三角塔・賢者の学院、図書館 |
お祭り騒ぎの目抜き通りを抜け、賢者の学院までやってきたジンとリフィルは、早速「文献調査」をすべく受付へと向かった。
受付には栗色ショートヘアの学生風の少女が座っていて、見た目の幼さに対して生意気なまでに突き出た胸に張りついた名札には、「エリン」と書かれていた。
■エリン To:ALL |
えーっと、名簿を確認します。 ジン・ウィンダリア正魔術師様ですね、どうぞお通りください。 助手がご用命でしたら、遠慮なくお申し付けください。 |
■ジン To:エリン |
ああ、すまんな。 ここは庭見たいなもんだ。自分で探してみるさ。 とりあえず、導師にこいつを届けてくれ。 俺は2階のカストゥール戦史編纂室にいるから、導師から声がかかったら呼んでくれ。 |
銀の綱のおやじに話したのと同じ内容の手紙をエリンに差し出す。。
エリンは事務室から人を呼ぶと、手紙を『導師』に渡すよう頼んだ。
司書補佐の少年は、手紙を受け取ると素早く奥に消えていった。
ジンは、2階のカストゥール戦史編纂室に着くと早速『青年「アルバー」含む6人の英雄について』調べ始めた。
伝承の原本や研究書が見つつかり、内容はこうだった。
・「部族の長の息子の青年」(アルバー、人間、男、当時20歳)
直系子孫は、現コルネリア侯爵家
・「無双弓の爺」(バリウス、人間、男、当時62歳)
子孫不明、バリスタの名前の由来だという噂もある……たぶん俗噂だろう。
・「ファリスの聖戦士」(名称不確定、人間、男、当時20歳)
アノスのファリス神殿では、該当する聖戦士は不明としている……が、 非公認で『聖者、小コープ』(時代を遡ると、大コープも存在する)とされている。
◆『聖者、小コープ』
500年前に「大活躍した」ファリスの総大司教にして枢機卿の神官。
「殺さず」の信念を貫き、小国の戦争の仲裁に入った際になぶり殺されたとされる。
・「ハルバード使いのグラスランナー」 (ネールル、グラスランナー、女、当時30代)
世にも珍しいクラランの傭兵。その後の小国の小競り合いでも、度々名が出てくる。
子孫不明。
・「フェザーフォルクの少女」(通称「サラマンダーのフレイア」本名「コルネ」、女、当時10代後半)
戦いの活躍より「恋物語」が多く語られるが、戦闘能力は高かったようだ。
子孫は、現くもふね村住民?
・「銀の甲冑をまとったエルフ」(ブリーチ、エルフ、男、当時130代)
オラン近くに住む、地元のエルフ。現在も生きてて、部落を守っているらしい。
ジンは、「銀の甲冑をまとったエルフ」について、「大災害」を精霊王との“交渉”によって回避する英雄職「交渉者」の名を持つブリーチの事を思い出していた。
この御仁は現在、オラン近くの森の村(集落)の自警団長に就任しているが、この件の関係者かまでは判然としない……。
次にシーフ猫について気になったので『動物を密偵のように使う魔法は物品が存在するか』について調べた。
結果として見つかったものの、シフォンの発見したそれらの状況は、何れも今回の件と合致しなかった。
また、浮遊船ノーヴァテリウスの詳細とその操作システムについて、片っ端から調べ尽くした。
【概要】
・古代語魔法『コマンド・コーレム』必須。
・古代語魔法『ディスペル・オーダー』必須。
・『鍵』=「虹色に輝く棒」=「杭」、必須。
・「鎧の化物」=「ガーディアン・サーバント」(ストーン・サーバントの高性能なもの)に『鍵』を刺し、上位古代語(魔法)で命令するだけで、適切に判断して操船してくれる。
・舵に当たるものは一切無く、動力源の魔法装置のスイッチ等も「ガーディアン・サーバント」そのもの。
※次に『鍵』を刺したら、老朽化や環境の変化などの理由によって、魔力が暴走し『操作システム』は破壊されると予想された。
しかし、それは環境や風化の問題の為、それを克服すれば破壊をまのがれる事ができるかも知れなかった。
具体的には、
○風化対策
1.装置を新品に(何らかの方法で)戻す。
○環境対策
1.理力の塔を建立する。
2.『鍵』を刺す際に魔力が生じるため、この瞬間に莫大な精神力を調達する(儀式可)。
○幸運に任せる
と、言ったところだった。
時間を戻して、ジンがリフィルと別れた頃。
■リフィル To:エリン&ジン |
ジン、時間がない、手分けして行くぞ エリン、此処は始めてくる場所で勝手が判らない、 取り敢えず、オラン>カゾフ間のとオランから東方面… グロザムル山脈とまで行かないが、ソレなりに険しい山が載ってる地図を見せて欲しい。 やりたい事は、まだあるが、まずはコレ位だ、また後で何かお願いさせて貰う |
■ジン To:リフィル>エリン |
そうだな。じゃあフィルは地図の方を頼む。 エリン、フィルに地図庫の方を案内してやってくれ。 |
ジンは意味ありげにニヤリと笑うと、さっさと2階への階段は向かってしまう。
■リフィル To:ジン |
やれやれ、 嫌いじゃないが、仕事の片手間に相手をする気はないぜ(苦笑) |
■エリン To:リフィル |
分かりました、こちらです。 |
しばらく林立する本棚を抜けると、目的のコーナーにたどり着いた。
自分の背の優に3倍は積まれた地図帳や巻物がそびえ立つ!
