キューレが感歎しながら話しかけた。
キューレとしばらく話しているうちに、キューレの腰に吊るされた“グランド・レイピア”が目に止まったミルフィーユは、興味深げに剣の事を問い始めた。
■ミルフィーユ To:キューレ
その剣……使えるのですか?

■キューレ To:ミルフィーユ
えっ?……こんなに大きいのは初めてだけど、いつも使ってるから大丈夫だよ。

■ミルフィーユ To:キューレ
そうですか。
コルネリア流剣術の本流が、くもふね村の「サラマンダーのフレイア」にあることを、また一つ証明したようですね。……事が片付いたら、一度手合わせしたいものです。

■キューレ To:ミルフィーユ
「サラマンダーのフレイア」って誰さ?
あと、手合わせはヤダよ、勝てる気がぜんぜんしない。

■ミルフィーユ To:キューレ
フレイアとは、くもふね村創始者のコルネさんの事です。
地上では習慣に基づきサラマンダーを冠し、名前すら偽名にして活動していました。
御先祖アルバーもコルネさんから剣技を、ネールルさんから戦技を、ブリーチさんからは闘技を学び、コルネリア流剣術に昇華させたと伝えられています。

それから、手合わせは試合ではありませんから、勝敗を決めたり怪我したりはしません。

■キューレ To:ミルフィーユ
そうか、だったらやっても良いよ。落ちついたらね。

そして、更に4時間…オランから出発して5時間が経ち、すっかり真夜中になった頃、巨大な雲の中に浮かぶ帆船を発見した……くもふね村だ。
船底は巨大な盾のように滑らかにして重厚そうであり、巨大な透明な珠が船首と船尾、そして横に4つづつ合計10個が確認できる……しかし、動いている様子はまだない。大盾の裏側とでも言おうか、甲板上には四角い建物とその中央後方よりの場所に10mほどの塔も確認できる。建物は窓から…柱だけで壁のない区画もあるが…も一切灯かりは見えない、まるで廃墟のようだ。

船内が見えるかも知れないほどに近づくと、船の方から3体の悪魔の石像らしきものが飛んできた。
■リフィル To:キューレ&ALL
おい、何か向こうから歓迎が来たぞ

あんまり友好的には見えない、キューレ、取り敢えず絨毯の後ろに回れ
それと、アレは何だ?、第一、手荒い歓迎の事なんか聞いてないぞ!

早速、持ってきた、装填済みCクロスボウを装備して絨毯の前に移動。
キューレも石像が動くのは初めて見るようで、狼狽している。
■キューレ To:リフィル
あれは、村の縁に付いてた石の置物だよ!
あんな物まで動き出すなんて……………村はいったいどうなってるのさ。

■ミルフィーユ To:リフィル、ALL
同感です、全盛期と思われる御先祖様のときでも、一度に10体が限界だと聞き及んでいました。
それが、もう既に3体も動き出しているなんて……絶対、起動してないと思っていました。

どうしますか?
アウトレンジで時間をかけてると、更に増えるかも知れませんが。
しかし、今なら3体倒せば船にたどり着けそうです。船内であれば、攻撃しないと聞いています
あと、「カルハラ空艤場」の近くであれば、空艤場との同士討ちを避けるためあらゆる攻撃手段が起動しないと聞いています。3日間つかず離れずで尾行すれば、船の防御体制にも隙が出来るはずです。様子を見ますか?

■アール To:キューレ>ミルフィーユ
キューレ、あれはガーゴイルってのさ。
きみがやられたゴーレムの兄弟みたいなもんだよ。
岩だったくらいだから相当硬いし、やっかいな相手だね
しかし…隙を待って、これ以上数が増えるのを待つのはいただけないなぁ。

■キューレ To:アール
あの置物、ガーゴイルって言うんだ。

■ミルフィーユ To:アール
ガーゴイル!……あれが?
本物を見るのは初めてです、あれが数多くの冒険談に詠われる遺跡の守護像ですか。

■ジン To:ALL
まずは一戦して敵の戦力を測らないか。
ここまで来たんだ、威力偵察ぐらいしておかないとな。
船のガーディアンなら、船から離れれば追ってこないはず。
勝てそうになければ逃げればいい。

■レイス To:ジン
了解!
最初は俺が操縦してるので、魔法の援護をお願いします!

■アール To:レイス
それじゃ、上手く接敵してくれよ。
飛び道具は苦手だから槍が届くようにね。


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GM:支倉真琴