#155 雲の上の話

華やかな伏魔殿3

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コルネリア候の館、応接間
■ヨシュア To:キューレ
わかった……信用しよう、わしの負けじゃ。

まず作戦を聞こう、どこまで協力したら良い?……お前達の手柄を奪う事は容易い、しかし報復したいのであろう。
協力に見合う分は、条件をつけさせてもらうがな。

■ジン To:ヨシュア
お話中失礼します。キューレに代わってお答えすることをお許しください。
我々には作戦と呼ぶべきものはまだありません。
今分かっているのは、カゾフ周辺のガゾ山の山頂付近にある港に、ノーヴァテリウスが停泊する可能性が高いということだけです。今の我々にできることは、その港に急行してノーヴァテリウスを待ち伏せることだけでしょう。
我々は手柄を立てたいわけではありません。
コルネリア様がご希望であれば、我々はこの件から手を引くことも辞さない所存です。
存分に手柄を立てて頂いてよいかと存じます。

■ヨシュア To:ジン
うむ、……なれば、全てこちらで対応しよう。
キューレとやらは、こちらに渡して貰うが良いか?

それとも、お前達がその港とやらに急行するのか?……然らば、何ぞ準備するが。
どちらでも好きに選ぶが良い。

■ジン To:ヨシュア
ご理解いただき、ありがとうございます。
できればコルネリア様の行軍に、我々も同行させて頂ければと考えております。
ただ、少々調整すべきことがありますゆえ、明朝まで回答お待ち願えないでしょうか。
乗りかかった船でございますれば、我々も微力を尽くしたいと思っております。
・・・して、先の質問でございますが、ノーヴァテリウスの対抗策については、をコルネリア様は継承されておりますでしょうか?

■ヨシュア To:ジン、ALL
……回答は明日まで待てと申すか、まあ良い。

浮遊船ノーヴァテリウスには、ミスリル銀で出来た『鍵』が存在する。
先祖は『鍵』を手に入れ、鍵穴でもある魔法生物「ガーディアン・サーバント」を封印したのじゃが……、動き始めた以上『鍵』が失われたと言う事じゃ。

また、キューレとやらが話す通りならば、未だ敵の手中には無かろう。グリュネとやらも、「ガーディアン・サーバント」に命令してたというのは信じがたい、何かのトリックじゃろう。

じゃが、封印を解かせた者の目論みは上手く行くまい。
500年を経て、時は満ちつつある。次『鍵』を使用したならば『精神力、マナ、装置の耐久力』の何れかが限界を下回り、「ガーディアン・サーバント」は脆くも崩れ去る計算じゃ。先祖代々の悲願は遂に達成されるであろう……。
(神聖魔法パワーリンクの使用できる)極めて高位の大司教の存在や、賢者の学院に保管されておる『幸運の燭台』に比類する魔法の品でもない限りな。

キューレとやらの話が本当であれば、『鍵』はオラン市街のどこかに落ちたかも知れぬ。「封印を解かせた者」達より早く発見できれば、浮遊船ノーヴァテリウスの戦闘能力を消滅させられる可能性もあろう。

問題は、『鍵』を探すには金がかかり過ぎ、『鍵』を確実に刺すとなれば多数の兵士の死を受け入れねばならぬことか。

■ジン To:ヨシュア、ALL
ということは、どちらにせよ「封印を解かせた者」もノーヴァテリウスを自由に動かすことはできないということでしょうか?
・・・であれば、無理に港へ急行せずとも、ノーヴァテリウスの位置さえ掴めれば、「ガーディアン・サーバント」を物理的に破壊することで対処は可能かもしれない。
ノーヴァテリウスの巡航ルートや現在位置を知る方法はありませんか?
また、確実にノーヴァテリウスに乗り込む方法はないのでしょうか。

■ヨシュア To:ジン、ALL
……自由に動かせぬからといって、500年前の魔術師達の命令が有効である限り、オランの領土が攻撃を受けぬ訳ではないがな。
何れにせよ、命令の書き換えには『鍵』が必須じゃ。
今日の昼、市街上空にあったのだから、レンジャーであれば推定可能な筈じゃ。
現地に近づく程に、精度は上がってゆくであろう。

じゃが、確実に乗り込む方法など無い。
我が御先祖もノーヴァテリウスに乗り込む為に、現在我が一族の家宝の一つとなっておる『5人乗りの魔法の絨毯』を使用しておる。

■ジン To:ヨシュア、ALL
今の我々にとっては、『魔法の絨毯』は十分過ぎるほど確実な手段と言えるでしょう。
なるほど。ノーヴァテリウスの巡航ルートは天候による大気の循環で予想できるということですね。
ガゾ山に寄港できるということは、帆などによってある程度方向を操作できるということでしょうか?
「次に『鍵』を使用した時」とは「命令の書き換え時」を含まない・・・ふむ。
命令の書き換えをしてから「ガーディアン・サーバント」を破壊することに、どのような意味があるのですか?
「ガーディアン・サーバント」の破壊だけではノーヴァテリウスを無力化できないということでしょうか?