予想以上の資料の多さに、暫く愕然となる。
■リフィル To:エリン |
……… パス とか言えればどれだけ楽か…、エリン、早速助手の都合を付けて欲しいんだが。 今は、兎に角時間が惜しい、1回か1時(とき)かは知らないが、成る可く役に立ちそうなヤツをお願いする 出来高払いとか言わないが、取り敢えずまず、50ガメルで頼む。 (所持金−50) |
■エリン To:リフィル |
わたしでよろしければ、お手伝いしますわ。 結局何を探せば良いんですか? |
エリンは15歳くらいに見えるが、“胸のデカさ”がもっと年上かも知れないと思わせた。
■リフィル To:エリン |
まずはカゾ山関連の地図が欲しいな、カゾ山までのルートやカゾ山中腹が載ってるヤツ希望だ。 仲間の話では、カゾ山の9合目当たりには遺跡が有るので、その遺跡っぽいヤツの資料も欲しい そして、その遺跡と同様な遺跡がオラン、カゾフ周辺の山々に有るはずなので、場所が知りたい。その手の資料有れば上出来だが… 一緒に捜してもらえるか? |
エリンは脚立を準備し、資料の山に立ち向かった。
脚立のてっぺんまで登って“やっと”山の真ん中あたりだったが、そのあたりからざくざく資料を抜いていく。
リフィルの手元には8冊の、それぞれ分割され製作年代も異なるが、全てをつなげば、街道からカソ山の山頂までの道のりが記された地図と、カゾ山の9合目当たりにあるとされる遺跡「カルハラ空艤場」の地図2冊が集まった。
エリンは脚立の上からリフィルに話しかけた。
■エリン To:リフィル |
お探しのものは、これでよろしかったですか? |
■リフィル To:エリン |
あぁ、助かった上出来だ もう一つ資料、この「カルハラ空艤場」同様の遺跡が有ると思うから、【オラン、カゾフ周辺の空艤場】の場所が判るヤツを頼む それと、資料探しとは関係ないが、レディが高い位置から下にいるヤツに話しかけると、目のやり場に困るぜ(笑) (からかいながらも、万が一を考えて、エリンが落ちてきても対処できる様に注意は払ってる) |
■エリン To:リフィル |
えっ、目のやり場?………あっ! |
リフィルに指摘され慌ててスカートのお尻を押さえるが、脚立の上で突然ポーズが変わり重心が背中側に移動したため、くるんっと後転し脚立から転がり落ちる!
エリンには何が起こったか分からないまま、リフィルの上に落ちた。
落下の衝撃は図書館の床を揺るがし、資料の山も崩れ落ちてきた。
資料の山はリフィルとエリンを飲みこみ、部屋周辺に埃を舞い上げた。
■リフィル To:エリン |
よっと、あぶねーぞ、気をつけな |
エリンをキャッチしたのち…
エリン>自分の利き腕>自分…の優先順位で降ってくる資料から身を庇う。
資料崩れ(?)も収まり、気が付けば「お姫様だっこ」になっていたエリンは、恥ずかしげにリフィルにお礼した。
■エリン To:リフィル |
あっ!………ありがとうございます。 |
そこへタイミングよく(?)通りかかるアール。
…だったが、周囲に人の気配がないのを確かめると、気付かれないようにそのまま“忍び足”で立ち去った。
■アール (独り言) |
人手は足りてるみたいだな…というよりお邪魔みたいね。(苦笑) ってことは、ジンさんが調べものしてるのはあっちか…。 |
エリンは頬を染め、恥ずかしそうにリフィルの腕の中から降りると、周囲を簡単に(かつ的確にして正確に、ついでに素早く!)片付け、気を取り直して写し作業に取りかかった。
■エリン To:リフィル |
じゃあ、書き写しましょう! |
エリンは正に「想像を超える」スピードで、写し進めていく。
一度失敗したとエリンが泣き出す場面もあったが、結局ティータイムにまでには書き終わった。
■エリン To:リフィル |
ふ〜う、 何とか終わりました。 あと、「カルハラ空艤場」以外の空艤場と呼ばれる場所はないみたいです。 |
エリンと協力して得られた調査結果は、「カルハラ空艤場」以外に『空艤場』と呼ばれるものは存在しない」というものだった。
なお、空艤場とは、浮遊戦艦に艤装する為の乾ドックである。
また、至る所の「フェザーフォルクの集落となっている山」に、浮遊船ノーヴァテリウスが漂着することが確認されていた。
少なくとも、オラン王国内に5ヶ所が詳細な位置について記録されていた……、何れも、ガソ山より遠いが。
■リフィル To:エリン |
みたいだな…、こいつ(くもふね)の航続飛行距離は相当なモノに成る訳か つまり、【カルハラ空艤場】で、捉え損なうと、アウトか… フェザーフォルクの様に飛べれば追いつけるのに、ヤレヤレだな |
しばらくすると、図書館の司書と思われる「眼光の鋭い」老人がやってきた。
エリンに何やら耳打ちすると、エリンの顔色が変わったようにみえた。
■エリン To:リフィル |
リフィルさんすみません、次の仕事が入ったようですので、これで失礼します。 |
■リフィル To:エリン |
いや、充分過ぎる程助かった まぁ、根を詰めない程度に頑張りな… あと、あんまり高い処に立つんじゃないぜ(笑) |
書き物も終わったので、エリンをからかって見送りつつ、散らばった書籍を棚に戻す
(当然、正確な定位置は判らないので大凡で)
その頃、ジンの調べ物についても途中アールの合流もあり、必要な調べ物を一通り終わらせることができていた。
その時、ジン達の後ろから何者かが近づいてきた。
やっと、導師がやってきたようだ。
■導師? To:ジン |
お待たせ致しました。 手紙は読ませていただきました、詳しい事を聞かせて頂けますか? |
そこに立っていたのは、他ならぬ「エリン」だった。
しかしその服装は、正魔術師でも特別に高位の導師にしか着ることが許されていないものであり、また、「メイジスタッフの作り」「各種装飾品」が、この図書館棟の副棟長職の導師であることを示していた。
また、おかしいくらいに突き出した胸が、ディスガイズの可能性を否定しているようだ。
……胸に詰め物していれば別だが。
■ジン To:エリン |
君・・・いや、あなたが導師でしたか。 |
■エリン導師 To:ALL |
この図書館棟の副棟長エリン・コイルです。 棟長は『第一回トレジャーハンター大会』の前夜祭招待会に出席する為、本日は当館には来られません。 わたくしが、棟長代理を務めさせて頂きます。 |
アールは平静ではあったが、苦笑しながら心の中で呟いた。
(あの子導師だったのか…からかわなくて良かった…)
■ジン To:エリン導師 |
フェザーフォルクの少年に聞いた話は、手紙に書いたとおりです。 一応、その裏を取るためにこうして資料を集めているんですが・・・ |
ジンはこの数刻で調べ上げた関連情報を導師に語る
■ジン To:エリン導師 |