■ヨシュア To:ジン、ALL
いや、「ガーディアン・サーバント」の破壊だけでノーヴァテリウスは無力化する。
「命令の書き換え」が必要なのは、自由に動かす場合のみじゃ。
巡航ルートの推測方法は、其方の言う通りじゃ。
また、鍵が刺されば『命令待ち』状態になるから、壊れなくても停止する筈じゃ。

■リフィル To:ヨシュア、ALL
 破壊すればいいだけなら、少しは気が楽になったな
破壊した後、雲船事墜落じゃ意味が無さ過ぎだから、心配してたんだ

 取り敢えず、現状を纏めると…
○ガーディアン・サーバントは未だ、500年前の封印が継続中。○鍵を使えば命令は書き換え可能。○鍵をもう一回使えば、老朽化の影響でガーディアン・サーバントは崩れ去る。○ガーディアン・サーバントを破壊すれば、ノーヴァテリウスは無力となる。○鍵はオランに墜ちてる可能性が高い。
 纏めてみると、鍵さえ有れば、封印継続中のガーディアンを簡単に大破させれる訳だ。

 無論、封印が続いてるガーディアンの反応次第だがな

■ジン To:ヨシュア
・・・承知しました。最悪の場合、ノーヴァテリウスの「命令の書き換え」ではなく、「ガーディアン・サーバント」の破壊による無力化を敢行することを了承頂ければと思います。
ただ、可能性は低いですが、『鍵』の当てはあります。
我々の調査によれば、『ガトーショコラ館の「通称シーフ猫」シフォン』が『鍵』らしきものを入手しているという目撃情報を掴んでいます。
よろしければ、ご息女様のお目通りを願えないでしょうか。

■アール To:ヨシュア
そういえばご息女は神官としても武術の方もかなりの才覚とか。
さきほどの「口伝」とやらも含めるなら、今回はご息女にお出ましいただいても良さそうですね。
もちろん、その折には我々が矢避けになりますが。

■ヨシュア To:アール>ジン、ALL
ほう、えらく詳しいのう、嫁にでも欲しいか? 500万ガメルで手を打つぞ。

ともかく、3人いる息子達を差し置いて、未成年の娘を同行させるなど許さぬ。
また、息子達と言えど同様じゃ、本人達の同意を得てなければ許さぬ……娘を同行させたくば、本人に首を縦に振らせるのだな。

■リフィル To:ヨシュア、ALL
 まぁ、本人達に直接逢える機会が無いと説得のしようがないんだが、逢わせて貰えるのか?

■ヨシュア To:リフィル、レイス、ALL
馬鹿を申せ、
「本人に行くと言わせたら許す」と言っとるのに、どうしてわしから逢わせねばならぬのじゃ?

紹介状のコネくらい、自力で何とかせよ。

ヨシュアはそう言って、レイスとキューレを睨んだ。
どうせ、お前達なら何とかできるのであろうと言いたげだ。
■ジン To:ヨシュア
・・・もちろん、行軍の人事に我々が口を出す筋合いはございません。
ご子息、ご息女の同行については、コルネリア様の判断で決めていただいて結構です。
どうしても会わせたくないというのであれば、それも結構です。
先に申し上げた、『ガトーショコラ館の「通称シーフ猫」シフォン』が『鍵』らしきものを入手しているという目撃情報の確認と、その後の調査については、そちらにお願いすることになりますが・・・。

■ヨシュア To:ジン、ALL
うむ、息子達の同行ともなれば、護衛が大変だからな。お前達が娘を上手く誘えねば、使用人をつけるつもりじゃ。

また、娘が『鍵』を持っているのであれば、2〜3日中には交渉をまとめる、安心するが良い。……言っておくが、これ以上の日程の短縮は不可能だからな。

■ジン To:ヨシュア
兵は神速を尊ぶと申します。交渉に時間がかかるのであれば、別の手段を取りましょう。
それにしても、実の親といえどご息女様にお会いするために時間がかかるとは・・・
何か特別な理由がおありなのでしょうか?

■ヨシュア To:ジン、ALL
特別な理由など無い。
わしの考え方と、あの者の生き方が合わなんだだけじゃ。

あやつは、甘すぎる……御先祖の血を濃く引きすぎたようじゃ。

■リフィル To:ヨシュア、ALL
 先祖の血を濃く引いてるか…どんな性格の女性なんだ?
お人好しで、正義感に溢れてでもしてるのか?
まぁ、英雄の血を濃く引いてるなら、何を困る事があるんだ?良い事づくめだろ?

ヨシュアは、あごひげを撫でながらリフィル達の言葉を聞いていた。
険しい顔は、今までとはまた違った険しさに、変わったような気がした。
■ヨシュア To:リフィル、ALL
……良い事づくめか。
いっそ庶子であれば、そうであったかも知れぬな。

■アール To:リフィル
そういえばリフィルには言ってなかったね。
“そういう女性”でファリスの“敬虔な”神官だそうだよ。
息子ではなく、娘の同行を聞いた理由はまさにそこにあるのだからね。

わざわざヨシュアに聞こえるように説明を加える。
■アール To:ヨシュア
お嬢様には直にお伺いさせていただくということでよろしいようですね。
ただ、「口伝の」という部分が気になりますので、ご息女にも伝わっているかどうかだけお聞かせいただけますか。
御伽ばなしでも、我々には貴重な情報な状況、はっきり言うならば、それこそが重要でありますから。
あと、私は別に「お嬢様に」特段の興味があるわけではありませんし、侯がどう思われるかはわかりませんが、結果としてコルネリアの名が上がる分には問題ないでしょう。

■ヨシュア To:アール、ALL
ああ、構わぬよ……会えればな。

口伝を「あの者」が覚えておるかは知らぬが、口伝をそらんじる事ができねば侯爵の継承権を認める事はできぬ。……あの者も承知しておる筈じゃ。


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GM:支倉真琴