この脅威、導師はどう見ます? まず、ノーヴァテリウスが現存し、今も上空を巡航していること自体は間違い無い。 問題は、オランに大規模な危害を及ぼしかねない魔法武装がまだ機能している可能性があるということです。 いや、魔法武装が機能していなかったとしても、このオラン上空を巨大な物体が飛んでいたという事実だけでも十分脅威です。 それを王城に落とすような危険なことを考える輩がいるかもしれないですからね。 今回はそういった脅威を未然に防ぐよい機会だと私は考えます。 一応、ノーヴァテリウスに乗り込む為の手段はありますが、それも確実ではない。 そこで導師の、そして三角塔の力をお借りできないかと伺ったんです。 |
■エリン導師 To:ALL |
わたくしも文献調査のお手伝いをさせていただきましたが、重大かつ慎重な対応が必要と思われます。 偶然ではありますが、オランの街で祭事が予定されていますので、単に情報を公開するだけでは騒乱になることは間違いありません。 検討してみますが、具体的にはどのような協力を求めてますか? 情報公開を最小限に抑えるのであれば、あまり大々的にはできません。また「大々的」の範囲には、わたくしを含む「導師のパーティ参加」や「魔法の品の貸し出し」も現状では含まれています。……おもちゃのような物であれば別かも知れませんが。 |
■ジン To:エリン導師 |
できれば、空を飛ぶ為の「手段」を貸して頂けると助かります。 先ほども申したとおり、ノーヴァテリウスに乗り込む為の方法が確実ではありません。 その方法が使えなかった時、我々は浮遊船の下で指をくわえて見ているだけということにも。 より確実にこの任務を遂行する為には「空を飛ぶ」能力が不可欠なのです。 |
■エリン導師 To:ジン、ALL |
申し訳ありませんが、「手段」が「魔法の品の貸し出し」を指すのであれば、「魔術の塔」の長の許可を得る必要がありますので、その結果、学院が大騒ぎとなる懸念があり、簡単には応じられません。 即座に対応可能な方法は、フライトのスクロールを1本準備するくらいです。 もちろん、正規の値段で購入するだけなら、特別に目立つ事もないでしょうが。 |
■ジン To:エリン導師 |
・・・何か我々に話せない裏事情がお有りのようですね。 いいでしょう。フライトのスクロールを頂きます。 ただし長には、大事に至る前にエリン導師の責任でお伝えください。 私も、私に連なる者達に迷惑をかけるわけにはいきませんので。 |
ジンは懐をまさぐって革袋を取り出し、中を検める。
ざっと2000Gは入っていそうだ。
■エリン導師 To:ジン |
いえ、このスクロールにお金は不用です、差し上げます。 事の重大さは理解しているつもりですが、個人的にはここが限界ということです。 |
■ジン To:エリン導師 |
助かります。 エリン導師であれば問題ないかと思いますが、念のため、この件は他言無用に願います。 ただ、各塔の上層部にも、この件耳に入れておきたいのです。 各塔がすばやく対応が取れるようにしておく必要があると思いますので。 必要であれば、私の名前で封書を認めましょう。 |
■エリン導師 To:ジン |
他言無用なのに各塔にも手紙を渡すんですか?……何か考えがあるみたいですね。 わたくしも、策が上手くいくことを祈っています。 あと、このスクロールは遅くとも1週間ちょっとで魔力を失ってしまいます。 魔力が失われた事は、見ただけでも、触れただけでも分かります。 まだ、わたくし達の研究成果は、カストゥールには遠く及びません。 |
■ジン To:エリン導師 |
私にはまだ策などありませんよ。我々は明日オランを発ちます。 万が一にそなえて、その対策を先生方にお願いしておきたいだけです。 |
■アール To:エリン導師 |
割り込ませていただいていいですか? これは導師に“内緒”で理解しておいていただきたい情報なのですが…われわれは「コルネリア侯」に狙われているかもしれない状況でして。 理由については、説明は省かせてもらいますが、私は先ほどのノーヴァテリウスに絡んで「アルバー」の子孫であるコルネリア侯にもなにか協力が仰げないか?と考えていまして。 先方に協力してもらえるかはともかく、導師に協力を仰ぐ旨の“紹介状”を手配していただけませんか? |
ジン、アール、エリンがアレコレ話し合いしてる最中、片づけを終えてリフィルも到着。図書館なので忍び足で移動〜
■エリン導師 To:アール、ALL |
コ……「コルネリア侯」に“紹介状”ですか? 学院から候に対して何かを進言するのは、かなり難しいと思いますが……。 もちろん、アールさんとジンさんの「正式な紹介状」は、いつでも出す事ができますので、すぐに手配いたしましょう。 |
■アール To:エリン導師 |
進言ではなく、あくまでも“協力の要請”ですので。 侯もファリス信者ということならば、ご先祖の偉業をなぞらえたとて拒む道理はありますまい。 なにか特別な“伝承”でもみつかれば、なお幸いですし。 |
■エリン導師 To:アール、ALL |
もちろん、その通りだと思いますが……コルネリア侯は魔術師を嫌っています。気を付けて下さい。 |
■アール To:エリン導師 |
「魔術師を嫌っています。」ですか…。どう気を付けるんだか。(苦笑) |
■エリン導師 To:アール、ALL |
具体的には、身分を隠すのが良いと思いますが……、隠して、それでかえって信用を無くすような事になるのも問題です。 紹介状もタイミングが重要そうですね。 |
■アール To:エリン導師 |
タイミング…ね。っと、そういえば…。 |
突然、なにを思ったのかエリンに耳打ちするように小声で話す。(リフィルの忍び足を気付いているなら以下に変更)リフィルが近づいてきているのを察知すると、エリンに耳打ちするように小声で「さっきの状況を見ていた」ことを伝える。
もちろんリアクションがリフィルに見やすい角度にする配慮付きだ。
■アール To:エリン導師 |
導師の方がリフィルとどういう関係かは問いませんが、“親密な行為”をするなら、こういった場所というのは控えた方がいいと私は思いますが…。まあ、性癖や行為自体は否定しませんので、ほどほどにしてくださいね。 |
■エリン導師 To:アール |
えっ、性癖? …………………………! |
エリンは先程の“お姫様だっこ”された時のことを思い出し、首から上を真っ赤にさせて手足をバタつかせた。呪文の詠唱中でも、ここまでは動くまい。
■エリン導師 To:アール |
あれは不可抗力です!ハプニングです!わざとじゃありません!。 ………………………………………あっ! |
突然うずくまって静かになってしまう。
「ぱんつ見られた羞恥心」と「だっこされた感触」がリフレインし、エリンの頭の中でぐるぐる回っている。
■リフィル To:アール&エリン導師 |
アール、大体の想像は付くが、お前一体、何言ったんだ? 何時から見てたかは知らんが、残念だが、あれ以上の出来事は無かったぜ(笑) で、エリン…アンタも何やってんだ、少しは落ち着けよ それにしても…派手に着飾ってるところを見ると、お偉いさんだったんだな… となると、言葉使いを改めた方が良いのか? さっきの事は、まぁ俺としては良い出来事だったんで、あんなハプニングなら何時でも大歓迎だな(笑) |
■エリン導師 To:リフィル |
はっ、はい。……いいえ、言葉使いはこのままで良いです。 |
■アール To:リフィル |
やれやれ、こういう時にはもっと「女性の味方」らしく振舞わないと彼女のハートは掴めませんよ。 もっとも、そういうところで裏表のないのがリフィルの売りなんでしょうが。 ふぅ、せっかく嫌われ者をやってあげてるのにねぇ。 |
こちらでは茶化しつつ、真面目な表情でジンに向き直る。
■アール To:ジン |
で、嫌われるといえば、ネイサンがなぜコルネリア侯に狙われるのかをギルドで聴きそびれたな。 ネイサンの行動を候が戒めるためだとは思い難いし…。ジンさん、酒場で合流する前にそこを確認しておいた方がいいかな? それとも、侯の前に、直にネイサンに会いにいくか…。 |
■ジン To:アール |
ふむ・・・ネイサンと話すのはまだ早すぎると思う。 商人相手に、手持ちのカード無しで商談はできんさ。 まず銀の綱亭に戻って皆と情報交換しよう。次の行動はそこで決めようか。 |
■アール To:ジン |
そうだね。じゃあ移動しようか。 あっ…と、リフィルは何か用事があるなら、もう少し調べ物していってもらってもいいけど? |
リフィルとエリンに向かって悪びれずに言うと、「じゃあ」と踵を返す。
■リフィル To:アール |
いや、名残惜しいが、エリンの仕事の邪魔はしたくないんでね、一緒に引き上げるとするさ |
■アール To:エリン導師 |
じゃあ、埋め合わせは今回の仕事が片付いたらしますので。リフィルが。 |
続けて覚えたてのドワーフ語で「えっちぃコト」をなにやら呟くと、逃げるように出て行く。
エリンがなにやら「のた打ち回って」いたが、それは別の物語で。